コピック マーカー デザイン・ラフ制作のプロ向けカラー選び入門
AI 画像生成でビジュアル案を量産できる時代でも、クライアントの目の前でさっと色を乗せて方向性を共有する「手のスピード」 は、まだマーカーに分があります。
コピック は Too グループが開発したアルコールマーカーで、現在は 70 以上の国と地域で使われる定番画材です。主力の コピックスケッチは全358色、エントリー向けの コピックチャオは全180色。デザイナーやハンドメイド作家など、ビジュアルを扱う個人事業主が「企画のラフ」 や「色の検討」 に使う道具として、色の選び方とコストの考え方を編集部の視点で整理します。
この記事のポイント
- 2 つの主力モデル: 全358色のスケッチと、全180色・1 本 ¥330 のチャオ。品質・書き味は同一で、違いは色数とインク量・価格
- 2 ニブ仕様: コシのあるスーパーブラシ (筆) とミディアムブロード (角芯) の 2 種類で、線も面も 1 本でこなせる
- 色番号は規則的: 「色記号 (R/B/E など) + 色系統 (0〜9) + 明度 (000〜9)」 で構成され、濃淡や近い色を論理的に選べる
- 補充できる: インクが減ってもコピックインクで補充可能、本体を長く使えるためランニングコストが下がる
- 仕事での使いどころ: ロゴ・パッケージ・空間の配色検討、企画書に添えるラフ、AI 生成案を手で微調整する場面で効く
- 編集部の推奨: 必要な色からチャオで少しずつ揃える のが、個人事業主にとって最も無駄のない始め方
編集長の見解
コピックは「絵を描く人の道具」 という印象が強いですが、編集部はデザインやモノづくりを生業にする個人事業主の「考えるための道具」 としても有効だと考えます。AI で配色案やイメージを大量に出せるようになったぶん、最後に「自分の手でこの色を試す」 工程の価値はむしろ上がっています。色を選び、紙に乗せ、相手と同じものを見ながら決める。この速さと納得感は、画面の中だけでは得にくいものです。
どんなブランドか — Too グループのアルコールマーカー
コピック は、画材・デザイン用品を扱う Too グループが開発したアルコールマーカーのブランドです。公式情報によれば、イラスト・アート・デザイン・クラフトなど幅広い分野で使われ、70 以上の国と地域 で愛用されています[出典: コピック公式]。
アルコール系インクのため、重ね塗りでムラなく色を作れるのが特徴です。一方で、インクが紙に染み込みやすく普通紙では裏抜けしやすいので、紙選びが品質を左右します。
- スケッチ: 全358色のスタンダードモデル。プロの利用も多い[出典: コピック公式 スケッチ]
- チャオ: 色数とインク量を抑えた入門モデル。書き味・色味はスケッチと同一で全180色[出典: コピック公式 チャオ]
- クラシック: 角芯中心の歴史あるモデル。直線的なタッチに向く[出典: コピック公式 クラシック]
仕事道具として選ぶなら、まずはスケッチとチャオの違いを押さえれば十分です。次のセクションで両者を比較します。
スケッチとチャオ、どちらを選ぶか
個人事業主が最初に迷うのが、スケッチとチャオの選択です。結論から言えば、品質は同じなので「色数」 と「使う頻度」 で選ぶ のが合理的です。
| 項目 | コピックチャオ | コピックスケッチ | 編集部の評価 |
|---|---|---|---|
| 色数 | 全180色 | 全358色 | 仕事のラフ用途なら180色で十分なことが多い |
| ニブ | スーパーブラシ + ミディアムブロード | スーパーブラシ + ミディアムブロード | 仕様は同一、使い勝手に差なし |
| ボディ形状 | 円形 (安全キャップ) | 楕円形 | チャオは転がりにくく安全性に配慮 |
| インク量 | 少なめ | 多め | 大量に使うならスケッチが割安になりやすい |
| 価格 (1 本) | ¥330 (税込) | ¥440 前後 | 試しやすさはチャオ |
| 補充 | コピックインクで可能 | コピックインクで可能 | どちらも使い捨てにならない |
(価格はコピック公式およびメーカー希望小売価格の税込目安。チャオの ¥330 は公式表記[出典: コピック公式 チャオ])
💡 編集部のヒント
「いつか全部の色を使うかも」 と最初から大型セットを買うと、使わない色に費用が眠りがちです。まずはチャオで仕事に必要な色だけを 10〜20 本そろえ、減りの早い色を見極めてからスケッチで補充する、という順番がコスト面で堅実です。
価格イメージを、1 本単価の目安で見ておきましょう。
このように 1 本単位の負担は小さく、必要な色から少しずつ増やせるのが個人事業主に向いている点です。次は、色数の多さに迷わないための「色番号の読み方」 を解説します。
色番号の読み方 — 358色から迷わず選ぶ
コピック最大の特徴は色数ですが、裏を返せば「どれを選べばいいか分からない」 という壁にもなります。ここで役立つのが、規則的に振られた色番号 です。公式によれば、色番号は次の 3 要素で構成されています[出典: コピック公式 カラーシステム]。
- 色記号 (アルファベット): 色相を表す。R は赤 (Red)、B は青 (Blue)、BV は青紫 (Blue Violet) など
- 色系統 (1 桁目の数字): 0〜9 の 10 グループ。0 に近いほど透明度が高い
- 明度 (続く数字): 000〜9 の 12 段階。000 が最も明るく (薄く)、9 に近いほど暗く (濃く) なる
たとえば「E」 は、赤系と黄赤系の濁った色をまとめたアースカラー (Earth) で、肌や木目、紙袋など仕事のラフで使いやすい茶系です。番号の規則を知っていれば、「同じ色相の濃淡 3 本」 や「隣り合う色」 を狙って選べます。
編集部メモ
色選びは「単色」 ではなく「組み合わせ」 で考えると失敗しません。同じ色記号で明度違いを 2〜3 本そろえると、影やグラデーションが自然に作れます。配色のアタリは AI に出させ、近い色番号を実際のマーカーで当てる、という二段構えが効率的です。
色番号というルールがあるおかげで、色数の多さは「迷う理由」 ではなく「選べる自由」 になります。次に、AI と手描きをどう組み合わせるかを具体的に見ます。
AI 画像生成と手描きを組み合わせる仕事の進め方
デザインやモノづくりを扱う個人事業主にとって、コピックは AI と対立する道具ではなく、補い合う道具です。編集部が想定する典型的な流れを示します。
- 案出しに毎回ゼロから着手
- クライアントと色のすり合わせが往復
- 微調整のたびに描き直し
- AI で配色パターンを一気に提示
- 良い案を手で塗って実物感を共有
- 色番号でブレなく再現・指定
案出しは AI、決め打ちは手描きで分業
具体的なシナリオを 1 つ挙げます。ハンドメイド作家がパッケージの色を決める 場合です。
- ChatGPT や画像生成 AI に「商品の雰囲気に合う配色を 5 パターン」 と指示してアタリを出す
- 良さそうな配色に近いコピックの色番号を当て、実際の紙に塗って質感を確認する
- クライアントや製造先に「E50 と R20 で」 と色番号で指定 し、認識のズレをなくす
ここで重要なのは、AI が出すのはあくまで「画面の色」 だという点です。印刷物やパッケージの仕上がりは紙とインクで変わるため、最後に手で実物を確認する工程が品質を守ります。
⚠️ 編集部の警告 (1)
AI 生成画像の配色を「そのまま正解」 として印刷指定に使うと、画面と実物の色差で手戻りが起きがちです。最終的な色は必ず実物 (マーカーや色見本) で確認し、関係者と同じものを見て決めてください。
⚠️ 編集部の警告 (2)
コピックはアルコール系のため、普通のコピー用紙では裏抜けやにじみが起きます。重要なラフや清書には、ロディア No.11 のような書き味の良い紙や、マーカー対応紙を使うと仕上がりが安定します。
AI と手描きを役割分担すれば、案出しの速さと意思決定の確かさを両立できます。最後に、具体的な始め方を整理します。
個人事業主のための「最初の一歩」
道具をそろえること自体が目的化しないよう、最小構成から始めるのが編集部の推奨です。次の手順なら、初期費用を数千円に抑えつつ仕事で試せます。
この順番なら、初期投資を抑えながら「自分の仕事に本当に合うか」 を低リスクで見極められます。
編集長の見解
道具を入れる目的は「上手に描くこと」 ではなく、「相手と早く同じイメージにたどり着くこと」 です。コピックはそのための共通言語 (色番号) を持った道具であり、AI 時代でも陳腐化しません。手帳やノートと同じく、デジタルと紙を行き来する人ほど効果を実感できるはずです。手書きの記録術については スタロジー 018 や マルマン ニーモシネ の記事も参考にしてください。
よくある質問
- Q. 絵が描けなくても仕事で使えますか? A. 使えます。配色の検討や色指定が主目的なら、線を引いて面を塗れれば十分です。
- Q. チャオとスケッチを混ぜて持っても大丈夫? A. 問題ありません。色味・書き味は同一なので、よく使う色をスケッチ、試したい色をチャオ、という持ち方もできます。
- Q. 経費にできますか? A. 業務での配色検討やデザイン制作に使うなら、消耗品費等として計上できる可能性があります。判断は顧問税理士にご確認ください。
出典・参考情報
- コピック公式サイト (Too グループ): https://copic.jp/
- コピックスケッチ 製品ページ: https://copic.jp/product/sketch/
- コピックチャオ 製品ページ: https://copic.jp/product/ciao/
- コピック カラーシステムの考え方: https://copic.jp/about/color-system/
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👍 編集部が評価する点
- **スケッチ全358色・チャオ全180色** という圧倒的な色数で、企画ビジュアルやラフに「ちょうどいい色」 がほぼ必ず見つかる
- **スーパーブラシ + ミディアムブロードの 2 ニブ** で、細い線も広い面塗りも 1 本でこなせる
- **コピックインク (全358色) で補充可能** なため、本体を使い切っても買い替え不要で長く使えコストが下がる
- **色番号が「色記号 + 色系統 + 明度」 の規則** になっており、濃淡セットや色違いを論理的に選べる
- **チャオは 1 本 ¥330 (税込)** と手に取りやすく、個人事業主が必要な色から少しずつ揃えられる
👎 留意点
- アルコール系のため普通紙では裏抜け・にじみが出やすく、<a href="/dougu/rhodia-no11">ロディア No.11</a> や専用紙など対応する紙を選ぶ必要がある
- 全色を揃えると数万円規模になり、目的を絞らないと「使わない色」 が増えて費用がかさむ
- デジタル入稿が前提の納品物では、結局スキャンや <a href="/dougu/kindle-scribe-2">デジタルメモ端末</a> での清書が必要になる場面がある
本記事の評価は編集長 Mira による独自の見解です。価格・在庫・仕様は変動するため、購入前に各販売サイトでご確認ください。アフィリエイトリンクを含む場合がありますが、編集判断には影響しません。