業務自動化

ActivepiecesでSlack議事録→Notion自動保存 無料セルフホストで月¥0運用

中小企業 情報システム担当 / 自宅サーバー・NAS運用に慣れた個人事業主 の業務自動化レシピ
業種中小企業 情報システム担当 / 自宅サーバー・NAS運用に慣れた個人事業主
ツールActivepieces
難易度★★☆ 中
設定時間約 70 分

Slackの議事録チャンネルに流れる決定事項を、毎回手でNotionにコピペしていませんか。オープンソース (OSS、無償公開されたソースコード) の自動化ツール Activepieces を自社サーバーへセルフホスト (自社の機器で運用すること) すれば、ソフト利用料¥0のままSlack→Notionの自動保存を組めます。編集部がDocker導入から設定完了まで約70分の手順に整理しました。

想定読了 9 分 / 設定所要 約70 分 / ソフト利用料 ¥0 (サーバー代は運用方法により異なる)

この記事のポイント

編集長の見解: Slack→Notionの自動保存自体はZapierやMakeでも数分で組めます。ただし「月に何本も自動化を増やしたい」「クラウドサービス (SaaS) の月額課金を積み上げたくない」という事業者にとって、オープンソースのActivepiecesを自社サーバーへセルフホストする選択肢は有力です。ソフトウェア自体の利用料は無償で、自社の機器で動かす限りフロー数や実行回数の制限を気にする必要がありません。ただしDocker操作や、外部公開用のURL準備といった技術的な一手間が発生する点は正直にお伝えします。

なぜセルフホストなのか、クラウド版SaaSとの違い

編集部はすでにZapier版Make版のSlack→Notion自動保存レシピと、Activepiecesのクラウド無料プラン版を紹介してきました。本記事はそれらと比べて何が違うのか、まず整理します。

比較項目本レシピ (Activepiecesセルフホスト)Zapier / Make (クラウドSaaS)Activepiecesクラウド無料プラン
ソフト利用料¥0 (MITライセンスのオープンソース)¥0〜月数千円¥0 (10フローまで)
サーバー管理自社で必要 (Docker運用・保守)不要 (提供元が管理)不要 (提供元が管理)
フロー数・実行回数の上限実質上限なし (自社機器の性能次第)プランにより上限あり10フローまで無料、実行回数は無制限
必要な技術知識中〜高 (Docker、外部公開URLの設定)低 (ブラウザ操作のみ)低 (ブラウザ操作のみ)
向いている読者社内にIT担当がいる、または自宅サーバー運用に慣れた事業者すぐに始めたい非エンジニアの経営者無料枠のまま複数の自動化を試したい事業者

Activepieces Community Edition はGitHub上でMITライセンスのもと公開されているオープンソースソフトウェアです[出典]。すぐに始めたいだけならクラウド版や他社SaaSで十分ですが、「自社インフラに寄せてコストと自由度をコントロールしたい」と考える事業者向けの選択肢として、次のセクションから解決できる課題を見ていきます。

このレシピで解決する課題

議事録の管理で編集部が現場取材から拾った「あるある」を整理しました。

よくある困りごと起きている事象このレシピでの解消方法
Slackの決定事項が流れて消える議事録チャンネルの発言をスクロールで探し直す保存マーク・絵文字を付けた瞬間にNotionへ自動記録
クラウドSaaSの月額課金が積み上がる自動化を増やすたびに有料プランへの移行を迫られる自社サーバーで動かす限り追加課金なしで拡張できる
議事録の手作業転記会議後にSlackの発言を手でNotionへコピペActivepiecesが本文・投稿者・日時・リンクを自動転記

次のセクションで、完成形のフロー全体像を確認します。

完成形 (フロー全体図)

Activepieces (セルフホスト) によるSlack→Notion議事録保存フロー
💬
01
Slackで議事録に保存マーク
議事録チャンネルの決定事項に「保存」または議事録用の絵文字リアクションを付ける
🖥️
02
自社サーバーのActivepieces
Slackピースのトリガーがイベントを検知し、フローが起動する
🧹
03
項目を整える
本文・投稿者・チャンネル・日時・元リンクを抽出
🗂️
04
Notionに議事録DB行を作成
Notionピースの「Create Database Item」で議事録データベースへ1行追加
🔎
05
いつでも検索・共有
タグ・担当・期間で絞り込んでNotion上で再利用

保存マークを付けてからNotion議事録DBに記録されるまでの流れ

ActivepiecesはSlackピースで「New Saved Message」「New Reaction」「New Message Posted to Channel」など複数のトリガーを、Notionピースで「Create Database Item」などのアクションを提供しています[出典: Slackピース][出典: Notionピース]。次のセクションで、必要なものと費用感を確認します。

必要なものと月額費用

セルフホストの費用は「ソフト利用料」と「サーバー代」を分けて考えるのがポイントです。

項目内容月額目安
Activepieces Community Editionソフト本体、MITライセンスで無償公開¥0
サーバー代 (既存のPC・NASを24時間稼働)すでに社内にある機器を使う場合、追加のハード購入・レンタルなし¥0
サーバー代 (新規にVPSを借りる場合)外部公開・安定稼働を重視するなら小規模VPSの検討が現実的目安 月¥500〜1,500程度 (編集部の一般的な相場感、契約先により変動)
Slack既存プラン (Free でも可)既存
NotionFree (個人・小規模) または Plus¥0 〜 約 ¥1,500

合計、すでに常時稼働しているPC・NASがあればソフト利用料もサーバー代も追加¥0で始められます。会議室の議事録管理のように社外へ安定して公開する必要がある運用では、小規模VPSを新たに借りる費用も見込んでおくと安全です。

まずは手元のPCで動作確認するのがおすすめ

いきなりVPSを契約する前に、まずは手元のPCでDockerを動かして操作感を確かめるのが失敗の少ない進め方です。動作に納得できたら、常時稼働させたい機器 (社内サーバー・NAS・VPS) へ本格的に移すという2段階で進めてください。

セクション要点: ソフト自体は¥0、サーバー代は運用方法次第。次は議事録を拾う起点 (トリガー) の選び方です。

議事録を拾う起点の選び方

Slackのどの操作を「Notion行きの合図」にするか、Activepiecesでは主に3通りのトリガーが選べます。

起点 (Activepiecesトリガー)合図にする操作向いているケース
New Saved Messageメッセージを「保存 (後で見る)」する各自が個人的に残したい発言を拾いたい場合
New Reaction特定の絵文字 (例: 📝) を付けるチーム全員に「これは議事録行き」と見える化したい場合
New Message Posted to Channel議事録専用チャンネルへの全投稿「#議事録」など投稿自体が記録対象のチャンネルがある場合

議事録運用では、チームで決めた絵文字 (例: 📝) を起点にする「New Reaction」が分かりやすく、編集部としても推奨です。「保存」機能はSlackの各メッセージから選べる標準機能ですが、個人ごとの保存リストになるため、チーム共有には不向きです。

セクション要点: チーム共有なら絵文字リアクション起点が確実。次はDocker導入から70分で組み上げる手順です。

設定手順 (約70分)

Activepieces (セルフホスト) → Slack → Notion 構築フロー
Step 1 (10分)
前提条件を確認
Docker (アプリを手軽にパッケージ化して動かす仕組み) がインストール済みの機器を用意します。公式ドキュメントの前提条件は「Git と Docker がインストール済みであること」です[出典]。まずは手元のPCで問題ありません。
Step 2 (15分)
Activepieces Community Editionをセルフホスト起動
ターミナルで以下のコマンドを実行すると、単一コンテナでActivepiecesが起動します。
docker run -d -p 8080:80 -v ~/.activepieces:/root/.activepieces -e AP_REDIS_TYPE=MEMORY -e AP_DB_TYPE=PGLITE -e AP_FRONTEND_URL=“http://localhost:8080” activepieces/activepieces:latest
起動後、ブラウザで http://localhost:8080 にアクセスして管理画面が開けば成功です[出典: 公式ドキュメント]。公式ドキュメントによれば、この構成は組み込みDB (PGLite) とインメモリのキューを使う単一インスタンス構成で、個人利用・検証用途向けです。本番運用や複数インスタンスでの利用にはPostgreSQL・Redisを使うDocker Compose構成が案内されています[出典]
Step 3 (10分)
外部からアクセスできるURLを用意
SlackやNotionからの通知 (Webhook) を受け取るには、Activepiecesが外部からアクセスできるURLで公開されている必要があります。公式ドキュメントは「固定の外部IPを持たずに自宅などでセルフホストする場合はAP_FRONTEND_URLを設定し、ngrokのようなサービスでローカルのWebhookを外部公開できる。ただしこの方法は本番運用には適さない」と案内しています[出典]。まず動作確認はngrok等の無料枠で行い、本番運用に進む段階で固定IPを持つVPSや社内サーバーへの移行を検討してください。
Step 4 (10分)
SlackとNotionを接続
Activepiecesの管理画面で新規フローを作成し、Slackピースを選んでOAuth認証で接続します。続けてNotionピースも同様にOAuth接続し、議事録用のデータベースへのアクセスを許可します。事前にNotion側で議事録データベース (列例: 「タイトル」「本文」「投稿者」「チャンネル」「日時」「元Slackリンク」) を作成しておくとスムーズです[出典: Notion公式ガイド]
Step 5 (10分)
トリガーを設定
Triggerを「Slack - New Reaction」(前章で選んだ起点) に設定し、対象の絵文字を指定します。テストデータを取得し、メッセージ本文・投稿者・チャンネル名・パーマリンクのフィールドが読めることを確認します。
Step 6 (10分)
Notion行追加アクションを設定
Actionを「Notion - Create Database Item」に設定し、Step 4で作った議事録データベースを選択。各列にSlackのフィールドを割り当てます。元Slackリンク列にパーマリンクを差し込むと、Notionから元発言にワンクリックで戻れます。このフィールド割当が本レシピの肝です。
Step 7 (5分)
テスト実行と本番公開
フローをテスト実行し、Notionデータベースに1行が正しく追加されることを確認します。問題なければフローを「Publish (公開)」にして運用開始です。最初の1週間はフローの実行履歴を毎日確認し、エラーが0であることを見守ってください。

Docker導入からテスト公開まで、約70分で組み上がる構成

単一インスタンス構成は検証用、本番は構成を育てる前提で

Step 2のコマンドはPGLite (組み込み型のPostgreSQL) とインメモリのキューを使う単一インスタンス構成で、公式ドキュメントも「個人利用・検証用途向け」と明記しています[出典]。議事録という重要度の高い業務に組み込む場合は、まずこの構成で操作感を確認し、本番運用にはPostgreSQL・Redisを使うDocker Compose構成への移行を検討してください。

サーバーが止まれば自動化も止まる

クラウドSaaSと違い、セルフホストではActivepiecesを動かしている機器 (PC・NAS・VPS) の電源やネットワークが落ちれば自動化も止まります。ノートPCのスリープ設定や、社内のネットワーク障害時の影響を事前に確認しておきましょう。常時稼働が必要なら、常に電源が入っている機器に載せることが前提です。

セクション要点: 70分で組み上がりますが、単一インスタンス構成と稼働環境の安定性には要注意です。次は中小企業での具体的な活用シーンです。

中小企業での活用シナリオ

例えば、従業員15名の制作会社を想定します。週次の定例会議の決定事項をSlackの「#議事録」チャンネルに書き込んでいますが、担当者が会議後にNotionへ手作業でまとめ直しており、繁忙期はまとめ作業が後回しになっていました。

情報システム担当が1名いるこの会社では、社内にすでにファイル共有用のNASがあり、これを使ってActivepiecesをセルフホストしました。決定事項に📝の絵文字リアクションを付ける運用ルールを決めたことで、会議後の転記作業がゼロになり、Notionの議事録データベースがリアルタイムに育っていく状態になりました。クラウドSaaSの月額課金を増やさずに、社内の自動化を段階的に増やせる点が、コストに敏感な中小企業に向いています。

技術的なハードルを感じたら

Docker操作や外部公開URLの準備にハードルを感じる場合は、無理にセルフホストにこだわる必要はありません。Zapier版Make版のSlack→Notionレシピ、またはActivepiecesのクラウド無料プラン版から始めても、目的である「議事録の自動保存」は十分に達成できます。

セクション要点: セルフホストで運用コストを抑えつつ、無理だと感じたらクラウド版に切り替える選択肢もあります。次はセルフホストならではの規約・運用上の注意点です。

規約・運用上の注意

オープンソースゆえの自己責任

Activepieces Community Editionはオープンソースソフトウェアとして無償で自社サーバーへセルフホストできますが、サーバーのセキュリティ更新・バックアップ・障害対応は自社の責任範囲になります[出典]。技術的な知見がないままセルフホストに踏み切ると、かえって運用負荷が増える可能性がある点に注意してください。

機密情報の取り扱い

Slackの議事録には人事・取引先の個人情報など、共有範囲を限定すべき内容が含まれることがあります。Notion側のデータベースの共有範囲を必要なメンバーに限定し、「機密性の高い議題は議事録DBに残さない」といった運用ルールを事前にチームで合意しておきましょう。

料金・機能は変更される可能性がある

本記事のプラン内容・手順は2026年7月時点で編集部が公式サイトを確認した情報です。Activepieces は開発が活発なツールのため、無料プランの条件やDockerの推奨構成が変更される可能性があります。導入前に必ず公式のドキュメント・料金ページで最新情報を確認してください。

注意点を踏まえたうえで、最後によくある疑問を編集部が整理します。

よくある質問

Q1. プログラミングの知識は必要ですか?
A. フロー自体はActivepiecesの画面上でトリガーとアクションを選ぶノーコード操作で組めます。ただし、セルフホストのためのDockerコマンド実行や、外部公開用URLの設定には基本的なコマンド操作の知識が必要です。

Q2. クラウド版と比べて何が一番のメリットですか?
A. ソフトウェア自体の利用料が無償で、自社の機器で動かす限りフロー数や実行回数の上限を気にせず自動化を増やせる点です。一方でサーバーの管理・保守は自社の負担になります。

Q3. Slackの「保存」機能とNotionのどのプランが必要ですか?
A. Slackの保存機能は各メッセージの「…」メニューから利用できる標準機能です。Notionは個人・小規模ならFreeプランで動きます。メンバーやページが増えたらPlus以上を検討してください。

Q4. 途中でクラウド版に戻すことはできますか?
A. フローの設計自体はクラウド版でも同じ考え方で組み直せます。まずはクラウドの無料プランで試し、事業が育ってから自社サーバーへの移行を検討する進め方も現実的です。

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出典・参考情報

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Mira / AI経営ラボ 編集長

本記事は2026-07-26時点の情報です。料金・機能は各社公式情報を最新でご確認ください。

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