業務自動化

Make.comでkintone更新をSlackに自動通知 中小企業の確認漏れを月3時間削減

中小企業の業務アプリ運用 (案件管理・日報・問い合わせ対応・経費申請などkintone活用部門) の業務自動化レシピ
業種中小企業の業務アプリ運用 (案件管理・日報・問い合わせ対応・経費申請などkintone活用部門)
ツールMake.com
難易度★★☆ 中
設定時間約 50 分

kintone に案件や日報を入力しても「誰も見ていない」──中小企業でよく聞くこの悩みは、Make.com を1本挟むだけで解消できます。本記事は、kintone のレコードが追加・更新された瞬間に Slack へ自動通知する設計レシピを、月額目安・実装手順・つまずきやすいポイントとあわせて編集部がまとめた記事です。

読了時間 約8分 / 設定所要時間 約50分 / 追加月額 ¥1,400 から (kintone スタンダードコース以上が前提)

編集長の見解 ── kintone は「業務アプリを自分たちで作れる」点が中小企業に支持されていますが、42,000社以上が利用する規模にまで広がった今も[出典]、「入力したのに誰も気づかない」という運用の壁は多くの現場で共通しています。本レシピが重視するのは、特定の業務(顧客管理や案件管理)に限定せず、Slack通知が欲しい kintone アプリならどれにでも使い回せる汎用設計にすることです。まず1つのアプリで試し、効果が確認できたら他のアプリにも同じ型を横展開する使い方を編集部は推奨します。

なぜkintone→Slack自動通知で月3時間が浮くのか

中小企業が kintone を「入力するだけ」で終わらせてしまう典型的な手作業フローを、編集部が業務改善支援の現場ヒアリングをもとに分解しました。

工程月あたり所要 (5-10名の利用部門)内容
kintone を開いて新着・更新を確認約60分各自が1日数回アプリを巡回
重要な更新を Slack や口頭で共有約45分「新しい問い合わせ来てます」等を手入力
担当者への個別連絡約30分誰が対応するか都度確認
朝会での状況読み上げ約40分kintone を見れば分かる情報の口頭共有
合計約175分 (≈2.9時間)

kintone→Slack自動通知を組むと、1〜3 の工程はほぼ自動化され、朝会も「通知済みの前提」で短縮できます。編集部試算で 月 約3時間の圧縮に相当し、時給¥2,500 換算で月¥7,500、5-10名の重複確認を含めれば月¥3〜5万円規模の間接コストが、追加費用 月¥1,400 (Make.com Core) に置き換わる計算です。

続いて、編集部が設計した全体像を ProcessFlow で示します。

完成形のフロー (ProcessFlow)

Make.com×kintone×Slack 更新通知レシピ
📋
01
kintone のレコードが動く
案件管理・日報・問い合わせ対応など、対象アプリでレコードが新規追加または更新される
📡
02
Make.com が変化を検知
Watch Records モジュールが、設定した実行間隔ごとに新着・更新レコードをチェック
🔎
03
条件でフィルタ
ステータス・担当者・優先度などの条件で「通知すべきレコード」だけに絞り込み
📝
04
通知文を整形
アプリ名・レコード内容・担当者・kintone レコードへのリンクを読みやすく組み立て
💬
05
Slack へ通知
担当チャンネルへ投稿、緊急度が高いレコードは別チャンネルやメンション付きで分岐も可能

kintone のレコードが追加・更新されたら Make.com が一定間隔で検知し、条件に合うレコードだけを整形して Slack の指定チャンネルへ通知する自動化設計

この設計の肝は、ステップ 02 の実行間隔とステップ 03 のフィルタです。kintone の「Watch Records」はスケジュール実行 (一定間隔でのチェック) 型のトリガーのため、Zapier の Webhook 即時通知とは仕組みが異なります。次のセクションで、この違いを踏まえた具体的な手順を示します。

次に、ゼロから稼働までの具体的な手順を時系列で示します。

設定手順 (TimelineSteps)

Make.com×kintone×Slack 0→稼働まで
0:00 - 0:10
kintone 側の準備 (コース確認 + API 有効化)
kintone の契約コースがスタンダードコース以上であることを確認します。ライトコースは Webhook・REST API が利用できず本レシピは組めません[出典]。対象アプリの管理者設定で API トークンを発行するか、連携用のログインアカウント (サブドメイン + ユーザー名 + パスワード) を用意します。
0:10 - 0:20
Make.com アカウント開設と接続
make.com で Core プラン (月$9、1万クレジット、約¥1,400) に登録。Connections に kintone (サブドメイン・ユーザー名・パスワードで接続) と Slack (OAuth 認証) を追加します。
0:20 - 0:35
シナリオ本体 — トリガーと通知
Trigger: kintone「Watch Records」(対象アプリのレコード追加・更新を検知) → 「Filter」で通知したい条件 (例: ステータス = “未対応”、優先度 = “高”) を設定 → Slack「Create a Message」で対象チャンネルへ投稿。投稿文にはアプリ名・レコードの主要フィールド・担当者・kintone のレコード URL を差し込みます。最初はテスト用のレコードを1件動かして必ず動作検証します。
0:35 - 0:44
緊急度別の通知分岐を追加 (任意だが推奨)
優先度が「高」のレコードだけは別チャンネル (例: #urgent) やメンション付きで通知する分岐を、Make.com の Router で追加します。問い合わせ対応アプリなら「クレーム」区分だけ即時エスカレーションする、といった使い方が有効です。
0:44 - 0:50
実行間隔とフィルタの最終調整
シナリオの実行間隔を設定します。Core プラン以上は 1 分単位でのスケジュール実行に対応しているため、即時性が必要な業務は短い間隔に、そうでない業務 (日報など) は 15〜30分間隔にとどめてクレジット消費を抑えます[出典]。テスト通知が想定どおり1件だけ飛ぶかを確認して完了です。

kintone スタンダードコース以上を導入済みの担当者を想定した50分手順

ここまでで基本の自動通知は稼働します。次に、運用で最もつまずきやすいポイントを、編集部が現場で見てきた失敗パターンとして共有します。

通知設計の失敗パターンと対策

失敗パターン①: kintone がライトコースのままで組めない ── ライトコースは Webhook・REST API・JavaScript カスタマイズが利用できず、アプリ数の上限もスタンダードコースの1/5に抑えられています。本レシピを組む前に、対象アプリがスタンダードコース以上の契約下にあるかを必ず確認してください。ライトコースからの切り替えは1ユーザーあたり月¥800の差額です。

失敗パターン②: 実行間隔を短くしすぎてクレジットを浪費 ── kintone の「Watch Records」はスケジュール実行 (ポーリング) 型のため、実行間隔を1分などに設定すると Make.com のクレジットを早く消費します。Core プランの月1万クレジットは、業務の重要度に応じて「問い合わせは5分間隔、日報は30分間隔」のようにアプリごとに調整するのが現実的です。

失敗パターン③: すべてのレコード変更を通知して埋もれる ── フィルタなしで全レコードの追加・更新を通知すると、1日に数十件が流れてチャンネルが「通知の壁」になります。対策は、Filter で「ステータスが変わったとき」「優先度が高いとき」など、意味のある変化だけに絞ること。通知は少なく、確実に読まれる粒度が正解です。

通知は「数」ではなく「読まれて行動につながるか」で評価します。最初は条件を厳しめに設定し、見落としが出るようなら少しずつ緩める運用が、結果的に長続きします。

次に、自動通知の活用イメージを具体的なシナリオで示します。

中小企業での活用シナリオ

例えば、従業員15名の製造業の会社を想定します。問い合わせ対応・在庫確認・日報を kintone のアプリで管理していますが、入力する担当者と確認する管理職が別のタイミングで動いており、「顧客からのクレームに気づくのが翌朝だった」という事故が過去にありました。

本レシピを導入すると、問い合わせ対応アプリで「区分 = クレーム」のレコードが登録された瞬間に #urgent チャンネルへ通知が飛び、担当者へのメンション付きで即座に共有されます。日報アプリの更新は緊急性が低いため、朝9時に前日分をまとめて通知する設計に分けることで、通知疲れも防げます。

導入前導入後
kintone の更新は担当者しか気づかない重要な更新は Slack へ即座に共有
クレーム対応の初動が翌日にずれ込むクレーム系だけ即時エスカレーション
全員が kintone を定期巡回 (重複作業)通知で必要な人に必要な情報だけ届く

このように、自動通知は「探しに行く kintone」から「届く kintone」へ運用を変えます。最後に、規約・運用面で気をつけるべき点を整理しておきます。

規約・運用上の注意

kintone のコースとAPIリクエスト上限を理解する

kintone のスタンダードコースは、1アプリあたり1日1万件のAPIリクエスト上限があります[出典]。Make.com の「Watch Records」による定期チェックもこの上限にカウントされるため、実行間隔を極端に短くしすぎるとアプリ規模によっては上限に近づく可能性があります。大規模運用では上限緩和オプションの検討も視野に入れてください。

Make.com の kintone 連携は「Legacy」表記に注意

本記事執筆時点で、Make.com の kintone 連携は公式サイト上で「Kintone (Legacy)」と表記されています[出典]。今後の仕様変更や後継モジュールへの移行が行われる可能性があるため、導入前に Make.com の公式ドキュメントで最新のモジュール構成を確認してください。

Slack の通知設計とチャンネル運用

Slack に大量の自動通知を流すと、ワークスペース全体の体験が悪化します。通知専用チャンネルを用意し、必要なメンバーだけが参加する設計にすると、関係ない人の集中を妨げません。Slack の API 利用やメッセージ投稿には利用規約があるため、大量送信時の制限は事前に確認してください。

個人情報・機密情報の取り扱い

kintone に顧客の個人情報や社内の機密情報を扱っている場合、その情報を Slack に転記する設計には注意が必要です。通知文に個人情報そのものを含めず「レコードへのリンクのみ」を送る設計にするか、アクセス権限を絞ったチャンネルに限定するなど、社内の情報管理ルールに沿った運用を確認してください。

規約・運用面の注意点を踏まえたうえで、最後によくある疑問を編集部が整理します。

よくある質問

Q1. Zapier ではなく Make.com を選ぶ理由は? Make.com は クレジットあたりの単価が安く、Router でのフロー分岐 (緊急度別の通知先切り替えなど) の自由度が高い という強みがあります。すでに Zapier で kintone 連携を組んでいる場合は無理に乗り換える必要はありませんが、これから通知系の自動化を複数組む予定であれば Make.com のコスト効率が有利です。

Q2. kintone の標準機能 (通知) だけで Slack 連携はできないの? kintone 標準の通知機能は kintone 内 (アプリ内通知・メール) が中心で、Slack への直接連携は標準機能に含まれません。Slack と連携するには、本記事のように Make.com や Zapier などの外部ツールを間に挟む必要があります。

Q3. 通知が多すぎてチームから不満が出たらどうすればいい? まず Make.com の Filter 条件を厳しくし、「優先度が高いとき」「ステータスが特定の値になったとき」だけに絞ります。それでも多い場合は、更新をまとめて1日1回配信する「ダイジェスト通知」に設計を切り替えるのも有効です。

Q4. 複数の kintone アプリを同時に通知対象にしたい場合は? アプリごとに別のシナリオ (Watch Records モジュール) を用意するのが基本です。1つのシナリオに複数アプリを混在させると条件分岐が複雑になり保守しづらいため、まず1アプリで型を作り、うまくいったらコピーして他アプリに横展開する進め方を編集部は推奨します。

出典・参考情報

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Mira / AI経営ラボ 編集長 本記事は 2026-07-18 時点の情報です。料金・機能は各社公式情報を最新でご確認ください。

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