業務自動化

Make.comでGoogleフォーム回答→ChatGPT分類→担当者振り分け自動化

士業・制作・コンサル・EC・サロン・不動産 (問い合わせ仕分けが発生する中小企業/個人事業主) の業務自動化レシピ
業種士業・制作・コンサル・EC・サロン・不動産 (問い合わせ仕分けが発生する中小企業/個人事業主)
ツールMake.com
難易度★★☆ 中
設定時間約 75 分

「問い合わせフォームの回答を、毎回人が読んで担当者に振り分ける」──この地味な作業は、Googleフォーム・Make.com・ChatGPT の 3 点セットでほぼ自動化できます。本記事は、フォーム回答を Make.com が受け取り、ChatGPT が内容を分類し、適切な担当者へ通知するまでの設計レシピを、編集部の試算と運用リスクの注意点を添えて整理した記事です。

読了時間 約9分 / 設定所要時間 約75分 / 月額固定費 ¥1,400 から

編集長の見解:問い合わせの「仕分け」は、判断のようでいて実はパターン作業です。だからこそ AI に最も向いています。重要なのは全自動を狙わず、「AI が一次仕分け→人は確認だけ」の役割分担に落とし込むこと。これだけで、担当者がフォームを開いて読む時間がほぼゼロになります。

🔍 なぜ「フォーム仕分け」を自動化すべきか

問い合わせフォームを使っている事業者の多くが、同じ悩みを抱えています。回答が届くたびに内容を読み、これは見積もり、これはクレーム、これは営業メール、と頭の中で仕分けして担当に転送する。1 件あたりは数分でも、積み重なると無視できない時間になります。

特に困るのは、担当者がフォームを定期的に見に行かないと気づけない点です。返信が遅れ、機会損失や顧客の不満につながります。

この 3 つは、AI による一次分類と自動通知でほぼ解消できます。次のセクションでは、全体の流れを図で確認します。

🗺 全体フロー — 4 ステップで完結

仕組みはシンプルです。Googleフォームの送信をトリガーに、Make.com が ChatGPT へ内容を渡し、返ってきた分類結果に応じて通知先を振り分けます。

問い合わせ自動振り分けの全体像
📝
01
Googleフォーム送信
顧客が問い合わせを送信
⚙️
02
Make.com が受信
スプレッドシート行追加を検知
🤖
03
ChatGPT が分類
内容を読みカテゴリを判定
📤
04
担当者へ振り分け
Slack / メールへ自動通知

フォーム送信から担当者通知まで、人の操作はゼロ

ポイントは、Googleフォームの回答が自動で「Googleスプレッドシート」に蓄積される標準機能を使うことです。Make.com はこのスプレッドシートの新規行を監視し、そこを起点に処理を始めます。

次のセクションでは、このフローに必要なツールと費用を整理します。

💰 必要なツールと費用の目安

導入に必要なのは、無料で使えるものと有料のものが混在します。以下の表で全体像をつかんでください。

ツール役割費用の目安
Googleフォーム / スプレッドシート回答の受付と蓄積無料
Make.com (Core プラン)全体の連携・自動化約 ¥1,400 / 月 ($9 を約 ¥155/$ で換算)
OpenAI API (ChatGPT)内容の自動分類従量課金 (後述、月数十円〜)
Slack担当者への通知無料プランで可

OpenAI の料金は使った分だけの従量課金です。最新の料金はOpenAI 公式の料金ページで確認できます。

💡 節約のヒント:Make.com は無料プランでも月1,000オペレーションまで使えます。問い合わせが月50件程度までなら、まず無料プランで試し、足りなくなってから Core プランへ上げるのが堅実です。

OpenAI API の費用感を、編集部のシミュレーションで示します。1 件の問い合わせ分類に使うトークンはごくわずかで、安価なモデルなら月100件でも数十円程度に収まる計算です。これはあくまで編集部の試算であり、実際の料金は問い合わせの長さや使用モデルによって変動します。

次のセクションでは、実際の設定手順を順を追って説明します。

🛠 設定手順 — 約75分で完成

ここからは実際の構築手順です。Make.com の操作はすべて画面上のクリックで完結し、プログラミングは不要です。

Make.com シナリオ構築の手順
STEP 1
Googleフォームと回答シートを用意
フォームの「回答」タブから「スプレッドシートにリンク」を選び、回答が自動で行追加されるようにします。
STEP 2
Make.com でトリガーを設定
Google Sheets モジュールの「Watch Rows (新規行を監視)」を選び、回答シートを指定します。これが自動化の起点です。
STEP 3
OpenAI モジュールで分類
OpenAI モジュールを追加し、問い合わせ本文を渡して「カテゴリを 1 つだけ返す」よう指示します。プロンプト例は次のコードブロックを参照。
STEP 4
ルーター(Router)で分岐
Make.com の Router を使い、分類結果ごとに通知先(担当者)を分けます。条件は「カテゴリ = 見積依頼」のように設定します。
STEP 5
Slack / メール通知を設定
各分岐の末尾に Slack の「Create a Message」やメール送信モジュールを置き、担当者へ問い合わせ内容を転送します。

STEP 3 で ChatGPT に渡すプロンプトは、出力を固定するのがコツです。余計な説明を返させず、カテゴリ名だけを返させます。

あなたは問い合わせ仕分け担当です。
以下の問い合わせ内容を読み、次の4カテゴリのいずれか1つだけを
半角英字で出力してください。説明は不要です。

カテゴリ: estimate(見積依頼) / support(サポート) / recruit(採用) / other(その他)

問い合わせ内容:
(ここにスプレッドシートの本文フィールドを差し込む)

差し込みフィールドはコードブロック内では生のまま書いて構いませんが、本文の散文中に Make の差込変数を書く場合は {{本文}} のようにエスケープが必要になります(MDX の仕様上の注意です)。

💡 編集部メモ:出力を estimate のような半角英字に固定しておくと、STEP 4 の Router 条件分岐が安定します。日本語のカテゴリ名は表記ゆれが起きやすいため、内部処理は英字、担当者への表示は日本語、と分けるのが実務的です。

設定が終わったら、必ず自分でテスト送信を 3〜4 件行い、想定どおりに振り分けられるか確認してください。次のセクションでは、運用前に知っておくべきリスクを整理します。

⚠️ 失敗パターンと運用上の注意

自動化は便利な一方、「任せきり」にすると思わぬ穴が生まれます。編集部が特に注意すべきと考える 2 点を挙げます。

⚠️ 失敗パターン1:誤分類の放置。ChatGPT の分類精度は高いものの100%ではありません。「その他」に振り分けられた問い合わせを誰も見ない運用にすると、重要な依頼を取りこぼします。「その他」カテゴリは必ず管理者が毎日確認する導線を残してください。

⚠️ 失敗パターン2:個人情報の扱い。問い合わせには氏名・電話番号・住所などの個人情報が含まれます。OpenAI API に送るデータの取り扱いはOpenAI の API データ利用ポリシーを確認し、自社のプライバシーポリシーと整合させてください。機微情報を含む業種では、送信前に不要な項目を除外する処理を入れるのが安全です。

これらは「全自動の落とし穴」であり、設計段階で人の確認を 1 枚はさむだけで大きく軽減できます。

リスク影響度編集部の対策
誤分類による取りこぼし「その他」を毎日目視確認
個人情報の外部送信送信項目を最小化、ポリシー整合
Make.com の処理上限超過オペレーション数を月次で監視

次のセクションでは、この仕組みをさらに広げる発展アイデアを紹介します。

🚀 発展アイデアと関連レシピ

基本形が動いたら、応用は容易です。たとえば分類に加えて、ChatGPT に「緊急度(高/中/低)」も判定させ、緊急のものだけ管理者へ即時通知する、といった拡張ができます。

同じ Make.com を使った問い合わせ系の自動化は、当サイトでも複数紹介しています。あわせて読むと設計の幅が広がります。

編集部のまとめ:このレシピの本質は「人が読む前に、AI が一次仕分けを済ませておく」ことです。完璧を目指さず、AI の一次判定+人の最終確認という役割分担にすれば、月¥1,400 程度の固定費で仕分け作業の大半を手放せます。まずは無料プランで小さく試し、効果を確かめてから本格運用へ進めるのが堅実です。

出典・参考情報


Mira / AI経営ラボ 編集長

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