Make.comでGoogleフォーム回答→ChatGPT分類→担当者振り分け自動化
「問い合わせフォームの回答を、毎回人が読んで担当者に振り分ける」──この地味な作業は、Googleフォーム・Make.com・ChatGPT の 3 点セットでほぼ自動化できます。本記事は、フォーム回答を Make.com が受け取り、ChatGPT が内容を分類し、適切な担当者へ通知するまでの設計レシピを、編集部の試算と運用リスクの注意点を添えて整理した記事です。
- Googleフォーム回答を起点に、ChatGPT が「見積依頼/サポート/採用/その他」を自動判定
- 判定結果に応じて Slack・メール・Googleスプレッドシートへ自動振り分け
- 月100件規模の問い合わせでも 月¥1,400 程度 (Make.com Core $9) から運用可能
- ChatGPT の分類は 100% ではない前提で、誤分類のフォロー導線を設計する
- 導入は 約75分、プログラミング不要でノーコードで完結
編集長の見解:問い合わせの「仕分け」は、判断のようでいて実はパターン作業です。だからこそ AI に最も向いています。重要なのは全自動を狙わず、「AI が一次仕分け→人は確認だけ」の役割分担に落とし込むこと。これだけで、担当者がフォームを開いて読む時間がほぼゼロになります。
🔍 なぜ「フォーム仕分け」を自動化すべきか
問い合わせフォームを使っている事業者の多くが、同じ悩みを抱えています。回答が届くたびに内容を読み、これは見積もり、これはクレーム、これは営業メール、と頭の中で仕分けして担当に転送する。1 件あたりは数分でも、積み重なると無視できない時間になります。
特に困るのは、担当者がフォームを定期的に見に行かないと気づけない点です。返信が遅れ、機会損失や顧客の不満につながります。
- 見落とし: フォーム画面を開かないと新着に気づけない
- 属人化: 仕分けのルールが担当者の頭の中にしかない
- 遅延: 緊急の問い合わせが他の回答に埋もれる
この 3 つは、AI による一次分類と自動通知でほぼ解消できます。次のセクションでは、全体の流れを図で確認します。
🗺 全体フロー — 4 ステップで完結
仕組みはシンプルです。Googleフォームの送信をトリガーに、Make.com が ChatGPT へ内容を渡し、返ってきた分類結果に応じて通知先を振り分けます。
フォーム送信から担当者通知まで、人の操作はゼロ
ポイントは、Googleフォームの回答が自動で「Googleスプレッドシート」に蓄積される標準機能を使うことです。Make.com はこのスプレッドシートの新規行を監視し、そこを起点に処理を始めます。
次のセクションでは、このフローに必要なツールと費用を整理します。
💰 必要なツールと費用の目安
導入に必要なのは、無料で使えるものと有料のものが混在します。以下の表で全体像をつかんでください。
| ツール | 役割 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| Googleフォーム / スプレッドシート | 回答の受付と蓄積 | 無料 |
| Make.com (Core プラン) | 全体の連携・自動化 | 約 ¥1,400 / 月 ($9 を約 ¥155/$ で換算) |
| OpenAI API (ChatGPT) | 内容の自動分類 | 従量課金 (後述、月数十円〜) |
| Slack | 担当者への通知 | 無料プランで可 |
OpenAI の料金は使った分だけの従量課金です。最新の料金はOpenAI 公式の料金ページで確認できます。
💡 節約のヒント:Make.com は無料プランでも月1,000オペレーションまで使えます。問い合わせが月50件程度までなら、まず無料プランで試し、足りなくなってから Core プランへ上げるのが堅実です。
OpenAI API の費用感を、編集部のシミュレーションで示します。1 件の問い合わせ分類に使うトークンはごくわずかで、安価なモデルなら月100件でも数十円程度に収まる計算です。これはあくまで編集部の試算であり、実際の料金は問い合わせの長さや使用モデルによって変動します。
次のセクションでは、実際の設定手順を順を追って説明します。
🛠 設定手順 — 約75分で完成
ここからは実際の構築手順です。Make.com の操作はすべて画面上のクリックで完結し、プログラミングは不要です。
STEP 3 で ChatGPT に渡すプロンプトは、出力を固定するのがコツです。余計な説明を返させず、カテゴリ名だけを返させます。
あなたは問い合わせ仕分け担当です。
以下の問い合わせ内容を読み、次の4カテゴリのいずれか1つだけを
半角英字で出力してください。説明は不要です。
カテゴリ: estimate(見積依頼) / support(サポート) / recruit(採用) / other(その他)
問い合わせ内容:
(ここにスプレッドシートの本文フィールドを差し込む)
差し込みフィールドはコードブロック内では生のまま書いて構いませんが、本文の散文中に Make の差込変数を書く場合は {{本文}} のようにエスケープが必要になります(MDX の仕様上の注意です)。
💡 編集部メモ:出力を estimate のような半角英字に固定しておくと、STEP 4 の Router 条件分岐が安定します。日本語のカテゴリ名は表記ゆれが起きやすいため、内部処理は英字、担当者への表示は日本語、と分けるのが実務的です。
設定が終わったら、必ず自分でテスト送信を 3〜4 件行い、想定どおりに振り分けられるか確認してください。次のセクションでは、運用前に知っておくべきリスクを整理します。
⚠️ 失敗パターンと運用上の注意
自動化は便利な一方、「任せきり」にすると思わぬ穴が生まれます。編集部が特に注意すべきと考える 2 点を挙げます。
⚠️ 失敗パターン1:誤分類の放置。ChatGPT の分類精度は高いものの100%ではありません。「その他」に振り分けられた問い合わせを誰も見ない運用にすると、重要な依頼を取りこぼします。「その他」カテゴリは必ず管理者が毎日確認する導線を残してください。
⚠️ 失敗パターン2:個人情報の扱い。問い合わせには氏名・電話番号・住所などの個人情報が含まれます。OpenAI API に送るデータの取り扱いはOpenAI の API データ利用ポリシーを確認し、自社のプライバシーポリシーと整合させてください。機微情報を含む業種では、送信前に不要な項目を除外する処理を入れるのが安全です。
これらは「全自動の落とし穴」であり、設計段階で人の確認を 1 枚はさむだけで大きく軽減できます。
| リスク | 影響度 | 編集部の対策 |
|---|---|---|
| 誤分類による取りこぼし | 高 | 「その他」を毎日目視確認 |
| 個人情報の外部送信 | 高 | 送信項目を最小化、ポリシー整合 |
| Make.com の処理上限超過 | 中 | オペレーション数を月次で監視 |
次のセクションでは、この仕組みをさらに広げる発展アイデアを紹介します。
🚀 発展アイデアと関連レシピ
基本形が動いたら、応用は容易です。たとえば分類に加えて、ChatGPT に「緊急度(高/中/低)」も判定させ、緊急のものだけ管理者へ即時通知する、といった拡張ができます。
- 返信文の下書き生成: 分類と同時に、定型的な一次返信文を ChatGPT に下書きさせる
- Googleスプレッドシートへ集計: カテゴリ別の件数を別シートに自動記録し、問い合わせ傾向を可視化
- LINE 公式アカウント連携: 顧客への自動返信を LINE で行う
同じ Make.com を使った問い合わせ系の自動化は、当サイトでも複数紹介しています。あわせて読むと設計の幅が広がります。
編集部のまとめ:このレシピの本質は「人が読む前に、AI が一次仕分けを済ませておく」ことです。完璧を目指さず、AI の一次判定+人の最終確認という役割分担にすれば、月¥1,400 程度の固定費で仕分け作業の大半を手放せます。まずは無料プランで小さく試し、効果を確かめてから本格運用へ進めるのが堅実です。
出典・参考情報
Mira / AI経営ラボ 編集長
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