Zapier で Pipedrive→Slack 成約通知 営業共有を 60 分で自動化

企業向け営業 / クラウドサービス / 商社 / 製造業 / コンサル の業務自動化レシピ

業種: 企業向け営業 / クラウドサービス / 商社 / 製造業 / コンサル

使用ツール: Zapier

難易度: ★★☆ 中

所要時間: 約 60 分

商談が決まったのにチームへの共有が翌日の朝会まで遅れる、そんな営業チームに編集部は Pipedrive → Zapier → Slack の自動通知レシピを 60 分で組める手順に整理しました。成約・失注・ステージ変化が発生した瞬間、Slack の専用チャンネルに即座に流れます。

想定読了 8 分 / 設定所要 60 分 / 月額目安 ¥3,300〜¥4,800

この記事のポイント

編集長の見解: Pipedrive は営業案件の進行管理にとても向いた顧客管理ツール (CRM) ですが、ダッシュボードを「全員が常に見ている」 状態は現実的に作れません。Slack に「成約 / 失注 / ステージ進行」 の節目だけを流すことで、営業チーム全員が同じ温度感で動けるようになります。Zapier 1 つで実現できる、最も投資対効果 (ROI) の高い営業デジタル化の入口です。

このレシピで解決する 3 つの課題

B2B 営業の現場で繰り返される情報共有の停滞を、編集部のヒアリングから整理しました。

よくある困りごと起きている事象このレシピでの解消方法
成約の共有が翌朝の朝会まで遅れる営業担当が Pipedrive を更新するだけで、共有は口頭 / 個別連絡頼み商談 Won の瞬間に Slack 専用チャンネルへ自動投稿
「今月いくら決まった?」 を集計するのに半日営業ごとに Excel 報告書を手集計Slack の通知が時系列で残り、月末も全員が即座に把握
失注理由がチームに共有されず再発失注情報は本人の Pipedrive メモにしか残らないLost ステージ移行時に理由と金額を Slack に通知、ナレッジ化

これらをまとめて解消するのが「Pipedrive → Slack 自動通知」 です。

完成形 (フロー全体図)

Pipedrive から Slack 成約通知 自動化フロー
📊
01
Pipedrive 商談更新
営業担当が deal の stage を変更 / Won・Lost マーク
02
Zapier トリガー
”Updated Deal Stage” もしくは “Won / Lost Deal” を受信
🧪
03
フィルタ判定
金額閾値・商談タイプで通知要否を分岐
💬
04
Slack 通知 (成約)
#sales-wins に金額・顧客・担当を投稿
📝
05
Slack 通知 (失注)
#sales-lost に失注理由・金額を投稿
06
チーム全員が即時把握
月次集計が「Slack 履歴を見るだけ」 で完了する状態

商談ステータス変化から Slack 通知まで 1 分以内

セクション要点: 商談ステータス変化が 1 分以内に Slack へ届き、共有タイムラグはゼロに。次は必要なツールと月額コストを確認します。

必要なツールと月額コスト

ツールプラン月額役割
ZapierStarter (Filter / Multi-step 利用のため推奨)約 ¥3,300 (USD$19.99 換算)自動化エンジン
PipedriveEssential 以上約 ¥2,250 (USD$14 換算、ユーザー / 月)営業 CRM
SlackFree¥0通知先

合計: 月 ¥3,300 + Pipedrive ユーザー数 × ¥2,250 程度。Pipedrive は既に導入済みの前提なら、新規追加コストは Zapier の ¥3,300 のみです。Slack は Free プランで運用でき、過去 90 日分のメッセージ閲覧制限がありますが、本レシピは「リアルタイム通知」 が目的なので Free で十分です。最新の料金は Zapier 公式 Pricing ページ および Pipedrive 公式料金ページ でご確認ください。

Zapier Starter プランを推奨する理由

Pipedrive からは「ステージ変更」「Won」「Lost」 など複数のイベントが飛んできます。Filter ステップで「金額 100 万円以上のみ全社通知」 などの分岐を入れないと、テスト案件や小額案件まで通知が流れて Slack が騒がしくなります。Filter は Zapier Starter 以上の機能 (執筆時点) なので、業務利用なら Starter は事実上必須です。

セクション要点: 既に Pipedrive を使っていれば追加月 ¥3,300 のみ。次は Slack 通知の設計指針です。

Slack 通知チャンネルの設計ポイント

このレシピで作る Slack 通知は 2 チャンネル構成が基本です。混在させず分けることが、運用が長続きする鍵になります。

チャンネル通知内容投稿頻度の目安
#sales-wins成約 (Won) のみ — 金額・顧客名・担当・受注商品営業 10 名で月 30〜60 件
#sales-lost失注 (Lost) のみ — 失注理由・金額・競合・担当営業 10 名で月 20〜40 件

Won と Lost を 1 チャンネルに混在させると、「祝福」 と「振り返り」 の温度感が共存して読まれづらくなります。チャンネルを分けるだけで、Won には絵文字スタンプが活発につき、Lost には冷静なリプライがつく文化が醸成されます

Slack 投稿フォーマットを最初に揃える

Zapier の投稿テンプレで「絵文字 + 金額 + 顧客 + 担当 + ステージ前後」 を統一しておくと、後から月次レポートを Slack 検索だけで作れます。例: 「🎉 ¥1,500,000 / 株式会社サンプル / 担当: 田中 / Negotiation → Won」 の形式。検索キーワード「¥」 で当月の Won 一覧を即座に取得できます。

セクション要点: Won と Lost のチャンネル分離が運用の肝。投稿フォーマット統一で月次レポートを Slack 検索だけで作れる状態になります。次は 60 分でゼロから組み上げる手順です。

設定手順 (60 分の全体像)

Pipedrive → Slack 自動通知 構築フロー
Step 1
Slack に #sales-wins と #sales-lost を作成 (5 分)
通知先となる 2 つのチャンネルを Slack に作成し、営業チーム全員を招待。経営層が参加する場合は「閲覧のみ」 の運用ルールを Slack のチャンネル説明欄に明記しておきます。
Step 2
Pipedrive で通知対象のステージを再確認 (10 分)
Pipedrive ダッシュボードで現在の Pipeline を確認し、「どのステージへの移動を通知するか」 を決定。最小構成では Won / Lost のみで十分ですが、Negotiation 突入や金額 100 万円超の Proposal も Slack 通知対象にすると、上長のフォローが早まります。
Step 3
Zapier アカウントを Starter プランで開設 (5 分)
Zapier にサインアップし、Starter プランへアップグレード。「My Apps」 から Pipedrive と Slack をそれぞれ OAuth 接続します。Pipedrive は API トークン直貼りではなく OAuth 接続を選ぶのが推奨です。
Step 4
Zap を作成: 成約通知トリガー設定 (10 分)
Trigger を「Pipedrive - Updated Deal」 に設定し、サンプルデータを取得。status フィールドが won のときのみ通過するよう、続く Filter ステップで「Status exactly matches won」 を指定します。value currency person_id.name user_id.name が読めることを確認。
Step 5
Slack 通知ステップ追加 (#sales-wins) (10 分)
「Slack - Send Channel Message」 を追加し、Channel を #sales-wins に設定。投稿テンプレは 🎉 ¥{{value}} / {{org_name}} / 担当: {{user_name}} / ステージ: {{stage_name}} → Won の形式を推奨。Pipedrive の deal URL もリンクとして差し込むと、即座に詳細を確認できます。
Step 6
失注通知用の 2 つ目の Zap を作成 (10 分)
同じく「Pipedrive - Updated Deal」 をトリガーに、Filter ステップで「Status exactly matches lost」 を指定。Slack 投稿先を #sales-lost に切り替え、テンプレは 📝 ¥{{value}} / {{org_name}} / 担当: {{user_name}} / 失注理由: {{lost_reason}} の形式に。lost_reason フィールドの入力ルールを営業チームで事前に決めておくと、ナレッジ蓄積が一気に進みます。
Step 7
大口商談アラート用の 3 つ目の Zap (任意・5 分)
金額 100 万円超の商談が Negotiation ステージに入ったタイミングで上長へ通知する Zap を組むと、フォロー漏れが減ります。Trigger は同じく「Updated Deal」、Filter で「value greater than 1000000 AND stage equals Negotiation」 を指定。投稿先を #sales-leaders などの管理職向けチャンネルに分けるのが推奨です。
Step 8
本番テストと運用ルール周知 (5 分)
Pipedrive で実際にダミー商談を Won にし、Slack に通知が届くことを確認。問題なければ Zap を ON。最後に営業チームに「Won/Lost 更新は当日中に Pipedrive で実施」 という運用ルールを周知して完成です。

チャンネル作成から本番テストまで、60 分で組み上がる構成

運用ルールを最初に決める

Zapier の設定よりも、実は「営業担当が Pipedrive をリアルタイムに更新する」 文化作りが運用継続の最大の鍵です。週次の営業会議で「Slack の Won 通知が金曜まで 0 件 = Pipedrive 更新サボり」 のように可視化指標として使うと、自然に Pipedrive 更新の習慣がつきます。ツール導入だけでなく運用ルールを同時に設計してください。

セクション要点: 60 分で 2〜3 本の Zap を組み終え、テスト商談 1 件で検証できる構成。次は導入前後で何が変わるかを試算します。

導入前後の比較 (編集部の試算)

以下は 編集部のシミュレーション です。実際の効果は営業件数・チーム規模により変動します。

前提: 営業担当 10 名の企業向け (B2B) クラウドサービス (SaaS) スタートアップで、月間 Won 商談 40 件 + Lost 商談 30 件、現状は週次の営業会議で個別報告するのみのケース。

口頭・Excel 報告運用 vs Zapier+Slack 即時通知
Before (週次会議で口頭共有)
  • 営業マネージャーの月次集計作業: 月 4 時間
  • 営業会議での個別 Won/Lost 報告: 月 3 時間 (全員分)
  • Slack/メールでの個別共有 (本人発信): 月 2 時間 (チーム合計)
  • 失注理由のヒアリング・記録: 月 1.5 時間
  • 合計: 月 10.5 時間
After (Zapier + Slack)
  • 月次集計 (Slack 検索で即時): 月 0.3 時間
  • 営業会議 (集計時間不要、議論に集中): 月 0.5 時間
  • 個別共有 (Slack 通知で不要): 月 0 時間
  • 失注理由 (Pipedrive 必須項目化): 月 0.7 時間
  • 合計: 月 1.5 時間

月 9 時間削減 + 共有タイムラグの解消。営業マネージャー時給 ¥4,000 換算で月 ¥36,000 相当の機会コスト改善。Zapier Starter ¥3,300 を差し引いても ¥32,700 のプラスです。

セクション要点: 営業 10 名規模で月 9 時間前後の事務削減と、共有タイムラグの解消。次は失敗パターンを 3 つ整理します。

編集部の警告 (よくある失敗パターン)

失敗パターン 1: 「通知が多すぎて誰も読まなくなる」

初期設定で「全ステージ変更を通知」 してしまうと、1 日 50 件の通知が Slack に流れて誰も見なくなります。Won / Lost と大口商談 (金額閾値あり) のみに絞る のが原則。「通知は減らすほど読まれる」 が Slack 運用の鉄則です。さらに月次で「最近スタンプがつかなくなったチャンネル」 を確認し、不要通知は迷わず切ってください。

失敗パターン 2: 「営業担当が Pipedrive を更新しなくなる」

Slack 通知が「業務監視」 と受け取られると、営業担当は Pipedrive 更新を週末にまとめて行うようになり、リアルタイム性が失われます。通知の文面を「祝福」 寄りに揃え、上長は Won 投稿に必ず絵文字スタンプを付ける文化 を作ってください。心理的安全性を担保することで、Pipedrive の即時更新が自然に定着します。

失敗パターン 3: 「失注理由の自由記述で集計不能になる」

Pipedrive の lost_reason フィールドを自由記述にしていると、「価格」「予算」「コスト」 などの表記揺れで集計できなくなります。Pipedrive 側で「失注理由」 をプリセット選択肢化 (価格 / タイミング / 競合 / 機能不足 / 社内政治 など) し、Slack 通知でもその選択肢が表示される設計が、ナレッジ蓄積に直結します。

セクション要点: 通知の絞り込み・心理的安全性・失注理由のプリセット化、この 3 点を押さえれば運用は長続きします。次は補助金活用の可能性です。

補助金活用 (編集部の提案)

IT 導入補助金 2026 との組み合わせ

Pipedrive は IT 導入補助金 (デジタル化基盤導入枠) の登録ツールに該当するケースがあります。導入時に IT 導入支援事業者 (サービス提供企業) 経由で申請 すれば、Pipedrive 年間ライセンス費用の一部 (通常 1/2 以内、最大 350 万円) が補助対象となる可能性があります。詳しい申請ガイドライン (公募要領) の読み方は IT 導入補助金 2026 の解説記事 をご覧ください。

編集部メモ: なぜ Pipedrive が選ばれるか

HubSpot や Salesforce Sales Cloud といった他の顧客管理ツール (CRM) も Zapier 連携が可能ですが、Pipedrive は 「営業案件 (deal) のステージ管理に特化したシンプルさ」 が決め手です。Salesforce は機能豊富ですが中小企業には過剰、HubSpot はマーケティング寄り。営業 3〜30 名規模で「とにかく案件を前に進める」 ことに集中したい組織には、Pipedrive + Zapier + Slack の組み合わせが最も投資対効果が高いと編集部は判断します。

関連レシピと内部リンク

まとめ

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Pipedrive は中小企業の営業向け顧客管理ツール (CRM) として完成度が高い一方、ダッシュボードを全員が常時開いている状態は現実的に作れません。Zapier で Pipedrive の商談ステータス変化を Slack に自動通知する ことで、成約・失注・大口商談が発生した瞬間にチーム全員が同じ温度感で状況を共有できるようになります。

月 ¥3,300 程度で、設定 60 分。営業マネージャーの集計工数を月 9 時間圧縮し、共有タイムラグをゼロにできる、企業向け (B2B) 中小企業の営業デジタル化に最初に組むべき自動化です。営業 3〜30 名規模で Pipedrive を既に使っている事業者なら、来週には組み終わる構成と編集部は判断します。


出典・参考情報


よくある質問

Q. Pipedrive の Essential プランで Zapier 連携は使える?

編集部の答え: 使えます。Essential プランで API アクセスとサードパーティ連携が有効化されており、Zapier から OAuth 接続できます。最新の制限は Pipedrive 公式料金ページ でご確認ください。

Q. Slack を Free プランで運用して問題ないか?

編集部の答え: 本レシピは「リアルタイム通知」 が目的なので Free プランで十分です。Free プランの「過去 90 日分しか閲覧できない」 制限が気になる場合のみ Pro プラン (ユーザー / 月 ¥925 程度) を検討してください。月次集計を Slack 検索で行う運用なら 90 日で実害はほぼ出ません。

Q. Salesforce や HubSpot でも同じ仕組みは作れる?

編集部の答え: 作れます。Zapier は Salesforce / HubSpot 両方に対応しており、トリガー名 (Updated Opportunity / Updated Deal Stage) が変わるだけでレシピの構造は同一です。中小企業で「とにかく簡単に組みたい」 場合は Pipedrive、エンタープライズ機能が要る場合は Salesforce、マーケティング統合まで含めるなら HubSpot、の使い分けが現実解です。


本記事の数値・事例のうち、「編集部のシミュレーション」「編集部の提案」と明示された箇所は 編集部による試算・推論です。実際の効果は事業特性により変動します。事実関係 (機能・料金) は各社公式情報源を確認のうえご判断ください。

編集長 Mira / AI経営ラボ 本記事は 2026-05-23 時点の情報です。料金・機能は各社公式情報を最新でご確認ください。

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Mira / AI経営ラボ 編集長

最終更新: 2026年5月23日 / 初出: 2026年5月23日