業務自動化

Make.comでGoogleフォーム回答をSlackに自動通知、問い合わせ確認漏れを月3時間削減

士業・制作・EC・サロン・不動産・教室など、問い合わせフォームを使う中小企業/個人事業主 の業務自動化レシピ
業種士業・制作・EC・サロン・不動産・教室など、問い合わせフォームを使う中小企業/個人事業主
ツールMake.com
難易度★☆☆ 易
設定時間約 40 分

Googleフォームに問い合わせが届いても、担当者がフォームを開くまで誰も気づかない──この「見に行かないと分からない」問題は、Make.com を挟んで Slack へ自動通知するだけで解消します。本記事は、フォーム回答を Make.com が受け取り、Slack の指定チャンネルへ即時通知するまでの構成を、モジュールの選び方・費用の試算・つまずきやすい点を添えて整理したレシピです。

読了時間 約8分 / 設定所要時間 約40分 / 月額固定費 ¥0 から

編集長の見解:問い合わせ対応の遅れは、能力ではなく「気づく仕組みがない」ことで起きます。フォームを定期的に見に行く運用は、必ずいつか忘れます。Slack という「毎日必ず開く場所」へ通知を寄せるだけで、返信の初速が変わります。全自動を狙わず「通知は自動・返信は人」の役割分担にするのが、失敗しないコツです。

🔍 なぜ「フォーム→Slack通知」を自動化すべきか

Googleフォームは手軽で便利ですが、回答が届いたことを能動的に知らせてくれません。担当者がフォームの管理画面やスプレッドシートを開いて初めて、新着に気づく仕組みだからです。

この「見に行かないと分からない」構造が、次の 3 つの問題を生みます。

一方、Slack はほとんどの企業で「一日に何度も開く場所」です。そこへ通知を集めれば、確認漏れは大きく減ります。次のセクションで、全体の流れを図で確認します。

🗺 全体フロー — 3 ステップで完結

仕組みはとてもシンプルです。Googleフォームの回答をトリガーに、Make.com が内容を受け取り、Slack へメッセージとして投稿します。

フォーム回答→Slack通知の全体像
📝
01
Googleフォーム送信
顧客が問い合わせを送信
⚙️
02
Make.com が受信
新規回答を検知して内容を取得
💬
03
Slack へ通知
指定チャンネルに回答を自動投稿

回答送信から通知まで、人の操作はゼロ

Make.com がフォーム回答を受け取る方法は 2 通りあります。どちらもプログラミングは不要です。

受信方法トリガーモジュール向いているケース
Googleフォームを直接監視Google Forms「Watch Responses(新しい回答を監視)」フォームだけで完結させたい場合
回答シートを監視Google Sheets「Watch Rows(新しい行を監視)」回答をスプレッドシートにも残したい場合

編集部のおすすめは、後者の Google Sheets「Watch Rows」方式です。フォームの回答は標準機能でスプレッドシートに蓄積でき、通知と記録を同時に実現できるためです。次のセクションで、必要なものと費用を整理します。

💰 必要なツールと費用の目安

このレシピは、多くの場合すべて無料で始められます。全体像を表で確認してください。

ツール役割費用の目安
Googleフォーム / スプレッドシート回答の受付と蓄積無料
Make.com(Free プラン)フォーム受信と Slack 連携無料(月1,000オペレーションまで)
Slack担当者への通知先無料プランで可

Make.com は 1 回の処理で複数の「オペレーション」を消費します。フォーム受信+Slack投稿でおおむね 2〜3 オペレーション程度のため、無料枠の月1,000回なら、編集部の試算で月300〜400件の問い合わせまでは無料で収まる計算です。これはあくまで編集部のシミュレーションで、実際の消費数は構成により変わります。

💡 節約のヒント:まずは Make.com の無料プランで始めてください。問い合わせが増えて無料枠に収まらなくなったら、Core プラン(月$9、約¥1,400)へ上げれば月10,000オペレーションまで使えます。最初から有料契約する必要はありません。

料金が変わることもあるため、最新の金額はMake.com 公式の料金ページで確認してください。次のセクションで、実際の設定手順を追います。

🛠 設定手順 — 約40分で完成

ここからは構築手順です。すべて画面上のクリックで完結します。Slack との接続時に一度だけ認証(ログイン許可)を求められますが、画面の指示どおりに進めれば完了します。

Make.com シナリオ構築の手順
STEP 1
フォーム回答をシートに連携
Googleフォームの「回答」タブから「スプレッドシートにリンク」を選び、回答が自動で行追加される状態にします。
STEP 2
Make.com で新規シナリオを作成
Make.com にログインし「Create a new scenario」をクリック。最初のモジュールに Google Sheets を選びます。
STEP 3
トリガーに「Watch Rows」を設定
Google Sheets の「Watch Rows(新しい行を監視)」を選び、STEP 1 の回答シートとシート名を指定します。これが自動化の起点です。
STEP 4
Slack モジュールを追加
2 つ目のモジュールに Slack を選び「Create a Message(メッセージを作成)」を指定。通知先のチャンネルを選びます。
STEP 5
通知メッセージを組み立て
メッセージ本文に、STEP 3 で取得したフォームの各項目(氏名・用件など)を差し込みます。差し込み方は下記の例を参照。
STEP 6
テスト送信して保存・有効化
「Run once」でテスト実行し、Slack に届くか確認。問題なければスケジュールを ON にして常時稼働させます。

STEP 5 の通知メッセージは、Slack で見た瞬間に一次対応を判断できる形にするのがコツです。たとえば次のような雛形にします。

🆕 新しい問い合わせが届きました

お名前: (氏名フィールドを差し込み)
用件: (用件フィールドを差し込み)
メール: (メールフィールドを差し込み)
受信日時: (タイムスタンプを差し込み)

Make.com の編集画面では、各行の( )部分をクリックすると、STEP 3 で取り込んだフォーム項目の一覧が表示されるので、それを選ぶだけで差し込めます。散文の中でフォーム項目を波括弧で書く場合は {{氏名}} のようにエスケープが必要ですが、Make.com の入力欄では気にせずクリックで差し込んで構いません。

💡 編集部メモ:通知の冒頭に絵文字や「🆕」を付けておくと、Slack のタイムラインで問い合わせ通知が一目で目立ちます。緊急度の高い用件を見分けやすくなり、返信の初速が上がります。

設定が終わったら、必ず自分でフォームからテスト送信を 2〜3 件行い、Slack に想定どおり届くか確認してください。次のセクションで、運用前に知っておくべき注意点を整理します。

⚠️ 失敗パターンと運用上の注意

この自動化は仕組みがシンプルなぶん、つまずきやすいポイントも決まっています。編集部が特に注意すべきと考える 2 点を挙げます。

⚠️ 失敗パターン1:通知が来ない。原因の多くは「トリガーの監視対象がずれている」ことです。フォームの回答シートは、質問を追加するとシートの列構成が変わることがあります。Watch Rows の設定後にフォームの質問を編集した場合は、Make.com 側でトリガーの列マッピングを再確認してください。

⚠️ 失敗パターン2:個人情報の通知範囲。問い合わせには氏名・電話番号・メールなどの個人情報が含まれます。通知先の Slack チャンネルが全社員に公開されていると、必要のない人にも情報が見えてしまいます。通知は担当者だけが入れる非公開チャンネルに送るのが安全です。

これらは事前に気づいていれば防げるものばかりです。下表に、よくあるトラブルと対策をまとめます。

トラブル起こりやすい原因編集部の対策
通知が届かない回答シートの列がずれたトリガーの列マッピングを再設定
通知が重複するテスト中に手動実行を繰り返した本番前に処理済み行の位置を確認
情報が広く見える公開チャンネルに通知担当者のみの非公開チャンネルへ

次のセクションで、この仕組みをさらに広げる発展アイデアを紹介します。

🚀 発展アイデアと関連レシピ

基本形が動いたら、応用は簡単です。Slack 通知の前後にモジュールを足すだけで、対応の幅が広がります。

当サイトでは、Make.com を使った通知・問い合わせ系の自動化を複数紹介しています。あわせて読むと設計の引き出しが増えます。

編集部のまとめ:このレシピの本質は「問い合わせに気づく仕組みを、人の記憶からシステムへ移す」ことです。難しい設定はなく、月¥0 から約40分で組めます。まずは無料プランで小さく始め、通知が届く体験を確かめてから、要約や振り分けなどの発展形へ進めるのが堅実です。

出典・参考情報


Mira / AI経営ラボ 編集長

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