ZapierでChatwork→Notionタスク自動登録 依頼漏れ防止で週2.5時間削減
Chatwork に届く「これお願いします」 という一言が、そのままタスク化されずに流れていく——中小企業の現場でよくある依頼漏れです。編集部は Chatwork → Zapier → Notion で依頼メッセージを自動でタスク登録する構成を検証しました。ただし Zapier 公式の Chatwork アプリには受信トリガーが無いため、Chatwork 純正の Webhook 機能を組み合わせる一手間が必要です。
この記事のポイント
- 解決する課題: Chatwork の依頼メッセージがタスク化されず流れて消える、担当者が「言った言わない」になる
- 使うツール: Zapier (Free〜) + Chatwork (Business 以上を推奨) + Notion (Free でも可)
- 重要な注意点: Zapier の Chatwork アプリはアクションのみでトリガーが無いため、Chatwork ネイティブ Webhook + Webhooks by Zapier で代替する
- 所要時間: 初期設定 90 分、運用後はメンテ月 5〜10 分
- 削減効果: 編集部の試算で週 2.5 時間 (転記・検索・催促対応)
- 対象: Chatwork を取引先・外注先とのやり取りに使う制作会社・士業・コンサル・小規模チーム
編集長の見解: 「Zapier で Chatwork と連携できるか」 を調べると、多くの記事が「連携できます」 とだけ書いて終わっています。実際には Zapier 公式の Chatwork アプリは「ルーム作成」「メッセージ送信」「タスク作成」 の 3 アクションしか持たず、Chatwork 側の出来事を Zapier に伝える仕組み (トリガー) が用意されていません。編集部はこの事実を Zapier 公式ドキュメントで確認した上で、Chatwork 自身が持つ Webhook 機能を使う代替ルートに切り替えました。少し手間は増えますが、公式にできないことを「できる」と書くよりは、正確な手順を示す方が読者の時間を守れると判断しています。
このレシピで解決する 3 つの課題
中小企業の現場取材で聞かれる「Chatwork あるある」 を、編集部が整理しました。
| よくある困りごと | 起きている事象 | このレシピでの解消方法 |
|---|---|---|
| 依頼メッセージがタスク化されない | Chatwork 上の「お願いします」 が読了だけで終わり、対応漏れになる | メッセージ発生時に Notion のタスク行として自動記録 |
| 過去の依頼を探すのに時間がかかる | Chatwork のトーク履歴を延々スクロールして探す | Notion の 1 データベースに集約し、担当者・期日で絞り込み検索 |
| 依頼状況が属人化する | 対応済みかどうかが担当者の記憶頼み | Notion 側でステータス管理し、チームで進捗を共有 |
これら 3 つを同じ自動化基盤でまとめて解消できるのが、本レシピの狙いです。
なぜ「Zapier だけ」 では組めないのか
Zapier 公式の Chatwork アプリにはトリガーが無い
Zapier 公式: Chatwork Integrations を確認すると、対応イベントは「Create Room (ルーム作成)」「Send Message (メッセージ送信)」「Create Task (タスク作成)」の 3 アクションのみです。つまり Zapier は Chatwork へ書き込むことはできますが、「Chatwork でメッセージが来たら」 を検知するトリガーは公式には存在しません。この記事のタイトルにある「Chatwork → Notion」 を実現するには、Chatwork 側からの出来事を Zapier に渡す別の入口が必要です。
その入口になるのが、Chatwork 自身が持つ Webhook 機能 です。Chatwork の Webhook は、メッセージ投稿などの出来事が起きるたびに、指定した URL へ JSON データを自動送信する仕組みです。この送信先に Zapier の「Webhooks by Zapier」 (Catch Hook) の受信 URL を指定することで、擬似的に「Chatwork トリガー」 を作れます。
Chatwork の API / Webhook 利用には利用申請が必要
Chatwork の API・Webhook 機能は Chatwork 公式 API ドキュメント によれば、パーソナルプランを除き利用申請が必要な機能です。フリープランでは利用できない可能性があるため、着手前に必ず公式ドキュメントで最新の利用条件を確認してください。編集部の検証は Business プラン相当を前提にしています。
セクション要点: Chatwork 側の出来事を拾うには純正 Webhook が必須。次は全体のフロー図です。
完成形 (フロー全体図)
Chatwork のメッセージ投稿から Notion にタスクが並ぶまで数秒〜数十秒
セクション要点: Chatwork の投稿が数十秒で Notion のタスクになります。次は必要なツールと月額コストです。
必要なツールと月額コスト
| ツール | プラン | 月額 (税抜目安) | 役割 |
|---|---|---|---|
| Zapier | Free (月 100 タスク・2 ステップ Zap) | ¥0 | 自動化エンジン (Catch Hook + Notion アクション) |
| Zapier (推奨) | Starter 以上 (Filter 使用時) | 公式 Pricing 参照 | 対象ルーム・キーワードの絞り込み |
| Chatwork | Business (API/Webhook 利用申請対象) | 1 ユーザー ¥700〜(年払い目安) | 依頼メッセージの発生源、Webhook 送信元 |
| Notion | Free (個人・小規模) または Plus | ¥0 〜 約 ¥1,500 | タスク管理台帳 |
合計: Chatwork が既に Business 以上で運用中なら、追加は月 ¥0〜数百円程度から開始可能。Filter で絞り込みを増やすと Zapier の有料プランが必要になる場合があるため、最新のタスク数・料金は Zapier 公式 Pricing、Chatwork の料金は Chatwork 公式: 無料版と有料版の比較 で必ず確認してください。
依頼専用ルームを作るとシンプルに運用できる
すべてのメッセージを対象にすると社内雑談まで Notion に流れ込みます。「依頼受付」 のような専用ルームを 1 つ作り、そのルームだけに Webhook を設定すれば、Filter ステップなしで Zapier Free の範囲でも運用できます。
Webhook は 1 アカウントあたり 5 件まで
Chatwork の Webhook は 公式ドキュメント によれば 1 アカウントにつき最大 5 件まで設定できます。複数ルームを対象にしたい場合は、ルームごとに Webhook を追加登録する運用になります。
セクション要点: 既存の Chatwork Business 運用なら追加コストはごく小さく始められます。次は 90 分で組み上げる手順です。
設定手順 (90 分の全体像)
webhook_event.body (本文) や webhook_event.room_id、webhook_event.from_account_id が取得できていれば成功です。Notion のデータベース準備から本番テストまでの流れ
Catch Hook の URL は第三者に知られないよう管理する
Webhooks by Zapier の受信 URL は、知っている人なら誰でも POST データを送り込める仕組みです。Chatwork は送信データに x-chatworkwebhooksignature ヘッダーで HMAC-SHA256 の署名を付与しますが、Zapier の標準機能だけでは署名検証まではできません。取り急ぎの対策として、Filter で room_id を絞り込む、URL を社内外に共有しない、といった運用でリスクを抑えてください。署名検証を厳密に行いたい場合は「Code by Zapier」 での追加実装が必要になります (中級以上向け・本記事の範囲外)。
担当者名は account_id のままでは分かりにくい
Chatwork の Webhook が送るのは from_account_id という数値の ID で、氏名そのものではありません。誰からの依頼かを Notion 上で分かりやすくするには、Chatwork のメンバー一覧をあらかじめ Notion に一覧化しておき、ID と氏名を突き合わせる、もしくは Zapier の Formatter で簡易変換するといった一手間が必要です。
セクション要点: 90 分で組み上がりますが、API 申請とセキュリティ配慮が Zapier だけの連携より 1 段階増えます。次は導入前後の効果を試算します。
導入前後の比較 (編集部の試算)
以下は 編集部のシミュレーション です。実際の効果は社内の依頼件数・運用ルールにより変動します。
前提: 社員 15 名程度の制作会社で、外注先・取引先からの依頼が Chatwork に届き、担当者が目視でタスク管理ツールへ手作業転記していたケース。
- 依頼メッセージをタスク管理ツールへ手作業登録: 週 1.5 時間
- 過去の依頼を Chatwork 内で探す: 週 1 時間
- 依頼漏れによる催促・謝罪対応: 週 0.5 時間
- 合計: 週 3 時間
- タスク登録 (Zapier が自動記録): 週 0 時間
- 依頼検索 (Notion で一覧・絞り込み): 週 0.2 時間
- 催促対応 (見逃しが減る想定): 週 0.1 時間
- Webhook / Zap History の運用確認 (新たに発生): 週 0.2 時間
- 合計: 週 0.5 時間
編集部の試算で週 2.5 時間の削減
Webhook の運用確認という新しい手間が週 0.2 時間ほど増える一方、転記・検索・催促対応の合計は週 2.5 時間ほど圧縮できる、というのが編集部の試算です。Chatwork を既に Business 以上で使っているチームであれば、追加コストをほぼかけずに始められます。
編集部の結論: 「Zapier で Chatwork と連携する」 と一言で言っても、公式にできることとできないことがはっきり分かれています。Chatwork 側の出来事を拾いたい場合は、Zapier のアクションだけで完結せず、Chatwork 純正の Webhook を橋渡しに使う——この構成を理解しておけば、他の「Chatwork 発」 の自動化 (例: 特定ルームへの投稿を Slack や Google スプレッドシートへ転記) にも応用が利きます。
セクション要点: 週 2.5 時間の削減を、既存の Chatwork Business 環境からほぼ追加コスト無しで狙える構成です。次はつまずきやすい点をまとめます。
よくある質問とつまずきポイント
導入時に編集部へ寄せられる質問を整理しました。
- Q. プログラミングの知識は必要? 基本的には不要です。ただし署名検証など厳密なセキュリティ対策をしたい場合は、Zapier の「Code by Zapier」 で簡単なコードを書く必要があります。
- Q. Chatwork の無料プランでも使える? Chatwork の API / Webhook はパーソナルプランを除き利用申請が必要な機能です。無料プランでの可否は変更される可能性があるため、着手前に Chatwork 公式ドキュメント で最新の条件を確認してください。
- Q. 過去の依頼メッセージも一括で Notion に移せる? 本レシピは「これから投稿される依頼メッセージ」 が対象です。過去ログの一括移行は別の手段が必要になります。
- Q. 複数のルームを対象にできる? Chatwork の Webhook は 1 アカウントあたり最大 5 件まで登録できるため、ルームごとに Webhook を追加すれば複数ルームに対応できます。
このレシピを応用すれば、Chatwork 以外の「トリガーが無いツール」 でも、そのツール自身が持つ Webhook 機能を探すことで、同じ発想の自動化を組み立てられます。
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出典・参考情報
- Zapier 公式: Chatwork Integrations (対応トリガー・アクション一覧)
- Zapier 公式: Webhooks by Zapier
- Zapier 公式 Pricing ページ
- Chatwork 公式 API ドキュメント (利用申請・API トークン)
- Chatwork 公式ドキュメント: Webhook (イベント種類・署名検証)
- Chatwork 公式: 無料版と有料版の比較
- Notion 公式ガイド: データベースの作成
- Notion 公式 料金ページ
Mira / AI経営ラボ 編集長
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