Make.comでGoogle広告予算アラート→Slack通知 運用担当の監視を自動化

EC / 店舗集客 / BtoBサービス (Web広告を出す中小企業全般) の業務自動化レシピ

業種: EC / 店舗集客 / BtoBサービス (Web広告を出す中小企業全般)

使用ツール: Make.com

難易度: ★★☆ 中

所要時間: 約 50 分

Google 広告の予算は、見ていない間に静かに溶けていきます。本レシピは Make.com に Google 広告の消化額を毎時チェックさせ、設定したしきい値を超えた瞬間に Slack へ自動通知する仕組みを 50 分で構築します。管理画面を 1 日に何度も覗く運用から解放され、広告費の使いすぎを未然に防ぐ設計を、料金と注意点まで含めて示します。

読了時間: 約 7 分

編集部の見解: 広告費の事故は「気づくのが遅れたとき」 に起きます。日予算を超えて回り続けた、設定ミスで単価が跳ね上がった、キャンペーンの停止を忘れた——どれも管理画面を見ていれば防げますが、中小企業の運用担当は他業務と兼任で、1 日に何度も確認する余裕がありません。Make.com で「消化額がしきい値を超えたら Slack に飛ばす」仕組みを作れば、人間は通知が来たときだけ対応すればよくなります。月 ¥1,500 から始められ、既存の広告設定を変えずに導入できる点が中小企業に向いています。

このレシピで解決する課題

Web 広告を出している中小企業で、運用担当が日常的に抱えている手間とリスクを整理しました。

  1. 管理画面の見張り業務: 予算が溶けていないか心配で、1 日に何度も Google 広告にログインして確認
  2. 使いすぎの発見遅れ: 設定ミスや入札の高騰で予算が想定以上に消化されても、翌朝まで気づかない
  3. 通知が個人のメールに埋もれる: Google からのアラートメールが他のメールに紛れ、見落とす
  4. チームで共有されない: 担当者一人だけが状況を把握し、休暇時に誰も気づけない
  5. 月末の予算超過: 月の途中で消化ペースを把握できず、気づけば予算オーバー

広告費は中小企業にとって機動的に動かせる重要な経費ですが、監視が属人的だと「事故に気づくのが遅れる」 リスクが常につきまといます。

Make.com で 予算消化の自動監視と Slack 通知 を組めば、この見張り業務とリスクを同時に減らせます。

完成形 (フロー図)

下図が今回作る自動化の全体像です。Make.com が定期的に Google 広告の消化額を読み、しきい値と比べて、超えていれば Slack に通知します。

Make.com Google広告予算アラート自動化フロー
01
毎時トリガー
Make.com Schedule が 1 時間ごとに自動起動
📊
02
消化額を取得
Google 広告 API から当日の消化額を取得
🔎
03
しきい値判定
Filter で「消化額 ≥ しきい値」のときだけ次へ進める
💬
04
Slack 通知
担当チャンネルに金額・キャンペーン名つきで自動投稿

毎時、Make.com が消化額をチェックし、しきい値超過時のみ Slack に通知

このフロー全体は Make.com のシナリオ 1 本で完結します。次のセクションでは必要なツールと費用感を整理します。

必要なツールと月額費用

導入に必要なツールと、それぞれのおおよその月額を表にまとめました。

ツール役割月額目安編集部の評価
Make.com (中核)自動化シナリオ実行Core プラン ¥1,500 程度◎ 中核。必須
Google 広告アカウント監視対象広告費のみ (ツール料金 ¥0)◎ 既存のものでOK
Slack通知の受け取り先無料プランで可○ 無料で十分
Google Sheets (任意)しきい値設定・通知ログ無料△ あると便利

合計のツール月額は ¥1,500 程度 (Make.com Core のみ) が目安です。Slack・Google 広告アカウント・Google Sheets はいずれも無料の範囲で動かせます。

Make.com には無料プラン (月 1,000 オペレーション) もあります。毎時チェック (1 日 24 回 × 月 30 日 = 720 回) なら無料枠でも回せますが、判定後の処理が増えると枠を超えるため、安定運用したい場合は Core プラン (¥1,500/月) を編集部は推奨します。

このフローは毎時の定期チェックを前提にしていますが、確認頻度は後から自由に変えられます。次のセクションでは、なぜ Zapier ではなく Make.com を選ぶのかを説明します。

なぜ Zapier ではなく Make.com か

同様の自動化は Zapier でも可能ですが、本ユースケースでは Make.com を推奨します。

なお、Slack 連携の自動化は他のツールとも組み合わせられます。たとえば営業案件の通知ならZapier で Pipedrive の更新を Slack に流すレシピ、タスク管理ならTrello の更新を Slack に通知するレシピも編集部で紹介しています。自社の使い慣れたツールに合わせて選んでください。

失敗パターン①: Google 広告の API は無料ですが、利用には「開発者トークン」の申請 (基本アクセスレベル) が必要です。申請から承認まで数営業日かかる場合があるため、導入を急ぐなら先に申請を出しておきましょう。詳しくはGoogle 広告 API の公式スタートガイドを参照してください。

API 接続のハードルだけ越えれば、あとの設定は 50 分程度で完了します。次に手順を見ていきます。

設定手順 (50 分)

導入の流れを時系列で示します。最初の API 準備が山場で、シナリオ作成自体は短時間です。

Make.com Google広告→Slack通知 導入 50 分ロードマップ
0-15分
Step 1: Google 広告 API の準備
開発者トークンの確認とアカウント ID のメモ (未申請なら先に申請)
15-25分
Step 2: Slack の通知先チャンネル準備
通知用チャンネルを作成し、Incoming Webhook を発行
25-35分
Step 3: Make.com で Google 広告を接続
Core プラン契約 → Google 広告モジュールでアカウントを認証
35-45分
Step 4: しきい値判定とSlack送信を組む
Filter で消化額を判定し、Slack モジュールでメッセージを送信
45-50分
Step 5: テスト実行と本番起動
しきい値を低めにして通知到達を確認 → シナリオを ON に

初回設定の所要時間と各ステップの概要

Step 2 詳細: Slack の Incoming Webhook 発行

Slack の通知は Incoming Webhook を使うのが最も簡単です。Slack アプリ管理画面で Webhook を作成し、通知先チャンネルを指定すると、専用の送信用 URL が発行されます。

発行手順の概要は次のとおりです。

詳しい操作はSlack 公式の Incoming Webhook 利用ガイドSlack 開発者向けの Webhook ドキュメントを参照してください。

失敗パターン②: Webhook URL は「これを知っていれば誰でもそのチャンネルに投稿できる」鍵です。記事・スクリーンショット・公開リポジトリに貼らないでください。漏れた場合は Slack 管理画面から速やかに無効化 (再発行) しましょう。

Step 4 詳細: しきい値の判定設計

しきい値の決め方には主に 2 通りあります。自社の運用に合うほうを選んでください。

判定方式設定例向いているケース編集部のおすすめ度
固定金額「当日消化が ¥10,000 を超えたら通知」日予算がほぼ一定○ シンプル
予算比率「日予算の 80% を超えたら注意通知」日予算を月内で変える◎ 柔軟

Make.com の Filter モジュールに、取得した消化額としきい値を比較する条件を設定します。たとえば予算比率方式なら次のような条件です。

条件: {{当日消化額}} >= {{日予算}} * 0.8

予算比率は Google 広告の平均日予算の考え方を踏まえて設定するとよいでしょう。日予算は月内で多少前後する設計のため、80% を「注意」、100% を「警告」のように 2 段階で組むと実用的です。

Slack 通知メッセージの例

Slack モジュールには、運用担当がひと目で状況を把握できるメッセージを設定します。編集部の推奨フォーマットは次のとおりです。

⚠️ Google広告 予算アラート
キャンペーン: {{キャンペーン名}}
当日消化額: ¥{{消化額}}
日予算: ¥{{日予算}} (消化率 {{比率}}%)
確認はこちら → (Google広告 管理画面のリンク)

金額と消化率を本文に入れておくと、担当者は管理画面を開く前に深刻度を判断できます。

経営者・運用担当はこう使う (具体シナリオ)

たとえば月の広告予算が ¥30 万のEC事業者を想定します。日予算は約 ¥1 万で、運用担当は他業務と兼任です。

このように 「異常なときだけ人間が動く」運用 に切り替わるため、平常時に管理画面を見張る必要がなくなります。編集部の試算では、1 日 5 回 × 5 分の手動確認を月 12.5 時間削減できます (編集部のシミュレーション)。

ヒント: 通知だけでなく「毎朝 9 時に前日の総消化額をサマリー投稿」 する 2 本目のシナリオを足すと、チーム全員が日次で広告費を把握できます。ChatGPT を絡めた問い合わせ自動化はMake.com で ChatGPT サポートを組むレシピも参考になります。

よくある質問

導入前によく寄せられる疑問をまとめました。

まとめ

Google 広告の予算監視は、属人的な「見張り業務」 のままだと事故の発見が遅れます。Make.com で消化額のしきい値判定と Slack 通知を組めば、月 ¥1,500 程度・既存設定そのままで「異常時だけ動く」運用に変えられます。

導入のハードルは Google 広告 API の申請のみで、シナリオ作成自体は 50 分程度です。まずは無料プランで小さく試すことをおすすめします。

編集部の結論: 広告費は中小企業の機動的な投資ですが、監視を人手に頼ると必ず見落としが出ます。Make.com による自動アラートは「人間を見張りから解放し、判断だけに集中させる」 仕組みです。月 ¥1,500 の投資で、広告費の事故と監視の手間を同時に減らせる費用対効果の高い一手と言えます。

出典・参考情報

Mira / AI経営ラボ 編集長

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Mira / AI経営ラボ 編集長

最終更新: 2026年6月4日 / 初出: 2026年6月4日