AI ツール

ELYZA 日本語LLM 中小企業が国産AIを試す 料金は月1,078円/人から

ELYZA Works with KDDI のレビュー — AI ツールカテゴリ
評価⭐ 3.5 / 5
提供元株式会社ELYZA / KDDI株式会社
カテゴリ国産日本語LLM・ノーコード生成AIアプリ作成 (法人向け)

ELYZA (イライザ) は、東京大学松尾研究室発の技術を土台に持つ国産の日本語大規模言語モデル (LLM) 企業です。2024年にKDDIグループ入りし、現在の法人向け窓口は「ELYZA Works with KDDI」に一本化されています。本記事では、料金・提供形態・個人向け無料デモの現状を公式情報で確認し、中小企業が導入を検討する際の判断材料を編集部が整理します。

読了時間: 約 8 分 / 想定読者: 中小企業経営者・情報システム担当者・個人事業主 / 必要前提知識: 特になし (生成AIを使ったことがある程度で十分)

編集長の見解: ELYZAは「国産・日本語特化」という安心材料と、デジタル庁の実証事業に選ばれた実績を持つ、中小企業にとって検討しやすいAI企業の一つです。ただし現時点で個人や少人数が無料で気軽に触れる窓口は公式には見当たらず、本格導入は「20アカウント・3カ月」という契約単位が前提になります。まずは自社の対象人数がこの単位に見合うかを先に確認してから、資料請求に進むのが編集部のおすすめです。

ELYZAとは何か (会社概要)

ELYZAは、東京大学松尾研究室の研究成果を土台に2018年9月に設立された、Deep Learningを軸とするAI企業です。代表取締役CEOは曽根岡侑也氏で、本社は東京都文京区本郷にあります (ELYZA公式会社概要)。松尾研究室を主宰する松尾豊氏は、同社の特別顧問を務めています (ELYZA公式サイト メンバー欄)。

もともとは大手企業向けにLLM活用のソリューション提供や、日本語に特化した大規模言語モデル (LLM) の研究開発を強みとしてきた企業です。「ELYZA-japanese-Llama」シリーズなど、商用利用可能な日本語LLMを無償公開してきた実績もあります (ELYZA公式サイト)。

編集部メモ: 2024年3月、ELYZAはKDDIグループとの資本業務提携を発表しました。KDDIが43.4%、KDDI Digital Divergenceが10.0%の株式を取得し、ELYZAはKDDIの連結子会社となっています (KDDI公式ニュースリリース)。「東大発スタートアップ」という紹介だけでは実態と少しズレがあり、現在はKDDIグループの一員としてLLMの研究開発と社会実装を進めている段階です。

つまり「独立系の東大発ベンチャー」というイメージだけで検討すると実態と食い違います。次のセクションでは、中小企業が実際に契約・利用できる窓口がどこなのかを確認します。

中小企業が実際に使える窓口はどこか

ELYZAは研究開発だけでなく、法人向けに「ELYZA Works」という生成AI活用ツールを提供しています。現場の社員がプログラミング知識なしに、自然文の指示だけで業務用の生成AIアプリを作成できるサービスです (ELYZA公式サイト)。このELYZA Worksは、KDDIとの提携により「ELYZA Works with KDDI」として法人向けに販売されています (KDDI公式サービスページ)。

無料デモは終了している (2026年7月時点): ELYZAは以前、個人でも無料で日本語LLMの生成を試せる「ELYZA LLM デモ版」を公開していました。しかし公式サイトには「2026年5月 『ELYZA LLM デモ版』は公開を終了しました」と明記されています (ELYZA公式LLM紹介ページ)。文章作成AI「ELYZA Pencil」のトライアル版もすでにサービスを終了しており、公式サイトでも終了の告知とELYZA LLMデモ版への案内が表示されます (ELYZA Pencil公式サイト)。ネット上には「無料で試せる」と紹介する記事が今も多く見つかりますが、2026年7月時点でこれらの無料デモはすべて終了済みです。古い情報を鵜呑みにして「まず無料で触ってみよう」と思っても、実際には試せない点に注意してください。

言い換えると、現時点で中小企業がELYZAの技術に触れる現実的な窓口は「ELYZA Works with KDDI」への問い合わせ・資料請求がほぼ唯一の入口です。次は、その料金がどの程度かを見ていきます。

💰 料金プラン (ELYZA Works with KDDI)

KDDI公式サービスページには、ELYZA Works with KDDIの「スタンダードプラン」として3種類のアカウントタイプが明記されています (KDDI公式サービスページ)。

ELYZA Works with KDDI 料金プラン (1アカウントあたり月額・税込)
ライト
¥1,078
利用中心のアカウント
ベーシック
¥3,278
アプリ作成も可能
プレミアム
¥5,478
上位機能を利用

KDDI公式サービスページに記載の税込月額。最低20アカウントから、契約期間は最低3カ月。エンタープライズプランは個別見積もりのため未掲載。

プラン月額 (1アカウント・税込)最低契約単位想定する使い方編集部の評価
ライト¥1,07820アカウント以上・3カ月〜作成済みのAIアプリを利用するだけの社員向け◯ 閲覧・利用中心の部署に
ベーシック¥3,27820アカウント以上・3カ月〜自分でAIアプリを作成したい担当者向け◎ 最初の現実解
プレミアム¥5,47820アカウント以上・3カ月〜上位機能を使う中核メンバー向け◯ 一部の推進担当者に限定
エンタープライズ個別見積もり個別相談社内IDの一括ログイン連携 (SSO) など高度な要件がある組織向け△ 詳細は要問い合わせ

「20アカウントから」が中小企業にとっての最大の壁: ライトアカウントのみで20アカウントを契約した場合、月額の目安は¥1,078×20=¥21,560です。中小企業の予算としては現実的な水準ですが、「まず3人だけで試したい」という個人事業主・小規模事業者にとっては、20アカウントという最低契約単位そのものがハードルになります。契約前に、自社で実際に何人が使うのか、20アカウント分の予算とニーズがあるのかを社内で先に確認しておくことをおすすめします。

料金体系そのものは1人あたりの月額が明確で分かりやすい一方、「最低20アカウント・3カ月」という契約単位がボトルネックになり得る点は必ず押さえておきたいところです。次に、実際に導入するとどのような変化が見込めるかを編集部の視点で整理します。

導入でどう変わるか (編集部シミュレーション)

ELYZA Worksは「現場社員が自分でAIアプリを作れる」ことを売りにしています。ここでは、社内からの問い合わせ対応や定型的な文書作成を行う部署を想定した、編集部による一般的なシミュレーションを示します。実際の効果は業務内容や社内のITリテラシーによって変わります。

社内問い合わせ対応の一次回答 (編集部シミュレーション)
導入前: 担当者が都度メールで手作業回答
  • 一次回答の作成: 担当者が文面を都度作成 (1件あたり10〜15分)
  • 対応できる時間帯: 担当者の勤務時間内のみ
  • アプリの作成者: 外部のサービス提供企業への開発依頼が必要な場合が多い
導入後: ELYZA Worksで作成したAIアプリが一次回答
  • 一次回答の作成: AIアプリが自然文で下書きを生成 (数十秒)
  • 対応できる時間帯: AIアプリ自体は常時稼働可能
  • アプリの作成者: 現場担当者が自然文の指示で自分で作成

編集部の試算では、定型的な一次回答にかかる時間を1件あたり数分規模まで圧縮できる可能性がある (実際の削減幅は業務内容による)

編集部のヒント: いきなり全社展開を目指すのではなく、「よくある質問への一次回答」など範囲を絞った1つの業務でベーシックアカウント数名分から試し、社内での使われ方を見てからアカウント数を調整する進め方が現実的です。

効果のイメージがついたところで、実際にどう申し込みへ進めばよいかを手順で確認します。

導入までの流れ (資料請求から契約まで)

ここでは、公式サイトに掲載されている問い合わせ導線をもとに、中小企業の情報システム担当者が実際に検討を進める際の一般的な流れを整理します。

ELYZA Works with KDDI 検討フロー (目安)
STEP 1
自社の対象人数を仮決めする
最低20アカウントという契約単位があるため、まず「どの部署の何人が使うか」を社内で仮決めしておく。
STEP 2
公式サイトから資料請求・問い合わせ
ELYZA Works公式サイトの申し込みフォーム、またはKDDI公式サービスページの問い合わせ窓口から連絡する。
STEP 3
商談・要件のすり合わせ
利用人数・想定用途・アカウント種別 (ライト/ベーシック/プレミアム) の組み合わせを担当者とすり合わせる。
STEP 4
契約 (最低20アカウント・3カ月〜)
最低契約単位を満たす形でアカウント種別ごとの人数を決定し、契約を締結する。
STEP 5
現場でAIアプリを作成・運用
ベーシック以上のアカウントを持つ担当者が、自然文の指示で業務用AIアプリを作成し、組織内で共有・改善していく。

失敗パターン: 「とりあえず流行りの国産AIだから」と対象人数を決めないまま商談に進み、20アカウント分の予算感とのギャップに商談段階で気づいて頓挫するケースは起こり得ます。STEP 1の「対象人数の仮決め」を先に済ませておくと、商談がスムーズです。

手順を踏めば契約自体は難しくありませんが、他の生成AIサービスと比べてどう違うのかも押さえておきましょう。

他の生成AIサービスとの使い分け

ELYZA Works with KDDIは「非エンジニアが自然文でAIアプリを作る」タイプのサービスです。用途によっては、他のツールの方が中小企業に向いている場合もあります。

目的第一候補補足
非エンジニアが業務用AIアプリを自作したい (国産・日本語特化を重視)ELYZA Works with KDDI最低20アカウント・3カ月〜の契約が前提
個人・小規模チームでまず無料枠から試したいChatGPT Plus個人契約から始められ、無料プランもある
ノーコードでRAG (外部知識を参照する AI 仕組み) やエージェントを構築したいDify無料のお試し枠 (Sandbox) があり、少人数からでも試しやすい
既存のOffice/Microsoft 365環境にAIを組み込みたいMicrosoft Copilot普段の業務ソフトの延長で導入しやすい

補助金活用のヒント: ELYZA Works with KDDIのような法人向けクラウドサービス (SaaS) 型ツールは、IT導入補助金の対象ITツールとして登録されている場合があります。導入コストを抑えたい場合は デジタル化・AI 導入補助金 2026 の記事 で対象範囲と申請の流れを確認したうえで、登録ITツールかどうかを公式または導入支援事業者に確認するとよいでしょう。

編集長の結論: 「中小企業が国産AIを試せるか」の答えは、条件付きで「YESだが、いきなり少人数の無料試用はできない」です。個人向けの無料デモはすでに終了しており、本格的に検討するなら「20アカウント・3カ月〜」という単位を前提に、社内の対象人数を先に固めてから資料請求に進むのが最短ルートです。国産・日本語特化という安心材料と、デジタル庁の実証実績という信頼材料は確かにありますが、契約単位が自社に合うかどうかを見極めることが導入判断の分かれ目になります。

よくある質問

出典・参考情報


Mira / AI経営ラボ 編集長

もっと深く学ぶための関連書籍

国産LLMを選ぶかどうかにかかわらず、「生成AIを社内のどの業務にどう組み込むか」を設計する力は経営者・担当者自身に求められます。生成AI導入の考え方や社内浸透のさせ方を扱った書籍を押さえておくと、ELYZA Worksのようなツールを契約したあとの「使いこなし」まで見通しやすくなります。

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料金プラン

プラン 料金 (JPY) 請求
ライトアカウント ¥1,078 月額
ベーシックアカウント ¥3,278 月額
プレミアムアカウント ¥5,478 月額
エンタープライズ (個別見積もり) ¥0 買い切り

👍 メリット

👎 デメリット