在庫切れを防ぐ!カフェ仕入れ発注をZapierで自動化する方法
カフェの発注業務は、在庫確認やメール作成に時間がかかり、担当者の不在時には漏れも起きやすい仕事です。GoogleスプレッドシートとZapierを連携すれば、在庫が発注点を下回ったときに仕入先へメールを送る流れを作れます。小規模店舗で始めやすい方法を、料金と注意点を含めて紹介します。
📋 この記事のポイント
- Googleスプレッドシートで在庫と発注点を管理する
- Zapierで在庫更新を検知し、条件に合う商品だけ発注する
- 無料プランから始め、有料プランは公式料金を確認して選ぶ
- POSレジ連携や棚卸しを組み合わせ、入力漏れを減らす
- 自動送信後も、発注内容と仕入先の返信を人が確認する
編集長の見解:小規模カフェでは、いきなり全商品を自動化するより、コーヒー豆や牛乳など欠品の影響が大きい商品から試すのが現実的です。自動送信は確認作業をなくすものではなく、発注の見落としを減らす補助線として使いましょう。
🛠️ 必要なものと準備
自動発注には、在庫を記録する表、連携を実行するZapier、メール送信に使うアカウントが必要です。いずれも小規模店舗で導入しやすい構成です。
必要なツール一覧
| ツール | 用途 | 費用目安 | 編集部の評価 |
|---|---|---|---|
| Googleスプレッドシート | 在庫数と発注点の記録 | 無料 | まず試すなら最適 |
| Zapier | 在庫更新とメール送信の連携 | 無料プランあり | 操作しやすい |
| GmailまたはOutlook | 発注メールの送信 | 既存アカウントを利用可能 | 導入しやすい |
Zapierの有料プランは、契約期間や地域、選択する機能によって料金が変わります。料金は公式のZapier料金ページで確認してください。日本円で表示されない場合は、決済画面の金額と為替手数料も確認しましょう。
Googleスプレッドシートで在庫管理表を作成する
まず、在庫管理用のスプレッドシートを作成します。次の列構成が使いやすいでしょう。
| 列 | 項目名 | 説明 |
|---|---|---|
| A | 商品名 | 仕入れる商品の名前 |
| B | 現在庫数 | 現在の在庫数 |
| C | 発注点 | 発注を検討する基準値 |
| D | 発注単位 | 1回の発注数量 |
| E | 仕入先メールアドレス | 発注メールの送信先 |
| F | 最終更新日時 | 在庫数を更新した日時 |
| G | 希望納期 | 仕入先に伝える納品希望日 |
在庫数を更新した人や更新日時も残すと、入力ミスを確認しやすくなります。食材の単位は、個、kg、ケースなど、店舗で使う単位にそろえてください。
| 商品名 | 現在庫数 | 発注点 | 発注単位 | 仕入先メールアドレス | 最終更新日時 |
|---|---|---|---|---|---|
| エスプレッソ豆 1kg | 3 | 5 | 2 | order@coffeebeans.jp | 2026/07/28 9:00 |
| 牛乳 1L | 8 | 10 | 4 | order@dairyfarm.jp | 2026/07/28 9:00 |
| グラニュー糖 5kg | 2 | 3 | 1 | order@foods-wholesale.jp | 2026/07/28 9:00 |
Zapierのプラン選定
次の表は、2026年8月時点の公式情報に基づく整理です。タスク数、更新間隔、料金は変更される場合があります。契約前にZapier公式料金ページで最新情報を確認してください。
| プラン | 月間タスク数 | 更新間隔 | 費用 |
|---|---|---|---|
| Free | 100タスク | 15分ごと | 無料 |
| Professional | 750タスク | 2分ごと | 公式料金ページで確認 |
| Team | 2,000タスク | 1分ごと | 公式料金ページで確認 |
Professionalは年払いなどの条件により表示価格が変わります。日本円での支払額も為替で変動するため、「月額約2,000円」「月額約4,000円」と固定して判断しないでください。
💡 編集部の推奨:1日1回の在庫更新から始めるなら、まず無料プランで実行数を確認できます。複数商品を頻繁に更新する場合は、月間タスク数だけでなく、更新間隔や必要な機能も比較しましょう。
メール送信サービスの準備
発注メールには、GmailまたはOutlookを使えます。すでに業務で使っているメールアドレスがあれば、同じアカウントを利用できます。
ZapierとGmailの連携は、次の流れです。
- Zapierにログインし、「Apps」から「Gmail」を検索する
- 「Connect」をクリックする
- Googleアカウントの認証画面で許可する
- テストメールを送って連携を確認する
編集部メモ:仕入先には、導入前に自動送信メールを使うことを伝えましょう。件名の形式や送信元アドレスを共有すると、迷惑メール扱いを避けやすくなります。
ここまで準備できたら、在庫更新を発注処理につなぐ設定へ進みます。
⚙️ Zapierのトリガー設定
Zapierの自動化は、「トリガー」と「アクション」で構成されます。トリガーはきっかけ、アクションはきっかけを受けた実行内容です。
トリガーの設定手順
新しいZapを作成し、次のように設定します。
- トリガーアプリ:「Google Sheets」を選択する
- トリガーイベント:「New or Updated Spreadsheet Row」を選択する
- スプレッドシート:在庫管理表とワークシートを選択する
- テスト:サンプル行を取得し、項目名を確認する
⚠️ 注意:「New Spreadsheet Row」は新規行だけを対象にします。既存商品の在庫数を更新する運用では、「New or Updated Spreadsheet Row」を選んでください。
フィルター条件を設定する
トリガーだけでは、すべての行の更新でZapが進みます。発注点以下の商品だけを対象にするため、「Filter」ステップを追加します。
| 設定項目 | 値 |
|---|---|
| 対象フィールド | 現在庫数(列B) |
| 条件 | 発注点以下 |
| 比較対象 | 発注点(列C) |
「現在庫数が発注点以下」という条件にすると、基準値と同じ数量になった時点でも発注対象になります。実際の運用では、仕入先の納期や最低発注数に合わせて調整してください。
🔑 ポイント:商品ごとに発注点を列Cへ入力すると、豆、牛乳、砂糖などで異なる基準を設定できます。条件を固定値にせず、表の列を比較対象にするのがコツです。
トリガー設定の全体フロー
STEP 1: スプレッドシートの行を更新する
在庫管理表の在庫数を入力します。
STEP 2: 更新を検知する
Zapierが更新された行のデータを取得します。
STEP 3: 条件を判定する
現在庫数と発注点を比較します。
STEP 4: 次の処理へ進む
条件を満たした商品のみ、メール送信へ進みます。
次は、判定を通過した商品の発注メールを設定します。
📧 発注メールの自動送信設定
トリガーとフィルターを設定したら、Gmailの「Send Email」アクションを追加します。
Gmail連携とアクションの設定
- アクションアプリ:「Gmail」を選択する
- アクションイベント:「Send Email」を選択する
- Gmailアカウント:送信元アカウントを接続する
- メール内容:送信先、件名、本文を設定する
- テスト:自分宛てにテスト送信する
メール文面のカスタマイズ
スプレッドシートの項目を、メールの各欄へ差し込みます。Zapierの入力欄では、テストデータから選択してください。
| フィールド | 設定内容 |
|---|---|
| To(送信先) | 仕入先メールアドレス(列E) |
| Subject(件名) | 発注依頼:商品名 |
| Body(本文) | 商品名、発注単位、希望納期を記載 |
💡 編集部のヒント:希望納期の列を追加し、発注日の数日後を入力しておくと、納期の伝達漏れを減らせます。納期は仕入先の営業日や配送条件を確認して設定してください。
メール送信の失敗時の対応
| 失敗パターン | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| メールが送信されない | Gmailの認証切れ | ZapierでGmailを再接続する |
| 迷惑メールに入る | 送信元の確認不足 | 仕入先に受信許可を依頼する |
| タスク数が上限に達する | プランの上限超過 | 実行数を確認し、プランを見直す |
Zapierの「Task History」では、失敗したタスクの詳細を確認できます。「Replay」で再実行できる場合もありますが、Replay機能の利用条件はプランによって異なります。有料プランで利用できる機能として、契約中のプランの仕様を確認してください。
⚠️ 注意:自動送信に任せきると、誤発注や発注漏れに気づけないことがあります。Task Historyを確認し、重要な発注は仕入先からの返信まで追跡してください。
複数仕入先への対応
商品ごとに仕入先メールアドレスを設定すれば、異なる仕入先へ発注できます。仕入先ごとにまとめる場合は、仕入先を条件にしたFilterを追加する方法があります。
複数のZapを作ると管理が複雑になるため、まずは商品数の少ない範囲で試してください。発注内容を人が確認してから送る運用も、誤発注対策になります。
ここでは発注メールまでの設定を確認しました。続いて、店舗で無理なく続ける運用方法を整理します。
💡 実際の運用フローと成功のコツ
自動発注を安定させるには、在庫表の更新、送信結果の確認、棚卸しを役割として決めることが大切です。
営業開始前
前日の販売状況を反映し、現在庫数を更新します。
午前中
Task Historyを確認し、発注メールの送信結果を確認します。
発注確認
送信メールの控えを見て、商品名、数量、納期を確認します。
返信確認
仕入先からの受注確認メールを確認します。
営業終了後
当日の販売状況を反映し、翌日の発注候補を確認します。
発注点の設定方法
発注点は、次の式で簡易的に計算できます。
発注点 = 1日の平均販売数 × リードタイム(日数) + 安全在庫
この考え方は在庫管理で広く使われる基本式ですが、需要の変動や納品遅延は別途考慮が必要です。参考として、日本商工会議所の検定・学習情報や、在庫管理の専門書を確認し、自店舗の実績に合わせて調整してください。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 1日の平均販売数 | 10個 |
| リードタイム | 2日 |
| 安全在庫 | 5個 |
| 発注点 | 10 × 2 + 5 = 25個 |
発注点は、季節、曜日、イベント、仕入先の営業日により変わります。月次で販売数と欠品の有無を確認し、基準値を見直しましょう。
🔑 ポイント:安全在庫を増やすと欠品リスクに備えられますが、食材ロスも増える可能性があります。保存期間と仕入れ頻度を踏まえて、商品ごとに決めてください。
POSレジとの連携
Square、Airレジ、ユビレジなどは、売上データの出力や外部サービスとの連携機能を提供しています。ただし、Googleスプレッドシートへの連携方法、対応プラン、追加サービスの有無はPOSレジごとに異なります。
公式資料で対応方法を確認し、必要に応じてCSV出力、API連携、外部連携サービスを選んでください。連携前に、売上データをそのまま在庫数とみなせるかも確認しましょう。
月次での在庫精度チェック
自動発注を導入しても、実地棚卸しは必要です。
- 毎週:発注と販売の実績を確認する
- 毎月末:実在庫とスプレッドシートの差異を確認する
- 四半期ごと:発注点と仕入先を見直す
⚠️ 注意:表の在庫数と実在庫がずれると、発注の判定もずれます。差異が見つかったら、入力漏れ、廃棄、返品、納品数の記録を確認してください。
次は、導入後に起きやすい失敗と、その防ぎ方を見ていきます。
⚠️ 編集部の警告(失敗パターン)
自動化は作業を減らしますが、設定や確認が不十分だと誤発注につながります。
発注点の設定ミス
発注点が高すぎると在庫過多、低すぎると欠品につながります。販売数、納品日数、安全在庫を基に設定し、月次で見直してください。
タスク数上限の超過
無料プランは月100タスクです。商品数や更新回数が多い店舗では、上限に早く達することがあります。
| プラン | 月間タスク数 | 1日あたりの単純換算 |
|---|---|---|
| Free | 100タスク | 約3回 |
| Professional | 750タスク | 約25回 |
| Team | 2,000タスク | 約66回 |
この表も、2026年8月時点の公式情報に基づく目安です。料金と上限はZapier公式料金ページで確認してください。
メールが迷惑メールに入る
自動送信メールが迷惑メールに入ると、発注が確認されません。導入前に仕入先へ送信元アドレスと件名を伝え、受信許可を依頼しましょう。
在庫数の入力漏れ
入力を忘れると、発注のタイミングを逃します。最終更新日時を確認し、毎日の更新担当者を決めてください。ZapierのSchedule機能で、更新を促す通知を送る方法もあります。
仕入先の都合による納期遅延
自動発注後も、仕入先の在庫切れや配送遅延は起こり得ます。代替の仕入先を確保し、重要な食材には手動確認を残してください。
失敗を防ぐには、自動化の範囲と人による確認作業をあらかじめ分けることが重要です。
❓ よくある質問
在庫数を手入力せず、POSレジと連携できますか?
可能ですが、連携方法はPOSレジごとに異なります。Square、Airレジ、ユビレジの公式サポートで、Googleスプレッドシートへの出力、CSV、API、外部連携サービスの対応状況を確認してください。
POSレジの売上データを在庫表へ反映する場合も、返品、廃棄、まかない、納品を別途記録する必要があります。売上データだけで実在庫を完全に把握できるとは限りません。
複数の仕入先に発注できますか?
商品ごとに仕入先メールアドレスを設定すれば、異なる仕入先へ送信できます。仕入先ごとにまとめる場合は、Filterで仕入先を指定する方法や、Digest機能で対象商品をまとめる方法があります。
Zapier以外のツールも選べますか?
選択肢はあります。特徴と費用を比べ、店舗の担当者が管理できるものを選んでください。
| ツール | 特徴 | 無料利用 | 難易度 | 編集部の評価 |
|---|---|---|---|---|
| Zapier | 連携アプリが多く操作しやすい | 月100タスク | 低 | 初めて向け |
| Make | 条件分岐を視覚的に設計できる | プランにより異なる | 中 | 複雑な処理向け |
| n8n | 自分で運用環境を用意できる | 自己管理型の選択肢あり | 高 | 経験者向け |
カフェの発注自動化では、設定のしやすさとサポートを重視するならZapierが候補になります。より複雑な処理や運用環境の管理まで行う場合は、他のツールも比較しましょう。
発注メールの文面はどう作りますか?
件名と本文には、商品名、数量、希望納期、担当者名を入れます。Zapierの入力画面で、Googleスプレッドシートの項目を選択して差し込んでください。
件名:発注依頼:商品名
本文:
お世話になっております。
カフェ名の担当者名です。
以下の商品を発注いたします。
商品名:
数量:
希望納期:
お手数をおかけしますが、ご確認のうえ、納期をご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
実際のZapier設定では、空欄部分にテストデータから各項目を指定します。
複数商品をまとめて発注できますか?
方法は2つあります。
- 商品ごとに送信:設定が簡単で、対象商品を明確にできる
- 1日1回まとめて送信:メール数を減らせるが、DigestやFormatterの設定が必要
最初は商品ごとの送信で動作を確認し、運用が安定してからまとめ送信を検討するとよいでしょう。
導入にはどれくらい時間がかかりますか?
次の時間は、編集部のシミュレーションによる目安です。商品の数、アカウントの状態、テスト回数によって変わります。
| 作業 | 所要時間 |
|---|---|
| スプレッドシートの作成 | 30分 |
| Zapierのアカウント作成と連携設定 | 15分 |
| トリガーとフィルターの設定 | 15分 |
| メール送信の設定 | 15分 |
| テストと調整 | 30分 |
| 合計 | 約1時間45分 |
2回目以降は、商品の追加や発注点の変更が中心になるため、短時間で済む場合があります。ただし、設定変更後は必ずテスト送信を行ってください。
在庫管理表の列を変更しても大丈夫ですか?
変更できますが、Zapierの参照先を確認する必要があります。
- トリガーが正しい列を参照しているか
- Filterの比較対象がずれていないか
- メール本文の差し込み項目が正しいか
列の追加や削除を行った後は、テストデータを更新し、誤送信がないことを確認してください。
📚 参考情報
- Zapier公式料金ページ
- ZapierのGoogle Sheets連携
- Googleスプレッドシート
- Square公式サポート
- Airレジ公式サポート
- ユビレジ公式ヘルプ
- 日本商工会議所の検定・学習情報
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まとめ
ZapierとGoogleスプレッドシートを連携すると、在庫が発注点以下になった商品について、仕入先へのメール作成を自動化できます。発注漏れの削減や、担当者による作業のばらつきの抑制に役立ちます。
導入時間は、編集部のシミュレーションでは約1時間45分です。Zapierの料金やタスク数は変更される可能性があるため、2026年8月時点の情報を確認し、契約前に公式料金ページを確認してください。
まずは欠品の影響が大きい商品を少数選び、無料プランでテストしましょう。送信結果、仕入先の返信、実在庫を確認しながら対象商品を広げると、店舗に合った運用を作りやすくなります。
編集長の見解:在庫管理の自動化は、発注作業をなくす仕組みではありません。発注点の設定、送信内容の確認、棚卸しを組み合わせて、見落としを減らす運用を作ることが重要です。まずは1〜2商品で始め、店舗の実績に合わせて改善してください。