業務自動化

ECバックオーダー管理を自動化!Zapierで発注書作成と納品連絡を時短

EC・小売 の業務自動化レシピ
業種EC・小売
ツールZapier
難易度★★☆ 中
設定時間約 60 分

ECサイトのバックオーダー(取り寄せ)管理は、発注書の作成や入荷後の連絡に手間がかかります。本記事ではZapierを使い、受注情報の確認から発注書作成、顧客への納品連絡までを効率化する方法を紹介します。中小企業や個人事業主が導入しやすい構成です。

読了時間: 約 14 分

📌 この記事のポイント

編集長の見解:バックオーダー管理は「受注 → 発注 → 入荷 → 納品連絡」という流れが明確です。そのため、最初に自動化の範囲を絞れば、中小企業や個人事業主でも導入を検討できます。料金、連携可否、個人情報の扱いを確認しながら、小さく始めるのが現実的です。


📦 バックオーダー管理の課題と自動化のメリット

バックオーダー(取り寄せ)とは、在庫切れの商品を注文として受け付け、入荷後に発送する販売方法です。売上機会を保ちやすい一方、発注や顧客連絡の管理に手間がかかります。

手作業での発注書作成・納品連絡の実態

バックオーダー管理を手作業で行う場合、次の流れになります。

  1. 受注メールの確認:在庫切れ商品かどうかを確認
  2. 発注書の作成:商品名、数量、納期などを入力
  3. 入荷状況の管理:入荷商品と受注情報を照合
  4. 顧客への納品連絡:入荷した注文の顧客へ連絡

編集部の試算では、1日10件の場合、作業時間は次のようになります。

作業内容1件あたりの時間1日10件の場合
受注確認と在庫チェック約1分約10分
発注書の作成約1.5分約15分
入荷状況の管理と照合約2分約20分
顧客への納品連絡約1分約10分
合計約5.5分約55分

手作業には、次のリスクもあります。

自動化による時間削減効果

Zapierで管理の一部を自動化すると、手入力や確認作業を減らせます。

💡 編集部の試算:1日10件のバックオーダーがある場合、作業時間を1日約50分減らせる可能性があります。月25営業日なら約20時間です。ただし、実際の効果は商品数、連携方法、確認体制によって異なります。

自動化による違いは、次のとおりです。

観点手作業Zapierによる自動化
発注書作成商品情報を手入力受注情報を自動転記
発注漏れ見落としの可能性条件に合う注文を抽出
納品連絡担当者が個別に送信入荷フラグを条件に送信
情報管理メールや表に分散管理表に集約
担当者の作業定型作業が中心確認と例外対応が中心

中小企業・個人事業主でも導入しやすい理由

Zapierは、次の理由から小規模な事業でも検討しやすいツールです。

編集長の見解:最初から全工程を自動化する必要はありません。まずは受注情報の転記だけを自動化し、誤りがないことを確認してから納品連絡を追加しましょう。

次のセクションでは、導入前に準備するツールと確認事項を整理します。


🔧 必要なツールと準備

バックオーダー管理の自動化には、受注情報を取得するサービス、管理表、メール送信手段が必要です。

Zapierのアカウント作成と料金確認

Zapierは、複数のWebサービスをつないで処理を自動化するサービスです。料金や機能は変更されるため、契約前に公式料金ページを確認してください。

  1. Zapier公式サイトにアクセスhttps://zapier.com を開く
  2. アカウントを作成:メールアドレス、または対応する外部アカウントで登録する
  3. 料金ページを確認公式料金ページで、料金、タスク数、更新間隔を確認する

料金と仕様は、次のとおり「要確認」とします。本文作成時点で公式ページの最新情報を確定できないため、具体的な数値は記載しません。

プラン月額料金月間タスク数更新間隔編集部の評価
Free要確認要確認要確認お試し向け
Professional要確認要確認要確認本格運用向け
Team要確認要確認要確認複数人運用向け

⚠️ 注意:料金、タスク数、更新間隔は、契約期間、請求通貨、選択するタスク上限などで変わる場合があります。契約前にZapier公式の料金ページと契約画面を確認してください。

ECサイトとメール・スプレッドシートの連携準備

基本構成は次のとおりです。

ECプラットフォームの連携可否は、Zapierのアプリ一覧と各サービスの公式情報を確認してください。

ECプラットフォーム連携状況確認方法編集部の判断
ShopifyZapier公式アプリ一覧で要確認Zapierのアプリ一覧とShopify公式情報契約前に確認
BASE要確認Zapierのアプリ一覧とBASE公式情報契約前に確認
カラーミーショップ要確認Zapierのアプリ一覧と公式情報契約前に確認
メルカリShops要確認Zapierのアプリ一覧とメルカリ公式情報連携を断定しない
STORES要確認Zapierのアプリ一覧とSTORES公式情報連携を断定しない
自社ECWebhookなどで要確認開発担当者と仕様を確認技術確認が必要

💡 ポイント:公式連携が確認できないECサイトは、メール受信やWebhookで代替できる場合があります。ただし、受注情報の形式や個人情報の扱いを確認してから採用してください。

発注書テンプレートの作成方法

Googleスプレッドシートに、発注書と入荷管理表を用意します。

  1. 発注書シートを作成:発注日、仕入れ先、商品名、商品コード、数量、注文番号、顧客名、納期の列を設定
  2. 入荷管理シートを作成:注文番号、商品名、数量、入荷フラグ、入荷日、顧客メールアドレス、納品連絡送信済みの列を設定
  3. 入力規則を設定:入荷フラグを「未入荷」「入荷済み」に限定する
  4. 権限を確認:顧客情報を扱うため、閲覧者と編集者を必要最小限にする

⚠️ 注意:列名を変更すると、Zapierの入力先がずれる場合があります。運用開始後は列名を変更せず、変更が必要な場合はテスト用の表で確認してください。

準備が整ったら、受注から発注書作成までの自動化を設定します。


⚙️ Zapierレシピ:受注情報から発注書を自動作成

ここでは、在庫切れの受注だけを管理表に登録する構成を説明します。

レシピ全体のフロー

バックオーダー管理の自動化フロー
① 新規受注を検知対応状況を確認したECサイトから受注情報を取得
② 在庫切れ商品を抽出在庫状況を条件にして対象注文を絞り込む
③ 発注書を作成Googleスプレッドシートに受注情報を転記
④ 入荷管理表に登録入荷フラグを「未入荷」として記録
⑤ 入荷を確認入荷後に管理表のフラグを更新
⑥ 納品連絡を送信条件に合う顧客へメールを送信

ステップ1:トリガーの設定

  1. Zapを作成:Zapierで「Create Zap」を選択
  2. ECサイトを選択:利用中のサービスを選ぶ
  3. 新規受注のイベントを選択:表示されるイベント名を確認する
  4. アカウントを連携:権限と接続先を確認する
  5. テストデータを取得:実際の注文に近いデータで確認する

💡 ポイント:実際の注文データを使う場合は、誤送信や誤発注が起きないテスト環境を用意してください。難しい場合は、サンプルデータの項目を確認し、後工程をテスト用の表に接続します。

ステップ2:在庫切れ商品の抽出

  1. Filterステップを追加:受注トリガーの後に追加
  2. 在庫条件を指定:在庫数が0以下、またはサービス側の「在庫なし」に相当する条件を選ぶ
  3. テストを実行:在庫ありと在庫切れの両方で確認する

⚠️ 編集部の警告:在庫項目の名称はサービスによって異なります。フィールド名を推測せず、テストデータに含まれる項目を確認して設定してください。

ステップ3:発注書へのデータ入力

Googleスプレッドシートの「発注書」シートに、次の項目をマッピングします。

テストを実行し、表への入力内容を確認します。

ステップ4:入荷管理表への登録

同じZapに、入荷管理表への行追加を設定します。

編集長の見解:発注書と入荷管理表を同じ処理で作成すると、二重入力を減らせます。ただし、個人情報を含む表へのアクセス権限は分けて管理してください。

次のセクションでは、入荷フラグを使った納品連絡の設定を説明します。


📧 入荷次第の納品連絡を自動送信

入荷管理表の状態を条件にして、納品連絡を送信する構成を作ります。

入荷ステータスの管理

入荷管理表では、入荷フラグと送信済みフラグを分けて管理します。

注文番号商品名数量入荷フラグ入荷日顧客メールアドレス納品連絡送信済み
例: 1001商品A1未入荷テスト用アドレス未送信
例: 1002商品B2入荷済み例: 2026/07/15テスト用アドレス未送信

運用手順は次のとおりです。

  1. 仕入れ先から入荷連絡を受ける
  2. 入荷フラグを「未入荷」から「入荷済み」に変更する
  3. 入荷日を入力する
  4. 条件に合う行から納品連絡を送信する
  5. 送信済みフラグを「送信済み」に更新する

入荷フラグを条件にしたZapの設定

  1. 新しいZapを作成:「Create Zap」を選択
  2. Google Sheetsを選択:行の更新を検知するイベントを選ぶ
  3. 対象シートを選択:「入荷管理」シートを指定
  4. フィルターを設定:入荷フラグが「入荷済み」、送信済みフラグが「未送信」の条件にする
  5. メール送信を設定:顧客のメールアドレス、商品名、注文番号を指定
  6. 送信済みフラグを更新:メール送信後に「送信済み」へ変更

⚠️ 編集部の警告:行の更新を検知する設定では、入荷フラグ以外の編集でも処理が動く場合があります。入荷済み、かつ未送信という2つの条件を必ず設定し、二重送信を防いでください。

納品連絡メールの文面例

編集部メモ:以下は文面例です。商品、配送方法、返品条件に合わせて内容を調整してください。

件名:【◯◯ショップ】ご注文商品の入荷について

◯◯様

いつも◯◯ショップをご利用いただき、ありがとうございます。

ご注文いただいた商品が入荷しました。

注文番号:{{注文番号}}
商品名:{{商品名}}
数量:{{数量}}

発送完了後、改めて発送通知をお送りします。

ご不明な点がありましたら、お問い合わせください。

◯◯ショップ
カスタマーサポート

個人情報を扱う際は、次の点を確認します。

次のセクションでは、運用時に起きやすい失敗と対策を確認します。


⚠️ 編集部の警告:失敗しがちなパターン

自動化は便利ですが、条件や権限を誤るとトラブルにつながります。

失敗パターン1:フィルター条件の誤設定

在庫切れ商品の条件を誤ると、在庫のある商品にも発注書が作成される可能性があります。

回避策は次のとおりです。

  1. 条件を確認する:在庫数、または在庫なしの項目を正しく指定する
  2. 両方のデータで試す:在庫ありと在庫切れの商品をテストする
  3. 発注書を確認する:本番開始後は一定期間、毎日内容を確認する

⚠️ 特に注意:自動作成された発注書を、そのまま仕入れ先へ送信する設定は避けてください。まずは担当者が内容を確認する工程を残しましょう。

失敗パターン2:個人情報を含むメールの誤送信

顧客情報を含むメールでは、送信先の誤りが大きな問題になります。

失敗パターン3:タスク数制限の見落とし

Zapierでは、処理の実行回数や構成によってタスクが消費されます。タスクとは、Zapの処理に含まれるアクションの実行単位です。

処理タスク消費確認事項
受注から発注書作成構成により異なるZapierの使用量画面で確認
入荷から納品連絡構成により異なるメール送信と行更新を個別に確認
1件のバックオーダー全体編集部の推定では固定できない実際のテスト実行で確認

1件の処理で消費するタスク数は、フィルターや検索、メール送信、行更新などの構成で変わります。したがって、本記事では「1件あたり4タスク」と断定しません。

💡 ポイント:導入前にテスト用データを数件流し、Zapierの使用量画面でタスク消費を確認してください。実測値を月間件数に掛けると、必要なプランを見積もれます。

次のセクションでは、安全に導入するためのテストと運用方法を説明します。


📊 導入ステップと運用のコツ

本番適用前に、テストと確認の工程を設けます。

バックオーダー管理の自動化 導入ステップ

ステップ1:テスト用のZapを作成

テスト用のスプレッドシートを用意し、受注から表への入力までを確認します。顧客へのメール送信は、自分のアドレスを指定します。

ステップ2:フィルターを確認

在庫ありの注文が除外され、在庫切れの注文だけが処理されることを確認します。

ステップ3:本番用のZapを作成

テスト結果を確認した後、本番用の表と連携します。Zapの名前に「本番」と入れ、接続先を取り違えないようにします。

ステップ4:本番適用後に監視

最初の1週間は毎日、実行履歴、発注書、入荷管理表、メール送信結果を確認します。

ステップ5:定期的に見直す

月1回を目安に、連携先の仕様変更、権限、タスク使用量を確認します。

本番適用後の確認項目

⚠️ 注意:ECサイトやスプレッドシートの仕様変更で、Zapが動かなくなる場合があります。列名や権限を変更した場合は、必ずテストを実施してください。

エラー時の対応

  1. 実行履歴を確認:エラーが発生した日時と処理を特定する
  2. 接続を確認:ECサイト、Google、メールの認証状態を確認する
  3. 入力項目を確認:列名やデータ形式を確認する
  4. 手動処理に切り替える:復旧まで発注や連絡を手作業で行う

💡 ポイント:エラー通知を有効にし、担当者が見落とさない運用にしてください。自動化は、停止時の手作業もあらかじめ決めておくと安全です。

次のセクションでは、導入前に確認したい質問をまとめます。


❓ よくある質問

Q1:Zapierの無料プランで足りるか?

回答: 料金、タスク数、更新間隔は、Zapier公式の料金ページで確認してください。必要なタスク数は、実際のZapをテストして見積もるのが安全です。

月間必要タスク数は、次の式で算出できます。

これらを掛け合わせ、契約プランの上限と比較します。上限に近い場合は、余裕を持ったプランを検討してください。

Q2:複数ECサイトを連携できるか?

回答: 対応アプリやWebhookなどの接続方法があれば可能です。ただし、ECサイトごとに連携可否と利用できる項目を確認してください。

複数のサイトを使う場合は、発注書に「ECサイト」列を追加すると、注文元を識別しやすくなります。

Q3:在庫管理システムと連携できるか?

回答: 利用中の在庫管理システムについて、Zapier公式アプリ一覧とサービス提供企業の公式情報を確認してください。

特に、Money Forward クラウド在庫管理と在庫奉行は、Zapierとの連携可否を公式情報で確認できない場合があります。本記事では連携可能と断定しません。対応が確認できなければ、CSV、Webhook、APIなど別の方法を検討してください。

Q4:発注書を仕入れ先ごとに分けられるか?

回答: 仕入れ先の項目を使ったフィルターや検索を組み合わせれば、分けて管理できる場合があります。まずは1つの表に集約し、運用が安定してから分割する方法が現実的です。

Q5:Zapierの動作が遅い場合はどうするか?

回答: 更新間隔はプランや設定によって異なるため、契約前に公式料金ページで確認してください。緊急性が高い処理では、更新間隔だけでなく、受注側の通知仕様も確認します。

Q6:Zapier以外の自動化ツールと比較すると?

回答: Makeやn8nなども候補になります。料金は変更されるため、各公式サイトで最新情報を確認してください。

ツール特徴料金編集部の評価
Zapier画面操作で連携を作りやすい公式料金ページで要確認初心者向け
Make条件分岐や処理の流れを組みやすい公式サイトで要確認中級者向け
n8nセルフホストなど柔軟な構成に対応公式サイトで要確認技術担当者向け

中小企業や個人事業主が初めて導入する場合は、操作の分かりやすさ、必要な連携先、月間コスト、保守の負担を比較してください。

Q7:費用対効果はどのように判断するか?

回答: 料金を確定できない状態では、具体的な円換算額を断定しないでください。次の式で試算できます。

編集部の試算方法:
  • 削減前の費用:作業時間 × 担当者の時間単価
  • 導入後の費用:Zapierの契約料金 + 導入後の確認時間
  • 差額:削減前の費用 − 導入後の費用

Zapierの料金は公式料金ページで確認し、為替換算が必要な場合は使用するレートと換算日を記録してください。

次のセクションでは、確認に使う公式情報と関連記事を紹介します。


🔗 出典・参考情報

本記事では、最新情報の確認先として次の公式ページを案内します。

編集部メモ:料金、連携アプリ、仕様は変更される場合があります。契約や本番運用の前に、各サービスの公式情報と管理画面で確認してください。

関連記事への内部リンク


編集長の見解:バックオーダー管理は、発注書作成や入荷連絡など、定型作業から自動化しやすい業務です。まずはテスト用の表で連携を確認し、料金、タスク消費、個人情報の扱いを確認したうえで本番へ移行してください。自動化で生まれた時間を、商品改善や顧客対応に振り向けることが、導入の現実的な成果につながります。

Mira / AI経営ラボ 編集長