業務自動化

Make.comでInstagram投稿分析→スプレッドシート自動記録 SNS運用を可視化

EC・店舗・サロン・個人事業主 (Instagram で集客する中小事業者) の業務自動化レシピ
業種EC・店舗・サロン・個人事業主 (Instagram で集客する中小事業者)
ツールMake.com
難易度★★☆ 中
設定時間約 70 分

「どの投稿が伸びたのか、毎回スクショして手で記録している」── Instagram で集客する中小事業者によくある悩みです。Make.com を使えば、投稿ごとのリーチ・保存・いいねを Google スプレッドシートへ自動記録し、SNS 運用を「見える化」できます。本記事は編集部が実装ベースで整理した、月¥0-1,500 規模で組める設計レシピです。

読了時間 約9分 / 設定所要時間 約70分 / 月額固定費 ¥0-1,500

編集長の見解 ── SNS 運用が「なんとなく」になりやすい最大の理由は、投稿ごとの成績がどこにも残らないことです。アプリ内のインサイト (運用数値) は遡れる期間に限りがあり、忙しい週は記録が抜けます。本レシピは新しい投稿を Make.com が自動で検知し、リーチ・保存・いいねといった投稿単位の数値を Google スプレッドシートに1行ずつ積み上げる設計です。データが時系列で残れば、「保存数が多い投稿の型」を後から検証でき、勘ではなく根拠で次の一手を決められます。

なぜ「月4時間」が削減できるのか

Instagram で集客する中小事業者の投稿記録は、次のような工程に分解できます。投稿のたびに発生する細かな作業を積み上げると、その重さが見えてきます。

工程1回あたり所要月12投稿で換算
投稿インサイト画面を開いて確認約5分月 約1.0時間
リーチ・保存・いいねを拾う約8分月 約1.6時間
スプレッドシートへ手入力約5分月 約1.0時間
前回比・伸びた投稿の振り返り約4分月 約0.8時間
合計約22分月 約4.4時間

Make.com を導入すると、最初の3工程 (約18分相当) がほぼ消えます。担当者が行うのは「自動で溜まった表を開いて振り返る」だけです。1投稿あたり実工数が約22分から約4分へ短縮され、月12投稿で 約4.4時間 → 約0.8時間、つまり 月 約3.5〜4時間の削減 に相当します。

時給¥2,000 換算で月¥8,800 → 月¥1,600 の人件費圧縮、固定費 (月¥0-1,500) を差し引いても 月 約¥5,700〜7,200 の手取り改善 が試算できます。これらは編集部のシミュレーションであり、投稿頻度や時給設定によって変動します。

続いて、編集部が実装した全体像を ProcessFlow で示します。

完成形のフロー (ProcessFlow)

Make.com Instagram 投稿分析 自動記録レシピ
01
定期チェック
Make.com が1日1回など決めた時刻に、新しい投稿が出ていないか確認
📊
02
投稿インサイト取得
Instagram Graph API で投稿ごとのリーチ・保存・いいねを取得
🔧
03
データ整形
投稿日・キャプション冒頭・各指標を1行へ並べ替え
📝
04
スプレッドシート追記
Google スプレッドシートの末尾に投稿1件 = 1行で追記

新規投稿の検知 → Instagram Graph API で投稿インサイト取得 → データ整形 → Google スプレッドシートへ追記、までを自動化する設計図

この4ステップを Make.com 上で1本の「シナリオ」(自動化フローの単位) として組みます。一度作れば、あとは設定した時刻に勝手に動き、投稿成績が表に積み上がっていきます。

次のセクションでは、稼働前後で運用がどう変わるかを整理します。

Before / After で見る運用の変化

投稿記録の運用 (編集部の整理)
Before (手作業の記録)
  • 投稿成績の記録: 投稿ごとに手入力
  • 記録の抜け: 忙しい週は飛ぶ
  • 過去の比較: スクショ頼みで困難
  • 伸びた投稿の分析: 記憶と勘に依存
After (Make 自動記録)
  • 投稿成績の記録: 自動で1行追記
  • 記録の抜け: ほぼ0 (自動検知)
  • 過去の比較: 時系列で一覧化
  • 伸びた投稿の分析: データで検証可能

記録の自動化で、振り返りが「思い出す」から「並べて見る」に変わる

重要なのは「分析そのものを AI に任せる」ことではなく、判断の材料を絶やさず蓄積する土台を作る点です。どの投稿を伸ばすか、次に何を出すかを決めるのは、あくまで経営者自身です。

続いて、必要なものと費用を表で確認します。

必要なものと費用

このレシピを動かすには、次の4つが必要です。いずれも中小事業者の手の届く範囲で用意できます。

項目内容費用の目安
Instagram プロアカウントビジネス or クリエイターに切替済みであること無料
Facebook ページ連携プロアカウントと Facebook ページの連携無料
Google スプレッドシート投稿成績を蓄積する表 (Google アカウント)無料
Make.com アカウント月1,000オペレーションの無料枠あり、本レシピは Free〜Core で十分¥0〜約¥1,500/月

💡 編集部のヒント ── Make.com の無料プランは月1,000オペレーション (処理回数) まで使えます。1日1回・投稿数件の記録なら月の処理回数は数百回程度で、無料枠でも始められます。投稿が多いアカウントや複数アカウント運用に広げる段階で、有料の Core プラン (編集部試算で月¥1,500 前後) への切替を検討すれば十分です。料金は Make.com 公式の料金ページ で最新を確認してください。

ここから、実際の設定手順を TimelineSteps で順に追います。

設定手順 (TimelineSteps)

Make.com Instagram 投稿分析 自動記録 設定手順
STEP 1
Instagram をプロアカウントに切替
Instagram アプリの設定から「プロアカウントに切り替える」を選び、ビジネスまたはクリエイターを選択します。さらに Facebook ページと連携しておきます。投稿インサイトと Graph API はプロアカウントでのみ利用できます。
STEP 2
記録用スプレッドシートを準備
Google ドライブで新規スプレッドシートを作り、1行目に 投稿日 / キャプション冒頭 / リーチ / 保存 / いいね の見出しを入れます。Make が末尾に追記していく土台です。
STEP 3
Make.com に登録しシナリオを新規作成
Make.com に登録し、ダッシュボードから「Create a new scenario」で空のシナリオを作ります。まだモジュールは置きません。
STEP 4
トリガーに Schedule を設定
シナリオの実行スケジュールを「毎日 朝9:00」など定時に設定します。これが新規投稿チェックの起点 (トリガー) になります。投稿頻度が低ければ実行間隔を広げて無料枠を節約できます。
STEP 5
Instagram for Business モジュールで接続
Make.com の「Instagram for Business」モジュールを追加し、Facebook アカウントで認証します。接続するプロアカウントを選び、直近の投稿 (メディア) を取得する設定にします。Make 公式の接続ガイドの手順に従うと迷いません。
STEP 6
取得する投稿指標を選ぶ
リーチ・保存・いいねなど、投稿ごとに追いたい指標を選びます。取れる指標は Instagram Graph API のインサイト仕様で確認できます。最初は3〜4指標に絞るのがコツです。
STEP 7
Google Sheets モジュールで追記
「Google Sheets」の Add a Row モジュールを追加し、取得した投稿データを 投稿日列・各指標列にマッピングします。Google Sheets モジュールのヘルプを参照して列を対応づけます。
STEP 8
テスト実行して ON にする
「Run once」で1回手動実行し、スプレッドシートに投稿1件分が正しく1行追記されるか確認します。問題なければシナリオを ON にして自動記録を開始します。

初回70分で稼働まで到達する想定。Instagram の連携設定が初めての場合は余裕を見てください。

ここまでで自動記録の土台は完成です。あとは投稿するたびに、勝手に成績が積み上がる表を眺めるだけになります。

次に、つまずきやすい失敗パターンを編集部が先回りで整理します。

編集部が見た失敗パターン

⚠️ 失敗1: プロアカウント未連携のまま組み始める ── 個人アカウントのままだと投稿インサイトも Graph API も使えません。STEP 1 のプロアカウント切替と Facebook ページ連携を先に必ず済ませてください。ここを飛ばすと STEP 5 の認証で必ず詰まります。

⚠️ 失敗2: 同じ投稿が何度も記録される (重複) ── 毎日チェックする設計だと、過去の投稿まで毎回拾って同じ行を増やしてしまう恐れがあります。対策は「投稿 ID をキーにして、まだ記録していない投稿だけ追記する」設計にすること。スプレッドシートに投稿 ID 列を1つ持たせ、既存 ID と照合してから追記すれば重複を防げます。

⚠️ 失敗3: 指標を盛り込みすぎて続かない ── 最初から10指標も並べると表が複雑になり「結局見ない」状態になります。まずはリーチ・保存・いいねの3つに絞り、運用が回ってから増やすのが続けるコツです。

💡 無料枠超過への備え ── 記録の頻度や複数アカウント運用に広げると、Make.com の月間処理回数 (オペレーション) が無料枠の1,000回に近づきます。実行ログで使用量を確認し、足りなくなったら Core プラン (編集部試算で月¥1,500 前後) へ切り替えれば問題ありません。

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経営者がこのレシピをどう使うかの具体例を挙げると、たとえばサロン経営者であれば、月末にスプレッドシートを開き「保存数が伸びた投稿の共通点 (ビフォーアフター写真が多い、など)」を10分で振り返り、来月の投稿テーマを決める、という運用に落とし込めます。記録に時間を使わず、振り返りと判断に時間を使う形です。

最後に、よくある質問と関連レシピを案内します。

よくある質問

Q. プログラミングの知識は必要ですか?
A. 不要です。Make.com はモジュールを線でつなぐノーコード操作で、本レシピは公式モジュールの組み合わせだけで完結します。

関連する自動化レシピも編集部で公開しています。あわせて運用設計の参考にしてください。

数値の記録を仕組みに任せ、経営者は「次の一手を決める」ことに集中する。SNS 運用を勘から根拠へ変える、地味だが効く自動化です。

Mira / AI経営ラボ 編集長

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