業務自動化

ZapierでHubSpot新規リード→Mailchimp自動登録 マーケ工数を週2時間削減

BtoB / 士業 / SaaS / 制作会社 / コンサル の業務自動化レシピ
業種BtoB / 士業 / SaaS / 制作会社 / コンサル
ツールZapier
難易度★★☆ 中
設定時間約 70 分

HubSpot にリードは溜まっていくのに、メール配信は Mailchimp。多くの中小企業のマーケ担当者が、この 2 つのツールの間で「リストの手作業コピー」 を続けています。編集部は HubSpot → Zapier → Mailchimp のリード自動登録レシピを 70 分で組める手順に整理しました。新規リードが入った瞬間に Mailchimp へ登録・タグ付けされ、転記作業から解放されます。

想定読了 9 分 / 設定所要 70 分 / 月額目安 ¥0〜¥4,500

この記事のポイント

編集長の見解: HubSpot と Mailchimp を併用している中小企業は珍しくありません。問い合わせ管理は HubSpot の無料 CRM、メール配信は使い慣れた Mailchimp、という分担は合理的です。問題は「両者の間を人間が手で運んでいる」 ことです。新規リードが入るたびに CSV を書き出し、Mailchimp に取り込み、流入元のタグを手で付ける。この一連の作業を Zapier で自動化するだけで、マーケ担当者は週 2 時間を「配信内容の改善」 に振り向けられます。投資対効果 (ROI) の高い自動化の入口として、編集部が最初に勧めるレシピのひとつです。

このレシピで解決する 3 つの課題

問い合わせ管理と配信ツールを分けている企業の取材で、繰り返し挙がる「手作業のつなぎ目」 を編集部が整理しました。

よくある困りごと起きている事象このレシピでの解消方法
HubSpot から Mailchimp への移行が手作業週次で CSV を書き出して取り込み、その都度 30 分かかる新規リード作成時に Zapier が即座に Mailchimp へ登録
流入経路別のタグ付けができていない全リードを同じリストに入れ、出し分けができないHubSpot のフォーム名・流入元を見てタグを自動付与
二重登録・転記漏れが起きる手作業ゆえに登録忘れや重複が混入するメールアドレスをキーに「あれば更新、なければ追加」 で自動整理

これら 3 つを同じ自動化基盤でまとめて解消できるのが、本レシピの狙いです。

完成形 (フロー全体図)

HubSpot から Mailchimp 自動登録フロー
📥
01
HubSpot にリード
フォーム送信 / 手動登録で新規コンタクトが作成
02
Zapier トリガー
”New Contact” を受信し、メール・流入元を読み取る
🧮
03
流入元で分岐
フォーム名 / 流入元を見て付けるタグを判定
🏷️
04
Mailchimp 登録 + タグ
Audience に追加し source-web / source-event 等を付与
✉️
05
ウェルカム配信
Mailchimp の Customer Journey がタグを検知し自動配信
📈
06
経路別レポート
Mailchimp 上で流入元別の開封率・反応を可視化

新規リード作成から Mailchimp 登録・タグ付けまで 1 分以内

セクション要点: リード 1 件が約 1 分で Mailchimp に反映され、配信は Mailchimp 側の自動シナリオで起動します。次は必要なツールと月額コストです。

必要なツールと月額コスト

ツールプラン月額 (税抜目安)役割
ZapierStarter (Filter / Multi-step 利用のため推奨)約 ¥3,300 (USD$19.99 換算、年払い基準)自動化エンジン
HubSpotFree CRM (コンタクト管理は無料)¥0リード管理 (CRM)
MailchimpFree (連絡先 500 件まで) または Essentials¥0 〜 約 ¥1,150メール配信
編集部の推奨追加Mailchimp Essentials約 ¥1,150Customer Journey 自動配信のため

合計: 月 ¥3,300 〜 ¥4,500 程度 (Mailchimp を Free にすれば月 ¥3,300)。HubSpot は無料の CRM だけで本レシピは成立します。Mailchimp も連絡先が少ないうちは Free で回せますが、登録時の自動ウェルカム配信まで組むなら Essentials 以上が現実的です。

Zapier Starter 以上を推奨する理由

本レシピは「Filter (流入元での絞り込み)」 と「Multi-step Zap (HubSpot 受信 → 整形 → Mailchimp 登録)」 を使います。Zapier の無料プランは執筆時点で 2 ステップ Zap が中心で、複数ステップや Filter の利用に制約があります。実運用に組み込む前提なら Starter は事実上必要です。最新の料金体系・プラン名・タスク数は Zapier 公式 Pricing ページ でご確認ください。

Zapier タスク数の試算

Zapier はステップ実行 1 件 = 1 タスクとして月間消費を計上します。本レシピはリード 1 件あたり 2〜3 タスクを消費 (トリガー + 任意の整形 + Mailchimp 登録)。月 100 リードなら 200〜300 タスク、月 500 リードなら 1,000〜1,500 タスクです。Zapier Starter は購入時にタスク数を選ぶ構成のため、月間リード数に合わせて適切な段を選んでください。実数は Zapier の価格ページ を最新でご確認ください。

セクション要点: 月 ¥3,300 〜 ¥4,500、HubSpot は無料枠で十分。リード数が月 1,000 件を超えるならプラン見直しを推奨。次は Mailchimp 側のタグ設計です。

Mailchimp のタグ設計 (流入元で 4 種類)

Mailchimp の Audience に対し、Zapier から付けるタグは最初は 4 種類で足ります。流入元を起点に設計すると、後の配信の出し分けがそのまま組めます。複雑にしすぎると運用が破綻するため、まずはこの 4 つで始めるのが編集部の推奨です。

タグ名付与タイミング配信例
source-webWeb フォーム経由のリードサービス紹介の自動ウェルカム配信 (3 通)
source-event展示会・セミナー名簿からのリードイベント御礼 + 個別フォロー案内
source-referral紹介・既存顧客経由担当者からの個別連絡を優先
lead-hotHubSpot のリードステータスが「商談化」 相当配信頻度を下げ、営業担当に通知

タグは Mailchimp の Customer Journey (Essentials 以上の機能) と組み合わせると、付与された瞬間に該当する自動配信が走ります。これにより、マーケ担当者は「配信文面の作り込み」 に時間を割けます。

タグは増やさない、絞り込みで使う

Mailchimp はタグの組み合わせで Segment を作れます。例えば「source-web AND NOT lead-hot」 で「Web 経由でまだ商談化していない見込み客」 を抽出できます。タグを 20 種類に増やすのではなく、4〜6 種類の核となるタグを正確に維持し、配信時に組み合わせる発想に切り替えると運用が長持ちします。

セクション要点: タグは流入元起点の 4 種類が出発点。Customer Journey と組み合わせて自動配信を回す。次は 70 分でゼロから組み上げる手順です。

設定手順 (70 分の全体像)

HubSpot → Mailchimp 自動登録 構築フロー
Step 1
Mailchimp Audience とタグの初期化 (10 分)
Mailchimp に配信用 Audience を作成 (既存があれば流用)。前章の 4 タグ (source-web / source-event / source-referral / lead-hot) を空タグとして手動で 1 件ずつ作成しておきます。Merge Field に COMPANY (会社名) を追加しておくと、BtoB の配信で差し込みが使えて便利です。
Step 2
HubSpot 側のフォームとプロパティを確認 (5 分)
HubSpot の無料 CRM で、リードに付くプロパティ (メール・会社名・流入元 / Original source) を確認します。流入元で分岐させたい場合は、フォームごとに「リードソース」 のようなカスタムプロパティを用意しておくと、後の Zapier 分岐が楽になります。HubSpot ヘルプ: フォームの作成 を参照ください。
Step 3
Zapier アカウントを Starter プランで開設 (5 分)
Zapier にサインアップし、Starter プランへアップグレード。「My Apps」 から HubSpot と Mailchimp をそれぞれ OAuth 接続します。HubSpot 接続時はアカウントの認可画面で許可を与えるだけで完了します。
Step 4
Zap トリガー設定: 新規コンタクト (10 分)
Trigger を「HubSpot - New Contact」 に設定。テストデータを取得し、email firstname company hs_analytics_source (流入元) などのフィールドが読めることを確認します。流入元フィールドが「リードをどのタグに振り分けるか」 の判定材料になります。
Step 5
Filter で配信対象を絞り込む (10 分)
「Filter by Zapier」 ステップを追加し、メールアドレスが空でない・テスト用ドメインでない・配信許可 (オプトイン) があるリードのみ通すよう設定します。同意のないアドレスを Mailchimp に流さない ことは、配信規約・特定電子メール法の観点でも重要です。Filter は Starter 以上で利用可能です。
Step 6
Mailchimp に登録 + タグ付与 (10 分)
Action に「Mailchimp - Add/Update Subscriber」 を追加。Audience を指定し、メールアドレスに HubSpot の email、Merge Field に company を割当て。Tags には流入元に応じて source-web などを指定します。メールアドレスをキーに「あれば更新、なければ追加」 で動くため、二重登録が起きにくい設計です。
Step 7
流入元別タグの Paths (任意・10 分)
流入元で配信を完全に分けたい場合は「Paths by Zapier」 を追加し、Path A=Web フォーム、Path B=イベント、Path C=紹介、と分岐させ、それぞれ異なるタグを付与します。最初はシンプルに 1 タグでも十分なので、運用に慣れてから拡張するのが編集部の推奨です。
Step 8
本番テストと Customer Journey 起動 (10 分)
HubSpot にテスト用コンタクトを 2 件 (Web 経由 1 + イベント経由 1) 作成し、Mailchimp 側でタグ付きで登録されることを確認。Mailchimp の Customer Journey (タグ起点のウェルカム配信) を ON にすれば運用開始です。最初の 1 週間は Zapier の「Zap History」 を毎日確認し、エラー件数が 0 であることを見守ります。

アカウント準備から本番テストまで、70 分で組み上がる構成

本番投入前に「同意 (オプトイン) 」 の扱いを必ず確認

HubSpot にリードがいることと、メール配信に同意していることは別問題です。フォームで配信同意を取っていないリードを Mailchimp に流して一斉配信すると、特定電子メール法や Mailchimp の利用規約に抵触するおそれがあります。Filter ステップで「配信同意あり」 のリードのみ Mailchimp に登録 する設計を必ず入れてください。同意の取得状況は HubSpot のプロパティで管理するのが堅実です。

セクション要点: 70 分で組み上がり、テストコンタクト 2 件で検証完了。次は導入前後の効果を試算します。

導入前後の比較 (編集部の試算)

以下は 編集部のシミュレーション です。実際の効果はリード数・運用体制により変動します。

前提: 月間 120 件の新規リードがある中小 BtoB 企業 (制作会社) で、HubSpot から Mailchimp へのリスト移行とタグ整理に従来 週 2 時間を費やしていたケース。

手作業リスト移行 vs Zapier+Mailchimp 自動登録
Before (手作業で移行)
  • HubSpot から CSV 書き出し + Mailchimp 取り込み: 週 1 時間
  • 流入元別のタグ付け・リスト整理: 週 0.5 時間
  • 転記漏れ・重複の確認と修正: 週 0.3 時間
  • ウェルカム配信の都度送信: 週 0.2 時間
  • 合計: 週 約 2 時間
After (Zapier + Mailchimp)
  • リスト移行 (Zapier が自動登録): 週 0 時間
  • タグ付け (Zapier が自動付与): 週 0 時間
  • 重複確認 (メアド一致で自動整理): 週 0 時間
  • ウェルカム配信 (Customer Journey 自動): 週 0.1 時間 (文面調整のみ)
  • 合計: 週 約 0.1 時間

週 約 2 時間 (月 約 8 時間) の事務工数を削減。時給 ¥2,500 換算で月 ¥20,000 相当の人件費に相当します。Zapier Starter ¥3,300 + Mailchimp Essentials ¥1,150 を差し引いても、工数削減効果だけで投資回収できる試算です。

セクション要点: 月 約 8 時間の事務削減に加え、転記漏れによる機会損失も防げます。次は失敗パターンを 3 つ整理します。

編集部の警告 (よくある失敗パターン)

失敗パターン 1: 「同意のないリードを一斉配信して苦情」

HubSpot に入っている全リードが配信に同意しているわけではありません。名刺交換や問い合わせだけのリードを Mailchimp に流して一斉配信すると、迷惑メール扱いされ、Mailchimp のアカウント評価 (送信レピュテーション) も下がります。必ず Filter ステップで「配信同意あり」 のみ通す。同意管理を HubSpot のプロパティで一元化しておくのが安全です。

失敗パターン 2: 「Mailchimp Free のままで自動配信が動かない」

本レシピのタグはあくまで「Mailchimp 側で配信を起動するための信号」 です。Mailchimp Free プランは Customer Journey などの自動配信機能が制限されており、タグを付けても何も配信されないケースが頻発します。ウェルカム配信まで含めて運用するなら Essentials 以上に上げる。Free のままでも手動配信時のセグメント絞り込みには使えるので、フェーズに応じて選択してください。

失敗パターン 3: 「Zapier タスク数を見落として月末に止まる」

Zapier Starter は月のタスク数に上限があります (執筆時点でプラン選択時にタスク数を指定)。本レシピはリード 1 件で 2〜3 タスクを消費するため、リードが急増するとタスク枠を使い切る可能性があります。タスク超過で Zap が止まると、その間のリードが Mailchimp に登録されず、漏れが発生します。Zapier の「Task Usage」 を月初に必ず確認 し、規模拡大時は上位プランへの切替えを早めに判断してください。

セクション要点: 同意管理・Mailchimp プラン整合・タスク数監視の 3 点で運用は安定します。次は補助金活用の余地です。

補助金活用 (編集部の提案)

IT 導入補助金 2026 との組み合わせ

HubSpot・Mailchimp・Zapier は単独ではデジタル化基盤導入枠の登録ツールに該当しないケースもありますが、顧客管理 (CRM) やマーケ自動化 (MA) のパッケージ、EC・マーケ支援サービスとセットで申請 すれば補助対象になり得ます。詳しい申請ガイドライン (公募要領) の読み方や AI を使った申請準備の短縮は IT 導入補助金 2026 の解説記事 を参照ください。

編集部メモ: なぜ HubSpot + Mailchimp の併用が起きるのか

HubSpot は無料の CRM が強力で、問い合わせ・商談管理の最初の一歩として中小企業に広く使われています。一方でメール配信は、HubSpot 有料版を契約する前から Mailchimp を使い込んでいる企業が多い。結果として「リード管理は HubSpot、配信は Mailchimp」 という併用が自然発生します。本レシピはその現実的な構成を、人手を介さずつなぐものです。将来 HubSpot Marketing Hub に一本化する判断もあり得ますが、まずは併用のまま工数を削るのが投資対効果 (ROI) の高い選択だと編集部は見ています。

関連レシピと内部リンク

まとめ

HubSpot にリードを溜め、Mailchimp で配信する。この合理的な併用構成の弱点は「両者の間を人が手で運んでいる」 ことに尽きます。Zapier で HubSpot の新規コンタクトを Mailchimp に自動登録し、流入元でタグ付けする ことで、マーケ担当者は転記作業から解放され、配信内容の改善に集中できます。

月 ¥3,300 〜 ¥4,500 で、設定 70 分。週 約 2 時間の事務工数を削減し、転記漏れや二重登録も防げるレシピです。HubSpot で問い合わせを管理する中小 BtoB・士業・SaaS・制作会社には、最初に組むべき自動化のひとつと編集部は判断します。


出典・参考情報


よくある質問

Q. HubSpot と Mailchimp には公式の直接連携もあると聞きました。Zapier を挟む利点は?

編集部の答え: HubSpot のマーケットプレイスに Mailchimp 連携アプリは存在しますが、同期の方向やタグ付けロジックのカスタマイズに制約があります。Zapier を挟むと「配信同意の有無で絞り込む」「流入元でタグを出し分ける」「特定ドメインを除外する」 など細かなビジネスルールを自前で設計できます。最小構成の同期だけで足りるなら公式連携、配信戦略を作り込むなら Zapier、という棲み分けが編集部の見方です。

Q. HubSpot の有料版がなくても本レシピは使えますか?

編集部の答え: 使えます。本レシピで使う「New Contact」 トリガーや基本的なコンタクトプロパティは HubSpot の無料 CRM で取得できます。HubSpot Marketing Hub の有料機能 (高度なワークフローなど) は不要です。まずは HubSpot Free + Zapier Starter + Mailchimp Free で始め、配信規模が増えてから Mailchimp Essentials に上げる段階的導入が現実的です。

Q. リードが Mailchimp で配信停止 (購読解除) した場合、HubSpot 側はどうなりますか?

編集部の答え: 本レシピは HubSpot → Mailchimp の一方向の登録です。Mailchimp で購読解除した情報を HubSpot に戻したい場合は、逆方向の Zap (Mailchimp - Unsubscribe をトリガーに HubSpot のプロパティを更新) を別途組む必要があります。配信停止者に再度メールを送らないためにも、双方向の同意管理を整える設計を、運用が安定してから追加するのが堅実です。


本記事の数値・事例のうち、「編集部のシミュレーション」「編集部の提案」と明示された箇所は 編集部による試算・推論です。実際の効果は事業特性により変動します。事実関係 (機能・料金) は各社公式情報源を確認のうえご判断ください。

編集長 Mira / AI経営ラボ 本記事は 2026-06-17 時点の情報です。料金・機能は各社公式情報を最新でご確認ください。

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