Make.com で monday.com→Trello プロジェクト同期 チーム連携自動化

プロジェクト型受託業務・制作会社・コンサル (中小企業・個人事業主) の業務自動化レシピ

業種: プロジェクト型受託業務・制作会社・コンサル (中小企業・個人事業主)

使用ツール: Make.com

難易度: ★★☆ 中

所要時間: 約 90 分

「社内は monday.com、外部協力者やクライアントは Trello」 — 中小の制作・受託現場でよくある二重管理を、Make.com で 90 分かけて 1 度組めば月 ¥2,250 程度で自動同期できます。本記事は編集部が組んだ「親 (monday.com) から子 (Trello) へ片方向に流す」 設計レシピです。

読了時間 約9分 / 設定所要時間 約90分 / 月額固定費 ¥2,250 から

編集長の見解 (Mira): 中小企業のプロジェクト管理ツールは「社内向け」と「外部共有向け」で別れていることが多く、Excel への二重転記や Slack スクショ共有で時間が溶けます。本レシピの本質は monday.com を「正本」と決めて、Trello を「読み手別の見た目」 として扱うこと。同期方向を明確に片方向にするだけで、運用が劇的に安定します。Make.com の視覚的シナリオは、IT 担当者がいない 5〜30 名規模でも自走できる現実解です。

このレシピで解決する課題

プロジェクト型の中小企業 (制作会社・コンサル・受託開発・士業の案件管理など) では、ツールの役割分担と情報同期に次のような問題が頻発します。

  1. 二重入力: monday.com に登録した案件を Trello にも手作業でコピー、月数時間〜十数時間の作業
  2. 更新漏れ: 片方のツールで進捗を変えたあと、もう片方の更新を忘れ「最新がどっち?」 が発生
  3. 外部協力者の閲覧権限: monday.com は社内向け契約で外部に開放しづらく、結果 PDF や Slack で共有
  4. クライアント報告の手間: 週次レポート作成のたびに monday.com の状態をスクショ + 整形
  5. 属人化: 同期作業が特定担当者の頭の中にしかなく、休んだ瞬間に止まる

これらは「正本を 1 つに決め、もう一方は自動派生」 という設計で根本解決します。Make.com の Watch / Action モジュールはこの構造に最適です (Make.com Integrations 一覧)。

なぜ monday.com → Trello の方向を選ぶか

比較軸monday.com を正本Trello を正本
情報の粒度カラム多数で詳細管理可カード + チェックリストの軽量モデル
外部共有しやすさ有料席が必要ボードを URL で外部公開可
編集部の評価案件マスタとして優秀受け手のための「読みやすい台帳」

monday.com 公式 (monday.com / Pricing) は案件・予算・期日・担当者を多列で抱える運用に向いており、Trello 公式 (Trello / Pricing) はリスト + カードの軽量モデルで外部閲覧者に優しい構造です。「重い管理は monday.com、見せる用に Trello」 という分業が、中小企業にとって最も合理的 と編集部は判断しています。

このため本レシピは monday.com を Watch (トリガー) 側、Trello を Action (受け手) 側 に固定し、片方向同期を採用します。次のセクションで全体フローを示します。

全体フロー (ProcessFlow)

monday.com → Trello 自動同期の全体像

設計のポイントは Router で分岐 を入れる点です。案件種別 (新規・継続・社内タスク) によって Trello 側の宛先ボードを切り替えると、クライアント別ボードを綺麗に運用できます。シンプルに 1 ボードへ集約する場合は Router を外しても動きます。

次は実際の設定手順を 5 ステップに分解します。

設定手順 (TimelineSteps)

合計の所要時間は 約 90 分 が編集部の実測値です。初回構築は IT に強くない担当者でも、Make.com の視覚的 UI のおかげで自走できる範囲です。

ここから先は、運用に入る前に確認すべき料金とマッピング設計を整理します。

料金と月コストの内訳

中小企業が現実的に始める構成と費用は次の通りです。

項目プラン月額 (税抜目安)編集部の評価
Make.comCore ($9)約 ¥1,400Free でも検証可、Webhook 安定運用は Core 以上推奨
monday.comBasic¥850 / ユーザー (年額契約時)Webhook 利用に必要な最低プラン (3 席〜)
TrelloFree¥01 Workspace あたりボード 10 個まで、外部共有用途なら十分
Slack (任意)Free¥0通知用、メッセージ履歴 90 日制限あり
合計 (3 席運用)約 ¥3,9505 席以上で固定費が増える点に注意

priceJpy で記すと月固定費は 約 ¥2,250 (1 ユーザー想定)〜 ¥3,950 (3 ユーザー想定) が中小企業の現実的レンジです。10 席を超える規模になったら monday.com を Standard に上げて自動化アクションを内製する選択肢も検討してください (monday.com Pricing 公式)。

費用が見えたら、次に重要なのが カラム → Trello フィールドのマッピング設計 です。

カラム / フィールド マッピング設計

monday.com の列を Trello の何にマップするかは、最初に決めておかないと後から修正が大変になります。編集部の推奨マッピングは次の通りです。

monday.com カラムTrello への反映先補足
アイテム名カード タイトル必須、案件名をそのまま使う
ステータスカードが置かれるリスト「未着手→進行中→完了」 をリストで表現
担当者カード メンバーTrello 側にも同名/同メールでアカウント必要
期日カード Due Dateタイムゾーン (Asia/Tokyo) を Make.com 側で固定
詳細メモカード DescriptionMarkdown 互換、リッチテキストは平文に変換
案件 IDカスタムフィールド (ID)重複防止の核、必ず保持
添付ファイルカード添付サイズ制限注意 (Trello Free 10MB/ファイル)

category-hint (記事分類のヒント): 本記事は automation-recipes カテゴリ に属し、Make.com を使ったプロジェクト管理ツール連携の自動化レシピです。同カテゴリの他レシピと内部リンクで結ぶことで読者の回遊を促します。

マッピングが決まったら、運用前に必ず想定される失敗を潰します。

失敗パターン

失敗 1: 双方向同期にしてループ無限ループ — 最初から monday.com⇔Trello の双方向にすると、Make.com のシナリオが互いに発火しあって無限ループに入る事故が頻発します。最初は片方向 (monday→Trello) で固定、双方向化は運用 1 ヶ月後に Webhook フィルタ (送信元の判定) を組み込んでから検討してください。

失敗 2: 重複カードの増殖 — Trello 側に「Create Card」 だけを置くと、monday.com で 1 アイテムを編集するたびに Trello に新カードが量産されます。Find Card → 無ければ Create、あれば Update の分岐を必ず入れ、monday.com アイテム ID を Trello カスタムフィールドに保存して照合キーにしてください。

失敗 3: 削除イベントの取り扱い — monday.com 側で削除したアイテムを Trello でも自動削除する設計にすると、誤操作で重要なクライアント向けカードを消す事故が起きます。削除は同期せず、ステータス「Archived」 に変更してリストを移動 する設計を編集部は推奨します。

編集部のヒント: Trello はボードを URL で外部公開できます (Workspace 共有 or Public)。クライアント向けには「Public ボード = 進捗の見える化」、社内向けには「Workspace 限定」 と使い分けると、monday.com の有料席を増やさず外部共有が成立します。Trello の Power-Up を併用すれば Calendar や Gantt 表示も無料枠で追加できます (Trello Power-Ups)。

これらの落とし穴を回避できれば、編集部の試算では月 10〜20 時間の二重入力工数が浮く構造になります。次に試算を提示します。

編集部によるシミュレーション (期待効果)

以下は 編集部による試算 です。実際の効果は業種・案件数・担当者数によって変動します。

前提: 制作会社 (担当者 3 名)、月案件 25 件、1 案件あたり monday.com 更新平均 8 回、Trello 同期手作業に 1 件あたり 5 分かかっていると想定:

指標Before (手動)After (Make.com 自動)
月の同期作業時間25 件 × 8 更新 × 5 分 = 約16時間エラー確認のみ約2時間
「最新どっち?」 の社内確認月 約10件 / 1件 10 分月 約1件
クライアント報告書作成週 約1時間 (スクショ整形)週 約15分 (Trello 公開ボードを URL で共有)
ヒューマンエラー (転記漏れ)月 約3-5件月 約0-1件

時給換算 ¥2,500 で見ると、月 16 時間圧縮 = 約 ¥40,000 の人件費抑制。月コスト ¥3,950 を差し引いても、月 約 ¥36,000 の余剰 が生まれる試算です。これに「クライアント報告の早期化による継続率向上」 という間接効果も加わります。

ただしこれは試算のため、自社の実数値で必ず再計算してから投資判断してください。次に法務・規約面の注意点を整理します。

注意点 (法務・規約面)

規約面の確認が済めば、運用中によくあるトラブルへの対処を最後に共有します。

トラブルシューティング

Q: Webhook が発火しない・遅延する

A: monday.com の Webhook は稀に再送遅延します。Make.com 側で Watch Item Updated の Maximum を 5 → 10 に増やし、シナリオ Scheduling を Immediately にしてください。15 分間隔のままだと体感遅延が出ます。

Q: Trello に重複カードができる

A: Find Card モジュールの照合キーが弱い可能性。monday.com アイテム ID を Trello カスタムフィールドに保存しているか、そのフィールドで Find しているかを再確認してください。タイトル一致だけだと改題で重複します。

Q: クレジット消費が想定以上

A: Make.com の Scenario history で重い行を特定。担当者変更・期日変更まで Watch していると消費が膨らみます。本当に同期したい列だけ Watch する ように絞ると 1 件あたり 5〜8 クレジットに収まります。

Q: ステータスとリスト名がずれる

A: monday.com 側のステータス値を変えた直後はマッピングが追従しません。Make.com の Router 条件をハードコードしている場合、ステータス値変更時に毎回手動で更新する運用ルールを決めるか、変換テーブルを Data Store に持たせる設計に切り替えてください。

まとめ

monday.com を案件マスタ、Trello を外部共有用ビューと位置付け、Make.com で 片方向同期 (monday→Trello) を組むだけで、中小の制作会社・コンサル・受託業務の二重入力は構造的に解消できます。月コスト ¥2,250〜¥3,950 程度の投資で、月 10〜20 時間の事務工数を浮かせ、クライアント報告も Trello 公開ボードで自動化できる設計です。

最大の効果は「正本がどっちか」 の社内議論が消えること。Make.com の Router と Find/Create 分岐を丁寧に組めば、IT 担当者がいない事業所でも 90 分で自走可能な仕組みになります。

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出典・参考情報


Mira / AI経営ラボ 編集長

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Mira / AI経営ラボ 編集長

最終更新: 2026年5月23日 / 初出: 2026年5月23日