Zoho Zia は月 ¥5,660 から — Salesforce 代替を中小企業が選ぶ基準
「Zoho なら AI 付きの顧客管理が安く使える」と聞いて検討していませんか。編集部が公式の機能比較表を 1 行ずつ確認したところ、AI アシスタント Zia には価格表からは見えない 2 つの壁がありました。契約前に知っておくべき条件を整理します。
この記事のポイント
- Zia の中核機能が使えるのは月 ¥5,660 のエンタープライズ以上 (年間契約・1 名あたり)
- ただしエンタープライズでは「最低 10 ユーザー契約」が条件の Zia 機能が多い
- 通話の文字起こし・要約・Ask Zia など主要機能の多くは英語のみ提供
- 少人数で Zia スコアなど中核機能を使うなら、実質的にアルティメット (月 ¥7,360) が選択肢
- Salesforce の本格版と比べれば依然として大幅に安く、「AI 抜きの安い CRM」としては十分強い
編集長の見解
Zoho CRM は「安い顧客管理ツール」としては今も有力です。ただし Zia を目当てに契約するなら話は別です。公式の機能比較表を読む限り、日本語環境かつ 10 名未満の会社が Zia の恩恵を受けられる範囲はかなり限られます。編集部の結論は「Zoho は価格と Zoho 製品同士のつながりで選ぶ。AI は当面おまけと考える」です。この前提で見れば、Salesforce からの乗り換え先としては十分に検討に値します。
Zoho Zia とは何か、どのプランで動くのか
Zia (ジア) は、ゾーホーが提供する顧客管理 (CRM) ツール「Zoho CRM」に組み込まれた AI アシスタントです。CRM とは、取引先や見込み客の情報を一元管理する仕組みを指します。
Zia は台帳に貯まったデータを分析し、営業担当者に次の一手を提案します。公式サイトでは、見込み客が関心を持ちそうな商品の提案、連絡が取りやすい時間帯の分析、繰り返し作業の自動化提案などが挙げられています (Zoho 公式: Zia)。
代表的な Zia の機能は次の通りです。
- Zia スコア: 見込み客や商談を自動採点し、優先順位を付ける
- 次の最適な顧客対応: 過去のやり取りから次に取るべき行動を提案する
- 通話の文字起こし・要約: 商談の通話内容をテキスト化して要点をまとめる
- Ask Zia: 自然な文章で質問すると、台帳のデータから答えを返す
- データ拡充: 会社名などから不足情報を自動で補う
ここまで読むと万能に見えますが、実際に使えるかどうかは「どのプランか」「何名で契約するか」「日本語か英語か」の 3 条件で大きく変わります。次のセクションで、まず料金の全体像を確認します。
💰 料金プラン — Zia の入口はエンタープライズ
Zoho CRM の料金は 1 名あたりの月額です。年間契約と月間契約があり、年間契約のほうが安くなります。以下は 2026 年 7 月時点の、年間契約時の 1 名あたり月額です。
月間契約を選ぶと割高になります。編集部が公式の料金比較ページで確認した金額を表にまとめます。
| プラン | 年間契約 (月額) | 月間契約 (月額) | Zia の利用範囲 | 編集部の評価 |
|---|---|---|---|---|
| 無料 | ¥0 (3 名まで) | ¥0 | なし | 台帳作りの練習に ◎ |
| スタンダード | ¥1,760 | ¥2,520 | なし | 安さ重視なら ◯ |
| プロフェッショナル | ¥3,260 | ¥4,960 | メールの感情・意図分析のみ | 日本語では効果薄 △ |
| エンタープライズ | ¥5,660 | ¥7,080 | Zia 本体。ただし最低人数条件あり | 10 名以上なら ◯ |
| アルティメット | ¥7,360 | ¥9,200 | 中核機能は人数条件なしで利用可 | 少人数で Zia 狙いなら ◎ |
金額は編集部が 2026 年 7 月時点で Zoho CRM 公式料金ページ と 公式の料金・機能比較表 を確認したものです。なお、ゾーホーは 2026 年 7 月 1 日付で全製品の価格改定を実施しており、今後も改定の可能性があります (Zoho 公式: 2026 年価格改定のお知らせ)。契約前には必ず公式ページで最新の金額を確認してください。
💡 節約のヒント
年間契約にすると、たとえばエンタープライズは月間契約の ¥7,080 から ¥5,660 になり、1 名あたり月 ¥1,420 の差が出ます。5 名なら年間で約 ¥85,000 の差です。ただし運用が定着するか分からない段階で年契約に踏み切るのは危険です。まずは無料プランまたは月間契約で 1 〜 2 か月試すことを勧めます。
料金表だけを見ると「エンタープライズを契約すれば AI が使える」と読めます。しかし実際には、ここに人数と言語の条件が重なります。
⚠️ 契約前に知るべき 2 つの壁 — 人数条件と日本語対応
編集部が公式の機能比較表を確認したところ、Zia の主要機能には価格表からは読み取りにくい条件が付いていました。以下は同表に記載された条件をそのまま整理したものです。
| Zia の機能 | 使えるプラン | 最低契約人数の条件 | 対応言語 |
|---|---|---|---|
| Zia スコア | エンタープライズ以上 | エンタープライズは最低 10 名 (アルティメットは制限なし) | 記載なし |
| 次の最適な顧客対応 | エンタープライズ以上 | エンタープライズは最低 10 名 | 記載なし |
| メールの感情分析・意図分析 | プロフェッショナル以上 | なし | 英語・ドイツ語・スペイン語のみ |
| 通話の文字起こし・要約・感情分析 | エンタープライズ以上 | なし | 英語のみ |
| Ask Zia (自然文での質問) | エンタープライズ以上 | なし | 英語のみ |
| Zia 文章作成アシスタント | エンタープライズ以上 | なし | 英語・スペイン語・フランス語・ポルトガル語のみ |
| 予測分析・提案分析 | エンタープライズ以上 | 最低 20 名 | 記載なし |
| データの要約 | アルティメットのみ | 最低 50 名 | 英語のみ |
出典はいずれも Zoho CRM 公式の料金・機能比較表 の各機能に付された注記です (2026 年 7 月時点)。
注意したいのは、上位のアルティメットに変えても人数条件がすべて消えるわけではない点です。人数の縛りが外れるのは Zia スコアと「次の最適な顧客対応」で、予測分析の 20 名、データの要約の 50 名という条件は残ります。
⚠️ 失敗パターン 1: 5 名の会社が Zia 目当てでエンタープライズを契約する
社員 5 名の会社がエンタープライズ (月 ¥5,660 × 5 名 = 月 ¥28,300) を契約しても、Zia スコアと「次の最適な顧客対応」は最低 10 名分の契約が条件のため利用できません。予測分析にいたっては最低 20 名です。少人数で Zia の採点機能を使いたい場合は、この 2 つの人数条件が外れるアルティメット (月 ¥7,360) を選ぶ必要があります。
⚠️ 失敗パターン 2: 通話の自動要約を期待して契約する
「商談の録音を AI が要約してくれる」は Zia の魅力的な機能ですが、通話の文字起こし・要約・感情分析はいずれも英語のみの提供です。日本語の商談では動きません。日本語の会議・商談の議事録自動化が目的なら、Fathom AI の評価記事 で取り上げた専用ツールのほうが確実です。
つまり Zia は「日本語で、10 名未満で」使うには制約が多い機能群です。では Zoho CRM 自体に価値がないかというと、そうではありません。次に Salesforce との比較で位置付けを整理します。
Salesforce の代替として見たときの立ち位置
Salesforce は顧客管理の世界標準ですが、中小企業にとっては価格が壁になります。小規模向けの Starter なら月 ¥3,000 前後で手が届きます。
ただし本格的な機能を備えた上位版になると、1 名あたり月 2 万円前後の水準です。金額は改定されることがあるため、最新の正確な価格は Salesforce 公式の料金ページ でご確認ください。
これに対し Zoho CRM は最上位のアルティメットでも月 ¥7,360 です。同じ人数で比べたときの差は小さくありません。
| 比較軸 | Zoho CRM | Salesforce Sales Cloud | 編集部の見方 |
|---|---|---|---|
| 入口の価格 | 月 ¥1,760 (年間契約) | 月 ¥3,000 前後 (小規模向け) | Zoho が安い |
| 本格版の価格 | 月 ¥5,660 〜 ¥7,360 | 月 2 万円前後の水準 | Zoho が大幅に安い |
| 無料プラン | あり (3 名まで) | 提供状況は要確認 | Zoho が試しやすい |
| AI の日本語対応 | 限定的 (主要機能は英語のみ) | 別途要確認 | どちらも過度な期待は禁物 |
| 導入支援・情報量 | 国内代理店あり、日本語資料も充実 | 国内の導入事例・人材が圧倒的 | Salesforce が有利 |
| 他のツールとの連携 | Zoho 製品同士で完結しやすい | 連携先の選択肢が非常に多い | 用途による |
📝 編集部メモ
「Salesforce は高すぎる」という理由だけで乗り換えると、移行作業のコストで結局損をすることがあります。データ移行、入力ルールの作り直し、営業チームの再教育を合わせて 1 〜 3 か月は見ておくのが現実的です。年間の差額がその工数を上回るかどうかで判断してください。
比較の結論が出たら、次は実際に何をするかです。編集部が推奨する検討手順を示します。
中小企業の導入判断ステップ
AI に期待しすぎずに、費用対効果で判断するための手順
この手順を踏むと、営業事務の負担はどう変わるのか。編集部のシミュレーションを示します。
編集部のシミュレーション — 営業 5 名の会社の場合
以下は編集部が一般的な業務量を前提に試算したもので、実在企業の実績値ではありません。1 か月を約 4.3 週として換算しています。
- リスト転記 週 90 分
- 優先順位の会議 週 60 分
- 進捗の集計 月 120 分
- 合計 月 約 13 時間
- フォームから自動登録 週 0 分
- Zia スコア順に確認 週 20 分
- 集計画面で即確認 月 15 分
- 合計 月 約 2 時間
編集部の試算で月 約 11 時間の削減。時給 ¥2,500 換算で月 ¥27,500 相当
この試算では、アルティメット 5 名分の費用が月 ¥36,800 かかります。削減額 ¥27,500 では、その費用を賄いきれません。
つまり Zia のスコア機能だけを投資対効果 (ROI) の根拠にするのは危うい、ということです。見積書作成やメール配信など他の機能もあわせて使って、はじめて元が取れる計算になります。
編集部の判断基準
社員 10 名未満なら、まずスタンダード (月 ¥1,760) で「入力が続く台帳」を作ることを優先してください。Zia は、営業担当が 10 名を超えて優先順位付けが人力では回らなくなった段階で検討するのが合理的です。少人数で AI の恩恵を先に得たいなら、CRM の AI 機能より、Attio の AI 顧客管理 や Apollo.io の見込み客開拓 AI のような特化型ツールのほうが費用対効果は高くなります。
最後に、検討時によく出る疑問に答えます。
よくある質問
Q. 無料プランだけで運用できますか。 3 名までなら無料プランで顧客台帳の基本機能を使えます。ただし Zia は含まれません。まず入力が習慣化するかを試す場としては最適です。
Q. 日本語サポートは受けられますか。 ゾーホージャパンが国内でサービスを提供しており、日本語の資料やサポート窓口があります。ただし Zia の一部機能そのものが英語のみ提供である点は、サポート体制とは別の話です。
Q. 他のツールとつなげられますか。 Zoho は自社製品同士のつながりを前提とした設計ですが、外部の自動化ツールを介して国産の業務システムとつなぐこともできます。国内で使われている業務システムとの連携例は kintone と CRM をつなぐ自動化レシピ で解説しています。
Q. HubSpot の AI と比べてどうですか。 価格面では Zoho が有利ですが、マーケティング機能との一体運用では HubSpot に分があります。詳しくは HubSpot Breeze AI の評価記事 を参照してください。
出典・参考情報
- Zoho CRM 公式: 費用・料金プラン
- Zoho CRM 公式: 料金プランと機能の一覧表
- Zoho CRM 公式: AI アシスタント Zia
- Zoho 公式: 2026 年価格改定のお知らせ
- Salesforce 公式: 中堅・中小企業向け料金・価格プラン
料金・機能の条件は変更されることがあります。契約前に必ず公式ページで最新情報をご確認ください。本記事の試算は編集部のシミュレーションであり、成果を保証するものではありません。
Mira / AI経営ラボ 編集長
Zoho Zia (Zoho CRM) 公式サイトへ → ※ PR・アフィリエイトリンクを含みます
料金プラン
| プラン | 料金 (JPY) | 請求 |
|---|---|---|
| スタンダード (Zia なし) | ¥1,760 | 月額 |
| プロフェッショナル (メール系のみ) | ¥3,260 | 月額 |
| エンタープライズ (Zia 本体) | ¥5,660 | 月額 |
| アルティメット (制限なし) | ¥7,360 | 月額 |
👍 メリット
- 顧客管理 (CRM) 本体が月 ¥1,760 から使え、同等機能の海外製品より明らかに安い
- Zia スコアで見込み客の優先順位を自動採点でき、営業の勘に頼らずに済む
- アルティメットなら Zia スコアなど中核機能の最低人数の縛りがなく、少人数でも使える
- 3 名まで無料プランがあり、費用ゼロで台帳作りから始められる
👎 デメリット
- Zia の中核機能はエンタープライズ以上。しかも最低 10 名分の契約が条件になる機能が多い
- 通話の文字起こし・要約・Ask Zia など目玉機能の多くが英語のみで、日本語では動かない
- 予測分析や提案分析は最低 20 名、データの要約は最低 50 名と、小規模企業には届かない