業務自動化

ZapierでLINE WORKS→スプレッドシート自動記録 現場報告の転記を90%削減

現場作業・店舗・建設業・清掃・訪問サービス (LINE WORKS で日報・現場報告を運用する中小企業/個人事業主) の業務自動化レシピ
業種現場作業・店舗・建設業・清掃・訪問サービス (LINE WORKS で日報・現場報告を運用する中小企業/個人事業主)
ツールZapier
難易度★★☆ 中
設定時間約 100 分

現場スタッフが LINE WORKS のトークルームに送る日報を、担当者が目視で拾ってスプレッドシートに手入力する。この転記作業を、Zapier と LINE WORKS の Bot 機能を組み合わせて自動化する手順を編集部が整理しました。Zapier に LINE WORKS の公式連携アプリは存在しないため、Webhooks(ウェブフック、外部サービスへの通知の仕組み)を使う代替ルートで構築します。

想定読了 12 分 / 設定所要 約100 分 / 月額目安 ¥0〜3,000 (Zapier) + LINE WORKS 利用料

この記事のポイント

編集長の見解: LINE WORKS は現場に強いビジネスチャットとして中小企業に広く使われていますが、Zapier の連携アプリ一覧には LINE WORKS が公式には存在しません。だからといって自動化を諦める必要はなく、LINE WORKS が公式に提供している Bot API の Callback(トークルームでの出来事を外部に知らせる仕組み)と、Zapier の Webhooks(外部からの通知を受け取る窓口)を組み合わせれば、同じゴールに到達できます。少し遠回りに見える構成ですが、公式ドキュメントに沿った正攻法です。

なぜ「Zapier で LINE WORKS」は単純にできないのか

まず前提を正確に共有します。Zapier の公式アプリディレクトリ[出典: Zapier 公式 アプリディレクトリ]を編集部が確認したところ、2026 年 7 月時点で「LINE WORKS」という名称の公式連携アプリは見つかりませんでした。Zapier には一般消費者向け「LINE」関連の連携は存在しますが、法人向けビジネスチャットの LINE WORKS とは別サービスのため混同しないよう注意が必要です。

一方で LINE WORKS は、開発者向けに Bot API と Callback(コールバック、特定の出来事が起きたときに外部の URL へ知らせる仕組み)を公式に公開しています[出典: LINE WORKS Developers 公式]。トークルームでメッセージが送られると、LINE WORKS のメッセージサーバーが指定した URL に対して内容を HTTPS POST で送信してくれるため、この送信先を Zapier の Webhooks by Zapier(ウェブフックを受け取る Zapier 公式アプリ)に向ければ、公式連携アプリが無くても同じ自動化が組めます。

2 つのルートを比べると、構築の手間と得られる結果の違いが分かります。

比較項目公式連携アプリがある場合 (理想)本記事の代替構成 (Webhooks + Bot API)
構築のしやすさドラッグ&ドロップで完結Developer Console での Bot 作成が必要、やや手間
追加の技術知識ほぼ不要Webhook・API の基礎知識があると安心
実現できることメッセージ送信をトリガーに自動化同じくメッセージ送信をトリガーに自動化 (結果は同等)
公式サポートZapier がアプリとして保守LINE WORKS の Bot API 仕様変更に追従が必要

手間は増えますが、どちらも LINE WORKS 公式ドキュメントに沿った正規の方法である点は同じです。次のセクションで全体像を確認します。

完成形 (フロー全体図)

LINE WORKS 日報 → スプレッドシート 自動記録フロー
💬
01
現場スタッフが日報送信
LINE WORKS の日報トークルームに Bot 宛でメッセージ送信
📡
02
LINE WORKS Callback 発火
メッセージサーバーが登録済み URL に HTTPS POST を送信
🪝
03
Zapier Catch Hook 受信
Webhooks by Zapier がイベントデータを受け取る
🧹
04
Filter で絞り込み
メッセージ送信イベントだけを通過させる (参加・退出等は除外)
🧮
05
整形・担当者名変換
日時を日本時間に整形、ユーザー ID を担当者名に変換
📊
06
スプレッドシート追加
日報台帳に新規行を自動作成

トークルームへの送信からスプレッドシート記録まで数秒〜数十秒

LINE WORKS Bot API の仕様上、Callback は再送されません[出典: LINE WORKS Developers 公式]。Zapier 側が正常に 200 応答を返せる状態を保つことが前提になります。次は必要なツールと月額コストを見ていきましょう。

必要なツールと月額コスト

ツールプラン月額 (目安)役割
LINE WORKSフリー¥0 (30 人まで)Bot 作成・トークルーム運用。公式ページによると API 利用に制限がある[出典: LINE WORKS 公式 料金ページ]
LINE WORKSスタンダード¥450 / 人 (年払い)人数無制限、API 利用制限なし[出典: LINE WORKS 公式 料金ページ]
ZapierFree¥0Webhooks・Filter・Code いずれも利用不可、本レシピには不足
ZapierProfessional約 ¥3,000 ($19.99 / mo, 年払い, 750 タスクから)Webhooks by Zapier・Filter・複数ステップが利用可能[出典: Zapier 公式 料金ページ]
Google スプレッドシート無料¥0日報台帳・集計

合計: LINE WORKS フリー + Zapier Professional の組み合わせで月 約 ¥3,000 から運用可能です。ただし LINE WORKS フリープランは API 利用に制限があると公式ページに明記されているため[出典: LINE WORKS 公式]、Bot の稼働が不安定に感じる場合はスタンダードプラン (¥450/人・年払い) への移行を検討してください。1 ドル = 150 円換算 (2026 年 7 月時点の目安)。

編集部の節約 Tips: Zapier は Free プランに Webhooks が含まれないため、本レシピは実質的に Professional 以上が前提になります。すでに他の業務で Zapier Professional を契約済みの会社であれば、追加コストは LINE WORKS 側のプラン次第でほぼ ¥0 から始められます。

次のセクションで、実際の構築手順を順番に見ていきます。

設定手順 (約100 分)

Step 1
LINE WORKS Developer Console で Bot を作成 (15 分)

LINE WORKS Developer Console (developers.worksmobile.com) に管理者アカウントでログインし、新規 Bot を作成します。作成すると Bot IDBot Secret が発行されます[出典: LINE WORKS Developers 公式]。Bot Secret は Callback の署名検証に使う値なので、他の API キーと同様に外部に漏らさないよう管理します。

Step 2
日報用トークルームを作成し Bot を招待 (10 分)

現場スタッフ全員が参加する「日報」用のトークルームを LINE WORKS 上に作成し、Step 1 で作った Bot を招待します。運用ルールとして「日報はこのトークルームに送る」を周知し、雑談用のトークルームとは分離しておくと、次の Filter ステップがシンプルになります。

Step 3
Zapier で新規 Zap 作成 + Webhooks トリガー (10 分)

Zapier のダッシュボードで「Create Zap」をクリックし、トリガーで「Webhooks by Zapier → Catch Hook」を選択します[出典: Zapier 公式 Webhooks ページ]。生成された Catch Hook の URL をコピーしておきます。この URL は Step 4 で LINE WORKS 側に登録します。

Step 4
LINE WORKS Bot の Callback URL を設定 (15 分)

Developer Console の Bot 設定画面で、Callback URL に Step 3 の Zapier Catch Hook URL を登録します。もっとも簡単なのは Catch Hook URL をそのまま登録する方法ですが、この URL を知っている人なら誰でもデータを送信できてしまう点は理解しておく必要があります。

LINE WORKS は Callback リクエストに X-WORKS-Signature ヘッダーを付与し、Bot Secret を使った HMAC-SHA256 署名で送信元を検証できる仕組みを公式に提供しています[出典: LINE WORKS Developers 公式]。社外に公開しない社内トークルーム限定の運用であれば URL を秘匿する簡易運用でも実務上は成立しますが、より厳密に運用したい場合は、Google Apps Script の Web アプリなどで署名検証を行ってから Zapier の Catch Hook へ転送する中継構成にする方法もあります。この中継構成の実装は本記事の範囲を超えるため、必要な場合は別途検討してください。

Step 5
Filter by Zapier でメッセージイベントだけ通過させる (10 分)

「+ Add a Step」で「Filter by Zapier」を追加します。LINE WORKS の Callback は、メッセージ送信だけでなく Bot の参加・退出などのイベントも同じ URL に届く場合があるため[出典: LINE WORKS Developers 公式]、以下の条件で絞り込みます。

  • Field: type (Catch Hook が受け取った JSON の値)
  • 条件: (Text) Exactly matches
  • : message

これで日報 (テキストメッセージ) 以外のイベントは後続に進まなくなります。

Step 6
Formatter + Zapier Tables で日時整形・担当者名変換 (20 分)

LINE WORKS の Callback で届く日時 issuedTime は協定世界時 (UTC) 形式です[出典: LINE WORKS Developers 公式]。「Formatter by Zapier」の Date/Time 変換で日本時間に整形します。

  • Input: {{issuedTime}}
  • To Format: YYYY/MM/DD HH:mm
  • To Timezone: Asia/Tokyo

続けて、LINE WORKS の Callback には送信者の表示名ではなく userId (ユーザー固有の ID) しか含まれないため[出典: LINE WORKS Developers 公式]、Zapier Tables (旧 Lookup Table、事前に登録した対応表を Zap 内で検索できる Zapier 公式機能) を使って userId → 担当者名 の対応表を作っておきます。現場スタッフの人数分だけ事前に手入力で登録すれば、以降は自動でマッチングされます。

Step 7
Google スプレッドシートに行を追加 (20 分)

「+ Add a Step」で「Google Sheets → Create Spreadsheet Row」を選択し、以下をマッピングします。

  • 受信日時: Step 6 の日時整形結果
  • 担当者名: Step 6 の Zapier Tables 変換結果
  • 報告内容: {{content.text}} (LINE WORKS メッセージ本文)
  • トークルーム ID: {{source.channelId}} (複数の日報ルームを運用する場合の識別用)
  • ステータス: 固定値 “未確認”

「Test step」で実際にスプレッドシートへ 1 行追加されることを確認したら、Zap を「Publish」して有効化します。テスト送信は、Step 2 のトークルームから Bot 宛に実際にメッセージを送って行うのが確実です。

構築が終わったら、運用でつまずきやすいポイントを確認しておきましょう。

ビフォー・アフター (試算・前提条件を明示)

以下は編集部によるシミュレーションです。前提: 現場スタッフ 10 名が 1 日 1 件ずつ日報を LINE WORKS トークルームに送信し、担当者がそれを読んでスプレッドシートに転記している運用を想定しています。

現場日報 10 件/日 の転記・確認フロー
手動運用 (現状)
  • 日報の内容確認・転記: 1 件 3-5 分 × 10 件 = 1 日 30-50 分
  • 担当者名の記入: 手入力、表記ゆれが発生しやすい
  • 転記漏れリスク: 繁忙期は後回しになり当日中に反映されないことがある
  • 合計: 1 日 30-50 分 (月 20 営業日で 10-16.6 時間)
Zapier + LINE WORKS Bot 自動化後
  • スプレッドシート記録: メッセージ送信から数秒〜数十秒で自動記録
  • 担当者名の記入: Zapier Tables で自動変換、表記ゆれなし
  • 人の作業: 月末に内容を確認するのみ (1 件あたり 30 秒程度)
  • 合計: 1 日 5 分未満 (内容確認のみ、月 20 営業日で 1.6 時間程度)

編集部の試算では転記にかかる実務時間の約90%を削減 (前提: 日報 10 件/日、1 件あたり手動 3-5 分 → 自動化後は確認のみ 30 秒)

この試算はあくまで編集部が設定した前提条件に基づくシミュレーションです。日報の件数や 1 件あたりの入力時間は事業所によって異なるため、自社の実際の作業時間で置き換えて見積もり直すことをおすすめします。次のセクションでは、構築時によくある失敗パターンを紹介します。

失敗パターンと対策

失敗例 1: Zapier の Free プランでは Webhooks が使えないことに気づかず契約前に構築を試みる
Zapier Free プランは Webhooks・Filter・Code いずれも利用できません[出典: Zapier 公式]。本レシピを組む前に、必ず Professional 以上のプランへの加入が必要になることを確認してください。

失敗例 2: Catch Hook URL を社内チャットや資料に平文で貼ってしまう
Catch Hook の URL を知っていれば誰でもデータを送信できてしまうため、社内 Wiki やチャットにそのまま貼り付けるのは避けます。URL は API キーと同様に取り扱い、共有が必要な場合もパスワード管理ツール経由にするなど厳密に扱ってください。

失敗例 3: 日報以外のトークもすべて自動記録されてしまう
Bot を雑談用の全社トークルームに招待すると、日報以外のやり取りまで Callback で送信され、スプレッドシートが無関係な内容で埋まります。日報専用のトークルームを分離し、Step 5 の Filter でイベント種別も絞り込む二重の対策が安全です。

失敗例 4: LINE WORKS フリープランの API 制限で Bot の動作が不安定になる
LINE WORKS 公式の料金ページには、フリープランは API 利用に制限があると明記されています[出典: LINE WORKS 公式]。運用中に Callback が届かない・遅延するなどの不具合が続く場合は、スタンダードプラン以上への移行を検討してください。

これらは構築初期〜運用 1 ヶ月以内でぶつかりやすい定番のつまずきです。事前に把握しておくと、公開後のトラブル対応にかかる時間を減らせます。次は、この構成でよく聞かれる質問に答えます。

よくある質問

Q. Zapier に LINE WORKS の公式連携アプリが追加される予定はありますか?
A. 編集部が確認した時点 (2026 年 7 月) では、Zapier のアプリディレクトリに LINE WORKS の公式連携は見つかりませんでした。今後追加される可能性はありますが、現時点では本記事のような Webhooks + Bot API の組み合わせが現実的な選択肢です。導入前に Zapier のアプリ検索で最新状況を確認してください。

Q. LINE WORKS の代わりに Slack を使っている場合はどうすればいいですか?
A. Slack は Zapier の公式連携アプリが用意されており、本記事より簡単に構築できます。編集部の別記事「Slack 投稿→スプレッドシート自動ログ」で手順を紹介しています。

Q. 署名検証(Bot Secret を使った送信元確認)は必須ですか?
A. LINE WORKS 公式は署名検証の仕組みを提供していますが[出典: LINE WORKS Developers 公式]、社内限定のトークルームで Catch Hook URL を厳重に管理する運用であれば、まずは署名検証なしで始めて問題を感じてから強化する、という段階的な進め方でも実務上は成立します。取り扱う情報の機微度に応じて判断してください。

Q. 現場スタッフの人数が増えても対応できますか?
A. Zapier Tables の対応表 (userId → 担当者名) にスタッフを追加登録するだけで対応できます。ただし Zapier のタスク数上限 (プランごとに異なる) には注意し、日報の件数が増える見込みなら上位プランの検討もあわせて行ってください。

Q. 写真付きの日報も自動記録できますか?
A. LINE WORKS の Callback は画像などファイル付きメッセージの場合、テキストメッセージとは異なる形式で届きます。本記事はテキスト日報を前提にした手順のため、画像を扱う場合は別途 Content の形式を確認した追加の分岐が必要です。

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出典・参考情報


Mira / AI経営ラボ 編集長

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