Make.comでChatGPT連携 スプレッドシートのデータ分類を自動化
「スプレッドシートに問い合わせやアンケートが溜まるけれど、仕分けが追いつかない」── 小規模事業者に頻発する悩みです。Make.com と ChatGPT (OpenAI API) をつなげば、各行のテキストを読んで「クレーム/質問/要望」 などへ自動分類し、結果をシートに書き戻せます。本記事は60分で組める設計レシピです。
- スプレッドシートの各行のテキストを、ChatGPT が カテゴリへ自動分類 してシートに書き戻す
- ✅ 「未分類の行だけ」 を拾う設計で、同じ行を何度も処理せず費用を抑える
- 手作業の仕分けを編集部試算で 週約2時間削減、士業・EC・個人事業主向け
- Make の無料プラン (月1,000クレジット・¥0) と OpenAI の従量課金 (低コストモデルで月 数百円規模の試算) で始められる
- ProcessFlow と TimelineSteps の通り組めば、初日60分で稼働開始 (難易度 medium)
- 失敗パターン (分類のブレ、無限ループ課金、API キー漏れ) を編集部が事前整理
編集長の見解 ── データ分類の自動化で最初につまずくのは、「全行を毎回 AI に投げる」設計 です。これだと処理済みの行まで繰り返し ChatGPT に送られ、従量課金が無駄に膨らみます。本レシピは「分類列が空の行だけ」 を Make の Filter で絞り込み、結果を書き戻して二度処理しない設計を必ず入れます。スプレッドシートを「正本」 として使い続けながら、面倒な仕分けだけを AI に肩代わりさせる ── これが、月 数百円規模で回せる現実的なデータ分類の肝です。
なぜスプレッドシートの「手仕分け」は溜まるのか
スプレッドシートでの記録は手軽な一方で、「人が一行ずつ読んで分類しないと整理されない」 という弱点があります。問い合わせフォームやアンケートの回答が増えるほど、仕分けが後回しになり、対応の優先順位を見失いがちです。
| 課題 | 1件あたり所要 | 週の換算 (週100件) |
|---|---|---|
| 本文を読んで内容を把握 | 約40秒 | 週 約1.1時間 |
| カテゴリを判断して入力 | 約30秒 | 週 約0.8時間 |
| 緊急度・担当の振り分け | 約20秒 | 週 約0.6時間 |
| 合計 | 約90秒 | 週 約2.5時間 |
クラウドサービス (SaaS) の Make.com と ChatGPT を組み合わせると、最初の2工程 (内容把握とカテゴリ判断) を AI に任せられます。担当者が行うのは「自動分類された結果を眺めて、明らかな誤りだけ直す」 こと。週約2.5時間の仕分け作業が、編集部試算で週約0.5時間まで圧縮できます。
次のセクションでは、編集部が想定した全体の流れを ProcessFlow で示します。
完成形のフロー (ProcessFlow)
シート読み取り → 未分類行を抽出 → ChatGPT で分類 → 結果をシートへ書き戻し、までを自動化する設計図
このフローの肝は、ステップ02の「未分類の行だけ抽出」 と、ステップ04の「結果の書き戻し」 がセットになっている点です。次のセクションで、必要なツールとコストを整理します。
必要なツールと月額コストの目安
導入に必要なのは3つのサービスだけで、いずれも小規模事業者が用意できる範囲です。料金は変動するため、契約前に必ず各公式ページで最新の金額を確認してください。
| ツール | 役割 | コストの目安 (編集部調べ) |
|---|---|---|
| Make.com | 自動化の司令塔 (ノーコード) | 無料プランは月1,000クレジット・¥0。有料は Core が月 $9 から |
| OpenAI API (ChatGPT) | テキストの分類エンジン | 従量課金。低コストモデルで月 数百円規模の試算 (処理件数による) |
| Google スプレッドシート | データの保管・正本 | 個人 Google アカウントの無料枠で利用可 |
💡 編集部のコスト試算 ── OpenAI の低コストモデル「gpt-5.4-nano」 は入力 100万トークンあたり $0.20、出力 100万トークンあたり $1.25 です (2026年6月時点・公式価格ページ)。問い合わせ1件の分類はおおよそ数百トークンで収まるため、月1,000件処理しても API 費用は数百円規模に収まる、というのが編集部のシミュレーションです。Make 側も無料プランの月1,000クレジットで小規模なら足ります。
無料枠で始め、処理件数が増えてから有料プランへ上げる、という段階導入が現実的です。次は実際の設定手順を時系列で示します。
セットアップ手順 (TimelineSteps)
初日60分で稼働開始できる順序。シート準備 → OpenAI 接続 → Make シナリオ接続の3ブロック構成
手順の中で最も差がつくのが、ステップ00:35で ChatGPT に渡す指示文 (プロンプト) です。次のセクションで、誤分類を減らす書き方のコツを共有します。
ChatGPT へ渡すプロンプトのコツ
分類のブレを抑えるには、AI に「選択肢を固定して、その中から1つだけ選ばせる」 のが鉄則です。自由記述させると表記がばらつき、後の集計が難しくなります。
- カテゴリを列挙する: 「クレーム / 質問 / 要望 / その他 のいずれか1語で答えて」 と候補を限定する
- 余計な説明を禁止する: 「理由や前置きは不要。カテゴリ名のみ返答」 と明記する
- 判断材料を渡す: 本文に加えて、必要なら件名や送信者属性も一緒に渡す
- 迷ったときの逃げ道を作る: どれにも当てはまらない場合は「その他」 と答えるよう指示する
編集部メモ ── 分類結果の精度に不安があるうちは、「分類」 列の隣に「確信度 (高/中/低)」 も同時に返させる方法が有効です。確信度が「低」 の行だけ人が重点確認すれば、全件を見直す手間なく品質を担保できます。完璧な自動化を狙うより、人と AI の役割分担を先に決めるのが成功の近道です。
応用として、分類だけでなく「緊急度の判定」 や「短い要約の生成」 を同じシナリオに追加することもできます。同じ仕組みを問い合わせメールに広げたい場合は、Make.com×ChatGPT カスタマーサポート自動返信 も参考になります。次は導入前後の変化を整理します。
導入前後の変化 (編集部の試算)
- 仕分け工数: 週 約2.5時間
- カテゴリ表記のブレ: 人により発生
- 緊急案件の発見: 見落としあり
- 集計のしやすさ: 都度手作業
- 仕分け工数: 週 約0.5時間 (-2.0h)
- カテゴリ表記のブレ: 統一 (候補固定)
- 緊急案件の発見: 分類列で即座に抽出
- 集計のしやすさ: フィルタで即集計
週 約2時間削減 = 時給 ¥2,000 換算で週 ¥4,000、月 約¥16,000 の人件費圧縮 + 緊急案件の取りこぼし低減
数値はあくまで編集部のシミュレーションであり、処理件数や本文の長さで増減します。とはいえ「人が読んで仕分けする時間」 をまるごと減らせる効果は、件数が多い事業者ほど大きくなります。次に、導入時に必ず押さえたい失敗パターンを挙げます。
編集部の警告: つまずきやすい3つの罠
⚠️ 罠1: 無限ループで API 費用が膨らむ ── 「未分類の行だけ」 の Filter を入れ忘れると、毎回全行が ChatGPT に送られ、従量課金が想定外に膨らみます。必ず「分類列が空」 の条件で絞り、処理後は結果を書き戻して二度処理させない設計にしてください。
⚠️ 罠2: API キーの漏えい ── OpenAI の API キーは、Make の接続設定の中だけに保存します。スプレッドシートのセルや記事・スクリーンショットに貼ると、第三者に使われて課金される恐れがあります。万一公開してしまったら、すぐにキーを無効化して再発行してください。
⚠️ 罠3: 分類カテゴリが想定外に増える ── プロンプトで候補を固定しないと、AI が「苦情」「クレーム」「不満」 など似た言葉を別々に返し、集計が崩れます。候補を列挙し「この中の1語だけで答えて」 と指示し、想定外の語が混じったら人が直す運用にしましょう。
これらは設計段階で防げるものばかりです。同じ Make を使った別レシピは Make.comでスプレッドシート更新→LINE自動通知 も合わせてご覧ください。最後によくある質問に答えます。
よくある質問
Q. プログラミングの知識は必要ですか? いいえ。Make.com はノーコードで、モジュールを線でつなぐ操作が中心です。難しいのは「分類列が空の行だけ流す」 という条件設定くらいで、本記事の手順通りに進めれば組めます。
Q. ChatGPT の Plus 契約 (月額) が必要ですか? いいえ。今回使うのは Web 版の ChatGPT ではなく OpenAI の API です。API は使った分だけの従量課金で、月額固定の Plus 契約とは別物です。少量なら月 数百円規模で済みます。
Q. 分類が間違っていたらどうなりますか? 分類結果はシートの列に残るので、人がいつでも上書き修正できます。確信度を一緒に返させて「低」 の行だけ確認する運用にすれば、全件チェックの手間なく品質を保てます。社内ツールへの連携例は Make.comでスプレッドシート→Slack通知 も参考になります。
💡 はじめ方 ── まずは Make の無料プランで小さく試すのがおすすめです。手元の問い合わせシートを10件ほど用意し、本記事の手順で分類が回るかを確認してから、件数を増やしていきましょう。
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出典・参考情報
- Make 公式 料金ページ: https://www.make.com/en/pricing
- OpenAI API 公式 価格ページ: https://developers.openai.com/api/docs/pricing
Mira / AI経営ラボ 編集長
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