CoeFontで日本語ナレーションを内製化 中小企業の動画制作費を月¥3,300で7割減らす試算
商品紹介動画や社内研修動画を作るたびに、ナレーターへの外注費と収録の待ち時間が発生する。この二重の負担を減らす選択肢が、日本語に特化した国産のAI音声合成サービス CoeFont (コエフォント) です。編集部が公式の料金体系と実務上の使いどころを整理しました。
この記事のポイント
- CoeFont は CoeFont Co., Ltd. が運営する日本語特化のAI音声合成サービスで、10,000種類以上のAI音声を使える
- 無料プランは月800文字かつ非商用利用限定。業務で使うなら月額¥3,300 (税込) の Standard が起点
- Standard の¥3,300は6か月間の特別価格で、その後は月額¥4,400 (税込) になる点は契約前に把握しておきたい
- Standard の月80,000文字は、1本600字のナレーション動画なら約133本分に相当する
- 外注単価を1本¥12,000と仮定した編集部の試算では、月4本の制作で費用は約7割減る
- 音声生成のAPIや複数人利用が必要になると Plus (月額¥55,000) が必要で、価格帯が大きく変わる
編集長の見解 (Mira)
CoeFont の価値は「日本語の読み上げを、国内サービスの範囲内で完結できる」ことにあります。海外のAI音声合成は英語圏の品質を軸に設計されているため、日本語特有の固有名詞や社名の読み、アクセントの調整で手戻りが起きがちです。
CoeFont は日本語を主戦場に開発されており、商用利用の起点が月額¥3,300と中小企業の販促予算に収まる水準にあります。一方で「無料で商用利用できる」わけではない点は要注意です。APIを使う自動化は Plus (月額¥55,000) 以上という価格の段差もあるため、導入前に必ず押さえてください。
CoeFont とは — 日本語ナレーションに振り切った国産サービス
CoeFont は、CoeFont Co., Ltd. が提供するAI音声合成サービスです。AI音声合成とは、テキストを入力すると音声を生成する、いわゆるテキスト読み上げの技術を指します。声優を含む10,000種類以上のAI音声が公開されており、原稿を貼り付けて声を選ぶだけでナレーション音声が生成されます。
近年は音声合成に加えて、リアルタイムのAI通訳機能「CoeFont通訳」が同じ料金プランに含まれる構成になりました。同一の契約で「動画ナレーションの内製化」と「海外取引先とのオンライン会議の通訳」の両方をカバーできる形は、国内の音声合成サービスでは珍しい組み合わせです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| サービス名 | CoeFont (コエフォント) |
| 運営会社 | CoeFont Co., Ltd. |
| 公式サイト | https://coefont.cloud/ |
| 主な機能 | AI音声合成 (テキスト読み上げ)、CoeFont通訳、カスタムAI音声の作成 |
| 音声の種類 | 10,000種類以上 (声優音声を含む) |
| CoeFont通訳の対応言語 | 日本語・英語・中国語・スペイン語・韓国語・ベトナム語・フランス語 (2026年7月時点) |
| 通訳が使える会議アプリ | Zoom / Microsoft Teams / Google Meet / Webex など |
| 商用利用 | Standard 以上の有料プランで可能 (無料プランは不可) |
| 編集部の評価 | 日本語ナレーションの内製化に対して ★★★★☆ |
自社の声を使いたい場合は、Web録音からカスタムAI音声を作成する機能が Free プランを含む全プランに用意されています。社長メッセージ動画や採用動画で「毎回本人が収録する」負担を減らしたい会社には、この機能が実質的な導入理由になります。
📝 編集部メモ
CoeFont は公式の料金プランページで「ライフサポートプラン」を案内しています。声帯摘出手術やALSなどの病気で声を失う可能性のある方に、無料でサービスを提供する取り組みです。
事業としての音声合成と、声を残す福祉的な用途が同じ基盤の上にあるのは、国内サービスならではの位置づけといえます。
次のセクションでは、この機能群がどの料金プランでどこまで使えるのかを、公式の料金表に沿って確認します。
💰 料金プラン — 無料は「試用」、業務利用は Standard から
CoeFont の料金は4段階です。以下は公式の料金プランページに記載された税込価格を、2026年7月時点の表示に沿って整理したものです。
各プランの中身を、中小企業が気にする観点で並べ直すと次のようになります。
| 項目 | Free | Standard | Plus | Enterprise |
|---|---|---|---|---|
| 月額 (税込) | ¥0 | ¥3,300 (7か月目以降 ¥4,400) | ¥55,000 | 問い合わせ |
| 月間の生成文字数 | 800文字 (使い切った後も数種類の無料音声は利用可) | 80,000文字 | 1,000,000文字 | 要相談 |
| プロジェクト数 | 1 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
| 商用利用 | 不可 | 可 | 可 | 可 |
| クレジット表記 | 「Voiced by https://CoeFont.cloud」の表記が必要 (概要欄への記載で可) | 任意 | 任意 | 任意 |
| CoeFont通訳 | 0.3時間/月 | 5時間/月 | 8時間/月 | 要相談 |
| 音声生成のAPI | なし | なし | あり | あり |
| メンバー数 | 1 | 1 | 5人まで | 無制限 |
| 支払い方法 | — | クレジットカードのみ | クレジットカードのみ | 銀行振込のみ (年間契約) |
| 編集部のおすすめ度 | 試用のみ | ◎ 中小企業の標準 | △ 自動化前提なら | 大企業向け |
⚠️ 契約前に必ず押さえたい2点
(1) 無料プランは商用利用ができません。 月800文字までで、ナレーションにすると2〜3分程度です。「無料でナレーションを量産できるサービス」という理解で導入すると、公開直前に商用利用不可に気づくことになります。販促動画・広告・販売用コンテンツに使う音声は、必ず Standard 以上の契約で生成してください。
(2) 月額¥3,300は「6か月間の特別価格」です。 公式の注記では、その後は月額¥4,400 (税込) で自動更新されると明記されています。年間の予算を組むときは、¥3,300×6か月 + ¥4,400×6か月 = 年間¥46,200 を前提に考えるほうが安全です。無料トライアルは開始から7日間で、期間を過ぎると自動で請求が始まる点も公式のよくある質問に案内されています。
Plus プランには「1,000,000文字を超えた分は1文字0.05円」という、使った分だけ加算される追加料金の記載もあります。大量生成を前提にする場合は、この超過単価も合わせて確認してください。
支払い方法にも注意が必要です。公式のよくある質問では、Standard と Plus はクレジットカード払いのみで、銀行振込や年間契約には対応していないと案内されています。請求書払いを前提にしている会社は、経理側の運用を先に確認しておいてください。
次のセクションでは、この料金を払う価値があるのかを、編集部のシミュレーションで検証します。
📊 編集部の試算 — 動画ナレーション費はどこまで下がるか
タイトルにある「7割減」は、公式が公表した実績値ではなく、編集部のシミュレーションです。前提を明示したうえで計算します。数字はあくまで前提が変われば変わるものとして読んでください。
試算の前提
- 月4本の動画 (1本あたりナレーション600字前後、再生時間3〜4分) を制作している
- 現在はナレーションを外部に発注しており、単価を1本¥12,000と仮定する
- 内製化後は、台本調整・音声生成・差し替え作業に月3時間かかると仮定する
- 社内担当者の人件費は時給換算¥3,000と仮定する
| 項目 | 外注していた場合 | CoeFont で内製化した場合 |
|---|---|---|
| 音声制作の直接費 | ¥12,000 × 4本 = ¥48,000 | CoeFont Standard ¥3,300 |
| 社内作業の人件費 (時給¥3,000換算) | 発注・確認で1時間 = ¥3,000 | 3時間 = ¥9,000 |
| 月間合計 | ¥51,000 | ¥12,300 |
| 差額 | — | 月 ¥38,700 の削減 |
| 削減率 | — | 約 76% (編集部試算) |
- 原稿を確定してから発注
- 収録・納品まで3〜5営業日待ち
- 文言修正のたびに再発注・追加費用
- 月間コスト 約¥51,000
- 原稿を貼り付けて即日生成
- 修正は原稿を直して再生成、数分で完了
- 追加費用なしで何度でも作り直せる
- 月間コスト 約¥12,300
前提: 外注単価¥12,000/本、社内人件費は時給¥3,000換算。編集部のシミュレーションであり、実績値ではありません。
金額以上に効くのが納期です。外注では「文言をひとこと直したい」だけで再発注と追加費用が発生しますが、内製化すれば原稿を直して生成し直すだけで済みます。キャンペーン価格や在庫状況など、内容が変わりやすい動画ほど内製化の効果が大きくなります。
文字数の観点でも余裕があります。1本600字なら Standard の80,000文字で月133本相当です。月4本の制作では、上限を気にする必要はほぼありません。
💡 編集部のヒント
判断に迷ったら、まず「自社が1年間に何本の動画を作るか」を数えてください。年12本未満なら外注のままでも大差は出ません。
年24本以上、あるいは文言修正が頻繁に発生する業種 (小売・飲食・不動産など) なら、内製化の効果が明確に出ます。
次のセクションでは、実際に導入するときの手順を4ステップで示します。
導入の進め方 — 4ステップで内製化を試す
この4ステップなら、最初の2ステップは無料で完結します。有料化の判断を「実際の台本で試したあと」に置けるのが、この進め方の利点です。
次のセクションでは、他のAI音声合成サービスとの立ち位置の違いを整理します。
競合との比較 — 日本語特化か、汎用の自然さか
AI音声合成は選択肢が多く、それぞれ得意分野が異なります。下表は2026年7月時点の公開情報をもとにした、編集部による傾向の整理です。各サービスの詳細は個別記事も参照してください。
| 観点 | CoeFont | ElevenLabs | Fish Audio |
|---|---|---|---|
| 運営 | CoeFont Co., Ltd. (国内) | ElevenLabs Inc. (海外) | Hanabi AI Inc. (海外) |
| 主な強み | 日本語特化、国内サービスで完結、通訳機能も同じ契約に含まれる | 多言語での自然さと、自分の声を複製する機能 (ボイスクローン) | 感情タグによる表現の細かさと低価格 |
| 無料プラン | あり (月800文字・商用不可) | あり (商用不可) | あり (個人利用のみ・商用不可) |
| 商用利用の起点 | Standard 月額¥3,300 (税込) | 有料プラン (月約¥750〜) から | Plus (月約¥1,650) から |
| 支払い通貨 | 円建て (税込表示) | 米ドル建て (円換算額は為替で変動) | 米ドル建て (円換算額は為替で変動) |
| 向く相手 | 日本語ナレーションを社内で回したい国内事業者 | 多言語展開・声質の作り込み重視 | 表現力重視で低予算から始めたい事業者 |
円建てで税込表示という点は、経理処理の観点で地味に効きます。海外サービスは為替の変動で毎月の請求額が変わり、消費税の扱いも別途確認が必要になりますが、CoeFont は国内サービスのため請求額が読みやすくなります。
3社を横並びで検討したい場合は、音声合成AIの比較記事も参考にしてください。生成した音声を動画に載せる工程まで含めて考えるなら、CapCut のAI編集機能と組み合わせるのが現実的な構成です。
次のセクションでは、導入後につまずきやすい点を先回りで共有します。
⚠️ 導入前に潰しておきたい4つのつまずき
| つまずき | 何が起きるか | 回避策 |
|---|---|---|
| 無料プランで作った音声をそのまま公開する | 無料プランは非商用利用限定。あわせて「Voiced by https://CoeFont.cloud」の表記も必要です (公式のよくある質問では、動画の概要欄などへの記載で問題ないと案内) | 「無料で作ったものは社内の検討用」というルールを社内で明文化する |
| 自動化を前提に Standard を契約する | 音声生成のAPIが使えるのは Plus (月額¥55,000) 以上。原稿をシステムから流し込んで自動生成する運用は Standard では組めません | 手作業での生成で足りるのか、自動化まで必要なのかを契約前に決める |
| 複数人での分担運用を想定する | Standard のメンバー数は1人です。公式のよくある質問でもアカウントの共有は禁止と案内されています | アカウントを誰が持つかを最初に決める。分担が必須なら Plus (5人まで) を検討 |
| 上限文字数だけで制作本数を見積もる | 1文字あたりの消費ポイントはAI音声ごとに異なるため、80,000文字はあくまで目安です | 本番で使う声の消費ポイントを、公式サイトの各AI音声の詳細ページで事前に確認する |
⚠️ 編集部の警告: 最も損失が大きいのは1行目です。試用段階で作った音声を本番の販促動画に流用すると、公開後に規約違反が判明して差し替えが発生します。いずれのつまずきも公式の料金プランページとよくある質問に書かれている条件で、契約前の10分の確認で回避できます。
次のセクションでは、導入費用を補助金で軽減できるかを整理します。
補助金は使えるか
💡 編集部のヒント
月額¥3,300のクラウドサービス (SaaS) 単体では、補助金の対象になりにくいのが実情です。ただし、動画制作環境の整備 (編集ソフト・機材・制作会社への委託を含む一体の取り組み) として計画を組む場合は、IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金の対象となる可能性があります。
対象になるかどうかは年度ごとの申請ガイドライン (公募要領) で変わるため、必ず最新の要領で確認してください。
補助金を狙う場合の要点は、「ツールを買う」ではなく「販促の仕組みを作る」という単位で計画を立てることです。CoeFont 単体ではなく、動画制作から配信までの一連の取り組みとして事業計画に落とし込むほうが、審査でも説明しやすくなります。
よくある質問
Q. 無料プランのままで商品紹介動画に使えますか。 A. 使えません。CoeFont のよくある質問では、商用利用は Standard・Plus・Enterprise の各プランでのみ可能と案内されています。収益化している動画投稿サイトへの投稿やSNS広告も商用利用に含まれます。
Q. 解約したあと、それまでに作った音声は使えなくなりますか。 A. 公式のよくある質問では、解約後もすでにダウンロード済みの音声は商用利用できると案内されています。ただし新規の生成はできなくなるため、必要な音声は解約前に手元に保存しておいてください。
Q. 月額¥3,300はずっと続きますか。 A. 続きません。公式の料金プランページの注記では、無料トライアル終了後の6か月間が特別価格の月額¥3,300 (税込) で、その後は月額¥4,400 (税込) で自動更新されると明記されています。
Q. 自分の声でナレーションを作れますか。 A. Web録音からカスタムAI音声を作成する機能が、無料プランを含む全プランに用意されています。既存の動画・音声ファイルから作成する方法は Enterprise プランの年間契約者向けで、別途料金がかかると案内されています。
Q. 月80,000文字はどのくらいの分量ですか。 A. 1本600字のナレーション動画なら約133本分に相当します。週1本ペースの動画制作であれば、上限を気にする場面はほとんどありません。公式のよくある質問によると、Standard プランは引き落とし日に400,000ポイントが付与され、自分で作成したAI音声なら1文字あたり5ポイントを消費する仕組みです。有料のAI音声を使う場合は消費ポイントが異なるため、本数の目安も変わります。
Q. 請求書払い (銀行振込) はできますか。 A. Standard と Plus はクレジットカード払いのみで、銀行振込や年間契約には対応していないと公式のよくある質問で案内されています。銀行振込は Enterprise プラン (年間契約のみ) の扱いです。
Q. 無料トライアルの期間はどのくらいですか。 A. 公式のよくある質問では、トライアル開始からちょうど7日間 (168時間) と案内されています。期間を過ぎると自動で請求が発生し、その後は6か月の特別価格 (月額¥3,300・税込) に移行します。
まとめ — どんな事業者に向くか
CoeFont は、日本語ナレーションを社内で回したい国内の中小企業・個人事業主に向いたサービスです。商用利用の起点が月額¥3,300 (税込・6か月特別価格) と予算化しやすく、円建て・税込表示のため経理処理も読みやすい構成になっています。
一方で、無料プランは実質的に試用枠であること、APIによる自動化と複数人利用には Plus (月額¥55,000) が必要で価格の段差が大きいことは、導入前に必ず確認してください。本記事の料金・条件は2026年7月時点の公式表示に基づくものです。内容は変わる可能性があるため、契約前に公式の料金プランページで最新の情報を確認することをおすすめします。
編集部の結論
まず無料プランで自社の商品名・社名が正しく読まれるかを確認し、問題がなければ Standard (月額¥3,300) に切り替えて3か月運用する。この進め方なら、特別価格が終わる前に継続か解約かを自社の数字で判断できます。
動画を年24本以上つくる事業者であれば、検討する価値は十分にあります。
出典・参考情報
Mira / AI経営ラボ 編集長
もっと深く学ぶための関連書籍
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料金プラン
| プラン | 料金 (JPY) | 請求 |
|---|---|---|
| Free (非商用利用のみ・月800文字) | ¥0 | 月額 |
| Standard (6か月特別価格・月80,000文字) | ¥3,300 | 月額 |
| Standard (特別価格終了後の通常料金) | ¥4,400 | 月額 |
| Plus (月1,000,000文字・5人まで) | ¥55,000 | 月額 |
👍 メリット
- 日本語ナレーションに特化した国産サービスで、日本語の読み・アクセントの相性が良い
- 10,000種類以上のAI音声から選べ、用途に応じた声質の切り替えが容易
- 商用利用できるStandardが月額¥3,300 (税込) と個人事業主でも予算化しやすい
- Standardの月80,000文字は、1本600字のナレーション動画なら月100本以上に相当する余裕がある
- 月額プランに音声合成とCoeFont通訳の両方が含まれ、社内会議の多言語対応にも転用できる
👎 デメリット
- 無料プランは月800文字かつ非商用利用限定で、業務では実質使えない
- Standardの¥3,300は無料トライアル終了後6か月間の特別価格で、その後は月額¥4,400になる
- 音声生成のAPIが使えるのはPlus (月額¥55,000) 以上で、自動化用途は価格が跳ね上がる
- Standardはメンバー1人のみ。複数人で分担する運用には向かない
- StandardとPlusの支払いはクレジットカードのみで、銀行振込や年間契約に対応していない
- 選ぶAI音声によって1文字あたりの消費ポイントが変わるため、上限文字数はあくまで目安として考える必要がある
- 声優本人の声を使うVIP音声など、一部の音声は別途の問い合わせ・条件がある