Botpress AIチャットボット 無料枠で中小企業の一次対応を70%自動化する
「まずは費用をかけずにAIチャットボットを試したい。でも本格運用になったときに機能不足で乗り換えるのは避けたい」——そんな中小企業・個人事業主に向くのが、オープンソース発のAIエージェント構築プラットフォーム Botpress です。
Botpress は無料枠だけで月100件の会話に対応できるAIチャットボット・AIエージェント構築サービスです。本記事では、編集部が料金プラン・無料枠でできること/できないこと・導入手順・他ツールとの違いを整理し、問い合わせの一次対応を効率化する現実的な使い方を中小企業目線で解説します (Botpress 公式サイト 参照)。
- Botpress は2017年創業のオープンソース発AIエージェント基盤で、単純なFAQ回答だけでなく複数ステップの自動応答まで作り込める
- 無料のFreeプランは月100会話・1シート・AIエージェント3体まで利用でき、追加料金なしで試せる
- 有料は年払いでPlusが月額約¥22,500 (月250会話)、Teamが月額約¥112,500 (月1,500会話) から
- 「一次対応を70%自動化」はあくまで定型的な問い合わせが多い場合の目安 (編集部のシミュレーション)
- ノーコードの画面操作から始め、必要な範囲だけ開発者向け機能で拡張できるのが他ツールとの違い
編集部の見解として、Botpress の価値は「無料枠で試した仕組みを、そのまま本格運用まで育てられる」点にあります。Chatbase のように資料を読み込ませるだけの手軽さと、Voiceflow のような視覚的なフロー設計、そのどちらの要素も持ちながら、必要に応じてコードで拡張できる余地を残している——これが中小企業にとって「小さく始めて、大きく育てられる」選択肢になり得ると考えます。
📌 Botpress とは何か
Botpress は、カナダ・モントリオールの Botpress, Inc. が2017年に創業したAIエージェント構築プラットフォームです。もともとオープンソースの対話AIフレームワークとして始まり、現在は特定の大規模言語モデル (LLM) に縛られない「モデルを選ばない基盤」を掲げています (Botpress 公式サイト 参照)。
単純な一問一答のチャットボットだけでなく、次のような使い方ができます。
- FAQ対応: 自社サイトの資料やFAQを読み込ませ、訪問者の質問に自動で回答
- 複数ステップの自動応答: 「注文状況を確認→該当しなければ有人担当に引き継ぐ」のような分岐処理を組める
- 外部システム連携: WhatsAppなどの外部チャネルや、社内システムとの連携を組み込める
ノーコードの画面 (Botpress Studio) で基本機能を組みつつ、必要な部分だけ開発者向け機能 (ADK) でコードによる拡張ができる点が、単純な資料読み込み型のツールとの大きな違いです。次のセクションでは、気になる無料枠の内容を整理します。
💰 無料枠でどこまでできるか
Botpress の Free プランは、費用をかけずに実際の運用イメージを掴める内容です。編集部が公式料金ページで確認した内容は次の通りです (Botpress 公式料金ページ 参照)。
- 月100会話まで: 追加購入や超過料金なしの範囲で運用できる
- 1シート・AIエージェント3体まで: 小規模な検証には十分な枠
- Botpress Desk・Studio・ADKが利用可能: 有料プランと同じ開発環境で試作できる
- ヘルプセンター・コミュニティサポート: 公式ドキュメントとコミュニティでの質問が中心
まずは無料のFreeプランで「よくある質問トップ10」だけを登録し、1〜2週間の実運用で会話数と精度を確認するのがおすすめです。月100会話に収まる規模なら、費用ゼロのまま継続運用できます。
月100会話を超える見込みがあるなら、有料プランへの切り替えを検討する段階です。次のセクションで料金プランを円換算で整理します。
料金プラン (円換算の目安)
Botpress の料金は米ドル建てです。下記は編集部が約¥150/$で換算した目安で、年払い契約時の月額換算です (為替や契約条件により変動します)。
各プランの違いを、中小企業の使い方に当てはめて整理すると次の通りです。
| プラン | 月額 (年払い目安) | 月間会話数 | 追加分の料金 | 想定する使い方 | 編集部の評価 |
|---|---|---|---|---|---|
| Free | ¥0 | 100件 | 追加購入なし | まず動作を試す | お試しに最適 |
| Plus | 約¥22,500 ($150) | 250件 | 100件ごと$65 | 個人事業主・小規模事業者 | コスパ良 |
| Team | 約¥112,500 ($750) | 1,500件 | 100件ごと$50 | 問い合わせが多い中小企業 | 本命 |
| Enterprise | 個別見積もり | 個別設定 | 個別設定 | 複数部署・大企業 | 中小企業には過剰 |
Plus は3シート・AIエージェント無制限に加えてWhatsApp連携やホワイトラベルのWeb窓口が使え、Team はシート数無制限に加えてチーム分析・権限管理・リアルタイム共同編集が使えます (Botpress 公式料金ページ 参照)。
⚠️ 上記は年払い契約時の月額換算です。月払い契約や為替レートによって実際の請求額は変わります。契約前に必ず公式料金ページで最新のドル建て価格をご確認ください。
中小企業の多くは、月数百件規模ならFreeかPlusで十分なケースが大半です。次は、導入で実際にどれくらい工数が変わるかを試算します。
一次対応はどれだけ楽になるか (編集部の試算)
「70%自動化」という数字は、定型的な質問が問い合わせの大半を占める事業者を想定した編集部のシミュレーションです。すべての問い合わせが自動化できるわけではない点に注意してください。
- 1日20件の問い合わせに手作業で返信
- 定型質問にも毎回ゼロから回答
- 対応に1日あたり約2時間
- 定型質問はAIエージェントが自動回答
- 人は判断が必要な案件だけ対応
- 対応は1日あたり約40分に短縮
定型質問が多い場合の目安。実際の削減率は問い合わせ内容により変動します
重要なのは「AIに任せる範囲」と「人が見る範囲」を最初に線引きすることです。営業時間や料金体系のような答えが決まった質問はAIに、個別の見積もりや苦情対応は人に振り分けると、品質を落とさず工数だけ減らせます。
業務全体の自動化に踏み込みたい場合は、Make で問い合わせを自動化するレシピ のような他ツール連携も合わせて検討すると効果的です。次のセクションで導入手順を見ていきます。
🛠 導入の流れ (5ステップ)
Botpress の導入は、無料のFreeプランから始められ、専門知識がなくても最初の一歩は進められます。
1. 無料アカウント登録
公式サイトからFreeプランで登録します。クレジットカードは不要です。
2. 自社情報の読み込み
サイトのURL・PDF・FAQを読み込ませ、AIエージェントに自社の知識を覚えさせます。
3. 会話フローの設計
Botpress Studio上で、定型質問への回答と有人対応への引き継ぎ条件を組み立てます。
4. テストと調整
実際に質問して回答を確認し、間違う箇所は資料やフローを追加して直します。
5. サイトへ設置
発行されたコードを自社サイトに貼る、またはWhatsAppなどの連携先に接続して公開します。
最初から完璧を目指す必要はありません。よく聞かれる質問10〜20個をまず登録し、運用しながら答えられない質問を足していくのが現実的です。次は、具体的にどんな事業者がどう使えるかを整理します。
経営者・事業主の活用シナリオ
- EC運営者: 「配送状況」「返品方法」などの定型質問をAIエージェントが即答し、有人対応は個別クレームに集中
- 士業・コンサル: 初回相談前の「料金体系」「対応エリア」の案内をAIに任せ、面談は本題から始められる
- 店舗・サロン: 営業時間や予約方法の問い合わせをAIが処理し、スタッフは接客に集中できる
- 小規模のクラウドサービス (SaaS) 事業者: 無料枠のうちに自社ドキュメントを読み込ませ、問い合わせが増える前にFAQ対応を仕組み化しておく
いずれも「定型対応をAI、判断が要る対応を人間」という分担が成立する業務が向いています。次に、導入前に知っておきたい注意点を挙げます。
導入前に知っておきたい注意点
⚠️ 管理画面と公式ドキュメントは英語中心です。翻訳機能を併用すれば操作は可能ですが、日本語UIに慣れた担当者は最初に戸惑うことがあります。また無料枠は月100会話までのため、これを超える運用を続けるには年払いで月額約¥22,500からのPlusプランへの切り替えが必要です。事前に想定会話数を見積もっておきましょう。
- 回答精度は読み込ませた資料の質に依存: FAQや説明ページが薄いと、AIも「分かりません」を返しがちです
- コード拡張には技術知識が必要: ADKを使った複雑な自動応答は、非エンジニアだけで作り込むのは難しい場合があります
- 個人情報の扱い: 問い合わせに氏名や連絡先が含まれる場合があるため、プライバシーの取り扱い方針を社内で決めてから公開しましょう
これらは設計と運用でカバーできる範囲です。「定型質問はAI、重要案件は人」という線引きを最初に決めておけば、大きな事故は避けられます。
編集部メモ: AIエージェントは「作って終わり」ではなく「育てる」ものです。月に一度、答えられなかった質問を見て資料やフローを足す——この運用を続けた事業者ほど、自動化の実感が積み上がっていきます。
次に、似たツールとの違いを整理します。
他のチャットボットツールとの違い
問い合わせ自動化のツールは複数あります。中小企業がよく比較する選択肢と Botpress の位置づけを整理しました。
| ツール | 主な強み | コード拡張の余地 | 中小企業フィット |
|---|---|---|---|
| Botpress | オープンソース発、無料枠から本格運用まで拡張可能 | ◎ (ADKでコード拡張可) | ◎ |
| Voiceflow | ビジュアルなフロー設計に強い | ○ (視覚的画面が中心) | ◎ |
| Chatbase | 資料を読み込ませるだけの手軽さ | △ (ノーコード中心) | ○ |
シンプルさを最優先するなら Chatbase 、視覚的なフロー設計を重視するなら Voiceflow が候補になります。Botpress は、その中間で「無料枠のうちはノーコードで、事業が育ったらコードで拡張する」余地を残したい事業者に向いています。どのAIを土台にするか迷う場合は ChatGPT を業務に使う方法 も参考にしてください。
補助金は使えるか
チャットボット・AIエージェントの導入は、IT導入補助金などの「業務効率化を目的としたITツール導入」の対象になりうる分野です。ただし対象ツールは年度ごとに登録制で変わるため、Botpress単体が対象かは都度確認が必要です。申請の進め方は補助金カテゴリの記事もあわせてご覧ください。
編集部の結論として、Botpress は「まず無料で試したいが、将来的な機能不足で乗り換えたくない」中小企業にとって、現実的な第一歩です。完璧な無人化ではなく、定型対応の一次自動化に的を絞れば、無料枠のままでも十分に効果を検証できます。まずはFreeプランで自社のよくある質問を棚卸ししてみてください。
よくある質問
Q. プログラミングの知識は必要ですか? 基本的に不要です。ノーコードの画面 (Botpress Studio) で資料の読み込みとフロー設計ができ、発行されたコードをサイトに貼るだけで設置できます。複雑な自動応答を作り込みたい場合のみ、コード拡張の知識が役立ちます。
Q. 日本語の問い合わせに対応できますか? はい、日本語の質問・回答に対応します。管理画面やドキュメントは英語中心ですが、訪問者とのやり取りは日本語で行えます。
Q. 無料でどこまで試せますか? Freeプランで月100会話まで、追加料金なしで試せます。1シート・AIエージェント3体までという制限はありますが、小規模な検証には十分な内容です。
Q. 月100会話を超えたらどうなりますか? 公式サイトによると、無料枠は追加購入や超過料金がない設計になっています。会話数が増える見込みがある場合は、事前に有料プランへの切り替えを検討し、最新の条件は公式料金ページでご確認ください。
導入を検討する際は、まず公式サイトで無料登録して動作を確かめてみてください。
Botpress 公式サイトを見る → ※ PR・アフィリエイトリンクを含みます
出典・参考情報
本記事の料金・機能は 2026 年 7 月時点で編集部が公式情報を確認した内容です。最新の料金は必ず公式サイトでご確認ください。試算はすべて編集部のシミュレーションです。
Mira / AI経営ラボ 編集長
料金プラン
| プラン | 料金 (JPY) | 請求 |
|---|---|---|
| Free | ¥0 | 月額 |
| Plus ($150/月 を約¥150/$で換算、年払い) | ¥22,500 | 月額 |
| Team ($750/月 を約¥150/$で換算、年払い) | ¥112,500 | 月額 |
👍 メリット
- 無料枠のままオープンソース発のAIエージェント基盤を使え、事業が育ってもツールを乗り換えずに機能を拡張しやすい
- 会話数ベースの料金設計で、月100会話までの無料枠から無理なく実運用を試せる
- WhatsApp連携や有人対応への引き継ぎなど、実務で必要になる機能が上位プランに用意されている
- ノーコードの画面で始めつつ、必要になれば開発者向けの拡張機能で複雑な自動応答まで踏み込める柔軟性がある
👎 デメリット
- 管理画面・公式ドキュメントは英語中心で、日本語UIに慣れた担当者は最初に戸惑いやすい
- 無料枠は月100会話までで、これを超える運用には有料プラン (年払いで月額約¥22,500〜) への切り替えが必要
- コードを使った拡張 (Botpress ADK) は一定の技術知識が前提になり、非エンジニアだけでは限界がある