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Jan AI オフライン生成AI エンジニアのプライバシー重視ローカル運用ガイド

Jan のレビュー — AI ツールカテゴリ
評価⭐ 4.2 / 5
提供元Menlo Research (Jan HQ)
カテゴリローカルLLM / オフライン生成AI

Jan(ジャン)は、ChatGPT のような対話型の生成AIを「自社のパソコン上だけ」で完全オフライン動作させられる、無料のオープンソースアプリです。入力した内容が一切外部に送信されないため、顧客情報や社外秘の資料を扱う中小企業にとって、情報漏洩リスクを抑えながら生成AIを業務に取り入れる現実的な選択肢になります。

読了時間: 約 8 分 / 字数: 約 3,000 字

この記事のポイント

編集長 Mira の見解: 生成AI活用で中小企業が最初にぶつかる壁は「機密情報をクラウドAIに入力していいのか」という不安です。Jan の本質的な価値は、この不安を技術的に解消できる点にあります。入力も生成結果も自社PCの中だけで完結するため、顧客名簿や見積書、社内規程といった「クラウドには出したくない情報」を扱う作業でも、生成AIの恩恵を受けられます。無料で試せるので、まずは古いノートPC 1 台から検証を始めるのが賢明です。

Jan とは何か — 「外に出ない ChatGPT」

Jan は、Menlo Research(旧 Jan HQ)が開発するオープンソースの生成AIアプリです。公式の説明では「100% オフラインで動作する ChatGPT のオープンソース代替」と位置づけられています。

最大の特徴は、Llama・Mistral・Gemma・Qwen といったオープンな大規模言語モデル (LLM) を、クラウドを介さず自社のパソコン内で直接動かせる点です。これにより、入力した文章も生成された回答も、外部のサーバーへ送信されません。

つまり Jan は「外に情報が出ない ChatGPT」として使える一方、必要に応じてクラウドの高性能モデルにも手を伸ばせる、ハイブリッドな設計になっています。次のセクションでは、気になる料金面を整理します。

💰 料金プラン — 本体もローカル利用も無料

Jan のコスト構造はシンプルです。本体はオープンソースで無料、ローカルでモデルを動かす分には追加費用が一切かかりません。

Jan の料金構造(月額)
本体(オープンソース)
¥0
Apache 2.0・無料DL
ローカルモデル利用
¥0
自社PC内で実行・無料
クラウド連携(任意・参考)
¥3,000
本体は無料・API従量は各社別

本体・ローカル利用は無料。クラウドモデルを任意連携した場合のみ各社のAPI料金が発生(バーは比較用の参考値)。

唯一の「費用」と言えるのは、クラウドモデル(ChatGPT や Claude など)を任意で連携した場合に発生する各社のAPI利用料です。これは Jan に支払うものではなく、利用した分だけ各AIサービスに支払う従量課金です。ローカルモデルだけで運用すれば、この費用も発生しません。

節約のヒント: まずはローカルモデルだけで運用し、「どうしても精度が足りない難しい依頼」のときだけクラウドモデルに切り替える運用にすると、API利用料を最小限に抑えつつ、普段使いの情報漏洩リスクをゼロに近づけられます。

実質コストはほぼ「動かすパソコン代と電気代だけ」と考えてよく、月額課金のクラウドAIと比べて固定費を抑えられます。次は、その「動かすパソコン」に必要なスペックを見ていきます。

必要スペックの目安 — どんなPCで動くか

ローカルでLLMを動かす以上、ある程度のパソコン性能は必要です。とはいえ、最新の高価なPCでなければ動かないわけではありません。

用途レベルメモリ目安GPU体感速度編集部の評価
お試し(小型モデル)8GB不要遅め△ まず動作確認向け
実務(中型モデル)16GBあると快適普通○ 中小企業の標準ライン
快適運用(大型モデル)32GB+GPU推奨速い◎ 本格運用向け

メモリ 16GB のビジネス向けノートPCがあれば、実務で使える中型モデルを「待てる速度」で動かせます。GPU(高性能なグラフィック処理装置)を積んだPCがあれば、回答速度は大きく改善します。

編集部の警告: メモリ 8GB のPCに大型モデルを入れると、動作が極端に遅くなったりPCが固まったりします。ダウンロード時にモデルの容量(量子化サイズ)を確認し、自社PCのメモリに収まる小〜中型から始めてください。「大きいモデル=必ず賢い」ではなく、自社の用途に合うサイズ選びが重要です。

スペックの見極めができたら、いよいよ導入です。次のセクションで全体の流れと具体的な手順を示します。

導入の全体フロー

Jan の導入は、難しいコマンド操作なしで進められます。まずは全体像を把握しましょう。

Jan 導入の全体フロー
📥
01
ダウンロード
公式サイトからOS用インストーラを入手
⚙️
02
インストール
実行するだけ、数分で完了
🧠
03
モデル取得
アプリ内から1つDL(HuggingFace連携)
🔌
04
オフライン対話
ネット遮断でも動作を確認
🚀
05
業務展開
用途別プロンプトを社内で共有

クラウドAIのようにアカウント登録やクレジットカード入力は不要です。アプリを入れてモデルを 1 つ選ぶだけで、その日のうちに使い始められます。次に、各ステップを具体的な手順として示します。

導入ステップ(実機目線)

Jan 導入ステップ
STEP 1
公式サイトからダウンロード
jan.ai から自社PCのOS(Windows / macOS / Linux)に合ったインストーラを取得します。
STEP 2
インストールして起動
ダウンロードしたファイルを実行。数分でインストールが完了し、アプリが起動します。
STEP 3
モデルを1つダウンロード
アプリ内のモデル一覧から、自社PCのメモリに収まる中型モデルを1つ選んでダウンロードします。
STEP 4
オフラインで動作確認
Wi-Fiを切った状態で対話を試し、ネットなしでも回答が返ることを確認します。
STEP 5
用途別プロンプトを整備
「メール下書き」「議事録要約」など、よく使う依頼文をテンプレ化して社内で共有します。

ステップ 1〜4 は概ね 30 分〜1 時間で完了します。重要なのはステップ 4 で、実際にネット接続を切って動かし、「本当に外部送信されていない」ことを自分の目で確認することです。

競合比較 — ChatGPT / Ollama / LM Studio との違い

ローカルLLMを動かす手段は Jan だけではありません。中小企業の視点で代表的な選択肢を比較します。

サービス動作場所料金設定の手軽さ中小企業フィット
Janローカル(任意でクラウド連携)無料◎ GUI完結
ChatGPT(クラウド)クラウド月額¥3,000前後○(機密データは要注意)
Ollamaローカル無料△ コマンド中心○(IT担当者向け)
LM Studioローカル無料○ GUIあり

クラウド版 ChatGPT は手軽さと精度で優れますが、入力データがクラウドに送信される点が機密業務ではネックです。Ollama はコマンド操作が中心で、IT担当者がいる企業向け。Jan は GUI(画面操作)で完結し、コマンドに不慣れな経営者でも扱いやすいのが強みです。

クラウド型と比較検討するなら ChatGPT Plus 料金ガイドClaude Pro 料金ガイド も参考になります。同じローカル運用の選択肢としては Ollama でローカルLLMを動かすガイド との比較が分かりやすいでしょう。

中小企業での活用シナリオ

具体的に、Jan を中小企業がどう使うかをイメージしてみましょう。

たとえば、顧客の個人情報を含む問い合わせメールへの返信文を、Jan のローカルモデルで下書きするケースです。クラウドAIに顧客名や連絡先を貼り付けることに抵抗があっても、Jan なら入力内容が自社PCの外に出ないため、安心して下書き作成を任せられます。

よくある失敗: 「ローカルだから何でも安全」と考え、ローカルモデルに過度な精度を期待してしまうケースです。小型モデルは事実関係の誤り(ハルシネーション)も起こします。下書き・要約のたたき台として使い、最終確認は必ず人間が行う運用を徹底してください。

さらに踏み込んで自社システムと連携したい場合は、次のAPIサーバー機能が役立ちます。

API サーバーで社内ツールと連携

Jan は localhost:1337 に OpenAI 互換のクラウドサービス (SaaS) と同じ形式の API サーバーを立てられます。これにより、既存の社内ツールや自動化スクリプトから、外部に出ないローカルLLMを呼び出せます。

「OpenAI 互換」とは、ChatGPT のAPIを前提に作られたツールの接続先を、Jan のローカルサーバーに差し替えるだけで動く、という意味です。クラウドAPIをローカルに置き換えることで、データを外に出さずに自動化を組めます。

編集部メモ: 「機密データはローカルJan、一般的な作業はクラウドAPI」と用途で接続先を使い分ければ、コストとセキュリティのバランスを取れます。エンジニアがいる企業なら、この API サーバー機能は導入価値が大きいポイントです。コーディング支援を社内で完結させたい場合は Aider でAIペアプロを始めるガイドCline(VSCode拡張)活用ガイド との組み合わせも検討の余地があります。

技術的な詳細は公式ドキュメントに整理されています。次に、導入前によくある質問へ答えます。

よくある質問

Q. 本当に無料ですか? A. 本体はオープンソース(Apache 2.0)で無料、ローカルモデルの利用にも費用はかかりません。費用が発生するのは、任意でクラウドモデルを連携し、そのAPIを使った分だけです。

Q. インターネットがなくても使えますか? A. はい。ローカルモデルをダウンロード済みであれば、オフライン環境でも対話できます。モデルのダウンロード時のみネット接続が必要です。

Q. データが外部に送信される心配はありませんか? A. ローカルモデルを使う限り、入力も回答も自社PC内で完結します。心配なら、導入直後にネット接続を切って動作確認するのが確実です。なお、クラウドモデルを連携した場合は、その分のデータは各AIサービスに送信されます。

Q. プログラミングの知識は必要ですか? A. 基本的な対話利用は画面操作(GUI)だけで完結し、コマンド操作は不要です。API サーバー連携など高度な使い方では、IT担当者の関与があるとスムーズです。

出典・参考情報


Mira / AI経営ラボ 編集長

もっと深く学ぶための関連書籍

ローカルLLMを業務で安全に使いこなすには、モデルの選び方や量子化、プロンプト設計といった基礎知識を一度体系的に押さえておくと、導入後の試行錯誤を大きく減らせます。生成AIをオフラインで自社運用する取り組みは、情報漏洩リスクを抑えたい中小企業にとって今後の標準になり得る領域です。書籍で土台を固めておきましょう。

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料金プラン

プラン 料金 (JPY) 請求
本体(オープンソース) ¥0 月額
ローカルモデル利用 ¥0 月額
クラウドモデル連携(任意・API従量) ¥0 月額

👍 メリット

👎 デメリット