Make.comでShopify注文→LINE通知しEC顧客フォローを自動化するレシピ

EC・ネットショップ の業務自動化レシピ

業種: EC・ネットショップ

使用ツール: Make.com

難易度: ★★☆ 中

所要時間: 約 90 分

Shopifyの注文確認メールに気づくのが遅れ、発送やフォローが後手に回っていませんか。Make.comを使えば、注文発生の瞬間にLINEへ通知し、購入後のお礼・レビュー依頼・リピート促進まで自動で回せます。

読了目安 約7分 / 想定読者: 個人〜小規模ECショップの運営者

編集長の見解

ECの利益は「初回購入」ではなく「2回目以降の再購入」で決まります。注文通知の自動化はきっかけに過ぎず、本当の価値は購入後フォローを取りこぼさず回し続ける点にあります。Make.comはその仕組みを、人手をほぼ使わずに構築できる現実的な選択肢です。

このレシピで解決する課題

個人〜小規模のネットショップ運営で、地味に時間を奪う手作業を整理します。

  1. 注文の見落とし: メールに埋もれて新規注文への対応が遅れる
  2. 発送連絡: 発送のたびに手動でお礼・追跡番号を連絡
  3. レビュー依頼: 商品到着後の感想・口コミ依頼をつい忘れる
  4. リピート促進: 一度買った顧客への再購入の声掛けが回らない
  5. 在庫アラート: 売れ筋の在庫が少なくなっても気づくのが遅い

EC運営者1人あたり、これらの連絡・確認作業で月15〜25時間を費やすケースは珍しくありません。商品企画や仕入れに使うべき時間が、定型連絡に消えている状態です。Make.comはこの大半を自動化できます。

次のセクションでは、自動化した後に全体がどう流れるかを図で示します。

完成形(フロー図)

Shopify 注文・顧客フォロー 自動化フロー
🛒
01
Shopify 新規注文
注文発生をMake.comが検知
📲
02
LINE 即時通知
運営者のLINEへ注文内容を自動送信
📦
03
発送後お礼
追跡番号とお礼メッセージを顧客へ
04
レビュー依頼
到着想定の7日後にレビュー依頼を送信
🔄
05
再購入促進
30日後に未再購入の顧客へクーポン案内

新規注文の即時LINE通知から、発送後フォロー・レビュー依頼・再購入促進までMake.comが一気通貫で自動化

続いて、このフローを動かすために必要なツールと費用を整理します。

必要なツールと費用

このレシピは、ECショップ運営者が無理なく契約できる範囲のツールで完結します。

ツールプラン月額の目安編集部の評価
Make.comCore¥1,400前後自動化の中核、必須
ShopifyBasic 以上¥4,000前後〜既存契約を流用
LINE公式アカウントコミュニケーションプラン(無料)¥0〜顧客フォローの主役
Google スプレッドシート無料¥0顧客台帳として活用

合計の追加コストは、Shopifyを既に契約していれば月¥1,400前後から。LINE公式アカウントの無料枠(月200通まで)で小規模ECなら十分に始められます。

Make.comの料金が「クレジット」単位で表記される点には注意が必要です。次の表でステップごとの消費量を整理します。

シナリオ実行頻度1回あたりの目安消費月間目安
注文→LINE通知注文ごと約2〜3クレジット注文数×3
発送後お礼発送ごと約2〜3クレジット発送数×3
レビュー依頼(日次バッチ)1日1回対象件数に比例数百程度
再購入促進(日次バッチ)1日1回対象件数に比例数百程度

月の注文が300件規模でも、Coreプランの1万クレジット枠で多くの場合は収まります。Make.comでは2025年以降「オペレーション」を「クレジット」と呼称しており、AI以外のモジュールはおおむね1操作=1クレジットの換算です。

次は、実際に手を動かす90分の設定手順をタイムライン形式で示します。

90分セットアップ・タイムライン

Shopify×Make.com×LINE 0→稼働まで
0:00 - 0:15
LINE公式アカウントとMessaging APIの準備
LINE公式アカウントを開設し、LINE DevelopersでMessaging APIチャネルを作成。チャネルアクセストークンを発行して控えます。運営者本人への通知用には、自分のユーザーIDを取得しておきます。
0:15 - 0:25
Make.comアカウント開設と接続準備
make.comでCoreプランに登録。Connectionsに後述のShopifyとLINE(HTTPモジュール経由)を追加していきます。最初は無料プランで動作確認してから有料へ移行しても構いません。
0:25 - 0:35
Shopify接続の確立
Make.comのShopifyモジュールからShopifyストアを接続。Make.com公式のShopify連携ページに沿ってアクセス権を許可します。テスト注文を1件作っておくと、後の動作確認がスムーズです。
0:35 - 0:55
シナリオ#1 — 新規注文→運営者LINE通知
Trigger: Shopify「Watch Orders」(新規注文を監視) → Tools「Set Variables」で注文番号・商品名・金額・配送先を整形 → HTTPモジュールでLINE Messaging APIのpushエンドポイントを呼び、運営者へ通知。テスト注文で実際にLINEが届くか必ず確認します。
0:55 - 1:10
顧客台帳(Googleスプレッドシート)への記録
同じシナリオ内で Google Sheets「Add a Row」を追加し、注文日・顧客名・メール・商品・金額・LINE ID(取得できる場合)を1行ずつ記録。これが後続のレビュー依頼・再購入促進の対象リストになります。
1:10 - 1:25
シナリオ#2 — 発送後お礼 / レビュー依頼バッチ
Trigger: Make.com「Schedule」(毎日朝10時) → Google Sheetsで「発送済かつ7日経過、レビュー未依頼」の行を抽出 → Iteratorで1件ずつ処理 → LINEまたはメールでレビュー依頼を送信 → スプレッドシートに送信済フラグを書き戻し。バッチ処理なので消費量を見積もりやすい構造です。
1:25 - 1:35
シナリオ#3 — 30日後の再購入促進
Trigger:「Schedule」(毎日朝10時) → Google Sheetsで「最終購入30日前かつ以降の注文なし」の顧客を抽出 → クーポンコードを案内するLINE/メールを送信 → 送信履歴を記録。月1回程度の頻度設定にして、しつこさを避けるのが要点です。
1:35 - 1:40
エラーハンドラと監視の設定
各シナリオにError Handlerを追加し、失敗時はSlackやDiscordへ「[警告] シナリオ失敗、対象注文: xxx」を通知。自動リトライを最大3回に設定し、恒久的な失敗のみ人が確認する運用にします。

EC運営者が独力で組める90分手順 (コード不要、PCのブラウザ操作のみ)

設定が終わったら、導入前後でどれだけ業務が変わるかを編集部の試算で確認しましょう。

編集部のシミュレーション(期待効果の試算)

以下は編集部による試算です。実際の効果はショップの規模・商材・既存運用により変動します。

前提: 個人運営のECショップ1店、月の注文200件、初回購入後の再購入率25%(EC業界でよく語られる一般的な範囲)と想定します。

導入前後の業務指標 (編集部の試算)
Before (手動運用)
  • 注文確認・連絡: 月 10 時間
  • レビュー依頼: 月 3 時間 (頻度低)
  • 再購入の声掛け: 月 4 時間 (回らない)
  • 再購入率: 25%
After (Make.com 自動)
  • 注文確認・連絡: 月 2 時間 (-8h)
  • レビュー依頼: 0 時間 (自動)
  • 再購入の声掛け: 0 時間 (毎日自動)
  • 再購入率: 30-35% (+5-10pt)

月17時間削減 = 時給¥1,200換算で月¥20,400相当 + 再購入率向上で売上増(客単価¥5,000・月200件想定なら月+¥50,000〜100,000規模)

数字はあくまで目安ですが、削減できた時間を商品企画や広告改善に振り向けられる点が、自動化の本質的な価値です。

一方で、自動化には落とし穴もあります。次は編集部が実際に見てきた失敗パターンを共有します。

編集部の警告

失敗パターン1: 「LINE通知が多すぎて無視される」

全注文を即時LINEで通知すると、繁忙期に通知が埋もれてかえって見落とす原因になります。一定金額以上の注文や、初回顧客の注文だけに絞るなど、通知の優先度を設計しましょう。

失敗パターン2: 「LINE公式アカウントの配信通数制限を超える」

LINE公式アカウントの無料枠は月200通までです。顧客フォローを増やすと無料枠を超えるため、配信ボリュームを事前に試算し、有料プランへの移行判断をしておく必要があります。詳細はLINE公式アカウント料金プランを確認してください。

失敗パターン3: 「同意なしのメッセージ送信」

顧客の同意なくLINEやメールで販促を送ると、特定電子メール法や各プラットフォーム規約に抵触する恐れがあります。購入時に配信同意を取得し、配信停止の導線を必ず用意してください。

編集部のヒント: スモールスタートが安全

まずは「注文→運営者へのLINE通知」だけを作って数日運用し、慣れてから顧客向けフォローを足していくのが失敗しにくい進め方です。最初から全自動を狙わないことが、結果的に早道になります。

EC事業のDX投資には補助金が使える場合があります。次に活用の方向性を示します。

補助金活用(編集部の提案)

小規模事業者持続化補助金 / IT導入補助金

ECの販路開拓・業務効率化への投資は、小規模事業者持続化補助金IT導入補助金の対象になり得ます。Make.comの利用料・予約や顧客管理ツール・専門家への依頼費をまとめて申請できる可能性があります。詳細は持続化補助金の解説IT導入補助金の解説をご覧ください。

最後に、関連する自動化レシピと本記事のまとめを示します。

関連レシピ

まとめ

ECショップの注文対応と顧客フォローは、月¥1,400前後の投資で月15時間以上の削減 + 再購入率の底上げが現実的に狙えます。設定は約90分、コードは不要です。

重要なのは、自動化で生まれた時間を「次に何に使うか」です。商品開発・広告最適化・顧客対応の質に振り向けることで、自動化は単なる省力化を超えて売上の伸びに直結します。まずは注文通知のひとつから始めてみてください。

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出典・参考情報


よくある質問

Q. プログラミングの知識がなくても作れますか?

編集部の答え: 作れます。Make.comはブロックを線でつなぐ画面操作が中心で、コードは不要です。LINE通知部分だけはトークン設定が必要ですが、画面の指示に沿えば対応できます。

Q. LINE公式アカウントは無料のままで運用できますか?

編集部の答え: 月の配信が200通以内なら無料枠で運用できます。注文通知に加えて顧客フォローを増やすと超えやすいので、配信通数を試算したうえで有料プランへの移行を検討してください。

Q. Shopify以外のECカートでも使えますか?

編集部の答え: 考え方は同じです。BASEやSTORESなど他のカートでも、Webhookやメール連携を起点にすれば近いフローを組めます。本記事はShopifyを例にしていますが応用が利きます。

Q. 月¥1,400の投資で本当に元が取れますか?

編集部の答え: 取れる見込みが高いです。月17時間規模の削減だけでも人件費換算で十分に上回り、再購入率が数ポイント改善すれば売上面でも回収できます(いずれも編集部の試算)。


本記事の数値・事例のうち、「編集部のシミュレーション」「編集部の提案」と明示された箇所は編集部による試算・推論です。実際の効果は事業特性により変動します。事実関係(機能・料金)は各社公式情報源を確認のうえご判断ください。

編集長 Mira / AI経営ラボ 本記事は 2026-06-03 時点の情報です。料金・機能は各社公式情報を最新でご確認ください。

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Mira / AI経営ラボ 編集長

最終更新: 2026年6月3日 / 初出: 2026年6月3日