業務自動化

旅館の宿泊者アンケートをZapierで自動集計、満足度をスプレッドシートに記録する方法

宿泊業(旅館・ホテル) の業務自動化レシピ
業種宿泊業(旅館・ホテル)
ツールZapier
難易度★★☆ 中
設定時間約 60 分

旅館の宿泊者アンケートを紙で回収し、手入力で集計していませんか。Zapierを使えば、フォームの回答をスプレッドシートへ自動転記できます。月額0円の無料プランから試せるため、小規模な旅館でも導入しやすい方法です。本記事では、設定手順、料金、満足度の計算、個人情報の注意点を紹介します。

読了時間: 約12分

📋 この記事のポイント

  • Zapierで回答を自動転記する仕組みがわかる
  • 導入時間は約60分。無料プランは月100タスクまで
  • 満足度の平均値をスプレッドシートで計算できる
  • 前日の結果をメール通知する運用例を紹介
  • 個人情報を守る設定と運用上の注意点を確認できる

編集長の見解
一般的に、紙アンケートは回収後の入力と集計に手間がかかります。Zapierで回答を自動転記すれば、編集部のシミュレーションでは、集計時間を週2〜3時間削減できる想定です。実際の削減時間は、回答数や現在の作業方法によって変わります。まずは無料プランの月100タスク以内で試し、改善に使える時間が増えるか確認しましょう。

次のセクションでは、旅館のアンケート運用で起こりやすい課題を整理します。


🏨 旅館の宿泊者アンケートが抱える課題

宿泊者の声は、接客や食事を見直す手がかりになります。一方で、回収後の入力や集計に時間がかかると、改善まで進みにくくなります。ここでは、紙アンケートと手入力の負担を確認します。

紙アンケートの回収と集計

紙のアンケートをフロントで配布し、チェックアウト時に回収する方法は、今も使われています。一般的には、次のような負担が生じます。

従業員数が少ない旅館では、集計作業が接客や清掃準備の時間と重なることもあります。回答数が増えるほど、入力作業の確認にも時間が必要です。

手入力によるミスと遅れ

手入力による集計では、次のリスクがあります。

結果の確認が遅れると、問題が起きた時期と原因を結び付けにくくなります。自動転記によって、まず入力と集計の負担を減らせます。

改善につなげにくい理由

アンケートを集計しても、改善策を決める時間が取れない場合があります。よくある状況は次のとおりです。

警告: アンケートを「集計するだけ」にしない
アンケートの価値は、結果を接客や食事の改善に活かすことにあります。最初から複雑な分析を目指さず、回答の自動記録と週1回の確認から始めると、運用を続けやすくなります。

次のセクションでは、Zapierとフォーム、スプレッドシートを組み合わせる方法を説明します。


🔧 Zapierで作る自動集計の仕組み

Zapierは、異なるアプリを連携して作業を自動化するクラウドサービスです。コードを書かずに、フォームの回答をスプレッドシートへ送れます。

フォームとZapierの連携方法

アンケートの回答を集めるフォームを用意します。代表的な選択肢は次のとおりです。

フォームツール特徴無料利用
Googleフォーム無料で使え、スプレッドシートと連携しやすいあり
SurveyMonkey分析機能とテンプレートが豊富あり。制限あり
FormBridgeメールフォームを作成しやすいあり。制限あり

小規模な旅館では、まずGoogleフォームを試す方法が現実的です。Googleアカウントがあれば利用でき、回答をGoogleスプレッドシートへ保存できます。

回答データを自動転記する流れ

Zapierを使うと、次の流れを作れます。

[宿泊者がフォームに回答]

[Zapierが新しい回答を検知]

[スプレッドシートに回答を追加]

[必要に応じてメール通知]

この連携により、次の作業を自動化できます。

Zapierの料金と無料プランの範囲

Zapierには無料プランと有料プランがあります。無料プランは月100タスクまで利用できます。料金や上限は変更される可能性があるため、契約前に公式料金ページを確認してください。

プラン月額費用の目安タスク数の目安主な用途
Free¥0 / 月月100タスク回答の転記など、基本的な自動化
Professional約 ¥2,400 / 月〜プランにより異なる複数ステップや条件分岐
Team約 ¥4,800 / 月〜プランにより異なるチーム共有や管理機能

※ 料金は2026年5月時点の目安です。為替、請求頻度、契約地域によって変わる場合があります。最新情報はZapier公式の料金ページで確認してください。

無料プランでは、フォーム回答の検知とスプレッドシートへの追加を組み合わせる使い方が中心です。1回答につき1タスクを使う場合、月100回答までが目安になります。メール通知などの追加処理を入れると、1回答あたりのタスク数が増える場合があります。

💡 タスク数とは?
タスクは、Zapierが自動実行する処理の単位です。フォーム回答を1行追加する処理などが該当します。無料プランは月100タスクまでなので、回答数と追加処理の数を先に見積もりましょう。

次のセクションでは、旅館で使いやすい設定手順を順番に紹介します。


📝 具体的な設定手順

ここからは、Googleフォーム、Zapier、Googleスプレッドシートを使う設定例を説明します。導入時間は、項目数やアカウント準備の状況によって変わります。

自動集計の設定手順
1. Googleフォームでアンケートを作成

宿泊日、満足度、食事、部屋、接客を5段階で評価できるフォームを作ります。自由記述欄は任意入力にします。氏名や連絡先を集めない設計にすると、個人情報の管理負担を抑えられます。チェックイン時にQRコードを案内すると、回答してもらいやすくなります。

2. Zapierアカウントを作成

Zapier公式サイトでアカウントを作成します。無料プランから始められます。Googleアカウントを使う場合は、連携時の権限表示を確認してください。

3. 新しい回答を検知する設定

Zapierの画面で「Create Zap」を選び、トリガーにGoogle Sheetsを設定します。Googleフォームの回答先スプレッドシートを指定し、「New Spreadsheet Row」など、新しい行を検知するイベントを選びます。フォームの回答は、先にGoogleフォーム側で回答先のスプレッドシートへ保存しておきます。

4. 必要なアクションを設定

回答の転記だけなら、Googleフォームの回答先スプレッドシートを確認する運用でも足ります。別の集計シートへコピーする場合は、Google Sheetsの「Create Spreadsheet Row」を追加し、回答項目と列を対応させます。メール通知を加える場合は、送信先と通知条件を設定します。

5. テストして有効化

テスト用の回答を送信し、正しい列へ記録されるか確認します。日付、評価、自由記述の3点を重点的に確認してください。問題がなければ、Zapに名前を付けて有効化します。

フィールドを対応させるコツ

フォームの質問とスプレッドシートの列を、次のように揃えます。

フォームの質問スプレッドシートの列
宿泊日宿泊日
満足度満足度
食事の満足度食事
部屋の満足度部屋
接客の満足度接客
ご意見・ご要望ご意見

列名を後から変更すると、設定の修正が必要になる場合があります。列を追加するときも、既存の列を不用意に移動しないよう注意してください。

💡 最初は質問を絞る
最初から質問を増やしすぎると、回答の負担が大きくなります。満足度、食事、部屋、接客、自由記述の5項目程度から始め、運用後に見直しましょう。

次のセクションでは、記録した評価をスプレッドシートで集計する方法を説明します。


📊 満足度スコアの計算と可視化

回答が蓄積されたら、満足度を計算して改善に使います。最初は平均値と回答数だけでも、週次の変化を確認できます。

平均値と回答数を計算する

Googleスプレッドシートでは、次の関数を使えます。

関数用途
=AVERAGE(範囲)平均値を計算=AVERAGE(C2:C100)
=COUNTIF(範囲, 条件)条件に合う回答数を計算=COUNTIF(C2:C100, 5)
=STDEV(範囲)回答のばらつきを確認=STDEV(C2:C100)

例えば、C列に満足度が入っている場合は、次の式を入力します。

=AVERAGE(C2:C100)

回答が100件を超える可能性がある場合は、対象範囲を広げるか、列全体を対象にします。ただし、見出しが文字列の場合は、集計結果を確認してください。

日付ごとの平均満足度を出す

日付ごとの平均を計算するには、QUERY関数を使えます。A列が日付、C列が数値の満足度で、1行目が見出しの場合の例です。

=QUERY(A1:C, "select A, avg(C) where A is not null group by A label avg(C) '平均満足度'", 1)

最後の 1 は、1行目を見出しとして扱う指定です。日付が文字列として保存されている場合は、日付形式にそろえてから実行してください。なお、環境によって区切り記号が異なる場合は、スプレッドシートの地域設定を確認します。

日付平均満足度
2026-07-014.2
2026-07-024.5
2026-07-033.9

グラフで傾向を確認する

スプレッドシートの「挿入」から「グラフ」を選ぶと、集計結果を視覚化できます。

編集長の見解
数値を見える化すると、改善の優先順位を決めやすくなります。例えば、食事の平均が4.8点で接客が3.5点なら、接客研修や案内方法を先に見直す判断ができます。評価だけで結論を出さず、自由記述や現場の状況も合わせて確認しましょう。

次のセクションでは、自動化を安定して運用するための失敗例と対策を紹介します。


⚠️ 編集部の警告(失敗パターン)

自動化は、設定後の確認と運用ルールが重要です。ここでは、旅館で起こりやすい問題を取り上げます。

連携が切れる原因と対策

ZapierとGoogleアカウントの連携は、次の理由で停止することがあります。

原因対策
Googleアカウントの認証変更Zapier側で再認証する
フォームや列を変更したテストを再実行し、対応を確認する
スプレッドシートを削除した新しい保存先へ設定し直す

回答が反映されない場合は、Zapierの履歴とエラーメッセージを確認します。月1回など、決めた頻度で動作確認を行うと異常に気付きやすくなります。

列名の変更によるエラー

スプレッドシートの列名を変更すると、フィールドの対応がずれる場合があります。

個人情報を守る設定

アンケートに氏名や連絡先を含める場合は、情報の扱いを決めてから収集します。

⚠️ 個人情報の保護を優先する
改善に不要な氏名や連絡先は、最初から収集しない方法もあります。個別連絡が必要な場合は、利用目的と保存期間をフォームに明示し、アクセス権を限定してください。

次のセクションでは、経営者や事業主が毎日の運用に活かす具体例を紹介します。


💡 経営者・事業主がどう使うか

自動集計の目的は、数字を保存することではありません。経営者が結果を確認し、現場の改善に結び付けることが重要です。

毎朝、前日の結果を確認する

Zapierでメール通知を追加すると、前日の回答数や平均満足度を確認できます。通知項目は、次の3つに絞ると読みやすくなります。

経営者は出社後すぐに内容を確認し、必要があれば当日のスタッフミーティングで共有します。

低評価を知らせる

条件を設定すると、低い評価があったときだけ通知できます。

通知を受けたら、宿泊日や担当状況を確認します。特定のスタッフを一方的に責めるのではなく、設備、案内、混雑状況も含めて原因を確認してください。

週次レビューで改善する

手順内容
1. 週次確認前週の回答数と平均を確認
2. 課題の特定点数が低い項目と自由記述を確認
3. 対策の決定1週間で試せる改善策を1つ決める
4. 効果の確認翌週の数値とコメントを比べる

編集長の見解
自動化で入力作業を減らした後は、週1回の確認時間を確保しましょう。集計結果を見て、1週間で試せる改善策を1つ決めるだけでも、運用を続けやすくなります。数字だけで判断せず、自由記述と現場の声を組み合わせることが大切です。

次のセクションでは、導入前に確認したい質問へ回答します。


❓ よくある質問

無料プランでどこまで使える?

無料プランは月100タスクまでです。フォーム回答を検知してスプレッドシートへ追加するだけなら、回答数が月100件以内の旅館で試しやすい構成です。メール通知や条件分岐を追加すると、1回答あたりのタスク数が増える場合があります。

月100タスクを超える見込みなら、有料プランを検討します。Professionalは約 ¥2,400 / 月〜が目安ですが、契約条件や料金改定で変わる可能性があります。最新の金額はZapier公式の料金ページで確認してください。

Googleフォーム以外も使える?

Zapierは、Googleフォーム以外のフォームサービスにも対応しています。利用できるアプリや機能はサービスとZapierのプランによって異なるため、導入前に対応状況を確認してください。

スプレッドシート以外に保存できる?

回答は、次のような保存先へ送ることもできます。

まずはスプレッドシートで始め、回答数や分析の要件が増えた段階で移行を検討するとよいでしょう。

回答を匿名にできる?

Googleフォームで氏名やメールアドレスを尋ねなければ、匿名に近い形で回答を集められます。Googleアカウント情報の収集設定も確認してください。個別対応を希望する宿泊者向けには、連絡先を任意入力にする方法があります。

回答データはどのくらい保存できる?

保存期間は、旅館側の運用ルールで決めます。不要な個人情報を長期間保存しないよう、利用目的と削除時期を設定してください。データ量が増えると、スプレッドシートの動作に影響する場合があるため、定期的な整理も必要です。


🔗 出典・参考情報


Mira / AI経営ラボ 編集長