Make.comでGoogle Forms→CRM自動登録 中小企業のリード対応3分以内

中小企業 / 個人事業主 共通 の業務自動化レシピ

業種: 中小企業 / 個人事業主 共通

使用ツール: Make.com

難易度: ★☆☆ 易

所要時間: 約 90 分

「お問合せフォームから来たリードに気付いたら 3 日後だった」 — 中小企業でよくある機会損失です。Make.com を使えば、Google Forms 送信から 3 分以内に CRM 登録 + 担当者通知 + 顧客への一次返信を完了する仕組みを、月 ¥1,400 程度で構築できます。本記事は経営者・個人事業主が 90 分で組める具体レシピです。

編集長の見解 (Mira): 中小企業のリード対応は、ツール導入よりも「届いたことに即気付く仕組み」 の有無で勝敗が決まります。Make.com は Zapier より料金が安く視覚的に組めるため、IT 担当者がいない 5-30 名規模の事業所でも自走できる選択肢です。HubSpot Free を CRM に据えれば、追加の月額コストなしで「リード履歴の蓄積」 まで実現できる点が特に経営判断として合理的です。

このレシピで解決する課題

中小企業や個人事業主の現場では、問合せフォームの運用に以下の問題がよく発生します。

  1. 担当者への通知が遅い: Forms の通知メールが個人受信箱に埋もれ、半日〜数日気付かない
  2. CRM に手入力: 受信したリードを Excel / Sheets / CRM に都度コピペ、月数時間の作業
  3. 一次返信が遅い: 「お問合せありがとうございます」 までが翌営業日
  4. リード履歴が散在: メール / メモ / 紙が混在、後追いができない
  5. 担当者割当が属人的: 「気付いた人がやる」 で取りこぼし発生

業界を問わず、初回返信スピードが受注率に影響することは広く知られています。HubSpot のレポートでも、リード反応速度の重要性は繰り返し言及されており、特に中小企業は「届いたことに気付く仕組み」 の整備が競合優位の起点になります (参考: HubSpot 公式 - Inbound Marketing)。

なぜ Make.com を選ぶか

Make.com 公式 は欧州発のノーコード自動化プラットフォームで、Zapier と並ぶ二大ツールの一角です。中小企業のリード対応に当編集部が Make.com を推奨する理由は次の通りです。

比較軸Make.comZapier
編集 UIシナリオを視覚的にドラッグで構築直線的なステップ列
課金単位クレジット (モジュール 1 実行 = 1 クレジット)タスク (1 ステップ = 1 task)
最安有料プランCore $9/月 (10,000 クレジット)Professional $19.99/月〜
分岐・ループRouter・Iterator が標準Filter / Path (やや高プラン要)
HTTP / Webhookフリープランから利用可能一部高プラン

料金は Make.com Pricing 公式 を必ず契約前に確認してください。本記事執筆時点 (2026 年 5 月) では Free $0 / Core $9 / Pro $16 / Teams $29 という構成です。Make.com は 2025 年 8 月に課金単位を「オペレーション」から「クレジット」へ変更しており、1 オペレーション = 1 クレジット の 1:1 換算です (公式: Credits ヘルプ)。

リード 1 件あたり 5-8 クレジット程度なので、月 1,000 件のリードでも Core プラン枠内で十分余裕があります。

完成形 (フロー図)

Make.com Google Forms → CRM 3 分以内自動化フロー
📝
01
Forms 送信
顧客が Google Forms から問合せ送信
🔍
02
データ整形
名前 / 連絡先 / 用件を変数化、担当者を自動割当
🗂️
03
CRM 登録
HubSpot / Sheets / Notion にリード追加
💬
04
担当者通知
Slack / メールで担当者へプッシュ
05
顧客一次返信
受付確認メールを 3 分以内に自動送信

フォーム送信から 3 分以内に CRM 登録 + 担当者通知 + 顧客一次返信までを 1 シナリオで完結

次のセクションでは、このフローを動かすために必要なツールと月額コストを具体的な数字で整理します。

必要なツールとコスト

ツールプラン月額目安
Make.comCore (10,000 クレジット/月)$9 (約 ¥1,400)
Google Workspace (Forms / Gmail / Sheets)Business Starter¥850
HubSpot CRM (任意)Free¥0
SlackFree¥0
Notion (CRM 代替として使う場合)Free¥0

合計目安: 月 ¥2,250 程度。Workspace を既に導入済みなら追加コストは Make.com の ¥1,400 のみです。Free プランから検証を始め、月 1,000 クレジットを超えそうになったら Core に上げる方針で十分です。

編集部のヒント: 「CRM をまだ導入していない」 中小企業でも、HubSpot Free か Google Sheets でこのレシピは動きます。HubSpot Free はリード管理・コンタクト履歴・パイプライン機能が無償で使え、後から有料プランへ移行する道筋もあります (HubSpot 料金ページ)。

設定手順 (約 90 分)

Step 1
Google Forms と受信用 Sheets を準備 (10 分)

既存の問合せフォームがある場合はそれを利用、なければ新規作成。フィールドは「お名前 / 会社名 / メール / 電話 / 用件カテゴリ / お問合せ内容」 を最低限揃えます。Forms の「回答」 タブから「スプレッドシートにリンク」 を選び、回答を集約する Sheets を作ります。Make.com は新しい行追加をトリガーに使えるため、この Sheets が連携の起点になります。

Step 2
Make.com アカウント作成と接続準備 (10 分)

Make.com 公式 でサインアップ (Free プランで開始可)。ダッシュボードの「Create a new scenario」 をクリック。後で使う Google Sheets / Gmail / Slack / HubSpot を「Connections」 から OAuth 認証で接続しておきます。HubSpot を使わない場合は Notion でも代用できます。

Step 3
トリガー: Google Sheets 「Watch New Rows」 を設定 (10 分)

シナリオの最初のモジュールに Google Sheets > Watch New Rows を配置し、Step 1 で作った回答集約 Sheets を指定。トリガーの実行間隔を「Immediately」 または最短 (1 分) に設定すると、フォーム送信後 1-3 分以内に下流処理が走ります。

Step 4
データ整形と担当者の自動割当 (15 分)

Tools > Set multiple variables モジュールで、用件カテゴリに応じて担当者の名前・メール・Slack ID を分岐させます。例: 「営業相談」 → 田中、「サポート」 → 佐藤。担当者が 1 名のみの個人事業主は、固定値で OK。電話番号やメールの形式チェック (空欄なら欠損フラグを立てる) もここで行います。

Step 5
CRM 登録モジュールを追加 (15 分)

HubSpot 派は HubSpot > Create a Contact でメールアドレスをキーに作成 or 更新。Sheets 派は別シート「リード台帳」 に Google Sheets > Add a Row で追記。Notion 派は Notion > Create a Database Item で行追加。どの選択肢でも、必須フィールドは「受付日時 / 名前 / 連絡先 / 用件 / 担当者 / ステータス (= 受付)」 です。

Step 6
担当者通知を Slack + メールに分岐 (15 分)

Router で 2 系統に分岐。Branch A: Slack > Create a Message でチャンネル「#リード受信」 と担当者個人 DM の両方に送信。Branch B: Gmail > Send an Email で担当者個人メールに送信 (Slack 未導入の事業所向けバックアップ)。本文には顧客名・連絡先・用件・CRM 詳細リンクを含めます。

Step 7
顧客への一次返信メール (10 分)

Router の最終分岐に Gmail > Send an Email を追加。To は顧客のメール、From は会社代表アドレス、Subject は「【会社名】お問合せありがとうございます (受付番号 ${{受付ID}})」 のような形。本文に顧客名 + 担当者名 + 「2 営業日以内に折り返します」 を差し込みます。テンプレ感が強くなりすぎないよう、用件カテゴリ別に 2-3 種類のテンプレを用意するのが推奨です。

Step 8
テスト送信と本番化 (5 分)

Make.com の「Run once」 でテスト実行し、CRM 登録・通知・自動返信が想定どおり走るか確認。問題なければシナリオの「Scheduling」 を ON にして本番化。最初の 1 週間はクレジット消費とエラーログを毎日確認し、Sheets のフォーマット崩れや欠損フィールドの扱いを微調整します。

このまま手順通りに組めば、フォーム送信から 3 分以内に CRM・担当者・顧客の 3 方向へ情報が同時に流れる体制が完成します。

編集部によるシミュレーション (期待効果の試算)

以下は 編集部による試算 です。実際の効果は事業所の業種・案件単価・担当者数によって変動します。

前提: 中小企業 (担当者 2 名)、月リード 80 件、平均案件単価 ¥80,000、現状成約率 8% と想定:

リード対応の Before / After
Before (Forms 通知メールのみ)
  • 初回気付きまでの時間: 数時間〜翌営業日
  • 一次返信までの時間: 4-24 時間
  • CRM 入力工数: 月 6-8 時間
  • 取りこぼし件数: 月 3-5 件
After (Make.com 3 分以内自動化)
  • 初回気付きまでの時間: 1-3 分 (Slack 即時通知)
  • 一次返信までの時間: 3 分 (自動メール)
  • CRM 入力工数: 月 1 時間 (確認のみ)
  • 取りこぼし件数: 月 0-1 件

月 ¥2,250 投資 → 担当者の事務時間削減 + リード初回反応の高速化 + 取りこぼし防止

費用感の整理:

実数値は事業者の規模・運用次第ですが、月 1 件の取りこぼし防止だけでも初期コストを 3 倍以上回収する構造です。

失敗パターン

失敗 1: 自動返信が「お問合せありがとうございます」 だけ — テンプレ感が強すぎると逆に冷たく見えます。顧客名 + 用件カテゴリ + 担当者名 + 「2 営業日以内に折り返します」 程度の差し込みは最低限入れてください。AI で本文を生成する場合は Make.com の Anthropic Claude モジュールや OpenAI モジュールを併用できます (Make.com Integrations 一覧)。

失敗 2: 担当者割当ロジックが属人的 — 「気付いた人がやる」 を Make.com 上で再現してしまうと意味がありません。用件カテゴリ別 or 五十音ローテで自動割当する設計にし、休暇者の除外ルールも仕込んでください。属人性を排除することがこのレシピの本質です。

失敗 3: 個人情報の扱いを軽視 — Forms に届くのは個人情報です。Make.com は EU/US データセンター運用のため、自社プライバシーポリシーで「外部サービス利用」 を明記する必要があります。営業メール (一次返信を超えたフォロー) には特定電子メール法に基づき配信停止導線が必要です。

編集部のヒント: HubSpot Free を CRM に採用すると、リード履歴 / メール開封 / コンタクト管理が無償で使えます。Sheets で始めて、リードが月 100 件を超えたら HubSpot Free に移行する段階導入が中小企業には扱いやすい順序です。

注意点 (法務・規約面)

トラブルシューティング

Q: シナリオが Make.com のクレジット上限を消費しすぎる

A: ダッシュボードの「Scenario history」 で消費の重い行を確認。Watch New Rows の「Maximum」 を 10 → 5 に絞る、Router 分岐内で不要な検索を削るなどで対処できます。1 件あたり 5-8 クレジットが目安です。

Q: 担当者通知が Slack に届かない

A: Slack の Connection が再認証切れの可能性が高いです。Make.com の Connections 画面で Slack を再認証。また Free プランの Slack はチャンネル数 / 履歴に制限があるため、ワークスペース側を確認してください。

Q: フォーム送信から通知まで時間がかかる

A: トリガーが「Immediately」 ではなく「15 分間隔」 になっている可能性。Free プランは Immediately が一部制限される場合があるため、Core 以上にアップグレードを検討。

まとめ

中小企業のリード対応は、月 ¥2,250 程度の投資で「フォーム送信から 3 分以内に CRM 登録 + 担当者通知 + 顧客一次返信」 まで自動化できます。Make.com の特徴 (視覚的シナリオ・クレジット課金・豊富な統合) を活かせば、IT 担当者がいない事業所でも 90 分で初期構築が可能です。

最大の効果は「届いたことに即気付く仕組み」 の確立です。これだけで月数件の取りこぼし防止 = 数万円の機会損失防止につながり、担当者は本来の提案・交渉に集中できます。

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出典・参考情報


Mira / AI経営ラボ 編集長

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Mira / AI経営ラボ 編集長

最終更新: 2026年5月11日 / 初出: 2026年5月11日