Make.comでWooCommerce注文→LINE自動通知 EC事業者の対応を即時化
業種: EC・ネットショップ運営 (WooCommerce で自社通販を運営する小売・製造・食品事業者) — 中小企業・個人事業主
使用ツール: Make.com
難易度: ★☆☆ 易
所要時間: 約 60 分
「注文が入ったのに気づかず、出荷が半日遅れた」── WooCommerce で通販を運営する小規模 EC 事業者に頻発する悩みです。Make.com を介して新規注文が入った瞬間に店長の LINE へ自動通知すれば、メール確認の手間なく即座に出荷判断へ移れます。本記事は編集部が実装した60分セットアップのレシピです。
- WooCommerce で 新規注文が確定した瞬間 だけ店長の LINE へ自動通知
- 注文番号・商品名・金額・配送先を LINE メッセージに自動整形 して送信
- メール受信箱の確認作業を編集部試算で 月 約4時間圧縮、EC事業者・個人通販向け
- Make Free プラン (月1,000オペレーション・¥0) で月100-150件規模の注文通知までまかなえる試算
- TimelineSteps の通り組めば、初日60分で稼働開始 (難易度 easy)
- 失敗パターン (Webhook 二重発火、LINE トークン失効、テスト注文の本番混入) を編集部が事前整理
編集長の見解 ── EC運営で最も機会損失が大きいのは「注文に気づくのが遅れること」です。多くの小規模ショップは注文確認をメールに依存していますが、メールは他の通知に埋もれ、確認が後回しになりがちです。本レシピは WooCommerce の Webhook (出来事を外部へ即時通知する仕組み) を起点に、注文確定の瞬間を LINE という「必ず見る場所」へ届ける半自動構成です。LINE は EC事業者本人が日常的に開くため、メール確認の遅延を構造的に潰せます。月¥0 (Free 枠) から始められるので、利益率の薄い小規模通販でも導入をためらわせない設計に仕上げました。
なぜ「注文確認」がメールでは遅れるのか
WooCommerce はデフォルトで注文時に管理者宛メールを送りますが、メールは確認が後回しになる 構造的な弱点を持っています。メルマガ・問い合わせ・各種通知に紛れ、注文メールだけを即座に拾うのは現実には難しいものです。
| 課題 | 1件あたり所要 | 月50件で換算 |
|---|---|---|
| 注文メールを受信箱から探す | 約3分 | 月 約 2.5 時間 |
| 注文内容 (商品・数量・住所) を確認 | 約2分 | 月 約 1.7 時間 |
| 出荷可否を在庫と照合して判断 | 約3分 | 月 約 2.5 時間 |
| 確認漏れによる出荷遅延の再対応 | 約10分 × 月3件 | 月 約 0.5 時間 |
| 合計 (月50件想定) | 約8分/件平均 | 月 約 7.2 時間 |
このうち 「注文に気づく」 と 「内容を確認する」 は機械化できる領域で、合計の約 6 割を占めます。Make.com で「新規注文が入った瞬間に LINE へ整形通知」 する仕組みに切り替えるだけで、編集部試算で 月 約4時間 の確認工数が戻ってきます。
時給¥2,500 の店長換算なら月¥10,000、年間¥120,000 規模の人件費圧縮に相当します。Make Free 枠 (¥0) で組めば投資回収はそもそも発生しない構造です。
続いて、編集部が実装した全体像を ProcessFlow で示します。
完成形のフロー (ProcessFlow)
WooCommerce の新規注文 Webhook → Make で受信 → メッセージ整形 → LINE へ通知、までを自動制御
ポイントは Step 03 で「支払い済み (processing)」 ステータスに絞り込む ことです。WooCommerce は「保留中」 や「キャンセル」 でも Webhook を発火させるため、ここで絞らないと未決済の注文まで通知が飛び、かえって判断を鈍らせます。
次セクションでは、このフローを動かす最低限のツール構成を整理します。
必要なツール (EC事業者向け最小構成)
| ツール | プラン | 月額 (税別) | 役割 |
|---|---|---|---|
| Make.com | Free (月1,000 オペレーション) | ¥0 | フロー全体の制御 (上位プラン: Core 約¥1,500) |
| WooCommerce | WordPress プラグイン | ¥0 | 既存の自社 EC サイト・注文発生源 |
| LINE Developers (Messaging API) | フリープラン | ¥0 | 店長・店舗グループへのプッシュ通知 |
| WordPress (サーバー込み) | 既存環境 | 既存運用費 | WooCommerce の稼働基盤 |
合計: 月 ¥0 (既存の WooCommerce 環境 + Make Free 枠 + LINE Messaging API 無料枠で完結)。LINE Messaging API は無料プランで月200通まで プッシュ送信できるため、月150件規模の注文通知までは追加費用が発生しません。
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オペレーション消費の試算: 1 件の注文通知あたり Make モジュール 3-4 個 (Webhook 受信 / Filter / メッセージ整形 / LINE 送信) を通過します。月50件で 150-200 オペレーション、月100件で 300-400 オペレーション となり、Free 枠 (1,000 オペレーション) の範囲に十分収まります。
編集部の判断: 月の注文が150件を超え、LINE 無料枠 (月200通) に近づいてきたら、LINE 公式アカウントの有料プラン (コミュニケーションプラン) か Make Core プラン (約¥1,500) への切り替えを検討する段階です。
💡 Make の「オペレーション」 とは
1 つのモジュールが 1 回実行されると 1 オペレーションを消費する仕組みです。本レシピは 1 件あたり 3-4 オペレーションなので、月1,000 オペレーション枠 = 月 約 250-330 件の通知上限と覚えておくと見通しが立ちます。詳細は Make.com Pricing を参照してください。
続いて、実装手順を TimelineSteps で示します。
設定手順 (約60分)
Step 1: LINE Developers でチャネル作成 (10分)
LINE Developers コンソール にログインし、以下を順に作成します。
- 新規プロバイダー を作成 (例:
MiraQuill Shop) - Messaging API チャネル を新規作成し、店舗名・業種を入力
- Messaging API 設定タブ → チャネルアクセストークン (長期) を発行してメモ
- 自分のスマホで作成した公式アカウントを友だち追加し、Webhook 経由で userId を取得 (後述のテストで確認可能)
チャネルアクセストークンは 発行後に再表示できる ものの、外部に漏れると第三者が店舗アカウントから任意のメッセージを送れてしまいます。パスワード管理ツール (1Password / Bitwarden 等) に必ず控えてください。
Step 2: Make で Custom Webhook を作成 (10分)
Make.com にログインし、新規シナリオを作成します。
- 最初のモジュールに Webhooks → Custom webhook を選択
- Add で新規 Webhook を作成し、名前を入力 (例:
woocommerce-order) - 生成された Webhook URL をコピーしてメモ
- この時点で Make は「Listening (待ち受け)」 状態になります
この URL が WooCommerce からの注文データを受け取る口になります。URL 自体が認証キーを兼ねるため、SNS や公開メモに貼らないよう注意してください。
Step 3: WooCommerce で Webhook を設定 (15分)
WordPress 管理画面で WooCommerce → 設定 → 詳細設定 → Webhook を開き、新規追加 します。
| 設定項目 | 入力値 |
|---|---|
| 名前 | LINE 注文通知 (任意) |
| ステータス | 有効 |
| トピック | 注文作成 (Order created) |
| 配信 URL | Step 2 でコピーした Make の Webhook URL |
| シークレット | 任意 (空欄でも可、設定すると署名検証が可能) |
| API バージョン | WP REST API Integration v3 |
保存すると WooCommerce が テスト用の ping を 1 回送信 します。Make 側が「Successfully determined」 と表示されれば接続成立です。WooCommerce の Webhook 機能は 公式ドキュメント (Webhooks) に詳しい解説があります。
Step 4: ステータス絞り込みフィルタを追加 (10分)
Webhook モジュールの右側にカーソルを合わせ、Set up a filter を選択します。
- Condition に注文データの
statusフィールドをマッピング - 演算子を Equal to に設定
- 値に
processing(支払い済み) を入力
これで「支払いが完了した注文」 だけが後段に流れます。WooCommerce のステータスには pending (支払い待ち)・on-hold (保留)・cancelled (キャンセル) などがあり、絞り込まないと未決済の注文まで LINE に飛んで判断を鈍らせます。
代金引換や銀行振込を扱う場合は、processing に加えて on-hold も通過させる設計に変えると、入金前の受注も把握できます。自店の決済方法に合わせて調整してください。
Step 5: メッセージ整形と LINE 送信モジュール接続 (10分)
LINE → Send a push message モジュールを追加します。
- Connection を新規作成し、Step 1 のチャネルアクセストークンを登録
- To (userId) に通知先の userId を入力
- Messages → Text に以下のような文面を、Webhook の値を差し込みながら組み立てます
🛒 新規注文が入りました
注文番号: {{注文ID}}
注文者: {{請求先氏名}}
商品: {{商品名}} × {{数量}}
合計: ¥{{合計金額}}
配送先: {{配送先住所}}
管理画面で確認 →
{{注文編集URL}}
{{ }} の部分は Make の画面上で WooCommerce Webhook が渡す実際のフィールド (id・billing.first_name・line_items[].name・total など) をクリックして差し込みます。商品が複数の場合は Iterator モジュール で商品配列を展開してから整形すると、全商品を漏れなく列挙できます。
次セクションでは、導入前後で店長の動きがどう変わるかを示します。
導入前後の比較
- 注文メールが受信箱に埋もれ、確認が後回しになる
- 出荷可否の判断が半日〜1日遅れることがある
- 繁忙期は注文の見落としによるクレームが発生
- 外出中はPCを開くまで注文に気づけない
- 注文確定の瞬間にLINEへ即時通知が届く
- 商品・金額・住所が整形済みで即座に出荷判断できる
- 見落としが構造的に減り、出荷リードタイムが短縮
- スマホのLINEだけで外出先でも受注を把握
LINE は EC事業者本人が1日に何度も開くため、メールと違って通知が埋もれません。特に 個人で運営する小規模通販 では、店長がスマホ1台で受注を完結できる効果が大きいと編集部は評価します。
⚠️ 失敗パターン1: Webhook の二重発火
WooCommerce は注文の更新時にも Webhook を発火させる設定があります。「Order created」 だけでなく「Order updated」 も有効にしていると、1注文で複数回 LINE 通知が飛びます。トピックは「注文作成 (Order created)」 のみに絞ってください。
⚠️ 失敗パターン2: テスト注文の本番混入
動作確認のテスト注文をそのまま放置すると、売上集計や在庫数がずれます。確認後は WooCommerce 管理画面でテスト注文を必ず削除するか、クーポンで¥0注文を作ってから取り消してください。
⚠️ 失敗パターン3: LINE 無料枠の超過
LINE Messaging API のフリープランは月200通までです。注文件数がこれを超えると通知が届かなくなります。月150件を超えたら有料プランへの移行を前もって検討してください。
最後に、よくある質問を整理します。
よくある質問
Q. プログラミングの知識は必要ですか? A. 不要です。Make.com も WooCommerce の Webhook 設定も、いずれも画面上のクリックとフィールドの差し込みで完結します。コードを書く工程はありません。
Q. LINE ではなく Slack や Chatwork に通知できますか? A. 可能です。Step 5 の LINE モジュールを Slack や Chatwork のモジュールに差し替えるだけで、ほぼ同じ構成が組めます。Slack 連携の応用は ChatGPT 自動サポートのレシピ も参考になります。
Q. 注文後の問い合わせ対応も自動化できますか? A. 別レシピになりますが、LINE での顧客対応自動化は LINE カスタマーサポート自動化 で扱っています。受注通知と合わせて検討すると効果的です。
Q. Shopify を使っている場合は? A. WooCommerce ではなく Shopify をお使いなら、Make.com で Shopify 注文を LINE 通知するレシピ をご覧ください。また受注全体の自動処理は EC注文の自動処理レシピ も参考になります。
出典・参考情報
本記事の月額費用・工数試算は編集部のシミュレーションに基づく目安であり、実際の費用・効果は運用条件により変動します。料金・無料枠は各サービスの公式情報を導入前にご確認ください。
Mira / AI経営ラボ 編集長
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