Make.com で Typeform 回答→Notion DB に自動蓄積 アンケート集計を月5時間圧縮

アンケート集計・顧客の声分析 (店舗・スクール・士業・EC・コンサル) — 中小企業・個人事業主 の業務自動化レシピ

業種: アンケート集計・顧客の声分析 (店舗・スクール・士業・EC・コンサル) — 中小企業・個人事業主

使用ツール: Make.com

難易度: ★☆☆ 易

所要時間: 約 50 分

Typeform で集めたアンケート回答を、毎回スプレッドシートやNotionに手でコピペしている ── 中小企業・個人事業主の現場でよく見る光景です。Make.com を介して Typeform の回答送信を起点に Notion データベースへ自動蓄積すれば、転記と集計の手作業を月5時間ほど圧縮できます。本記事は編集部が実装した50分セットアップのレシピです。

読了時間 約9分 / 設定所要時間 約50分 / 月額固定費 ¥0-1,500

編集長の見解 ── アンケートツールと蓄積先データベースをつなぐ自動化で、最も多い失敗は 「集めた回答をどこにどう貯めるか」を決めずに始めてしまう ことです。Typeform の標準レポート画面は美しいのですが、自社の他データ (顧客リスト・売上・問い合わせ履歴) と横断分析しようとすると途端に窮屈になります。本レシピは Typeform を「入口」、Notion を「自社の分析基盤」と役割分担させ、Make.com が両者を黙々と橋渡しする構成です。回答が来るたびに Notion へ1行追加されるので、集計表は常に最新。月¥0 (Free 枠) から始められるため、まずは小さく試して効果を確かめられるのも中小企業・個人事業主に勧めやすいポイントです。

なぜアンケート回答は「集めて終わり」になりがちか

Typeform は回答率の高い美しいフォームを作れる優れたツールですが、集まった回答を「自社の文脈」で扱う には一手間かかります。店舗オーナーやスクール運営者、士業の方が顧客満足度アンケートを取っても、回答が Typeform 内に閉じたままだと活用しきれません。

課題1回あたり所要月50件 (週12-13件) で換算
回答を Notion / 表計算に手でコピペ約4分月 約 3.3 時間
自由記述コメントを分類・タグ付け約3分月 約 2.5 時間
集計表を週次で作り直す約30分/週月 約 2.0 時間
過去回答を探して比較する約5分月 約 0.8 時間 (週2回)
合計 (週12件、月50件想定)約12分/件平均月 約 8.6 時間

このうち 「回答の転記」と「集計表づくり」 は機械化できる領域で、合計の約6割を占めます。Make.com で「回答が送信された瞬間に Notion へ1行追加」する仕組みに切り替えるだけで、編集部試算で 月 約5時間 の作業が戻ってきます。

時給¥3,000 換算なら月¥15,000、年間¥180,000 規模の人件費圧縮に相当します。Make Free 枠 (¥0) で組めば投資回収はそもそも発生しない構造です。

続いて、編集部が実装した全体像を ProcessFlow で示します。

完成形のフロー (ProcessFlow)

Make.com × Typeform × Notion アンケート自動蓄積レシピ
📝
01
回答送信
回答者が Typeform のアンケートを送信すると Webhook が発火
📥
02
Make が受信
Typeform モジュールが回答データ (各設問の答え) を JSON で受け取る
🧹
03
回答の整形
設問ごとに回答を取り出し、点数・選択肢・自由記述に振り分け
🏷️
04
カテゴリ付与
満足度スコアに応じて「高評価 / 要フォロー」などのタグを自動設定
🗂️
05
Notion DB 追加
「アンケート回答 DB」に新規ページを作成し、各設問の回答を保存

Typeform 回答送信 → Make で受信 → 回答整形 → Notion DB に1行追加、までを自動制御

ポイントは Step 03 で回答を設問ごとに正しく取り出す ことです。Typeform の回答は設問の「フィールド ID」で識別されるため、ここのマッピングを丁寧に組むと、後段の Notion 集計が一気に扱いやすくなります。

次セクションでは、このフローを動かす最低限のツール構成を整理します。

必要なツール (中小企業・個人事業主向け最小構成)

ツールプラン月額 (税別)役割
Make.comFree (月1,000 オペレーション)¥0フロー全体の制御 (上位プラン: Core 約¥1,500)
TypeformFree / Basic¥0 〜 約¥3,600アンケート・問い合わせフォーム作成
Notionフリープラン (個人)¥0回答データベース (チーム共有時は ¥1,650/ユーザー)

合計: 月 ¥0 から開始可能 (Typeform Free + Notion 個人プラン + Make Free 枠)。Typeform の Free プランは月10回答までの制限があるため、回答数が増えたら Basic プラン (月 約¥3,600 / 100回答) 以上が現実的です。

オペレーション消費の試算: 1件の回答処理あたり Make モジュール 2-3 個 (Webhook 受信 / 整形 / Notion ページ作成) を通過します。月100件で 200-300 オペレーション、月300件で 600-900 オペレーション となり、Free 枠 (1,000 オペレーション) の範囲に収まります。

編集部の判断: アンケート用途は回答数が読みやすいため、Free 枠で十分まかなえるケースが大半です。月400件を超える運用が見えてきたら Core プラン (約¥1,500 / 10,000 オペレーション) への切り替えが現実的です。

💡 Make の「オペレーション」とは

1つのモジュールが1回実行されると1オペレーションを消費する仕組みです。本レシピは1件あたり2-3オペレーションなので、月1,000オペレーション枠 = 月 約 330-500 件の回答処理上限と覚えておくと見通しが立ちます。詳細は Make.com Pricing を参照してください。

続いて、実装手順を TimelineSteps で示します。

設定手順 (約50分)

Make.com × Typeform × Notion アンケート蓄積 セットアップ

Step 1: Typeform でアンケート作成 (10分)

Typeform にログインし、アンケートを作成します。中小企業・個人事業主向けの典型構成は以下です。

  1. 満足度スコア: Opinion Scale (1-5 / 1-10) または Rating で数値化
  2. 選択肢設問: Multiple Choice (来店きっかけ・利用頻度など)
  3. 自由記述: Long Text (改善要望・感想)
  4. 連絡先: Email (フォロー連絡が必要な場合)

各設問の Field ID は、Make でのマッピング時に「どの回答がどの設問か」を識別する鍵になります。設問が多いアンケートほど、ここを丁寧に控えておくと後段が楽になります。

Step 2: Notion で「回答 DB」作成 (10分)

Notion で新規ページを作り、Database (Full page) を選択します。プロパティ構成例は以下です。

プロパティ名種類用途
タイトルTitle回答の識別名 (回答日時+回答者名などを自動充当)
回答日時DateTypeform に回答が送信された日時
満足度Numberスコア設問の数値
カテゴリSelect「高評価 / 普通 / 要フォロー」等の自動分類
来店きっかけSelect選択肢設問の回答
自由記述Rich textコメント・改善要望
回答者メールEmailフォロー連絡用 (任意設問の場合は空欄可)

データベース URL から Database ID (URL の / 直後の32桁英数字) を抜き出してメモします。例: https://www.notion.so/your-workspace/abcdef1234567890abcdef1234567890?v=... の場合、abcdef1234567890abcdef1234567890 が Database ID です。

Step 3: Notion Integration を作成 (10分)

Notion My Integrations にアクセスし、New integration を選択します。

  1. Integration name: 自由 (例: MiraQuill Survey Auto)
  2. Associated workspace: 回答 DB がある Workspace を選択
  3. Type: Internal を選択 (公開不要)
  4. 作成後 Internal Integration Token をコピーしてメモ

続いて回答 DB の Notion ページを開き、右上の ...ConnectionsAdd connections で先ほどの Integration を選択して接続します。この接続を忘れると Make 側が「permission denied」で 403 を返す ため、必ず実施してください。

Step 4: Make シナリオで Typeform トリガー追加 (10分)

Make.com にログインし、新規シナリオを作成します。

  1. 最初のモジュールに Typeform → Watch Responses を選択
  2. Connection を新規作成し、Typeform アカウントを OAuth 認証で接続
  3. Form で対象アンケートを選択
  4. 「OK」→ 保存

このとき Make が Typeform 側に Webhook を自動登録 します。Typeform の管理画面の Connect → Webhooks に Make の URL が追加されていれば成功です。手動で Webhook を作る必要はありません。

公式ドキュメント参考: Typeform Developers - Webhooks

Step 5: Notion 作成モジュールを接続 (8分)

Notion → Create a Database Item モジュールを追加し、回答 DB を選択。各プロパティへ Typeform の値をマッピングします。

Notion プロパティTypeform 側のマッピング
タイトルsubmitted_at + 回答者名 を連結
回答日時submitted_at (回答送信日時)
満足度スコア設問の answer.number
来店きっかけ選択肢設問の answer.choice.label
自由記述自由記述設問の answer.text
回答者メールメール設問の answer.email

満足度に応じた カテゴリの自動振り分け を入れたい場合は、Notion モジュールの前に RouterTools → Set variable を置き、「満足度 4 以上なら高評価、3 なら普通、2 以下なら要フォロー」のように条件分岐します。これで、低評価の回答だけを後から抽出して個別フォローする運用が可能になります。

満足度カテゴリ判定の式 (Set variable の例):
  {{ if(1.answer.number >= 4; "高評価"; if(1.answer.number = 3; "普通"; "要フォロー")) }}

Notion API のページ作成仕様: Notion API - Create a page

Step 6: テスト実行と本番化 (2分)

Make シナリオ右下の Run once を押した状態で、Typeform の公開リンクから実際に1件回答を送信します。5-10秒以内に Notion DB に新規ページが現れれば成功です。

確認できたら、シナリオ左下のスイッチを ON にし、スケジュールを「Immediately」(即時) に設定して本番稼働に切り替えます。以降は回答が届くたびに自動で Notion に1行追加されます。

続いて、編集部が試算した導入前後の業務指標を整理します。

Mira のシミュレーション (期待効果の試算)

以下は 編集部による試算 です。実際の効果はアンケート頻度・設問数・既存の集計体制により変動します。 背景: 中小企業庁「中小企業白書」では、事務・管理業務に関わる時間は従業員あたり相応の比率を占めるとされており、定型転記作業の自動化余地は大きいと指摘されています。

前提: 店舗・スクール・士業など (従業員 1-20 名)、月のアンケート回答約 30-50 件、担当者は週1-2回まとめて集計する想定:

導入前後の業務指標 (編集部の試算)
Before (手動でコピペ集計)
  • 回答集計・転記の工数: 月 約 8.6 時間
  • 転記ミス・抜け漏れ: 月 2-4 件
  • 低評価回答への気づき: 週次まとめ時 (最大7日遅延)
  • 回答データの検索性: 低 (Typeform 内に分散)
After (Make 自動蓄積)
  • 回答集計・転記の工数: 月 約 3.6 時間 (-5.0h)
  • 転記ミス・抜け漏れ: 0 件 (自動マッピング)
  • 低評価回答への気づき: 回答直後 (カテゴリ自動分類)
  • 回答データの検索性: 高 (Notion 全文検索)

月 約5時間削減 = 時給 ¥3,000 換算で月 ¥15,000、年間 ¥180,000 の事務工数圧縮

時給¥3,000 換算で月¥15,000、年間¥180,000 規模の効果が、月 ¥0 (Make Free 枠) の投資で得られる試算 です。投資対効果 (ROI) としては実質「無料で得られる純利益」です。

次に、編集部が現場で見てきた失敗パターンを3つ整理します。

編集部の警告 (失敗パターン)

失敗パターン 1: Webhook が承認されず発火しない

Typeform を Make に接続した直後、テスト回答を送っても Make が反応しないことがあります。多くの場合、Typeform 側の Webhook が「未承認 (unverified)」状態のままです。Make でシナリオを一度保存し、左下のスケジュールを ON にしてから再度テスト回答を送ると承認されます。それでも動かない場合は Typeform 管理画面の Connect → Webhooks で URL を確認してください。Typeform Webhooks ドキュメント

失敗パターン 2: 設問の Field ID 取り違えで回答がズレる

Typeform の回答は設問の Field ID で識別されます。設問の順番でマッピングすると、後からアンケートに設問を1つ追加・削除した瞬間に、すべての回答が1列ずつズレて Notion に保存される事故が起きます。必ず Field ID (または設問の固有 ref) でマッピング し、アンケートを編集したら Make 側のマッピングも見直してください。

失敗パターン 3: Notion の Select 値が増殖する

「来店きっかけ」などの Select プロパティに Typeform の自由記述をそのまま流し込むと、Notion 側で表記ゆれの選択肢が無限に増えていきます (「友人紹介」「友達の紹介」「知人から」が別タグ化)。Select に入れる項目は Typeform 側で選択肢設問 (Multiple Choice) に限定 し、自由記述は Rich text プロパティに分けてください。

続いて、月¥0 の運用をさらに広げたい場合の補助金活用案を編集部から提案します。

補助金活用 (編集部の提案)

💰 IT 導入補助金 + 小規模事業者持続化補助金

本レシピ単体は月¥0 で運用可能ですが、アンケート基盤を 顧客管理 (CRM) や売上分析と連携 させる場合、Notion 有料プラン (チームプラン ¥1,650/ユーザー)、Typeform 上位プラン、Make 上位プラン、導入支援費を含めると IT 導入補助金 2026 (最大¥450 万、補助率 1/2 - 3/4)小規模事業者持続化補助金 (最大¥200 万) の対象になり得ます。詳しくは IT 導入補助金 2026 / 小規模事業者持続化補助金 2026 の解説記事を参照してください。

なお、補助金の採択 (申請が通ること) は要件審査次第で必ずもらえるものではありません。事業計画書には本記事の自動化レシピを「顧客の声を経営判断に生かす業務改善施策」として位置付けると、加点要素になりやすい傾向があります。

関連レシピ

導入を進める前後で、以下の関連レシピも合わせて検討すると効果が拡張できます。

まとめ

Typeform で集めたアンケート回答を「Notion データベースに自動蓄積する」運用は、月 ¥0 (Make Free 枠 + Notion 個人プラン) の初期投資で 月 約5時間の事務工数削減 が現実的に達成できます。Make Free プランの 1,000 オペレーション枠は、月300-500件規模の回答処理まで十分まかなえる試算です。

重要なのは「Typeform を入口、Notion を分析基盤」と役割を分け、設問の Field ID で正確にマッピングすることです。50分のセットアップさえ乗り越えれば、回答が来るたびに集計表が自動で最新化され、低評価の声にもその日のうちに気づける体制に変わります。

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出典・参考情報


よくある質問

Q. Make Free プラン (月1,000 オペレーション) で本当に足りますか?

編集部の答え: 月300-500件規模の回答処理までなら足ります。1件あたり2-3オペレーション消費するため、月300件で 600-900 オペレーションの試算です。月400件を超えるようなら Core プラン (月¥1,500 / 10,000 オペレーション) への切り替えを検討してください。

Q. Typeform の Free プランでも使えますか?

編集部の答え: 仕組み自体は動きますが、Typeform Free は月10回答までの制限があります。本格的にアンケートを回すなら Basic プラン (月 約¥3,600 / 100回答) 以上が現実的です。回答数が少ない検証段階なら Free で試し、効果を確認してから有料プランに上げるのが堅実です。最新の料金は Typeform 料金ページ で確認してください。

Q. Google フォームでも同じことはできますか?

編集部の答え: できます。Make には Google フォーム用のモジュールもあるため、トリガー部分を差し替えれば同じ Notion 蓄積フローが組めます。ただし Typeform は回答率が高く、選択肢・スコア設問の構造が Make で扱いやすいため、本レシピでは Typeform を採用しています。すでに Google フォームを使っているなら無理に乗り換える必要はありません。

Q. 過去に集めた回答もまとめて Notion に取り込めますか?

編集部の答え: 本レシピの自動フローは「新規回答」が対象です。過去回答は Typeform から CSV でエクスポートし、Notion の「Import → CSV」で一括取り込みするのが手早い方法です。自動フローと手動インポートを併用すれば、過去分と今後分の両方を Notion に集約できます。

Q. 自由記述コメントを AI で自動分類できますか?

編集部の答え: 可能です。Step 5 の Notion 作成前に、Make の OpenAI / Anthropic モジュールを挟み、「このコメントを 価格 / 接客 / 品質 / その他 に分類して」とプロンプトを投げれば、分類結果を Notion の Select に保存できます。ただし AI モジュールは1件あたりオペレーション消費と API 利用料が別途かかるため、回答数が多い場合はコストを試算してから導入してください。


本記事の数値・事例のうち、「編集部のシミュレーション」「編集部の提案」と明示された箇所は編集部による試算・推論です。実際の効果は事業特性により変動します。事実関係 (機能・料金) は各社公式情報源を確認のうえご判断ください。

編集長 Mira / AI経営ラボ 本記事は 2026-06-04 時点の情報です。料金・機能は各社公式情報を最新でご確認ください。

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Mira / AI経営ラボ 編集長

最終更新: 2026年6月4日 / 初出: 2026年6月4日