ZapierでHubSpot新規リード→Mailchimp自動登録 マーケ工数を週2時間削減
HubSpot にリードは溜まっていくのに、メール配信は Mailchimp。多くの中小企業のマーケ担当者が、この 2 つのツールの間で「リストの手作業コピー」 を続けています。編集部は HubSpot → Zapier → Mailchimp のリード自動登録レシピを 70 分で組める手順に整理しました。新規リードが入った瞬間に Mailchimp へ登録・タグ付けされ、転記作業から解放されます。
この記事のポイント
- 解決する課題: HubSpot から Mailchimp へのリスト手動コピー、転記漏れ、流入経路別のタグ付け不足
- 使うツール: Zapier (Starter 以上推奨) + HubSpot (無料の顧客管理 (CRM) で可) + Mailchimp (Free〜Essentials)
- 所要時間: 初期設定 70 分、運用後はメンテ月 10 分
- 削減効果: 編集部の試算で週 約 2 時間 (リスト移行 + タグ整理) の事務工数を削減
- 対象: HubSpot で問い合わせを管理する 企業向け (BtoB) のクラウドサービス (SaaS)・士業・制作会社・コンサル
編集長の見解: HubSpot と Mailchimp を併用している中小企業は珍しくありません。問い合わせ管理は HubSpot の無料 CRM、メール配信は使い慣れた Mailchimp、という分担は合理的です。問題は「両者の間を人間が手で運んでいる」 ことです。新規リードが入るたびに CSV を書き出し、Mailchimp に取り込み、流入元のタグを手で付ける。この一連の作業を Zapier で自動化するだけで、マーケ担当者は週 2 時間を「配信内容の改善」 に振り向けられます。投資対効果 (ROI) の高い自動化の入口として、編集部が最初に勧めるレシピのひとつです。
このレシピで解決する 3 つの課題
問い合わせ管理と配信ツールを分けている企業の取材で、繰り返し挙がる「手作業のつなぎ目」 を編集部が整理しました。
| よくある困りごと | 起きている事象 | このレシピでの解消方法 |
|---|---|---|
| HubSpot から Mailchimp への移行が手作業 | 週次で CSV を書き出して取り込み、その都度 30 分かかる | 新規リード作成時に Zapier が即座に Mailchimp へ登録 |
| 流入経路別のタグ付けができていない | 全リードを同じリストに入れ、出し分けができない | HubSpot のフォーム名・流入元を見てタグを自動付与 |
| 二重登録・転記漏れが起きる | 手作業ゆえに登録忘れや重複が混入する | メールアドレスをキーに「あれば更新、なければ追加」 で自動整理 |
これら 3 つを同じ自動化基盤でまとめて解消できるのが、本レシピの狙いです。
完成形 (フロー全体図)
新規リード作成から Mailchimp 登録・タグ付けまで 1 分以内
セクション要点: リード 1 件が約 1 分で Mailchimp に反映され、配信は Mailchimp 側の自動シナリオで起動します。次は必要なツールと月額コストです。
必要なツールと月額コスト
| ツール | プラン | 月額 (税抜目安) | 役割 |
|---|---|---|---|
| Zapier | Starter (Filter / Multi-step 利用のため推奨) | 約 ¥3,300 (USD$19.99 換算、年払い基準) | 自動化エンジン |
| HubSpot | Free CRM (コンタクト管理は無料) | ¥0 | リード管理 (CRM) |
| Mailchimp | Free (連絡先 500 件まで) または Essentials | ¥0 〜 約 ¥1,150 | メール配信 |
| 編集部の推奨追加 | Mailchimp Essentials | 約 ¥1,150 | Customer Journey 自動配信のため |
合計: 月 ¥3,300 〜 ¥4,500 程度 (Mailchimp を Free にすれば月 ¥3,300)。HubSpot は無料の CRM だけで本レシピは成立します。Mailchimp も連絡先が少ないうちは Free で回せますが、登録時の自動ウェルカム配信まで組むなら Essentials 以上が現実的です。
Zapier Starter 以上を推奨する理由
本レシピは「Filter (流入元での絞り込み)」 と「Multi-step Zap (HubSpot 受信 → 整形 → Mailchimp 登録)」 を使います。Zapier の無料プランは執筆時点で 2 ステップ Zap が中心で、複数ステップや Filter の利用に制約があります。実運用に組み込む前提なら Starter は事実上必要です。最新の料金体系・プラン名・タスク数は Zapier 公式 Pricing ページ でご確認ください。
Zapier タスク数の試算
Zapier はステップ実行 1 件 = 1 タスクとして月間消費を計上します。本レシピはリード 1 件あたり 2〜3 タスクを消費 (トリガー + 任意の整形 + Mailchimp 登録)。月 100 リードなら 200〜300 タスク、月 500 リードなら 1,000〜1,500 タスクです。Zapier Starter は購入時にタスク数を選ぶ構成のため、月間リード数に合わせて適切な段を選んでください。実数は Zapier の価格ページ を最新でご確認ください。
セクション要点: 月 ¥3,300 〜 ¥4,500、HubSpot は無料枠で十分。リード数が月 1,000 件を超えるならプラン見直しを推奨。次は Mailchimp 側のタグ設計です。
Mailchimp のタグ設計 (流入元で 4 種類)
Mailchimp の Audience に対し、Zapier から付けるタグは最初は 4 種類で足ります。流入元を起点に設計すると、後の配信の出し分けがそのまま組めます。複雑にしすぎると運用が破綻するため、まずはこの 4 つで始めるのが編集部の推奨です。
| タグ名 | 付与タイミング | 配信例 |
|---|---|---|
source-web | Web フォーム経由のリード | サービス紹介の自動ウェルカム配信 (3 通) |
source-event | 展示会・セミナー名簿からのリード | イベント御礼 + 個別フォロー案内 |
source-referral | 紹介・既存顧客経由 | 担当者からの個別連絡を優先 |
lead-hot | HubSpot のリードステータスが「商談化」 相当 | 配信頻度を下げ、営業担当に通知 |
タグは Mailchimp の Customer Journey (Essentials 以上の機能) と組み合わせると、付与された瞬間に該当する自動配信が走ります。これにより、マーケ担当者は「配信文面の作り込み」 に時間を割けます。
タグは増やさない、絞り込みで使う
Mailchimp はタグの組み合わせで Segment を作れます。例えば「source-web AND NOT lead-hot」 で「Web 経由でまだ商談化していない見込み客」 を抽出できます。タグを 20 種類に増やすのではなく、4〜6 種類の核となるタグを正確に維持し、配信時に組み合わせる発想に切り替えると運用が長持ちします。
セクション要点: タグは流入元起点の 4 種類が出発点。Customer Journey と組み合わせて自動配信を回す。次は 70 分でゼロから組み上げる手順です。
設定手順 (70 分の全体像)
COMPANY (会社名) を追加しておくと、BtoB の配信で差し込みが使えて便利です。email firstname company hs_analytics_source (流入元) などのフィールドが読めることを確認します。流入元フィールドが「リードをどのタグに振り分けるか」 の判定材料になります。email、Merge Field に company を割当て。Tags には流入元に応じて source-web などを指定します。メールアドレスをキーに「あれば更新、なければ追加」 で動くため、二重登録が起きにくい設計です。アカウント準備から本番テストまで、70 分で組み上がる構成
本番投入前に「同意 (オプトイン) 」 の扱いを必ず確認
HubSpot にリードがいることと、メール配信に同意していることは別問題です。フォームで配信同意を取っていないリードを Mailchimp に流して一斉配信すると、特定電子メール法や Mailchimp の利用規約に抵触するおそれがあります。Filter ステップで「配信同意あり」 のリードのみ Mailchimp に登録 する設計を必ず入れてください。同意の取得状況は HubSpot のプロパティで管理するのが堅実です。
セクション要点: 70 分で組み上がり、テストコンタクト 2 件で検証完了。次は導入前後の効果を試算します。
導入前後の比較 (編集部の試算)
以下は 編集部のシミュレーション です。実際の効果はリード数・運用体制により変動します。
前提: 月間 120 件の新規リードがある中小 BtoB 企業 (制作会社) で、HubSpot から Mailchimp へのリスト移行とタグ整理に従来 週 2 時間を費やしていたケース。
- HubSpot から CSV 書き出し + Mailchimp 取り込み: 週 1 時間
- 流入元別のタグ付け・リスト整理: 週 0.5 時間
- 転記漏れ・重複の確認と修正: 週 0.3 時間
- ウェルカム配信の都度送信: 週 0.2 時間
- 合計: 週 約 2 時間
- リスト移行 (Zapier が自動登録): 週 0 時間
- タグ付け (Zapier が自動付与): 週 0 時間
- 重複確認 (メアド一致で自動整理): 週 0 時間
- ウェルカム配信 (Customer Journey 自動): 週 0.1 時間 (文面調整のみ)
- 合計: 週 約 0.1 時間
週 約 2 時間 (月 約 8 時間) の事務工数を削減。時給 ¥2,500 換算で月 ¥20,000 相当の人件費に相当します。Zapier Starter ¥3,300 + Mailchimp Essentials ¥1,150 を差し引いても、工数削減効果だけで投資回収できる試算です。
セクション要点: 月 約 8 時間の事務削減に加え、転記漏れによる機会損失も防げます。次は失敗パターンを 3 つ整理します。
編集部の警告 (よくある失敗パターン)
失敗パターン 1: 「同意のないリードを一斉配信して苦情」
HubSpot に入っている全リードが配信に同意しているわけではありません。名刺交換や問い合わせだけのリードを Mailchimp に流して一斉配信すると、迷惑メール扱いされ、Mailchimp のアカウント評価 (送信レピュテーション) も下がります。必ず Filter ステップで「配信同意あり」 のみ通す。同意管理を HubSpot のプロパティで一元化しておくのが安全です。
失敗パターン 2: 「Mailchimp Free のままで自動配信が動かない」
本レシピのタグはあくまで「Mailchimp 側で配信を起動するための信号」 です。Mailchimp Free プランは Customer Journey などの自動配信機能が制限されており、タグを付けても何も配信されないケースが頻発します。ウェルカム配信まで含めて運用するなら Essentials 以上に上げる。Free のままでも手動配信時のセグメント絞り込みには使えるので、フェーズに応じて選択してください。
失敗パターン 3: 「Zapier タスク数を見落として月末に止まる」
Zapier Starter は月のタスク数に上限があります (執筆時点でプラン選択時にタスク数を指定)。本レシピはリード 1 件で 2〜3 タスクを消費するため、リードが急増するとタスク枠を使い切る可能性があります。タスク超過で Zap が止まると、その間のリードが Mailchimp に登録されず、漏れが発生します。Zapier の「Task Usage」 を月初に必ず確認 し、規模拡大時は上位プランへの切替えを早めに判断してください。
セクション要点: 同意管理・Mailchimp プラン整合・タスク数監視の 3 点で運用は安定します。次は補助金活用の余地です。
補助金活用 (編集部の提案)
IT 導入補助金 2026 との組み合わせ
HubSpot・Mailchimp・Zapier は単独ではデジタル化基盤導入枠の登録ツールに該当しないケースもありますが、顧客管理 (CRM) やマーケ自動化 (MA) のパッケージ、EC・マーケ支援サービスとセットで申請 すれば補助対象になり得ます。詳しい申請ガイドライン (公募要領) の読み方や AI を使った申請準備の短縮は IT 導入補助金 2026 の解説記事 を参照ください。
編集部メモ: なぜ HubSpot + Mailchimp の併用が起きるのか
HubSpot は無料の CRM が強力で、問い合わせ・商談管理の最初の一歩として中小企業に広く使われています。一方でメール配信は、HubSpot 有料版を契約する前から Mailchimp を使い込んでいる企業が多い。結果として「リード管理は HubSpot、配信は Mailchimp」 という併用が自然発生します。本レシピはその現実的な構成を、人手を介さずつなぐものです。将来 HubSpot Marketing Hub に一本化する判断もあり得ますが、まずは併用のまま工数を削るのが投資対効果 (ROI) の高い選択だと編集部は見ています。
関連レシピと内部リンク
- Zapier×Shopify→Mailchimp 自動タグ付けで EC のリピート率を底上げ
- Zapier×Stripe→Notion 自動同期で月次集計を 5 分化
- Zapier で Gmail から Notion タスクへ自動登録
- Zapier×freee で Amazon 注文から請求書発行を 30 秒に短縮
まとめ
HubSpot にリードを溜め、Mailchimp で配信する。この合理的な併用構成の弱点は「両者の間を人が手で運んでいる」 ことに尽きます。Zapier で HubSpot の新規コンタクトを Mailchimp に自動登録し、流入元でタグ付けする ことで、マーケ担当者は転記作業から解放され、配信内容の改善に集中できます。
月 ¥3,300 〜 ¥4,500 で、設定 70 分。週 約 2 時間の事務工数を削減し、転記漏れや二重登録も防げるレシピです。HubSpot で問い合わせを管理する中小 BtoB・士業・SaaS・制作会社には、最初に組むべき自動化のひとつと編集部は判断します。
出典・参考情報
- Zapier 公式 — https://zapier.com/
- Zapier × HubSpot インテグレーション — https://zapier.com/apps/hubspot/integrations
- Zapier × Mailchimp インテグレーション — https://zapier.com/apps/mailchimp/integrations
- Zapier 料金ページ — https://zapier.com/pricing
- HubSpot 公式 — https://www.hubspot.jp/
- HubSpot 料金ページ — https://www.hubspot.jp/pricing/crm
- Mailchimp 公式 — https://mailchimp.com/
- Mailchimp 料金ページ — https://mailchimp.com/pricing/marketing/
よくある質問
Q. HubSpot と Mailchimp には公式の直接連携もあると聞きました。Zapier を挟む利点は?
編集部の答え: HubSpot のマーケットプレイスに Mailchimp 連携アプリは存在しますが、同期の方向やタグ付けロジックのカスタマイズに制約があります。Zapier を挟むと「配信同意の有無で絞り込む」「流入元でタグを出し分ける」「特定ドメインを除外する」 など細かなビジネスルールを自前で設計できます。最小構成の同期だけで足りるなら公式連携、配信戦略を作り込むなら Zapier、という棲み分けが編集部の見方です。
Q. HubSpot の有料版がなくても本レシピは使えますか?
編集部の答え: 使えます。本レシピで使う「New Contact」 トリガーや基本的なコンタクトプロパティは HubSpot の無料 CRM で取得できます。HubSpot Marketing Hub の有料機能 (高度なワークフローなど) は不要です。まずは HubSpot Free + Zapier Starter + Mailchimp Free で始め、配信規模が増えてから Mailchimp Essentials に上げる段階的導入が現実的です。
Q. リードが Mailchimp で配信停止 (購読解除) した場合、HubSpot 側はどうなりますか?
編集部の答え: 本レシピは HubSpot → Mailchimp の一方向の登録です。Mailchimp で購読解除した情報を HubSpot に戻したい場合は、逆方向の Zap (Mailchimp - Unsubscribe をトリガーに HubSpot のプロパティを更新) を別途組む必要があります。配信停止者に再度メールを送らないためにも、双方向の同意管理を整える設計を、運用が安定してから追加するのが堅実です。
本記事の数値・事例のうち、「編集部のシミュレーション」「編集部の提案」と明示された箇所は 編集部による試算・推論です。実際の効果は事業特性により変動します。事実関係 (機能・料金) は各社公式情報源を確認のうえご判断ください。
編集長 Mira / AI経営ラボ 本記事は 2026-06-17 時点の情報です。料金・機能は各社公式情報を最新でご確認ください。
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