業務自動化

ZapierでMailchimp配信結果→スプレッドシート集計 メルマガ分析を自動化

メルマガを運用する個人事業主・中小企業 (Mailchimp で定期配信し、開封率などを手で記録している小規模事業者) の業務自動化レシピ
業種メルマガを運用する個人事業主・中小企業 (Mailchimp で定期配信し、開封率などを手で記録している小規模事業者)
ツールZapier
難易度★☆☆ 易
設定時間約 60 分

「先月のメルマガ、開封率どうだったっけ?」 ── そのたびに Mailchimp の管理画面を開き、数字をスプレッドシートへ手で写していませんか。Zapier を使えば、配信が完了するたびに開封率・クリック率が Google スプレッドシートへ自動で1行追加されます。集計の手作業を編集部試算で月約2時間ぶん減らし、配信ごとの推移をひと目で追える分析シートが勝手に育ちます。本記事は60分で組めるセットアップ手順です。

読了時間 約9分 / 設定所要時間 約60分 / 月額固定費 ¥0〜2,800

編集長の見解 ── メルマガ運用でいちばん続かないのが「配信後の振り返り」です。開封率を毎回手で記録するのは地味で面倒で、3回目あたりで止まります。記録が途切れると「件名を変えたら開封率が上がったのか」という肝心の比較ができません。本レシピは、Mailchimp が配信を終えた瞬間に Zapier が数字を取り出し、Google スプレッドシートへ自動で1行積む設計です。スプレッドシートを分析の「正本」として育てながら、人は記録作業から解放される ── この役割分担が、月¥0 (各サービスの無料枠) で回せる現実的なメルマガ分析の土台になります。

なぜメルマガの「手作業集計」は続かないのか

メルマガ配信そのものは Mailchimp で完結しても、「結果を蓄積して比較する」工程は手作業に残りがちです。個人事業主や少人数の事業者が、配信のたびに管理画面を開き、数字をスプレッドシートへ写す ── この一手間が積み重なって、いつのまにか記録が止まります。

課題1配信あたり所要月の換算 (週1配信)
Mailchimp の管理画面を開いて数字を確認約5分月 約0.3時間
開封率・クリック率をシートへ転記約6分月 約0.4時間
件名や配信時間などのメモを残す約5分月 約0.3時間
過去配信と見比べて傾向を整理約15分月 約1.0時間

合計すると週1配信でも月約2時間。配信頻度が上がるほど負担は比例して増えます。しかも手作業は転記ミスや記録漏れを生み、せっかくの数字が分析に使えなくなることもあります。

次のセクションでは、この集計作業を Zapier がどう肩代わりするのか、全体像を図で示します。

自動化の全体像 ── Zapier が「橋渡し」する仕組み

今回の自動化は、3つの登場人物の役割分担で成り立ちます。Mailchimp が配信を担当し、Zapier が数字を運び、Google スプレッドシートが蓄積を担うという流れです。

メルマガ配信結果の自動集計フロー
📧
01
Mailchimp で配信
いつも通りメルマガを送信。配信が完了するとレポートが生成される
02
Zapier が検知
配信完了をトリガーに起動し、開封率・クリック率などを取得
📊
03
スプレッドシートへ追記
配信名・日付・開封率・クリック率を1行追加して蓄積

Mailchimp の配信完了をきっかけに、Zapier が数字を取り出して Google スプレッドシートへ自動追記します。

ポイントは、人が触る作業がひとつも増えないことです。これまで通り Mailchimp で配信ボタンを押すだけで、裏側で Zapier が動き、スプレッドシートに分析データが積み上がっていきます。

💡 編集部のヒント ── Zapier では、この「きっかけ → 処理 → 結果」の一連の流れを「Zap (ザップ)」と呼びます。今回作るのは、Mailchimp をきっかけ (トリガー) に、Google スプレッドシートへの追記を処理 (アクション) とする1本の Zap です。

導入の前後で作業がどう変わるかを、次のセクションで具体的に比較します。

導入前後で何が変わるか

手作業の集計と、Zapier による自動集計では、月あたりの負担とデータの質が大きく変わります。編集部のシミュレーションで整理しました。

メルマガ集計の月間工数 (週1配信を想定)
導入前 (手作業で集計)
  • 配信ごとに管理画面を確認 (5分)
  • 数字をシートへ転記 (6分)
  • メモと過去比較 (20分)
  • 記録漏れ・転記ミスが発生
  • 合計 月 約2時間 + データ欠損リスク
導入後 (Zapier で自動集計)
  • 配信ボタンを押すだけ
  • 数字は自動で1行追加
  • 過去配信が抜け漏れなく蓄積
  • 転記ミスゼロ
  • 合計 月 約0時間 (確認のみ)

編集部試算で月約2時間削減、かつデータの欠損リスクを解消

最大の効果は時間削減そのものよりも、**「記録が途切れない」**点にあります。手作業だと忙しい週はつい記録を飛ばしてしまいますが、自動化すれば全配信のデータが等しく蓄積されます。これにより「件名Aと件名Bでどちらが開封されたか」といった比較が、後からでも正確にできるようになります。

⚠️ 編集部の警告 (その1) ── 自動集計は「数字を貯める」ところまでが仕事です。貯めた数字を見て改善する判断は人の役割です。シートが育っても月1回は開いて推移を眺める習慣を作らないと、「きれいなデータがあるだけ」で終わります。自動化は分析の入り口であって、出口ではありません。

必要なツールと費用を、次のセクションで確認します。

必要なツールと費用

このレシピは、3つのサービスすべての無料枠だけでも始められます。配信頻度が少ない個人事業主なら追加費用ゼロで運用できる試算です。

ツール役割無料枠有料の目安
Zapier自動化の橋渡し月100タスク・Zap 5本まで有料は月額数十ドル〜 (公式料金ページ参照)
Mailchimpメルマガ配信連絡先500件まで等の無料プランあり規模に応じた有料プラン
Google スプレッドシートデータ蓄積個人 Google アカウントで無料Workspace は月額制

Zapier の無料枠は「月100タスク」が基準です。1配信で1タスクを消費するため、週1配信なら月4〜5タスクで、無料枠で十分まかなえます。Mailchimp と Google スプレッドシートも、小規模なメルマガ運用であれば無料枠で完結します。

💡 編集部のヒント ── 各サービスの料金体系は改定されることがあります。本記事の金額は執筆時点の目安です。導入前に Zapier 公式の料金ページMailchimp 公式の料金ページ で最新の条件を必ず確認してください。

ここまでで仕組みと費用が見えたところで、実際のセットアップ手順に進みます。

セットアップ手順 ── 60分で稼働させる

実際の設定は、Zapier の画面に沿って進めれば60分ほどで完了します。難易度は easy で、プログラミングの知識は不要です。

Zapier セットアップ手順 (所要 約60分)
STEP 1
3つのアカウントを用意 (約10分)
Zapier・Mailchimp・Google の各アカウントにログインできる状態にします。Zapier は無料プランで登録できます。
STEP 2
記録用シートを準備 (約10分)
Google スプレッドシートに新規シートを作り、1行目に「配信名・配信日・送信数・開封率・クリック率」などの見出しを並べておきます。
STEP 3
Zap のトリガーを設定 (約15分)
Zapier で新規 Zap を作成し、トリガーに Mailchimp を選びます。配信完了をきっかけにするイベントを指定し、Mailchimp アカウントを接続します。
STEP 4
アクションでシートへ追記 (約15分)
アクションに Google スプレッドシートの「行を追加」を選び、STEP 2 のシートを指定。各列に Mailchimp の項目 (開封率・クリック率など) を割り当てます。
STEP 5
テスト配信で動作確認 (約10分)
テスト用にメルマガを1通配信し、シートに正しく1行追加されるか確認します。問題なければ Zap を「オン」にして運用開始です。

設定で迷いやすいのは STEP 4 の「列の割り当て」です。Mailchimp 側の項目とスプレッドシートの列を1対1で正しく対応させないと、数字がズレて記録されます。テスト配信 (STEP 5) で必ず実際の数字を目視確認してください。

Zapier に無料登録する → ※ PR・アフィリエイトリンクを含みます

次のセクションでは、運用を始めてからつまずきやすい失敗パターンを整理します。

よくある失敗パターンと対策

編集部が想定する、つまずきやすいポイントを3つ挙げます。事前に知っておけば、ほとんどは設定段階で防げます。

⚠️ 編集部の警告 (その2) ── 「配信直後はレポートが揃っていない」問題。 開封率やクリック率は、配信した瞬間に確定するわけではありません。読者が開封・クリックするまで数字は伸び続けます。配信完了をトリガーにすると、記録される数字が「配信直後のごく初期値」になることがあります。一定時間後の集計値を残したい場合は、トリガーのタイミングや別の集計方法を検討してください。

⚠️ 編集部の警告 (その3) ── 無料枠のタスク超過。 Zapier の無料プランは月100タスクが上限です。今回の Zap だけなら問題ありませんが、他の Zap も併用していると合算で上限に達することがあります。上限を超えると Zap が止まり記録が抜けるため、配信本数が多い場合はタスク消費量を月初に確認する習慣をつけましょう。

失敗パターン原因対策
シートに何も追加されないZap がオフ / 接続切れZap の状態と各アカウント接続を確認
数字が別の列に入る列の割り当てミスSTEP 5 のテストで目視確認
途中から記録が止まる無料枠のタスク超過月初にタスク消費量を確認

これらは、いずれもテスト配信での確認と、月1回の見直しでカバーできます。仕組みを作って放置するのではなく、最初のひと月だけは動作を見守るのがおすすめです。

ここまでの内容を踏まえ、このレシピをどう活かすかを最後にまとめます。

このレシピが向いている事業者

最後に、どんな事業者にこの自動化が効くのかを整理します。**「メルマガを定期的に出しているが、振り返りが続かない」**という事業者にこそ価値があります。

逆に、メルマガをほとんど出していない事業者や、配信そのものをこれから始める段階の事業者には、まず配信を軌道に乗せるほうが先決です。集計の自動化は「配信が習慣になってから」が最も効きます。

メルマガと別の業務を連携させたい場合は、関連レシピも参考にしてください。問い合わせフォームからの登録を自動でメルマガ読者に追加する仕組みや、決済データと連携する仕組みも、同じ Zapier で組めます。

出典・参考情報

あわせて読みたい関連レシピ


Mira / AI経営ラボ 編集長

Zapier を無料で試す → ※ PR・アフィリエイトリンクを含みます