D-ID AIアバター動画で研修制作コスト70%削減 中小企業の教育担当者向け
研修動画を 1 本作るために、講師の時間を押さえ、スタジオを借り、撮影し、編集する。この一連の重さが「動画にしたいのに手が回らない」という詰まりを生みます。D-ID はテキストを入力するだけでAIアバターが話す動画を生成し、この工程をまるごと省きます。本稿では現行料金、写真からのアバター作成、日本語・多言語対応、そして中小企業の教育担当者が撮影なしで研修動画を量産する手順を編集部で検証しました。
- D-ID はテキストを入力するだけでAIアバターが話す動画を生成する、AIアバター動画生成サービスです。
- 料金は月 $5.90 (約 ¥920) の Lite プランから始められ、14 日間の無料トライアルがあります。
- 写真 1 枚から自分や社員のアバターを作れ、研修講師をカメラの前に立たせる必要がありません。
- 120 以上の言語に対応し、同じ台本から多言語版の研修・マニュアル動画を量産できます。
- 低価格プランには透かし (ウォーターマーク) が入る点と、管理画面が英語中心な点が注意事項です。
編集部の見解として、D-ID の価値は「動画を作れること」ではなく「研修動画の制作から撮影・出演・編集という最も重い工程を消すこと」にあります。マニュアル改訂のたびに撮り直しが発生する中小企業の教育担当者にこそ、効果が出やすいツールだと判断しました。
D-ID とは何か — テキストから話すアバター動画を作るサービス
D-ID は、イスラエルの D-ID Ltd. が提供するAIアバター動画生成サービスです。中核となる「Creative Reality Studio」に台本テキストを入力すると、AIアバターがその文章を読み上げる動画を自動で生成します。撮影機材も出演者も不要で、ブラウザだけで完結します。
提供元や対応言語数などの基本情報は、公式サイトで確認できます。
- 提供企業: D-ID Ltd. (イスラエル)
- 公式サイト: https://www.d-id.com/
- 対応言語: 120 以上 (公式表記)
- 主な用途: 研修・eラーニング、マニュアル動画、営業資料、社内アナウンス
似たカテゴリのツールとしては、研修動画特化の Synthesia や、制作費削減を打ち出す HeyGen があります。D-ID はこの中で「写真 1 枚から始められる手軽さ」と「低価格な入り口」が持ち味です。
次のセクションでは、その料金が中小企業の予算でどう収まるかを具体的に見ていきます。
💰 料金プラン — 月 ¥920 から始められる
D-ID の料金は段階制です。以下は編集部が確認した時点での目安で、為替は 1 ドル = 約 ¥155 で換算した参考値です。実際の請求額は公式の料金ページで必ず確認してください。
各プランの位置づけは次のとおりです。最終列に編集部のおすすめ度を添えました。
| プラン | 月額の目安 | 主な特徴 | 向いている使い方 | 編集部の評価 |
|---|---|---|---|---|
| Lite | 約 ¥920 | 約 10 分/月、透かしあり | 社内限定の試作・検証 | ◎ まず試すなら |
| Plus | 約 ¥2,480 | 透かしなし、アバター複数 | 社内研修の本番運用 | ◎ 中小企業の主力 |
| Pro | 約 ¥7,440 | 分数増、API 連携 | 動画を量産する部署 | ○ 量が増えたら |
| Advanced | 約 ¥38,600 | 65 分/月、商用権・API | 動画を商材にする事業 | △ 用途を絞って |
注意したいのは、プラン内の利用分数 (minutes) が翌月に繰り越せない点です。月によって動画制作量に波がある場合、上位プランを契約しても使い切れず無駄が出ることがあります。
透かし (ウォーターマーク) に注意。 最も安い Lite プランで作った動画には D-ID のロゴが入ります。社外向けの研修教材や顧客説明動画として配布するなら、透かしの入らない Plus 以上が前提です。「安いから」と Lite で本番運用を始めると、配布段階で作り直しになります。
中小企業の現実的な落としどころは、まず無料トライアルで自社台本を試し、本番運用は透かしなしの Plus というラインです。次のセクションでは、その動画が実際にどの業務を軽くするのかを示します。
撮影なしで何が変わるか — 研修動画制作のビフォーアフター
D-ID が効くのは「動画にしたいが、撮影と編集が重くて着手できない」業務です。代表例が、入社研修や手順マニュアルの動画化です。
- 講師のスケジュール調整に数日
- 撮影機材・スタジオ・照明の準備
- 撮り直し・編集に半日〜数日
- マニュアル改訂のたびに再撮影
- 1 本あたり外注で数万〜数十万円
- 台本テキストを貼り付けるだけ
- 撮影機材・出演者は不要
- 生成は数分、修正は台本を直すだけ
- 改訂は該当箇所の文章を書き換えるだけ
- 月 ¥920〜の固定費に収まる
ここで効くのが「改訂のしやすさ」です。撮影した研修動画は、内容が変わるたびに撮り直しが必要でした。D-ID なら台本の文章を書き換えて再生成するだけなので、マニュアル更新が頻繁な現場ほど差が開きます。
コスト削減の試算 (編集部のシミュレーション)。 月 4 本の研修・マニュアル動画を外注 (1 本 3 万円と仮定) すると月 12 万円。これを D-ID の Plus プラン (約 ¥2,480) と社内の制作工数に置き換えると、外注費部分はほぼ消えます。記事タイトルの「70%削減」は、外注を前提にした制作コストをこのように内製へ置き換えた場合の編集部による試算であり、すべての企業に当てはまる保証値ではありません。
次のセクションでは、実際に最初の 1 本を作るまでの手順を整理します。
導入手順 — 最初の研修動画を作るまで
D-ID は英語の管理画面ですが、操作の流れ自体は単純です。教育担当者が最初の 1 本を作るまでの標準的な手順を示します。
最初の 1 本は「全社で配る大作」ではなく、「新人向けの 1 手順だけの短い動画」から始めるのが安全です。短い動画で自社台本との相性を確かめてから、本数を増やしていきます。
日本語の発話は必ず通しで確認を。 AI の読み上げは、社名・製品名・業界用語を意図しない読み方にすることがあります。書き出す前に音声プレビューを最後まで聞き、必要なら台本の表記を読み仮名に近い形へ調整してください。社外配布する動画ほど、この確認を省かないことが重要です。
このように手順自体は軽い一方で、英語画面という壁はあります。次のセクションで、向く企業・向かない企業を整理します。
どんな企業に向くか — 導入判断のポイント
D-ID はすべての企業に最適というわけではありません。自社が「向く側」かを以下で確認してください。
向いている企業・担当者
- 研修・マニュアル動画を定期的に更新する必要がある (改訂が多い)
- 講師や社員をカメラの前に出さずに動画を作りたい
- 多言語の研修教材 (外国人スタッフ向けなど) を同じ台本から量産したい
- まず低コストで動画制作を内製化したい中小企業・個人事業主
慎重に検討すべき企業
- 実写の臨場感や、講師本人の表情・熱量が成果に直結する研修
- 英語画面の初期設定に割く時間が取りにくい体制
- 動画制作の頻度が低く、固定の月額が割高になるケース
この判断軸は、研修特化の Synthesia や制作費削減型の HeyGen を比較検討する際にも使えます。複数ツールを横断して見たい場合は、AI 動画生成 4 社の比較記事も参考にしてください。
編集部の結論として、D-ID は「動画制作を内製化する最初の一歩」に適したサービスです。月 ¥920 から試せる入り口の低さは、動画化を諦めていた中小企業の背中を押します。一方で、社外配布には透かしなしプランが前提となるため、本番運用は Plus 以上で計画するのが現実的です。
よくある質問
Q. 日本語の研修動画は作れますか。 作れます。D-ID は 120 以上の言語に対応しており、日本語の音声も選べます。ただし読み上げの自然さは声や台本に左右されるため、書き出し前のプレビュー確認が欠かせません。
Q. 自分や社員の顔をアバターにできますか。 できます。写真 1 枚から専用アバターを作成できます。社員の顔を使う場合は、本人の同意と肖像の取り扱いルールを社内で整えてから利用してください。
Q. 無料で試せますか。 14 日間の無料トライアルがあります。本格導入の前に、自社の研修台本を 1 本入れて発話の自然さと使い勝手を確かめることを編集部はおすすめします。
出典・参考情報
- D-ID 公式サイト: https://www.d-id.com/
- D-ID Studio 料金ページ: https://www.d-id.com/pricing/studio/
- D-ID ヘルプセンター (サブスクリプションの説明): https://help.d-id.com/hc/en-us/articles/31234293852433-Understanding-subscriptions-key-information-you-should-know
料金は編集部の確認時点の目安であり、為替や提供企業の改定により変動します。導入前に必ず公式ページで最新の金額をご確認ください。
Mira / AI経営ラボ 編集長
料金プラン
| プラン | 料金 (JPY) | 請求 |
|---|---|---|
| Lite (年払い・1 席あたり目安) | ¥920 | 月額 |
| Plus (目安) | ¥2,480 | 月額 |
| Pro (目安) | ¥7,440 | 月額 |
| Advanced (年払い目安) | ¥38,600 | 月額 |
👍 メリット
- テキストを入力するだけでアバターが話す動画を生成でき、撮影・出演者・編集が一切不要
- 写真 1 枚から自分や社員のアバターを作れ、研修講師を動画に出さずに済む
- 120 以上の言語に対応し、同じ台本から多言語版の研修動画を量産できる
- 14 日間の無料トライアルがあり、有料化前に自社の研修台本で実力を試せる
- 月 $5.90 (約 ¥920) の Lite プランから始められ、初期投資をほぼかけずに導入できる
👎 デメリット
- Lite プランは動画に D-ID の透かし (ウォーターマーク) が入り、社外配布には上位プランが必要
- 管理画面・ドキュメントが基本的に英語で、初期設定は英語前提
- プラン内の利用分数 (minutes) は翌月へ繰り越せず、使い切れないと無駄になる
- 日本語の発話の自然さは台本や声の選び方に左右され、専門用語は読み上げ確認が必要
- 請求時の金額が表示と異なるという利用者報告があり、課金前に金額の確認が必要