広告代理店の媒体提案書→クライアント承認フローを自動化 — Googleフォームでの申請をSlackに通知し、承認後に納品データをDriveへ自動保存
広告代理店では、媒体提案書の確認や承認、納品データの保存に時間がかかりがちです。Zapierを使えば、Googleフォームの申請をSlackへ通知し、承認後のファイルをGoogleドライブへ整理する流れを作れます。この記事では、中小規模の代理店が約45分で試す手順と費用を紹介します。
この記事のポイント
- 全体の流れ — Googleフォームの受付、Slack通知、Googleドライブ保存の順に整理します
- 設定手順 — Zapierの起点、通知、承認条件、ファイル保存を順に確認できます
- 費用の目安 — 無料プランと有料プランの違いを確認できます
- 試算の見方 — 編集部の試算で、削減時間と費用の関係を確認します
- 失敗の防ぎ方 — タスク上限、承認条件、フォルダ名の注意点を紹介します
- 経営者の使い方 — 提案依頼を受けてから承認までの実務シナリオを示します
編集長の見解: 承認フローの自動化は、メールの転送や保存作業を減らす選択肢です。月額数千円から試せるため、まずは少ない案件で検証すると判断しやすくなります。ただし、承認条件とアクセス権限は人が確認してください。
なぜ広告代理店の承認フローを見直すのか
媒体提案書の作成からクライアント承認までには、確認、通知、保存などの作業があります。担当者がメールや表計算ソフトで個別に管理すると、対応状況が見えにくくなる場合があります。
従来の承認フローで起きやすい課題
広告代理店では、次のような課題を確認してから自動化を検討します。
- メール往復による遅延 — 返信待ちやリマインドが発生し、承認まで時間が延びる場合があります
- 進捗管理の属人化 — 承認待ちの案件を担当者だけが把握し、共有しにくくなります
- 保存漏れ — 承認後のファイルを保存し忘れたり、保存先が分散したりします
こうした課題は、担当者の作業時間だけでなく、クライアントへの返答にも影響します。自動化は、作業を減らす一つの方法です。
自動化で見込める変化
承認フローを自動化すると、次のような変化が見込めます。
- 通知の迅速化 — フォーム送信後に、指定したSlackチャンネルへ通知できます
- 転記作業の削減 — フォームの回答を通知文へ差し込めます
- 進捗の共有 — 承認待ちの案件をチャンネルで確認できます
- 保存手順の統一 — 承認後のファイルを決めたフォルダへ保存できます
💡 編集部メモ: 最初は1つの案件種別だけで試し、通知と保存が想定どおり動くか確認しましょう。運用後に、担当者が迷った箇所を修正すると定着させやすくなります。
次のセクションでは、フォーム受付からファイル保存までの流れを示します。
自動化の全体像(3ステップ)
承認フローは、次の3段階に分けて設計できます。
クライアントや社内担当者から、必要な情報をフォームで受け付けます。回答をZapierの起点にします。
フォームの回答を指定チャンネルへ通知します。承認者は、決めた方法で承認または却下を示します。
承認条件を満たした案件のファイルを、案件ごとのフォルダへ保存します。
ステップ1: Googleフォームで申請受付
最初に、申請の入り口をGoogleフォームへそろえます。フォームには、クライアント名、媒体名、予算、提案内容、添付ファイルなどを設定します。
- 申請内容の標準化 — 必須項目を決め、記入漏れを減らします
- 申請日時の記録 — 回答のタイムスタンプを確認できます
- 添付ファイルの受付 — 提案書や見積書をフォームから受け付けます
ステップ2: Slackに通知し承認・却下を判断
フォームの回答を、ZapierからSlackの承認用チャンネルへ通知します。通知には、次の情報を含めると確認しやすくなります。
- 申請者名
- クライアント名
- 媒体名
- 予算額
- 提案内容の概要
- フォームの回答URL
承認者は、リアクションや返信など、事前に決めた方法で判断します。承認条件を満たした場合だけ、次の保存処理へ進めます。
⚠️ 注意: Slack上の承認方法は、導入前に決めてください。リアクションを使う場合は、対象となる絵文字と承認者を限定すると、誤操作を確認しやすくなります。
ステップ3: 承認後にGoogleドライブへ保存
承認された案件のファイルを、Googleドライブの指定フォルダへ保存します。案件ごとにフォルダを作り、命名規則をそろえると検索しやすくなります。
📁 納品データ/
📁 2026年/
📁 クライアントA/
📁 2026-05-10_媒体提案書/
📄 提案書.pdf
📄 見積書.pdf
次のセクションでは、必要なアカウントとZapierの設定手順を説明します。
Zapierの設定手順
ここでは、設定時間を約45分とした手順を紹介します。実際の所要時間は、フォーム項目や承認条件によって変わります。
必要なツールとアカウント準備
必要なツールと費用の目安は、次のとおりです。
| ツール | 用途 | プラン例 | 月額費用の目安 | 編集部の評価 |
|---|---|---|---|---|
| Zapier | 自動化の設定 | 無料または有料 | ¥0〜 | まず無料で検証 |
| Googleフォーム | 申請受付 | 無料 | ¥0 | 導入しやすい |
| Slack | 通知・承認 | 無料または有料 | ¥0〜 | 既存環境を活用 |
| Googleドライブ | ファイル保存 | 無料または有料 | ¥0〜 | 権限設定が重要 |
💡 編集部メモ: Googleドライブは無料で15GBまで利用できます。Zapierの無料プランは月100タスクまでです。有料プランは月約$19.99(執筆時点の換算で約 ¥3,000)からですが、料金や為替レートは公式サイトで確認してください。
Zapの作成手順
次の設定では、フォーム送信、Slack通知、承認条件、Googleドライブ保存を組み合わせます。
ステップ1: Zapierにログインして「Create Zap」をクリック
Zapierのダッシュボードにログインし、「Create Zap」をクリックします。
ステップ2: 起点を設定
Googleフォームを選び、新しい回答を起点に設定します。対象フォームを選び、テスト送信を行います。
ステップ3: Slackへの通知を設定
Slackの通知アクションを選び、通知先チャンネルと本文を設定します。フォームの回答を本文に差し込みます。
ステップ4: 承認条件を設定
Filter機能などを使い、承認を示すリアクションや返信を条件にします。却下の場合は保存処理へ進まない設定にします。
ステップ5: Googleドライブへの保存を設定
フォルダ作成とファイルアップロードを設定します。案件名や日付を使い、保存先とファイル名をそろえます。
ステップ6: Zapを有効化
テスト送信でSlack通知とGoogleドライブ保存を確認してから、Zapを有効にします。
承認・却下の分岐設定方法
承認条件は、運用に合う方法を1つ選びます。
- リアクションで判断 — 特定の絵文字が付いた場合だけ保存処理へ進めます
- 返信内容で判断 — 「承認」などのキーワードを含む返信を条件にします
- フォームの項目で判断 — 承認ステータスを別途入力し、その内容で分けます
承認者が複数いる場合は、誰か1人の承認で進めるのか、全員の承認が必要なのかを先に決めます。
⚠️ 注意: 条件の誤りは、承認前の保存や、承認後の処理停止につながります。承認と却下の両方をテストし、想定どおりに分岐するか確認してください。
Googleドライブへの自動保存設定
保存処理では、フォルダ作成とファイルアップロードを組み合わせます。
| 処理 | 設定内容 | 確認点 | 編集部の評価 |
|---|---|---|---|
| フォルダ作成 | 案件ごとのフォルダを作成 | 命名規則を統一 | 検索性を高めやすい |
| ファイル保存 | 添付ファイルをアップロード | 保存先と権限を確認 | 保存漏れを減らしやすい |
フォルダ名は、次のようにクライアント名、申請日、案件名を含めます。
{クライアント名}_{申請日}_{案件名}
例: 「株式会社ABC_20260510_新規出稿提案」
次のセクションでは、経営者や事業主が導入効果を判断するための具体例を示します。
経営者・事業主がこの自動化をどう使うか
広告代理店の経営者や事業主は、まず月間の提案件数が多い案件種別から試すと判断しやすくなります。たとえば、担当者がフォームへ提案依頼を入力し、経営者がSlackで承認した後、担当者がGoogleドライブの保存結果を確認する流れです。
具体的なシナリオ: 提案依頼を受けて承認する
- メールで提案依頼を受ける
- 必要情報を整理(約30分)
- 提案書を作成(約2〜3時間)
- メールで送付し、承認を待つ(1〜2日)
- リマインドメールを送る(約10分)
- 承認後に手作業で保存(約15分)
- Googleフォームから依頼を受ける(約5分)
- Slack通知で内容を確認する
- 提案書を作成(約2〜3時間)
- フォーム提出後、Slackで承認を依頼する
- 承認後、Googleドライブへ自動保存する
- 保存結果をSlackで確認する
承認までの時間が短くなる可能性があります
自動化後も、提案内容の確認や承認判断は人が行います。ツールに任せる範囲と、人が確認する範囲を分けることが大切です。
編集部のシミュレーション: 時間削減効果
以下は、編集部が一定の条件で計算した試算です。実際の削減時間は、案件数や承認者数によって変わります。
編集部の試算の前提条件: 月間20件の提案件数、1件あたりの承認関連作業を約1時間と仮定します。Zapierの有料プランは月約$19.99(約 ¥3,000)として計算します。料金は契約時に公式サイトで確認してください。
| 項目 | 導入前 | 導入後 | 削減効果 |
|---|---|---|---|
| 申請情報の整理 | 月間 約5時間 | 月間 約0.5時間 | 約4.5時間削減 |
| 通知・リマインド | 月間 約3時間 | 月間 約0時間 | 約3時間削減 |
| データ保存 | 月間 約5時間 | 月間 約0.5時間 | 約4.5時間削減 |
| 進捗確認 | 月間 約4時間 | 月間 約1時間 | 約3時間削減 |
| 合計 | 月間 約17時間 | 月間 約2時間 | 月間 約15時間削減 |
編集部の試算では、月間約15時間を削減できる可能性があります。実績を記録し、導入前後の作業時間を比較して判断してください。
導入コストと効果のバランス
Zapierの有料プランは月約$19.99(約 ¥3,000)から始められます。編集部の試算では、月間15時間の削減に時給 ¥1,000 を当てはめると、月間 ¥15,000 相当になります。
これはあくまで試算です。契約費用だけでなく、設定や確認にかかる時間も含めて、自社の案件数と照らし合わせてください。
💡 編集部メモ: 無料プランは月100タスクまで利用できます。案件数が少ない場合は無料で検証し、通知や保存が安定してから有料プランを検討する方法があります。
次のセクションでは、導入時に確認したい失敗パターンと対策を紹介します。
編集部の警告(失敗パターン)
自動化は、設定が合わないと処理停止や誤保存につながります。導入前に、次の3点を確認してください。
失敗パターン1: 無料プランの上限を見落とす
Zapierの無料プランは月100タスクまでです。ここでいうタスクは、Zapのアクションが実行された回数を指します。
たとえば、1件の申請でSlack通知とGoogleドライブ保存を行う場合、主に次のアクション分のタスクを消費します。
- Slackへの通知
- Googleドライブへの保存
- 追加したフォルダ作成などの処理
設定によって消費数は変わるため、Zapierの使用状況画面で確認してください。月100タスクに近づいたら、有料プランや処理数の見直しを検討します。
⚠️ 警告: 上限に達すると、設定した処理が止まる可能性があります。重要な依頼を扱う場合は、月間タスク数を定期的に確認し、停止時の手作業も決めておきましょう。
回避策: 導入前に月間の申請件数と、1件あたりのアクション数を確認します。不要なアクションを減らし、少数案件でテストしてから運用範囲を広げてください。
失敗パターン2: 承認条件を誤る
承認条件を誤ると、保存処理が止まったり、承認前に進んだりする可能性があります。
- 条件の向きを誤る — 含む・含まないの指定を確認します
- 絵文字名を誤る — Slackで実際に使う絵文字と一致させます
- 起点を誤る — メッセージ返信とリアクションのどちらを使うか決めます
⚠️ 警告: 承認と却下の両方をテストし、保存されるケースと保存されないケースを確認してください。テスト結果は、担当者間で共有しておくと安心です。
回避策: テスト用フォームを使い、Slack通知、承認、却下、Googleドライブ保存を順に確認します。
失敗パターン3: Googleドライブの構成を決めない
保存先を決めずに自動化すると、案件を探しにくくなります。
- 案件ごとの名前がそろわない — フォルダ名から内容を判断しにくくなります
- クライアント別に整理されない — 複数案件を比較しにくくなります
- 日付がない — 最新版の判断に時間がかかります
回避策: 次のように、クライアント名、日付、案件名を含めた規則を決めます。
📁 納品データ/
📁 2026年/
📁 クライアントA/
📁 2026-05-10_新規出稿提案/
📄 提案書.pdf
📄 見積書.pdf
次のセクションでは、料金や設定に関する質問へ回答します。
よくある質問(FAQ)
Q1: Zapierの無料プランでどこまでできる?
Zapierの無料プランでは、月100タスクまで利用できます。Zapは5本まで作成でき、更新間隔は15分ごとです。無料プランの具体的な機能や上限は変更される可能性があるため、契約前に公式情報を確認してください。
承認条件を設定する場合は、利用できる機能とステップ数をZapierの画面で確認します。月間の申請件数が多い場合や、複数の処理を組み合わせる場合は、有料プランも比較してください。
Q2: 承認者を複数人にしたい場合は?
承認者を複数人にする場合は、次の方法があります。
- 承認用チャンネルを作る — 関係者を参加させ、誰か1人の承認で進めます
- 複数の通知先を設定する — 必要なチャンネルへ同じ申請を通知します
全員の承認が必要な場合は、各承認の記録を確認してから保存処理へ進めます。複雑になりやすいため、最初は1人の承認で試すと設定を確認しやすくなります。
Q3: Slack以外の通知ツールは使える?
Zapierは、Slack以外の通知ツールにも対応しています。
| 通知ツール | 特徴 | 用途 | 編集部の評価 |
|---|---|---|---|
| Slack | チーム内で共有しやすい | 社内の承認 | 既存利用なら始めやすい |
| Gmail / Outlook | メールで通知できる | 社外への連絡 | 取引先に合わせやすい |
| Microsoft Teams | Microsoft 365と連携しやすい | Office製品中心の企業 | 既存環境を優先 |
| Chatwork | 少人数でも使いやすい | 小規模チームの承認 | 社内ルールを確認 |
自社で使っている通知手段と、クライアントへの連絡方法を分けて検討してください。
Q4: セキュリティ面で注意することは?
承認フローでは、提案書や予算などの情報を扱います。次の項目を確認してください。
- アクセス権限 — Googleドライブの共有範囲を必要なメンバーに限定します
- 機密情報 — Slackの承認用チャンネルを限定公開にします
- アカウント管理 — Zapierや関連サービスの利用者を定期的に確認します
- 停止時の手順 — 自動化が止まった場合の手作業を決めます
Q5: 導入にはどのくらい時間がかかる?
編集部の目安では、初回設定に約45分かかります。フォーム項目や承認条件が複雑な場合は、さらに時間が必要です。
- Googleフォームの作成: 約10分
- Slackチャンネルの準備: 約5分
- Zapierの設定: 約25分
- テスト送信と動作確認: 約5分
実際の所要時間を短くするには、先にフォーム項目とフォルダ名を決めておきます。
Q6: 既存の承認フローを置き換える際の注意点は?
いきなり全案件を切り替えず、少数案件で並行運用する方法が適しています。
- 並行運用 — 1〜2週間は手作業の記録も残します
- 関係者への周知 — 新しい申請方法を担当者とクライアントへ伝えます
- 記録の確認 — 通知、承認、保存の履歴を確認します
次のセクションでは、導入判断に必要な要点と公式情報をまとめます。
まとめ
広告代理店の媒体提案書に関する受付、通知、保存は、Zapierで自動化を試せます。重要な点は次のとおりです。
- 流れは3段階 — Googleフォーム、Slack、Googleドライブを順に連携します
- 設定時間は約45分が目安 — 事前に項目と承認条件を決めます
- 月100タスクまで無料 — 案件数と処理数を確認してプランを選びます
- 削減時間は試算で確認 — 自社の実績を記録し、導入前後を比較します
- 人の確認を残す — 承認判断、権限設定、保存結果は担当者が確認します
まずは1つの案件種別で試し、通知と保存が正しく動くか確認してください。結果を記録してから、対象案件を広げると運用上のリスクを抑えやすくなります。
編集長の総括: Zapierによる承認フローは、中小規模の広告代理店が定型作業を見直す選択肢です。無料プランまたは月額約 ¥3,000 の有料プランから試せます。自社の案件数、承認方法、情報管理のルールを確認し、無理のない範囲で導入を判断してください。
出典・参考情報
- Zapier公式サイト — https://zapier.com/
- Googleフォーム公式ヘルプ — https://support.google.com/docs/answer/6281888
- Slack公式サイト — https://slack.com/
- Googleドライブ公式ヘルプ — https://support.google.com/drive/
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Mira / AI経営ラボ 編集長