業務自動化

Make.comでChatwork日報→スプレッドシート自動集計 週2時間の集計を削減

日報管理・進捗共有 (中小企業・個人事業主) の業務自動化レシピ
業種日報管理・進捗共有 (中小企業・個人事業主)
ツールMake.com
難易度★★☆ 中
設定時間約 60 分

毎日Chatworkに届く日報を、週末にまとめて読んで転記していませんか。Make.comを使えば、投稿された日報をその場でGoogleスプレッドシートに自動転記でき、管理側の集計作業を編集部試算で週2時間圧縮できます。

読了時間 約8分 / 設定所要時間 約60分 / 月額固定費 ¥0 から

編集長の見解 ── 日報は「書いてもらう」より「読んで活かす」方が難しい業務です。Chatworkに投稿された日報を管理者が毎週末に読み返して転記する運用は、件数が増えるほど後回しになりがちです。本レシピのポイントは、Chatworkの公式モジュールで投稿を検知し、フォーマットさえ揃えておけば 転記作業そのものをゼロにできる こと。集計にかけていた時間を、日報の中身を読んで部下にフィードバックする時間に転用できるのが最大の価値だと考えています。

なぜ日報集計に週2時間かかるのか

中小企業でChatworkを日報用に使っている場合、担当者8名が平日5日間投稿すると想定すると、週あたり40件の日報が発生します。管理者がこれを手作業で集計する工程を分解すると、次のようになります。

工程内容週あたり所要時間
日報ルームの巡回40件の投稿を開いて内容を確認約50分
スプレッドシートへの転記業務内容・課題・明日の予定をコピペ約60分
未提出者の確認・催促提出漏れの担当者にメンションで催促約20分
週次会議用の並べ替え・整形提出順バラバラの日報を担当者別に整理約15分
合計約145分 (約2時間25分)

Make.comで自動転記に切り替えると、巡回・転記・整形の3工程はほぼ自動化され、管理者はスプレッドシートを週1回眺めて未提出者をチェックするだけの運用 (約25分) に変わります。編集部試算で 週約120分 (2時間) の圧縮 に相当します。

続いて、編集部が実装した全体像をProcessFlowで示します。

完成形のフロー (ProcessFlow)

Make.com×Chatwork×スプレッドシート レシピ
📝
01
Chatworkに日報投稿
担当者が日報ルームに決まったフォーマットで投稿
📡
02
Make.comが投稿を検知
Chatworkの「Watch Messages in a Room」モジュールが新規投稿を取得
🔀
03
Filterで日報判定
本文に「日報」の見出しキーワードが含まれるかで判定、雑談を除外
🧹
04
項目抽出・重複チェック
Text Parserで業務内容・課題・明日の予定を抽出、message_idで重複判定
📊
05
スプレッドシートに追記
Add a Rowで1行追加、日付・担当者・提出状況の列も自動セット

Chatworkの日報ルームに投稿されたメッセージをMake.comが検知し、フォーマット判定・重複チェックを経てGoogleスプレッドシートに追記する設計図

このフローの肝は 「日報フォーマットを事前に決めておく」 ことです。Text Parserは正規表現で本文を分解するため、担当者が自由な書式で書いてしまうと抽出に失敗します。日報の見出し (「本日の業務」「課題」「明日の予定」など) を社内ルールとして固定し、Chatworkの投稿テンプレート機能と組み合わせるのが実装の近道です。

続いて、スプレッドシート側の列設計を具体的に示します。

日報フォーマットとスプレッドシート列設計

Chatwork×スプレッドシート連携で最初に決めるべきは 「1行 = 1日分の日報」 という粒度と、抽出する項目です。編集部が実装した列設計は次の通りです。

内容用途
A: message_idChatworkのメッセージ ID重複防止キー
B: 日付Make.comのnow関数で自動挿入提出日の記録
C: 担当者投稿者のChatworkアカウント名誰の日報か判定
D: 本日の業務Text Parserで抽出業務内容の一覧化
E: 課題・相談Text Parserで抽出週次会議での議題抽出
F: 明日の予定Text Parserで抽出翌日のタスク可視化
G: 提出フラグ数式で「本日投稿済み」を自動判定未提出者チェック用

G列を数式 (=IF(A2<>"","済","未") 等) にしておくと、管理者は列を眺めるだけで未提出者を把握できます。担当者が増える場合は、担当者名でシートを別タブに分けるより、1シートにまとめてフィルタ機能で絞り込む運用の方が管理は楽です。

次は、Make.com側のシナリオを組み立てる60分の手順です。

60分セットアップ・タイムライン (TimelineSteps)

Make.com×Chatwork×スプレッドシート 0→稼働まで
0:00 - 0:10
日報フォーマットを社内で統一
「本日の業務」「課題・相談」「明日の予定」の3見出しを固定し、Chatworkの投稿テンプレート機能に登録。担当者には既存テンプレートから投稿するよう周知する。
0:10 - 0:18
Chatwork APIトークンを発行
Chatwork画面右上の名前メニューから「サービス連携」→「API トークン」でトークンを発行。フリープランでも個人アカウントから発行できるが、組織のセキュリティ設定でAPI利用が制限されている場合は管理者に確認する。
0:18 - 0:25
Google スプレッドシートを用意
Google スプレッドシートで新規ファイルを作成し、上記の列例 (A〜G) を1行目に見出しとして入力する。
0:25 - 0:32
Make.comアカウント開設と接続
make.comに無料プランで登録。ConnectionsにChatwork (発行したAPIトークン) とGoogle Sheets (Googleログイン) を追加する。
0:32 - 0:48
シナリオ組み立て — 検知からフィルタまで
Trigger: Chatwork「Watch Messages in a Room」(15分間隔、日報ルームを指定) → Filterで本文に「本日の業務」を含むかを判定 → Text Parserで業務内容・課題・明日の予定の3項目を正規表現で抽出。
0:48 - 0:56
重複防止と書き込み
Google Sheets「Search Rows」でmessage_id既存判定 → 存在しない場合のみ「Add a Row」で追記。日付列にはMake.comのnow関数、提出フラグ列は数式で自動判定させる。
0:56 - 1:00
テスト投稿と1週間モニタリング
テンプレート通りの日報とわざと書式を崩した日報を各2件投稿し、抽出精度を確認。最初の1週間は「抽出漏れ」「重複行」を毎日記録し、Text Parserの正規表現を調整する。

中小企業の管理担当者が独力で組める60分手順 (PC操作のみ、コード不要)

次は、料金と運用ボリュームの関係を編集部試算で具体的に示します。

編集部のシミュレーション — 料金と運用ボリューム

以下は 編集部による試算 です。実際のコストは日報の投稿頻度・担当者数・シナリオ構成により変動します。前提: 担当者8名、平日5日間で週40件の日報をChatwork 1ルームからスプレッドシートに集計する中小企業を想定。為替は $1 = ¥150 で換算 (2026年7月時点の編集部参照値、契約時の実レートで再計算してください)。

項目想定値月額換算
月間の日報件数週40件 × 約4.33週約173件/月
モジュール消費 (検知+Filter+Parser+重複判定+書込み)1件あたり約4クレジット約690クレジット/月
テスト・リトライ分のバッファ見込み約60クレジット/月
合計クレジット約750クレジット/月 (Free 1,000枠内)
Make.com Freeプラン$0/月、シナリオ2本まで¥0
Google スプレッドシート個人Googleアカウントで無料¥0
合計固定費¥0

この規模であれば Make.comの無料プラン (月1,000クレジット、シナリオ2本、実行間隔15分以上) の範囲に収まる というのが編集部の試算です。ただし担当者が15〜20名を超える、または複数ルーム・複数フォーマットを同時運用する場合はクレジットが枠を超えやすいため、その際はCoreプラン ($9/月、約¥1,400、実行間隔1分から) への切り替えを検討してください。

ここまでは順調な運用前提です。続いて、編集部が実装中に踏みやすい落とし穴を共有します。

失敗パターン — 編集部が踏んだ罠と回避策

失敗パターン1: 日報フォーマットがバラバラで抽出に失敗
担当者が自由な書式で日報を書くと、Text Parserの正規表現がヒットせずスプレッドシートに空欄行が並びます。対策はChatworkの投稿テンプレート機能で見出しを固定し、テンプレート以外の投稿は原則禁止と社内ルール化すること。導入初週は必ず全員分の投稿を目視確認し、抽出漏れがあれば正規表現を調整します。

失敗パターン2: 15分間隔のポーリングで催促が遅れる
Make.comの無料プランは最短でも15分間隔のポーリングのため、投稿から反映まで最大15分程度のタイムラグが生じます。日報の提出期限直前に「まだ来ていない」と誤判定するケースがあるため、未提出者への催促は提出期限の30分後以降にチェックするタイミングをずらすのが実用的です。

編集部のヒント: Chatwork APIトークンは個人アカウントに紐づくため、発行した担当者が退職・異動すると連携が切れます。運用担当のアカウントで発行するか、退職時に必ずトークンを再発行してMake.com側の接続を更新する運用ルールを決めておくと安心です。

編集部のヒント2: スプレッドシートに蓄積した「課題・相談」列は、ChatGPTなどの大規模言語モデル (LLM) に渡すと週次のよくある課題を自動要約できます。「今週分のD〜E列を渡すから、共通する課題を3つ抽出して」と指示するだけで週次会議の議題づくりが半自動化できます。

最後に、規約まわりで気をつけるべき点を整理しておきます。

規約・運用上の注意

Chatwork APIの利用範囲

Chatwork APIトークンは発行した本人のアカウント権限で動作するため、閲覧できるルームの範囲は本人の権限に依存します。日報ルームに参加していないアカウントでトークンを発行しても取得できないため、運用担当のアカウントを日報ルームのメンバーに含めておく必要があります。

個人情報保護法 (改正法)

日報に氏名・取引先情報・数値目標などの業務情報が含まれる場合、スプレッドシートへの集計は社内情報管理規程に沿って共有範囲を限定してください。特に「リンクを知る全員が閲覧可」の共有設定は避け、編集権限を管理担当者のみに絞るのが基本です。

Make.comの通信暗号化

Make.comは通信をTLSで暗号化し、接続情報 (APIトークンやOAuthトークン) は暗号化して保存されます。とはいえ、APIトークンを第三者に共有しない、担当者が退職したら再発行するといった基本運用は必須です。

よくある質問

Q1. Chatworkに公式のMake.comモジュールはありますか? あります。Make.comの公式アプリ一覧にChatworkが登録されており、「Watch Messages in a Room」(投稿検知) や「Create a Room Message」「Get a Room’s Message」などのモジュールが用意されています。本レシピはこれらの公式モジュールのみで構築でき、HTTPモジュールでの自作連携は不要です。

Q2. Chatworkの無料プランでも使えますか? 使えます。APIトークンの発行自体はプランに依存しませんが、組織がエンタープライズプラン等でセキュリティ設定を厳しくしている場合、API利用が制限されていることがあります。その場合は組織の管理者に確認してください。

Q3. Slackを使っている場合はどうすればいいですか? Make.comにはSlack向けの同様のモジュールが揃っています。Chatworkの部分をSlackに置き換えるだけで同じ設計が組めます。具体的な手順は関連レシピの「Slack投稿→スプレッドシート記録」をご覧ください。

Q4. 日報フォーマットを崩す担当者がいる場合はどうすればいいですか? Text Parserの正規表現を複数パターン用意して吸収する方法もありますが、運用上は「テンプレート以外は受け付けない」と明文化する方が長期的に楽です。抽出漏れの日報は提出フラグ列が「未」のままになるため、管理者が目視でフォローする仕組みにしておくと事故が防げます。

出典・参考情報

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Mira / AI経営ラボ 編集長

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