Cassidy AI 無料プランで3人から試せる中小企業向けAIエージェント活用ガイド
「Slackに聞けば社内マニュアルを踏まえて答えてくれるAI」があれば、と考えたことはありませんか。米ニューヨーク発のCassidy AI (cassidyai.com) は、社内の文書やクラウドサービスと連携したAIエージェントを、プログラミング知識なしで作れるプラットフォームです。無料プランで実際に触れる範囲と、本番運用に進むと必要になる契約の違いを編集部で整理しました。
この記事のポイント
- Cassidy AI はSlack・Google Drive・Salesforceなど数百のクラウドサービスとつながるAIエージェント基盤
- 無料のStarterプランは3席・月10,000 AI credits・AIエージェント5つまでで、カード登録なしに試せる
- 本番運用向けのBusinessプラン、大規模組織向けのEnterpriseプランはいずれも要問い合わせで金額非公開
- 2023年設立で累計調達額は約1,370万ドル(約20億円、2025年のSeries A 1,000万ドルを含む)、保険・医療など運用が複雑な業種を主対象にする
- まずStarterプランで1つの業務に絞って試し、効果を確かめてから正式見積もりを取る進め方が現実的
編集長の見解 (Mira): Cassidy AIは保険・医療・製造業といった「運用が複雑な業種」を主対象に掲げていますが、無料のStarterプランには3席・月10,000 AI creditsという実用に足る枠が用意されています。中小企業や個人事業主でも、まずは無料の範囲で自社の業務に効くかどうかを確認できる設計です。一方で本番運用に必要なBusiness/Enterpriseプランは金額が非公開のため、契約前に必ず見積もりを取って予算感を確認することをおすすめします。
Cassidy AI とは何か — 社内の道具とつながるAIエージェント基盤
Cassidy AIは、2023年設立のCassidy, Inc.が提供するAIエージェント構築プラットフォームです。2025年9月にHOF Capitalが主導するシリーズAで1,000万ドルを調達し、2024年8月の370万ドルのシード資金と合わせて累計調達額は約1,370万ドルに達しています。単体のチャットAIではなく、社内の文書やクラウドサービスと接続した「AIエージェント」を非エンジニアの社員でも作成・運用できることを狙った製品です。
- 社内文書と常時連携するナレッジベース: Word・PDF・社内Wikiなどを取り込み、継続的に同期して最新情報を参照させられる
- 数百のクラウドサービスと連携: Salesforce・SharePoint・Google Drive・Zoom・Slack・Microsoft Teamsなど、既存の業務ツールにAIエージェントを接続できる
- 普段使うツールの中にそのまま配置: Slack・Microsoft Teams・Chrome拡張・Word・Excel・Outlookの拡張機能から利用でき、新しい画面を覚える必要がない
- 人の確認を挟める仕組み: 業務上重要な判断は人が最終確認する「human-in-the-loop」の制御を組み込める
- モデルを問わず使える: OpenAI・Anthropic・Googleなど複数の大規模言語モデル (LLM) に対応し、特定のAIベンダーに縛られない設計
⚠️ 編集部の警告: Cassidy AIは公式サイトで保険・産業・福利厚生 (PEO)・専門サービス・医療といった「運用が複雑な業種」を主要ターゲットに掲げています。大企業専用と誤解しがちですが、無料のStarterプランは業種を問わず利用でき、まず自社の業務で試すことが可能です。
次のセクションでは、無料のStarterから要問い合わせのEnterpriseまで、3段階の料金体系を具体的に見ていきます。
料金 — 無料のStarterから始めて、本番運用は要問い合わせ
Cassidy AIの料金は、自分で申し込める無料のStarterプランと、営業に問い合わせる必要があるBusiness/Enterpriseプランで大きく性格が変わります。
3つのプランの違いを整理すると次のようになります。
| プラン | 席数・利用枠 | 同期頻度 | 中小企業への向き |
|---|---|---|---|
| Starter | 3席・1ワークスペース・月10,000 AI credits・保存3万ページ・エージェント/ワークフロー各5つまで | 24時間ごと | ◎ お試しに最適、カード登録不要 |
| Business | 席数・credits・保存容量ともにカスタム、SSO・API連携を含む全機能利用可 | インスタント同期 (即時) | ○ 本番運用に進む段階で検討 |
| Enterprise | Businessに加え専任サクセスマネージャー・white-glove導入支援 | インスタント同期 (即時) | △ 大規模組織・高いセキュリティ要件向け |
⚠️ 料金非公開の注意: Business・Enterpriseプランはいずれも公式サイトに金額が明示されておらず、問い合わせて見積もりを取る必要があります。第三者の比較サイトには「月額49ドル」「月額149ドル」のような固定価格が記載されていることがありますが、2026年7月時点の公式料金ページでは確認できないため、必ず公式の料金ページで最新条件を直接確認してください。
💡 credits節約のヒント: Starterプランの月10,000 AI creditsは、使い切ると原則として翌月のリセットまで枠が回復しません (有料プランでは追加購入の仕組みがあります)。まずは1つの業務(問い合わせ対応や議事録整理など)に絞ってエージェントを1つ作り、消費ペースを確認してからエージェント数を増やすとcreditsを無駄にしにくくなります。
社内のドキュメント検索に特化したツールと比較したい場合は、Glean の検証記事もあわせて読むと、自社に合う入口が見えてきます。続いて、中小企業が実際にどう使うかを見ていきます。
中小企業がどう使うか — まず1つの業務から
Cassidy AIを「全社のAI基盤」として一気に導入しようとすると、要件も費用の見積もりも膨らみがちです。現実的なのは、Starterプランで特定の業務を1つ選び、効果を確かめてから広げる進め方です。
- 社内Wikiやマニュアルを都度検索して回答を探す
- 似た質問に毎回ゼロから返信を作成
- 担当者が不在だと回答が止まる
- Slack上でエージェントに質問するだけ
- エージェントが社内マニュアルを踏まえて下書き回答
- 担当者は最終確認と送信のみ
社内問い合わせ対応にかかる時間を圧縮できる想定 (編集部のシミュレーション)
具体例で考えます。従業員15名の専門サービス業が「よくある社内問い合わせへの一次回答を早くしたい」場合、いきなり全部門への展開を検討するのではなく、まず総務担当1〜2名でStarterプランに登録し、SlackとGoogle Driveの規程集を連携したエージェントを1つ作ってみます。実際の回答品質とcreditsの消費ペースを1か月確認してから、他部門への展開や正式な見積もり依頼を検討する流れが手堅いといえます。
⚠️ 失敗パターン: 「全部門に一気にAIエージェントを配る」と目的を広げすぎたまま見積もり依頼に進み、連携設定や運用ルール作りが追いつかず、使われないエージェントが増えるというのが典型的な失敗です。対象業務を1つに絞り、Starterプランで効果を確認してから広げてください。
汎用的なAIエージェント基盤を比較したい場合は、Dust の検証記事やLindy AI の検証記事、Relevance AI の検証記事もあわせて参考にしてください。続いて、実際の導入手順を見ていきます。
導入手順 — Starterプランで最初のAIエージェントを作る場合
最も始めやすいStarterプランを例に、導入の流れを示します。
競合比較と中小企業の導入判断
Cassidy AIは「普段使うツールの中にそのまま配置できるAIエージェント」が特徴ですが、目的によっては他のAIエージェント基盤の方が扱いやすい場合もあります。
| 目的 | Cassidy AI の位置づけ | 比較検討したい選択肢 |
|---|---|---|
| 社内ドキュメントの横断検索 | 連携先として対応可能 | Glean (検索特化) |
| マルチLLM対応のエージェント基盤 | 同様に対応 | Dust (欧州発・料金がやや明確) |
| ノーコードの業務自動化フロー | エージェントで代替可能 | Lindy AI |
| データ分析寄りのAIワークフロー | 主対象ではない | Relevance AI |
編集部の結論: 中小企業がまず触るべきは無料のStarterプランです。3席・月10,000 AI credits・エージェント5つまでという実用的な枠で、SlackやGoogle Driveとつながるエージェントを実際の業務で試せます。SSO (社内システムへの一括ログイン) やインスタント同期といった機能が必要になる段階で、初めてBusiness/Enterpriseの見積もりを取りにいくのが現実的な順序です。
導入を決めたら、対象業務を1つに絞り、Starterプランで1か月効果を測ってから見積もり依頼に進む進め方を強くおすすめします。
よくある質問
Q. 中小企業でも導入できますか。 無料のStarterプラン (3席・月10,000 AI credits) があるため、少人数のチームからでも導入できます。SSOやインスタント同期など管理機能が必要な段階ではBusiness/Enterpriseプラン (要問い合わせ) の領域になります。
Q. 月の費用はいくらになりますか。 Starterプランは無料です。本番運用向けのBusiness、大規模組織向けのEnterpriseはいずれも金額が公式サイトに明示されておらず、問い合わせて見積もりを取る必要があります。必ず公式料金ページで最新の条件を確認してください。
Q. プログラミングの知識は必要ですか。 AIエージェントの作成・利用自体はノーコードで、非技術者の社員でも扱える設計です。ただしSalesforceやSharePointなどクラウドサービスとの連携設定には、ある程度のITリテラシーがある担当者がいるとスムーズです。
Q. セキュリティ面は信頼できますか。 公式サイトによるとSOC 2 Type II・GDPR・HIPAA・CASAの認証を取得しており、保険・医療など情報管理が厳しい業種でも導入検討がしやすい水準です。ただし詳細な運用体制は契約前に個別に確認することをおすすめします。
出典・参考情報
- Cassidy AI 公式サイト
- Cassidy AI 料金ページ (公式)
- Cassidy’s $10M Series A 発表 (公式ブログ)
- Cassidy credits の仕組み解説 (公式ブログ)
Mira / AI経営ラボ 編集長
もっと深く学ぶための関連書籍
Cassidy AIのようなAIエージェント基盤を成果につなげる鍵は、ツール選びそのものより「どの業務に、どんな情報を渡し、どこまで自動化するか」の設計力です。業務自動化やAIエージェント活用の基礎を書籍で押さえておくと、導入後の遠回りを減らせます。
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料金プラン
| プラン | 料金 (JPY) | 請求 |
|---|---|---|
| Starter (無料・3席・小規模チームのお試し向け) | ¥0 | 月額 |
| Business (要問い合わせ・本番運用・全社展開向け) | ¥0 | 買い切り |
| Enterprise (要問い合わせ・大規模組織・専任サポート付き) | ¥0 | 買い切り |
👍 メリット
- 無料のStarterプランがクレジットカード登録なしで始められ、3席・月10,000 AI credits・5つのAIエージェントまで実際に試せる
- Slack・Microsoft Teams・Chrome拡張・Word・Excel・Outlookなど、社員が普段使っているツールの中にそのままAIエージェントを配置できる
- Salesforce・SharePoint・Google Drive・Zoomなど数百のクラウドサービス (SaaS) と連携でき、プログラミング知識がなくてもワークフローを組める
- OpenAI・Anthropic・Googleなど複数の大規模言語モデル (LLM) に対応するモデル非依存の設計で、特定AIベンダーに縛られにくい
- SOC 2 Type II・GDPR・HIPAA・CASAの認証を取得しており、保険・医療など情報管理が厳しい業種でも導入検討がしやすい
👎 デメリット
- 本番運用向けのBusinessプラン、大規模組織向けのEnterpriseプランはいずれも要問い合わせで、公式サイトに金額が明示されておらず事前の予算化がしづらい
- 無料のStarterプランは外部データの同期が24時間ごとで、リアルタイム性が必要な業務では有料のBusinessプラン以上のインスタント同期が必要になる
- 保険・製造・医療など運用が複雑な業種を主対象に設計されており、シンプルな業務しか持たない小規模事業者には機能が過剰に感じられる場合がある
- 公式サイト・サポート体制は英語が基本で、日本語での導入支援が用意されているかは公式情報からは確認できない