Continue で AI ペアプロ月¥0 — Cursor が入れられない VS Code 派の OSS 代替
AI経営ラボ 評価: ⭐ 4.2 / 5
提供元: Continue Dev, Inc.
カテゴリ: AI コーディング拡張 (OSS)
「Cursor は便利らしいが、ソースコードを社外 SaaS に送る前提が情報セキュリティ部の合意を取れない」 ── そう詰まっている開発組織は珍しくありません。本稿では、VS Code と JetBrains に追加できる OSS の AI コーディング拡張 Continue を編集部が評価し、商用 AI IDE が入れられない企業の現実解として整理します。
この記事のポイント
- Continue は Apache-2.0 ライセンスの OSS で、VS Code/JetBrains 拡張の利用料は¥0
- Claude / GPT / Gemini / ローカル Ollama など、利用する大規模言語モデル (LLM) を自社で選べる
- Chat / Autocomplete / Edit / Agent の 4 機能を備え、Cursor や GitHub Copilot に近い使用感
- VS Code Marketplace で2,867,234 インストール (公式記載) と Cursor 代替 OSS では最大級の規模
- 商用 AI IDE をセキュリティ上採用できない中小〜中堅企業の『1 段安全寄りの選択肢』として有力
編集長の見解 (Mira): Continue の本質は「AI ペアプロをやるが、データの行き先は自社で握る」という選択肢を取り戻せる点にあります。Cursor が刺さらない最大の理由はコードがどこへ行くかの不透明さですから、社内ポリシーに合わせて Anthropic 公式 API・社内 Ollama・Azure OpenAI Service を切り替えられる設計は中小企業の現場感覚に合います。
Continue とは何か
Continue は Continue Dev, Inc. が提供する OSS の AI コーディングアシスタントです。VS Code と JetBrains IDE (IntelliJ IDEA / PyCharm / GoLand 等) の拡張として動作し、開発者が普段使っているエディタの中にチャット欄・自動補完・コード編集・エージェント実行の 4 機能を追加します。
VS Code Marketplace の Continue 拡張ページでは「The leading open-source AI code agent」(主要な OSS の AI コードエージェント) と紹介されており、本稿執筆時点で 2,867,234 件のインストールが公式表記されています。
リポジトリは GitHub の continuedev/continue にあり、ライセンスは Apache 2.0、スター数は 33,000 超 (公式 README 記載)。OSS の AI コーディング拡張としては最大級の利用者規模です。
主要機能
1. Chat (チャット)
コードを選択してエディタ内サイドバーに質問できます。コメント生成、リファクタ案、エラー解説が中心用途。Claude や GPT の API を裏で呼びます。
2. Autocomplete (補完)
タイピング中にインライン補完を出します。GitHub Copilot に相当する機能で、利用するモデルは設定で差し替え可能。
3. Edit (インライン編集)
既存コードを選択して「ここをこう直して」と自然言語で命令すると、その場で書き換え案を提示します。Cursor の Cmd+K に相当。
4. Agent (エージェント)
複数ファイルを横断する変更や、テスト実行・依存関係追加までを 1 コマンドで指示できる機能。2026 年に強化された方向性で、商用 IDE と同方向に追従しています。
編集部のヒント: 4 機能のうち、まず Chat と Autocomplete だけを有効化して 2 週間運用するのが現実的です。Agent は強力ですが、自動でファイルを書き換えるため、社内コードベースで動かす前にレビュー文化を整えてからの導入をおすすめします。
料金プラン
| 構成要素 | 月額 (編集部試算) | 内訳 |
|---|---|---|
| Continue 拡張本体 | ¥0 | OSS (Apache-2.0)、VS Code/JetBrains 拡張は無料 |
| LLM の API 料金 (Claude/GPT 利用時) | 開発者 1 人あたり ¥1,500〜5,000 程度 | 1 日 50〜100 回程度の Chat + 補完を想定した編集部のシミュレーション |
| ローカル LLM 利用時 (Ollama) | ¥0 | PC スペックに依存、追加 API 料金なし |
LLM の従量課金は使い方次第で大きく変動します。重い補完を毎秒走らせる構成にすると 1 人あたり月¥1 万を超えるケースもあるため、最初は Chat のみ・Autocomplete オフで様子を見るのが安全です。料金の上限管理は API 提供企業のダッシュボード側で設定してください。
編集部の警告: 社内データを Anthropic 公式 API や OpenAI API に送る場合でも、それぞれの契約条項 (学習に使われない設定の有無、データ保持期間など) は必ず情報セキュリティ部門と確認してから運用してください。OSS であることは「データが外に出ない」ことを意味しません。OSS というのは「拡張本体のソースコードが公開されている」ことだけを意味します。
商用 AI IDE との比較
| 観点 | Continue | Cursor | GitHub Copilot |
|---|---|---|---|
| ライセンス / 形態 | OSS (Apache-2.0) の拡張 | クローズドソースの専用 IDE | クローズドソースの拡張 |
| 拡張本体の月額 | ¥0 | Pro 約 $20 (約¥3,000)/月 | Business $19 (約¥2,850)/月 |
| 既存 VS Code/JetBrains 継続利用 | できる (拡張) | できない (専用 IDE 移行) | できる (拡張) |
| LLM の選択肢 | Claude / GPT / Gemini / Ollama 等を自由に切替 | Cursor 側が用意したモデルが中心 | 既定 (GPT 系) で実質固定 |
| データの行き先 | 自社が選んだ LLM 提供企業 (または社内 LLM) | Cursor 社のサーバー経由 | GitHub / Microsoft 経由 |
| 非エンジニア向け UX | エンジニア前提 | 非エンジニアでも使いやすい設計 | エンジニア前提 |
| 編集部のおすすめ用途 | OSS / セキュリティ重視・既存 IDE 維持 | スタートアップ / 個人開発の生産性最大化 | GitHub と一体運用したい組織 |
→ Cursor が「最も尖った AI 体験」、Continue は「最も保守的に AI を入れる選択肢」 と棲み分けできます。Cursor の編集部レビューは別記事 /ai/cursor-vs-copilot/ で扱う予定です。
社内導入の手順
Step 1: VS Code 拡張のインストール
VS Code を起動し、拡張機能タブで「Continue」と検索 → 公式 (Continue Dev, Inc.) を選択してインストール。JetBrains の場合は JetBrains Marketplace からプラグイン追加。
Step 2: 利用する LLM を 1 つ決める
最初は迷わず 1 つに絞ります。情報セキュリティの確認が取れているなら Anthropic 公式の Claude、GPU マシンが社内にあるなら Ollama でローカル LLM (Llama 3 / DeepSeek Coder など) も有力です。
Step 3: API キーを設定ファイルに登録
Continue は YAML/JSON の設定ファイル (公式ドキュメント docs.continue.dev) で利用モデル・API キーを宣言します。社内配布する場合はキーをエンジニア個別の環境変数経由で読ませる方式が無難です。
Step 4: Chat だけを 2 週間運用
最初の 2 週間は補完を切って Chat のみ運用。コードレビューや既存実装の解説に使ってもらい、月の API 課金を実測します。
Step 5: 補完・Edit・Agent を段階的に開放
利用感とコストが見えたら Autocomplete を有効化、その後 Edit / Agent を順に開放します。各段階で社内ガイドラインを更新するのが現実的です。
編集部の警告: ソースコードに含まれる API キー・顧客固有情報・PII (個人情報) が AI 経由で外部 API に送られないよう、.continueignore 等の機能で対象外パスを必ず設定してください。OSS だから安全という思い込みは禁物です。
こんな企業に向く / 向かない
- 向く: 情報セキュリティ部門が Cursor などの商用 AI IDE をまだ承認していない企業 / 既存の VS Code/JetBrains 開発フローを変えたくない組織 / 社内 GPU で LLM を動かす検討をしている組織
- 向かない: コーディング自体を初めて学ぶ新人エンジニア (Cursor のほうが UX 親切) / 1 人開発で迷わず Cursor を入れたい個人開発者 / 設定の YAML を読みたくないライト層
よくある質問
Q. GitHub Copilot から乗り換える価値はありますか? A. 「コードを Microsoft/GitHub に送ること自体に懸念がある」場合と、「もっと安いモデルや社内モデルを混ぜたい」場合は乗り換え価値があります。それ以外は Copilot の運用安定性を選ぶのも合理的です。
Q. Cursor との違いは結局どこですか? A. Cursor は IDE そのものを差し替える商用プロダクト、Continue は既存 VS Code/JetBrains への OSS 拡張。「IDE を変える覚悟があるか」が分岐点です。
Q. ローカル LLM だけで実用になりますか? A. 補完は重く感じるケースが多いですが、Chat 用途なら社内 GPU + Ollama で十分実用域です。コストは固定費 (電気代 + ハードウェア償却) のみになります。
Q. 商用利用に法的制約はありますか? A. Apache-2.0 ライセンスは商用利用可で、ライセンス表示と変更点表示の義務などの一般的な条件があります。詳しくは GitHub リポジトリの LICENSE をご確認ください。
まとめ
Continue は「AI ペアプロは入れたいが、データの行き先は自社で握りたい」という保守寄りの組織にとって、現時点で最も現実的な OSS 選択肢です。拡張本体は¥0、LLM 料金は 1 人あたり月¥1,500〜5,000 程度が目安 (編集部のシミュレーション) で、Cursor を導入できなかった中小〜中堅企業がまず試すには十分な完成度に達しています。商用 AI IDE への移行を将来検討する場合でも、Continue で「自社にとって AI ペアプロが本当に効くか」を低リスクで検証する用途として価値があります。
出典・参考情報
- Continue 公式サイト
- Continue 公式ドキュメント
- Continue VS Code 拡張 (公式マーケットプレイス)
- Continue JetBrains プラグイン (公式マーケットプレイス)
- Continue GitHub リポジトリ
関連リンク
Mira / AI経営ラボ 編集長
もっと深く学ぶための関連書籍
Continue は拡張機能の導入よりも、config の作り込みと LLM 選定、そして VS Code 上でのワークフロー設計に運用の成否がかかります。VS Code を AI 拡張ごと使いこなすための解説書を一冊手元に置いておくと、チームへの展開や設定の標準化を進めるときの遠回りを減らせます。
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料金プラン
| プラン | 料金 (JPY) | 請求 |
|---|---|---|
| VS Code / JetBrains 拡張 (OSS) | ¥0 | 月額 |
| 利用 LLM の API 料金 (例: Claude / GPT / ローカル Ollama) | ¥0 | 月額 |
👍 メリット
- VS Code 拡張は Apache-2.0 ライセンスの OSS、拡張本体の利用料は¥0
- Anthropic Claude / OpenAI GPT / ローカル Ollama など主要 LLM を自分の API キーで切替可能
- Chat / Autocomplete / Edit / Agent の 4 機能が 1 つの拡張に揃い、商用 AI IDE と同等の体験
- ソースコードを社外の独自 SaaS に送らず、自社が選んだモデル提供企業 (または社内 LLM) だけにルーティングできる
- VS Code Marketplace で 286 万インストール超の実績 (公式マーケットプレイス記載値)
👎 デメリット
- 拡張本体は無料だが、Claude / GPT を呼ぶ場合は LLM 提供企業の API 従量課金が別途発生する
- Cursor のような『IDE 全体が AI 前提』の体験ではなく、あくまで既存 VS Code/JetBrains への追加機能
- config ファイル (YAML) の初期設定にエンジニアの手間がかかり、非エンジニアの導入は現実的でない
- 本家プロダクトは 2026 年に CI 連携 (cn CLI) へ機能を拡大中で、ドキュメント構成が変動している